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Fortnite(フォートナイト)の主張:アフターマーケットは誰のもの?(2/2)

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(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。 一方のEpicは…

Appleに対抗するEpic・Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。

一方のEpicはアプリ配信というのはそもそも、スマートフォンプラットフォームの一次市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。Epicはつまり裁判所は本件で関連する独占禁止法上の市場をアフターマーケットに見るべきだと主張しているのだ。これは独自のブランドと市場性を持ち、決して単なる一商品の一サービスが所有するものではない、と。

ということでEpicはあくまで「スマートフォンのプラットフォーム上でのAppleの権利」を争っているのではなく、この「アフターマーケットで」Appleが独占的な振る舞いをしていると主張している。Epicはこの考え方により、Appleは他の市場で消費者が利用できる選択肢(ウェブサイトからアプリをダウンロードするなど)を遮断していると指摘する。

AppleがEpicのApp Storeへのアクセスを遮断して以来、Epicは法廷で、iOSのデイリーアクティブユーザーが60%減少したと明らかにしている。しかし公聴会では、明らかに裁判官がAppleを支持しているように感じられた。というのもFortniteが他の多くの場所でも30%の手数料を支払わなければならない以上、Appleの市場もまたオリジナルのものであり、Epicの弁護士の主張は取るに足らないと考えているようだった。判事のGonzales Rogers氏はにべもなくこのようなコメントを示している。

「あなたの顧客が属するビデオゲーム業界では30%の手数料が業界のレートのようです。例えばSteamは30%を請求していますし、Google、Microsoftも30%を課金しています。コンソールではPlayStation、Xbox、Nintendo、GameStop、Amazon、Best Buyが30%を請求しています。しかしあなたの顧客はそうじゃないという。どこに独占があるのでしょうか?」。

Cravath, Swaine, & Moore法律事務所でEpic Gamesの弁護士を務めるGary Bornstein氏は公聴会で、iOS上のFortniteプレイヤーの63%がiOS上でのみプレイできる状況にありながら、AppleがEpicに対してプラットフォーム上に独自のストアを持つことを禁止しているのは独占以外のなにものでもないと主張している。

AppleはEpicのCEO、Tim Sweeney氏の証言に基づき、1日の平均的なプレイヤーの約90%が競合プラットフォームを経由してFortniteにアクセスしていると指摘している。またAppleは、EpicがAppleのサービスから利益を得ており、それが料金を徴収する理由のひとつになっていると述べている。例えば、AppleはFortniteでは、Apple独自のAPI(Application Programming Interface)フレームワークやクラス(Metalなど)を400件以上使用している。また、Appleは過去にもFortniteのプロモーションを行ったことがあることも付け加えた。

陪審員裁判は2021年の7月に開始される可能性があるが、上訴はさらに長くなる可能性もある。この訴訟のUnreal部分について裁判官は「双方の裁判は自由だが、Epic GamesとAppleはデジタルフロンティアの未来のためにこの争いが傍観者を混乱させるようなことがあってはならない。また、社会的な興味はUnreal EngineとEpicの関連会社に圧倒的に有利に働く」と言及した

Appleに対抗するためにEpicはSpotify、Tile、Basecamp、Blix、Deezer、Blockchain.com、SkyDemon、ProtonMail、Schibsted、European Publishers Council、The Match GroupなどのApple批判者とともに、App Fairnessのための連合を設立している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はやっぱりiOSに戻ってこない(1/2)

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連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。 一連の独占…

連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。

一連の独占禁止法違反訴訟は、8月13日にEpicがFortniteの割引ポリシーと直接課金の仕組み発表したことで勃発し、AppleとGoogleはそれぞれの利用規約に違反したと判断した。EpicのCEOであるTim Sweeney氏は、大手企業がゲーム課金ごとに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicはアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきと長年主張してきている。Epicは自社ストアの開発者向けの手数料として12%しか徴収していない。

EpicがiOS版のFortniteを修正し、プレイヤーがバーチャルグッズの料金をEpicに直接課金できるようにした後、AppleはFortniteをApp Storeから削除した。またAppleは、EpicのUnreal Engineをサポートしないとも公表している。Epicはその後、カリフォルニア州オークランドの裁判所に対し、Fortniteを復活させ、AppleによるUnrealへのサポート停止行動を阻止するよう求めた。

これらの一連の判決は独占禁止法裁判の過程で、EpicがiOSでのFortniteの収益を失う可能性が高いことを示唆している。一方、EpicのUnreal Engineの顧客はというと、Appleが技術サポートを引き払うことで自分のゲームがAppleのiOSとMacプラットフォームで動作しなくなることを心配する必要はもうなくなった、ということを意味している。

Epicは追い出しの原因となった直接課金の修正をすることで、将来的にはFortniteを復活させることは可能だとしている。しかし、Appleがそれを許可するのか、それともEpicにペナルティ期間を待たせるのかは不明だ。

Epic Gamesは声明の中で「Epic Gamesは訴訟が続く中、AppleがUnreal Engineと当社のゲーム開発顧客に対する報復行為を禁止されることを歓迎いたします。当社は裁判所の保護の下でiOSとMac向けの開発を継続し、Appleの反競争的な行為を終わらせるためにあらゆる手段を追求していきます」と述べている。

この論争は何年も続く可能性がある。一方、今回の一時的な禁止命令の要求に対する判決は、連邦裁判所の判事たちがこの事件の是非についてどう考えているのかを知るための最初の兆候となる可能性がある。

Appleは声明の中で、「私たちのお客様はすべての開発者が同じルールに則ることで、App Storeが安全かつ信頼できる場所になると考えております。裁判所が、Epicの行為が自社の顧客にとって最善の利益になるものではなく、顧客が遭遇したかもしれないいかなる問題も、自らが規約違反によって巻き起こしたものであると認めていただけたことを歓迎いたします。12 年間にわたり、App Store は奇跡的な成功を遂げ、大小を問わず開発者に変革的なビジネスチャンスをもたらしてきました。私たちは来年、この革新とダイナミズムの遺産を裁判所と共有できることを楽しみにしています」とコメントした。(次につづく)

 

Apple v.s. Epic: 3.5億人が遊ぶFortnite(フォートナイト)iOSユーザーのゆくえ(6/6)

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興味深い数字たち (前回からのつづき)GamesBeatでは、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利益の重要な指標である利払い税引前・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7億3000万ドルとお伝えしている。一方のAppleはiPhoneの売上が1,464億ドル、iPadの売上が205億ドルで合計1,669億ドルで、これがAppleのiOS関連の売上の91%を占めて…

Fortniteのホリデーイベントは、2018年のクリスマスのそれと人気の比較ができなかった/Image Credit: Epic Games

興味深い数字たち

(前回からのつづき)GamesBeatでは、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利益の重要な指標である利払い税引前・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7億3000万ドルとお伝えしている。一方のAppleはiPhoneの売上が1,464億ドル、iPadの売上が205億ドルで合計1,669億ドルで、これがAppleのiOS関連の売上の91%を占めている。

Appleは1月、2008年のApp Store開設以来、開発者に1,550億ドルを支払っており、そのうちの4分の1にあたる388億ドルが2019年に支払われると報告している。Appleと開発者の間で収益が30対70の割合で分配されると仮定すると、これは2019年のAppleの収益が166億ドル、つまりEpicの収益の4倍になることを意味する。

Appleは、App Storeにある170万個のアプリのうち84%が無料であり、Appleは名目上の99ドルの年会費を除いて、これらのアプリから手数料を徴収していないと主張している。Appleは2009年にApp Storeを導入して以来、他のアプリから30%の手数料を取ってきた。しかし2016年、Appleは初年度以降に更新するサブスクリプションのコミッションを30%から15%に引き下げている。

Epic側は、Epic Games Storeのユーザー数は1億6000万人、開発者数は200人、ゲーム数は300本だと述べる。Epicは過去8年間で、Unreal Engine 4のアップデートを25回実施した。

Fortnite(フォートナイト)の規模は?

FortniteのiOS登録ユーザー数は1億1600万人で、そのうち63%がiOSのみでプレイしていたことがわかっている。またEpicは、iOS向けのデイリーアクティブユーザーが切断されてから60%減少していることを伝えている。Fortniteの登録ユーザーは3億5,000万人を超えており、それらのユーザーは28億6,000万時間プレイしているそうだ。

Travis Scott氏の最近のFortniteでのコンサートは2,700万人のユーザーを集め、そのうち200万人がiOSを利用していた。EpicはFortnite のこのようなソーシャルな側面がメタバース的であり、他のソーシャルネットワークを凌駕するものであると考えている。

Epic Gamesは、4月21日(FortniteがGoogle Playストアで利用可能になった時)から8月12日(FortniteがAppleのApp Storeから削除される前の最終日)までの間、モバイルでアカウントを作成した新規プレイヤーのうち、61%以上がiOSでアカウントを作成したと法廷に報告している。

ワイルドカード

このすべての法的な論争は、テック・ジャイアントたちが関与する別の論争の真っ最中に発生した。これによりAppleは、広告主のための識別子(IDFA)を廃止する動きを遅らせなければならなかったし、議会はApple、Google、Facebook、AmazonのCEOを委員会に招集し、反競争的な慣行の可能性について質問することとなった。もし議会や政府機関がこれらの企業が反トラスト法に違反していると認めた場合、より厳しい規制を踏み切るため、連邦政府での訴訟に発展する可能性がある。

つまりAppleとEpicに何が起こったとしても、この論争は長引く可能性があるということだ。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple v.s. Epic: 「特別待遇」要求はあったのか(5/6)

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論争の背景にあるもの (前回からのつづき)Epicは、ユーザーが直接Epicに課金できる代替アプリストアを望んでいる証拠があると主張している。同社によれば、Fortnite(フォートナイト)のiOSユーザーの54%が、8月13日から27日間にかけて同社が実装した直接課金を利用したと述べている。 筆者はEpicがなぜ直接課金の導入を拒否された時点でAppleを訴訟しなかったのか不思議であった。後から…

Appleに反抗するEpic/Image Credit: Epic Games

論争の背景にあるもの

(前回からのつづき)Epicは、ユーザーが直接Epicに課金できる代替アプリストアを望んでいる証拠があると主張している。同社によれば、Fortnite(フォートナイト)のiOSユーザーの54%が、8月13日から27日間にかけて同社が実装した直接課金を利用したと述べている。

筆者はEpicがなぜ直接課金の導入を拒否された時点でAppleを訴訟しなかったのか不思議であった。後から考えればこれは明らかに、EpicがAppleに対して同社ユーザーが直接課金を望んでいるかの証明を明確にしたかったからだと推測される。

同じ週、FortniteのiOSデイリーアクティブユーザーは60%減少した。この背景には、Appleがアプリのダウンロードを遮断したことやアップデートをできないようにしたことが挙げられるだろう。またEpicは、iOSのFortniteユーザーの内63%はiOSのみでアプリにアクセスしていることを明かしている。

AppleはiOS14における、開発者向けAPIに対し多額の投資をしている。加えて、同社はAppleCareを通し年間2500万件以上のカスタマーサービスにて、5億ドル程の返金手続きに対応しているそうだ。また、iOSアプリの経済圏が世界で最も急成長を遂げていると主張し、米国においては270万件の雇用を創出していることを明示している。

加えて、同社はEpicが主張するような独占禁止法に触れた行動はとっていないとも主張する。AppleのEpicに対する昨年売り上げ18億ドルの内、12%のみがiOSから発生したものだったと結論付けている。

事実関係を巡るやり取り

The Epic Gamesイベント「GDC 2019」/Image Credit: GDC

Appleは、既にEpic陣営より事実と異なると主張される可能性の高い選択肢の道を選び始めている。8月13日時点でiOSユーザーがFortniteをアップデートしようとすると「開発者がストアからアプリを削除しました」と表示さるようになった。しかし、実際にはAppleが主体的に削除したものであり、これはEpicも偽りであると主張している。ここから分かるように、両者ともにユーザーへの印象付けを始めていることが分かるだろう。

さらに興味深いのはAppleが主張する、EpicのTim Sweeney氏による「特別待遇」の件だ。同社は6月30日に同氏がAppleのティム・クック氏へ向けたメールを引用し、そのような主張をしている。

「Epicは収益性の高さから、他と同等の扱いをされることを拒む姿勢をみせていました。Epicは公の場で、誰からも特別待遇は受けるつもりはないと公言しています。しかし、同氏は直接課金をAppleに対して要求するサイドレターを送っています」。

しかし、この主張は事実と正反対だということが明らかになっている。Sweeney氏はTweetにて、同社はAppleに対して公正な条件を依頼していたと述べている。つまり、同社は特別扱いを要求するメールなどしておらず、これまで外部的に見せてきた態度と同じ姿勢をAppleへ示し続けていたのだ。(最終回につづく)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple v.s. Epic:独占禁止というユーモア(4/6)

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独占禁止というユーモア (前回からのつづき)Appleは独占禁止法に対して、ユーモアを交えた見解を示している。同社は一時的な差し止め命令(TRO)は意図しない不可抗力な間違いを救済するために存在するのであって、「自業自得」な間違いを簡単に修復するものではないと主張した。これは、Epicが無能で貪欲な行動を取る存在であると位置づけ、Appleを本質的な被害者と仕立て上げているような見せ方となっている…

独占禁止というユーモア

(前回からのつづき)Appleは独占禁止法に対して、ユーモアを交えた見解を示している。同社は一時的な差し止め命令(TRO)は意図しない不可抗力な間違いを救済するために存在するのであって、「自業自得」な間違いを簡単に修復するものではないと主張した。これは、Epicが無能で貪欲な行動を取る存在であると位置づけ、Appleを本質的な被害者と仕立て上げているような見せ方となっている。同社はEpicとの訴訟問題を次のように捉えていると語る。

「Epicの訴訟は基本的な資金を巡る意見相違以外の何物でもありません。Epicは自らを現代のロビン・フッドのように描いていますが、実際は既に数十億ドル規模の企業にも関わらず、App Storeの利益だけを享受し、無償で利用することを望んでいます。同社が主張する特別措置待遇は、そうした明白な契約違反を鑑みれば折り合いがつきません。なお、Epicはゲーム開発者の売り上げからコミッションを得たり、消費者に「V-Bucks」をバンドルさせ99.99ドルも課金させるなどの対応をしています」。

AppleはEpicが何年にもわたり、App Storeのツール、技術、ソフトウェア、マーケティング、ユーザーリーチの面で利益を享受してきたことを挙げる。確かにApp Storeは世界175カ国の10億人に対し、iOSを通したサービスをリーチさせることのできるプラットフォームであり、同社もその有用性を認めた2700万人のアプリ開発者の内の一人である。

また、AppleはEpicが事前にストーリー仕立てにしたパロディービデオと、「TRO」を用いて抗議キャンペーンを展開したことについて強く非難している。同社は「Epic側がゲームプレイヤーや開発者が被っていると主張する損害は、同社が契約違反することなく訴訟に動いていればれば回避できたことかもしれない」と述べている。

EpicにとってiPhoneは起爆剤だったと主張するApple/Image Credit: Apple

Appleはさらに、Epicが求める緊急救済(TRO)に応じることは、App Store全体のエコシステムを脅かすことに繋がりかねないとの見解を示した。同社は、仮にEpicが主張するTROを認めれば、開発者が規約違反を犯し、App Store全体のセキュリティーを危険にさらし、Appleへの支払いを回避するなどの行動を起こしやすくなると述べる。そしてまさに、Epicはそのような状態が起きることを望んでいるように思える、と同社は語っている。

必要不可欠な存在か

独占禁止法は、必要不可欠な実態の利用を拒んだ際に適応されることが多い。しかしAppleは「必要不可欠な実態に関するセオリーは、独占禁止法に抵触するからと言って、他の財産や特権に対してアクセス権限を主張するものではないことを裁判所は充分に理解している」と主張する。

また、同社はEpicがiOSへのアクセス拒否を実行したと主張しているが、これは「全くの虚偽」であると述べている。これは、同社がFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除した後も、既存のFortniteのiOSユーザーに対し直接課金を継続したからだと指摘している。AppleはApp Storeが公共事業でないことを強調し、「Epicには、App Storeが提供することが可能な全ての権利を無償で享受する権利はない」としている。

「Epicと同社のCEOは、2008年以来全ての開発者に提供してきた21世紀のもっとも革新的なプラットフォームであるApp Storeの規約に対し異議を唱えていますが、これは同社の収益を最大化させないという理由のみに紐づいた主張なのです。App Storeは書状そのものに革命を起こし、Epicを含むあらゆる開発者・ユーザーに大きな利益をもたらしてきました。AppleはEpicの根拠なき主張に対ししかるべき対応を講じていきます」。

つまりAppleは、数々のアプリケーションはApp Storeあってこそ誕生したものであり、そこに収益構造が敷かれ、その役割報酬を受けるべきだと主張している。続けて、もし革新的な技術でApp Storeが存在していなかったのなら、ユーザーそのものがいなかったことになると述べている。また、同社決済システムは、支払いが確実に行われることを保証する手段であることも付け加えた。

開発者による支払いがあってこそAppleの仕組みは維持される

「開発者が決済をアプリ外で回避できるのであれば、Apple Storeの商品をそのまま万引きしている状態と大差はありません。つまり、Appleの商品に対してAppleが対価を頂けないのです」。

また、Appleは手数料を介した収益モデルは同社に限ったものではないとしている。

「GoogleのPlay Store、AmazonのAppstore、Microsoft StoreやXbox、PlayStation、Nintendo、Steamなどの多くのビデオゲームにおけるデジタルマーケットプレイスでは、公式決済機能を設け、ほぼ同様な手数料要件を要求しています」。

Appleは長年にわたり、App Store並びにiOSのセキュリティー対策を大きな資金をかけて講じてきた。しかし、Fortniteなどがアプリ内で独自の直接決済システムを導入した場合、セキュリティー脆弱性を大いに強まらせる要因に繋がりかねないとしている。同社はEpicが主張する要求に理論的なものはないとの見解を示す。

Appleは2018年にEpicがFortniteをGoogleのPlay Store外部からダウンロード可能にし、結果的にマルウェアを配信するサイトが登場した過去を指摘した。Appleは2019年までに、EpicがiOS以外のFortnite側が脆弱性により、何億人もの単位でハッキングの危険にさらされていることを認めたと述べる。

「Appleでは、こうしたiOSプラットフォームのセキュリティーに関わることをどの開発者にも委託していませんが、特にEpicはセキュリティーに関わる責任を任せることができない存在です」

なお、EpicはAppleの指摘に対しセキュリティー問題を大きく誇張したものだと反論している。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple vs Epic:Appleの言い分(3/6)

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Appleはメタバースを脅かす、という主張 (前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashやReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的…

Appleはメタバースを脅かす、という主張

メタバースはEpic対Appleの戦いの犠牲者になる可能性がある/Image Credit: Sansar

(前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的で永続的なインタラクティブな仮想空間と表現している。

Epicは、Fortniteがメタバース特有の多くの特徴を持っていると考えているようだ。

「深いコミュニティが存在し、永続的な社会的つながりを中心とする没入体験であり、誰にでもなれる遊び場でありながら、真の本物の自分を表現することができる」。

Epic はゲームのソーシャル空間におけるアイデアの流れを、FacebookやSnapchatなどに対抗し、それに取って代わる可能性があるとしている。Epic は「大手テック企業がメタバースのフロンティアに注目して多額の投資をしている。Fortniteはこのレースで優位に立っている」と言及している。

加えてEpicは、Fortniteのメタバースへの進化が成功するかどうかは、大規模なユーザーベースを持つかどうかにかかっており、潜在的な新規ユーザーにとって、その点がFortniteでの活動をより良い体験にするとしている。つまり、モバイルユーザーがそのユーザー基盤に対して非常に重要な役割を果たすとしているのだ。

1億1,600万人以上の登録ユーザーがiOSからFortniteにアクセスしており、これは他のどのプラットフォームよりも多くなっている。彼らはアプリで28億6,000万時間以上を費やしており、これらのプレイヤーの多くをFortniteから排除し、10億人以上のiOSユーザーにアクセスする能力をブロックすることは、AppleはEpicのチャンスを取り返しのつかないものにする可能性がある。Epicはその点において、Appleがメタバースを生み出す能力を脅かしていると主張しているのだ。

Appleは当然ながら、この主張を簡単に退けている。

Appleの主張

Appleのティム・クックCEOはプライバシーに全力で取り組む/ Image Credit: Apple/VentureBeat

AppleはEpicを 「卑劣な攻撃」と称して、事前に訴訟のための下準備をしていたことを批判した。Appleは、EpicがFortniteを修正して独自の直接課金システムを使用できるようにするために、「修正プログラム(Hotfix)」という裏技を使用したと指摘している。Epicの技術幹部は、このような修正プログラムは業界では非常に一般的であり、これはAppleがデジタル版「トロイの木馬」と表現するようなものには値しないとしているが、Appleは修正プログラムは明らかにセキュリティと支払いシステムを回避するために計画されたものであったと主張している。

EpicはAppleがFortniteを切断し、Unreal Engineのプラグを抜くと脅したことで緊急事態が勃発したとしているが、Appleはこの状況を「自業自得」と切って捨てた。一方、Appleは訴訟が係争中の間、Epicが手数料を支払うことで簡単に以前のバージョンのFortniteがApp Storeに復帰できるともしている。

「Epicがここで提起した被害は回避可能なのです。AppleはFortniteであれUnreal Engineであれ、Epicの顧客に対する主張されている被害は、Epic自身によって終息させることができるのです。Epicが危険に晒されていると主張しているユーザーや開発者は、Epicが持ち込んだスキームに契約違反が含まれており、その救済を求めて裁判所に駆け込んだことで不利益を被っているにすぎません。Epicは彼ら自身が顧客と開発者をこのような立場に追い込んだのであって、Apple ではないのです」。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple vs Epic:独占禁止法の議論と浮かび上がる興味深い事実(1/6)

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Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。 対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内…

Travis ScottのFortnite内コンサートは2770万人の視聴者を集めた。iOSでは200万人が視聴している/Image Credit: Epic Games

Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。

対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内で発表した、割引ポリシーと直接課金の仕組みだ。

これはAppleとGoogleがそれぞれの利用規約に違反していると指摘している。EpicのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、大手企業がゲームに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicがアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきだと長年主張している。これはすなわち、AppleのiOSプラットフォーム上でのアプリ配信と内部課金がパソコン上と同じようにオープンになるべきという主張にほかならない。

AppleとGoogleはFortniteを禁止した。

そしてAppleはEpicが他の開発者が得られなかった「有利な取引」を自分たちで得ようとしたという主張で反撃することになった(ちなみにこれは下記の通り簡単に反論されている)。

Appleは大きな財政的リスクを負ってiOSモバイルプラットフォーム上にApp Storeを構築したにも関わらず、Epicはもう十分にいろいろ支払ったが故に、これからはタダ乗りさせろと主張しているにすぎないと指摘している。

EpicはAppleとGoogleの両方を独占禁止法違反で訴え、かつて画期的な広告と評価された「1984」のパロディ動画を投稿することで、自由を求めるAppleの姿勢をあざ笑ったのだ。その後Appleは、1,100万人の開発者が使用しているEpicのゲームエンジン「Unreal」の開発者ツール・サポートを取り下げようとしたが、連邦判事はこれを阻止するためにEpic側の一時的な差し止め要求を認めている。UnrealのユーザーであるMicrosoftは、Unreal EngineのTRO問題でEpicを支援することにしている。

1週間前、EpicはなぜAppleが異議を取り下げ、App StoreへFortniteの復帰を認めるべきだという主張を展開している。9月8日、Appleはカリフォルニア州オークランドの米国連邦地方裁判所で反論し、Epicに損害賠償の義務があると主張して提訴した。本誌ではすべての文書を確認し、双方の主張を要約している。水曜日、EpicはAppleが9月11日から、ユーザーが「Sign In With Apple」を利用してEpic Gamesのアカウントにサインインすることを許可しないようにしたと公表している(太平洋時間午前10時47分更新:Appleはこの決定を覆している)。

一方、GoogleはAppleの紛争から距離を置く回答を提出している。

Epicはすべての開発者のために主導的な役割を果たしていると主張しているが、それが可能なのはテック大手に屈していないからに他ならない。Fortniteの収益により、同社の評価額は173億ドルとなり、最近ではソニーからさらに2億5000万ドル、他の投資家から17億8000万ドルを調達している。株式市場における評価額が2兆ドルを超えるAppleは、被害者意識とイノベーションのレトリックで身を守っているのに対し、Epicは自由、開放性、公平性、革命を理由に攻撃しているのだ。

では、提出された訴状では何が語られているのか。本誌が興味深いと思った項目をこれから整理していこう。

そもそも何が問題なのか

Fortniteは第二世代のリアルタイムレイトレーシングを採用している/Image Credit: Nvidia/Epic

実はEpic Gamesはいかなる損害賠償も求めていない。Appleが「Fortnite」の直接課金を理由に、Epic Gamesを罰することを禁止することを要求しているに過ぎない。一方のAppleは、補償的損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、利息のほか、Appleの利用規約に違反した結果、Epicが得たとされるすべての収益、利益、補償金、利益、その他の不正な利益の返還と差押えを求めている。

EpicがAppleにFortniteの課金決済システムを受け入れさせようとしたことから紛争は勃発したが、現在はゲームやアプリのパブリッシャーとプラットフォームを支配する大企業との対立についての話題に発展している。独立系の開発会社は本件の成り行きを見守ることで、企業がプラットフォーム上で公開する権利に対し、どのような内容で料金を請求できるようになるか、やがて判明することになるだろう。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

12億ドル収益のゆくえ、Appleは独禁法違反なのか【Fortnite(フォートナイト)戦争】(2/2)

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かつてを彷彿とさせる出来事 (前回からの続き)GamesBeatのインタビューにて、独占禁止法の専門家であるHolland & Hart所属の弁護士Paul Swanson氏は、今回の事件は1990年代に生じた連邦政府とMicrosoftとの間での独占禁止法訴訟を彷彿させると述べた。 というのも当時、MicrosoftがWindowsにおいてあるアプリケーションを意図的に遮断した際、同社はその競合…

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EpicがAppleを非難する動画の一場面
Image Credit: Epic Games

かつてを彷彿とさせる出来事

(前回からの続き)GamesBeatのインタビューにて、独占禁止法の専門家であるHolland & Hart所属の弁護士Paul Swanson氏は、今回の事件は1990年代に生じた連邦政府とMicrosoftとの間での独占禁止法訴訟を彷彿させると述べた。

というのも当時、MicrosoftがWindowsにおいてあるアプリケーションを意図的に遮断した際、同社はその競合となるアプリケーションを開発し、所有していた。しかし今回のAppleのケースでは、Epic Gamesの競合となるアプリは所有しておらず、その面で異なっているとPaul氏は指摘する。

「Appleは競合のアプリケーションを所有していないため、1990年代にみられたマイクロソフトと独占禁止法のケースとは大幅に違ったストーリー展開をみせることになるでしょう。だからこそ、今回のケースはEpic Gamesにとって苦戦を強いられるかもしれません」。

つまり、Appleは競合他社を陥れようとしているのではなく自社の運営ポリシーを守ろうとしていると捉えることができる、ということだ。Epic Gamesは同社の主張としては、Appleが持つ15億人のユーザーにリーチする現実的な代替手段はなく、最終的に消費者へしわ寄せがくるといったものだ。Appleは同社ストアが独占しているわけでなく、実際GoogleのAndroidの方がマーケットシェアが高いと主張できるが、Epic Gamesは両社ともに訴訟している状況となっている。

Paul氏はAppleとGoogleの「なれ合い」が証明できれば勝てる可能性があるとしている。

しかし、そうした根拠を得るのは簡単ではないだろう。同氏は、高い価格設定(手数料30%)は市場独占の兆候であるとしつつも、必ずしも法的な独占禁止法違反とはならないと述べる。

Appleは今まで、あらゆる競合他社との闘いを勝ち抜きiPhoneやそれに準ずるApp Storeを成功に導いた。Consumer Intelligence Research Partnersの調査によれば、米国市場においてiOSは44%のマーケットシェアを有しているが、Googleのアンドロイドは56%という状況だ。また、世界をみればiOSはたった14.6%のシェアで、アンドロイドは85.4%となっている。

デベロッパーツールに関わる争いについて、Paul氏は以下のように述べる。

「ただ果たしてAppleは『Epic Gamesが私たちのポリシーに従わない?なら、追い出せばいいじゃないか』、と発言する権利を持っているのでしょうか?また、独占禁止法は法的にそうした行為を違法と判断することができるのでしょうか?私の意見ですが、おそらく法的にAppleは違法な行為をしていないと判断されるでしょう。それは、実際にAppleがEpic Gamesの競合と判断されることはないからです」。

しかし、いかにAppleが法に触れていないと判断されたとしても、同社の判断が開発者コミュニティーにとって賢明だったかどうかは別の問題だと言えるだろう。Epic GamesのCEO Tim Sweeney氏は今年2月のスピーチにて、同社は他者が30%の手数料を強いられている中、自社だけが得をするような取引はしないとの見解を示していた。

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Epic GamesはAppleが描いた「1984」を風刺した
Image Credit: Epic Games

Paul氏は「両者の争いは早々に決着がつく」と述べ、今後の独占禁止法の扱いについて重要なターニングポイントとなるとの見解を示した。

多岐にわたる問題点

両者の間には様々な問題が複雑に絡んでいる。Fortnite(フォートナイト)はSeosor Towerの調べによれば、App Storeのみで12億ドルの取引量を誇っていることが明らかとなっている。つまりAppleは、そこから約3億6000万ドル近くの収益を生み出していることとなる。反してGoogleのPlay Storeでは、1000万ドル程度の取引量のため、Google自体には300万ドルほどしか手数料が収益として発生していないことになる。

Fortniteは今までにApp Storeで合計約1億3320万インストール、Play Storeで約1100万インストールを記録している。大きな差が開いているのには、Googleはストア外からのアプリインストールを認めており、Epic公式サイトからのダウンロードが多くを占めていることが想定されるからだ。それでも、やはりEpic GamesにとってAppleのプラットフォームの重要度が高いことに変わりないだろう。

同社は金曜日に、現在実施されているトーナメント #FreeFortnite カップに関して、以下のような声明を出している。

「ユーザーの皆さんへ。Fortniteのコミュニティーが一つとなって一緒に遊べる最後のトーナメントになるかもしれません。#FreeFortnite への参加をお待ちしています」。

Appleは既にFortniteをストアからブロックしているため、Chapter2・Season4が27日に始まれば、iOSユーザーは一時的に置いていかれる形となる。Epic Gamesはもちろん、法廷での勝利を目指しているが、それと同時に独占禁止法のあり方について世論へ問いかけているようにも思える。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Microsoft支持で戦局は大きく変わるか【Fortnite(フォートナイト)戦争】(1/2)

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Microsoftは現地時間23日、AppleによるEpic Gamesのグラフィックエンジン「Unreal Engine」のサポート打ち切りを阻止するため、同社を支持する形で法的裏付けと共に意見書を提出した。 10日前、Epic GamesはiOSのApp Storeを介さずにFortnite(フォートナイト)アプリ内における決済を可能にするなど、本来Appleに支払うべき30%の手数料を回避す…

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Epic Gamesは「Free Fortnite Cup」を開催。誰が悪者?Image Credit:Epic Games

Microsoftは現地時間23日、AppleによるEpic Gamesのグラフィックエンジン「Unreal Engine」のサポート打ち切りを阻止するため、同社を支持する形で法的裏付けと共に意見書を提出した。

10日前、Epic GamesはiOSのApp Storeを介さずにFortnite(フォートナイト)アプリ内における決済を可能にするなど、本来Appleに支払うべき30%の手数料を回避する施策を講じた。同社はGoogle Play上でも同じ手法を用いており、両プラットフォームはFortniteをストアからダウンロード不可とする報復措置に出ている。こうした中、Epic Gamesは両社に対し独占禁止法の観点から訴訟を起こす流れとなっていた。

さらに先週にAppleはダウンロード不可の措置に加え、Epic GamesのDeveloper support toolsに対するアクセス制限をかけると警告した。仮に実施された場合、1,100万人ものユーザーが利用する同社のUnreal Engineをベースとするアプリケーションが、iOSやMacのデバイス上で作動しなくなる可能性があると言われている。そのため同社は、AppleがSDKへのアクセス制限を実施しないよう、一時的な猶予措置を求めている段階であった。Microsoftは、この禁止措置に対して支持の姿勢を見せたことになる。

MicrosoftがEpic Games側に回ったことはデカい。同社にとって非常に有利になる大きな動きであると言えるだろう。ただし、MicrosoftはEpic Gamesが指摘するAppleの独占禁止法を支持するとは表明していない。

XboxのトップであるPhil Spencer氏はMicrosoftの意見書を引用し「ゲーム開発社やゲーマーのことを考えると、EpicがAppleの提供する最新技術を享受する権利を有するのは当然のことだろう」との見解を示している。

また、Microsoftにおいてゲーム開発エクスペリエンスのGMを務めるKevin Gammil氏は今回提出された意見書において以下のような見解を示している。

「(Epic GamesのUnreal Engineは)Microsoftを含み、多くのゲーム開発者にとって重要なテクノロジーだ。Appleが同社SDKやその他開発ツールへEpicのアクセスを拒否することは、Epic GamesのみでなくUnreal Engineを用いているゲーム開発者を貶める危険性に繋がる」。

Microsoftは以前、同社のクラウドゲームサービス「Project xCloud」をiOSアプリ上で提供しようと試みたが、Appleから拒否された過去を持っている。また、今回の意見書で触れてはいないものの、今までも独占禁止法の監査を受け続けてきたMicrosoftがEpic Gamesを支持しているのは皮肉であると言える。(後半へ続く)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はAppleに勝てるのか(2/2)

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前回からの続き Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。 この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。 Appleと…

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Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は「Dice Summit 2020」にて今後10年でゲーム業界をよりオープンにすることを主張した。
画像クレジット:Dean Takahashi

前回からの続き

Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。

この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。

AppleとGoogleーーそして彼らこそ、まさにモバイルデバイス上のアプリストアで巨大なモバイルゲーム業界を作り上げた張本人なのだがーーもはや彼らは30%の手数料を取ることはできないと考えている(ちなみに通信キャリアが70%の手数料を取っていた時に、Appleは30%しか請求しないという、かつてのヒーローだった)。

Sweeney氏はこの「30%の手数料」に挑戦するため、Epic Games Storeを開設して開発者との取引を開始し、今のところ12%の手数料のみで運営を続けている。

これまでEpicはハイエンドPCとコンソールゲームに注力してきたため、同様に30%の手数料を取っているValveが運営するゲームプラットフォーム「Steam」にダメージを与えている。いつかはEpic Games StoreがiOSストアとAndroidストアの両方を直接手に入れたいと考えているのかもしれない。

この聖戦で金銭的な利益は期待できない。

実際、Epic Gamesは2019年ーーそしてその年に彼らはEpic Games Storeを構築していたのだが、ーー2018年より収益を減らしている。Epic Gamesが収益より業界での地位を優先させているのは明らかなことだ。これは、よりオープンで公正なゲーム業界を構築するという、Epicの活動の中で最も称賛に値する部分であるとも言える。

そして当然、リスクもある。

独占禁止法の強敵「複占(duopoly)」とは

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Appleが1984年に発表したMacintoshの伝説の広告「1984」

Epic Gamesは訴訟の中で、Appleが10億人のiPhoneユーザーを独り占めしていると主張した。Consumer Intelligence Research Partners によると、GoogleがAndroidで56%のシェアを持っているのに対し、Appleは米国ではiOSで44%の市場シェアしか持っていない。世界的に見ると、Appleの市場シェアは14.6%であるのに対し、Androidは85.4%だ。

Epic Gamesは、GoogleもGoogle PlayからFortnite(フォートナイト)を削除すると発表した後、午後遅くにGoogleを訴えている。これによってAppleは、関連市場で圧倒的なシェアを持っていないことを主張することが可能になるので、独占禁止法違反の疑惑から逃れようとするだろう。一方のEpic GamesはAppleがモバイルゲームの利益の3分の2を確保していることを持ち出すことで、この訴訟に勝ち筋を見出そうとするかもしれない。

しかし、消費者に選択の余地がないという議論に本当に勝つためには、Epic Games は、消費者により高い価格を支払わせ、かつ、開発者を悪い取引に導くという「複占(※duopoly:2社による寡占状態)」が問題であると示さなければならない。

これは、AppleとGoogleが熾烈な競争相手というよりも、寡占主義者のように振る舞わなければならないことを意味しており、それを証明するのは実は難しい。Epic Gamesは、AppleとGoogleが同じ日にアプリストアからFortniteを削除するように行動したことや、スマートフォンの黎明期から続く30%の手数料を維持し続けていることを指摘して、AppleとGoogleの癒着を告発する可能性がある。

一方、その告発は実際に何か証拠があって初めて成立するものであり、このような独占禁止法に精通した企業がそのような証拠を転がったままにしておくとは思えないのだ。

ーーということで結局のところEpic Gamesは勝てない、これが私の見立てだ。両社は価格設定の面で似たような振る舞いをしているので、勝つことは不可能ではない。その一方で、AppleとGoogleが「猛烈な競争相手である」という、本件における強力な防衛策を打ち出すのではと考えている。取材に応じてくれたReback氏は考察の最後にこう付け加えてくれた。

「米国の独占禁止法の要件のほとんどは「独占力」に基づいている。今回のように独占権の問題を提起する経済モデルもあるが、私の知る限りではそのような事例はない。彼らは「独占の陰謀」理論で訴えるかもしれないし、それは有効かもしれないが、私の研究対象外だ」。

アップルとグーグルは非常に慎重に踏まなければならない

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Appleは世界で14.6%の市場シェアを持っているに過ぎないが、派手な店舗を持っている(Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

Epic Games の訴訟は微妙な時期に勃発した。

最近では Facebook, Apple, Google, Amazon の CEO が証言したことで、停滞気味だった 議会がテック系巨人に目を向ける事態が起きている 。議員の質問内容を考えると、民主党と共和党の両方共にあまりにも大きくなりすぎた企業を分割することが、消費者のためになると考えているように感じられる。

また、Epic Games にはMicrosoftとFacebookという、訴訟に同情的な仲間が存在している。そう、これらの企業にも独占禁止法上の問題があったのだ。ビル・ゲイツ氏はAppleを笑い飛ばして形成逆転(※)と思ってるかもしれない。というのも数十年の時を経て、MicrosoftはiOSでXBOXのゲームプロジェクト cloud gaming app Project xCloud on iOS を立ち上げようとしたのだが、Appleの反応は冷ややかなものだったのだ。

※注釈:Microsoftはかつて独占禁止法の脅威に晒された際、競合であるAppleを支援して独占状態を回避しようとした過去がある

一方のFacebookも自分たちの Facebookのゲームアプリ にインスタントゲームが楽しめるストアを開設しようとした一社だ。このストアはただ本当に友達が一緒に遊ぶためだけのものだったのかもしれないが、Appleはこれを一部拒否したため、Facebookはこの機能を使わずに立ち上げることを余儀なくされた。ちなみにGoogle Playでは問題なかったので、そちらでは利用できた機能だ。

これらのケースでAppleは、ユーザーのための安全なアプリストアを作っているという主張を首尾一貫している。しかし、Apple がこの主張を続けることは難しくなっているかもしれない。なぜならEpic はGoogle Play上において、アプリストアの何かを毀損するわけでも安全性を損なうわけでもなく、独自の活動を許可されてきたからだ。

Appleはまた、モバイルゲームのマーケティング担当者が自社広告がゲームの新規ユーザーを獲得する際にどれだけ効果を発揮したかを追跡することを非常に困難にしようとしている。これはIDFA(モバイル端末の広告識別子)の廃止を示唆したものでもある。つまり、Appleはプライバシーの名の下に、アプリをダウンロードしたり購入したりする際のユーザーの行動をサードパーティ企業が追跡することを難しくしているのではないか、ということだ。

モバイルゲームとプラットフォーム企業「N3twork」の最高執行責任者であるDan Barnes氏はこの件を気にしていて、先週開催されたGame Developers Conferenceの夏のイベントでIDFAの変更についての講演を実施したほどだ。プライバシーを守ることは良いことのように聞こえるかもしれない。だが、おそらく20%かそれ以下の人しか第三者とデータを共有することをオプトイン(能動的に承諾)しないだろう。このことが意味するのはつまり、広告のデータが効かなくなる、ということだ。

多くのゲーム開発者やパブリッシャーを傷つける可能性があり、反Appleの声に多くの共感を生む可能性を孕んでいる。

Appleがルールをすべての開発者のために公平に保ち、プライバシーを保護するために独自の方法でそれを前進させることは正しい。一方、こういった行動がSweeny氏のような経営幹部やゲーム開発者たちを不幸に陥れるリスクもあり、かつ、政府の目を引くことにも繋がってしまう。

Epic Gamesが勝利したら

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画像クレジット:Epic Games

では、ここで一つ疑問が残る。小さな開発者にとってこれは信頼に関わる問題だ。

果たしてEpicは自身がテック巨人たちに望むような行動を取れるのか、という点だ。

一部のゲーマーは、Epic GamesがEpic Games Storeで市場シェアを獲得するため、多数のタイトルを無料で提供していることに批判的だ。もちろん恩恵を受けているゲーマーもいるが、これによって一部のゲームをSteamプラットフォームでプレイできなくなったことを気に入らないという声もある。彼らは開発者のためにSteam に料金を引き下げてもらう よう反競争的な活動をしていると指摘している。

Epic Gamesは、Epic Games Storeに利益をもたらす独占契約のために開発者にいくら支払っているのかは明らかにしていない。筆者はたまたまセガの『Total War Saga: Troy』をプレイしていたのだが、これはEpic Games Storeの独占タイトルで、最初の24時間は無料になっている。Epic Gamesはユーザーのロイヤリティを期待してゲームにいわば補助を出しているのだ。もちろんそれはよいディールになるに違いない。

またEpic Gamesの他の事業であるUnreal Engineは、別の業界の複占の一部であることも忘れてはならない。Epic Gamesのゲームエンジン(開発者がゲームを作るために使用するツール)の主な競合相手はUnity Technologiesだ。UnityのCEOであるJohn Riccitiello氏は「 不愉快 」と苦言を呈している。Epic Games がUnreal Engineの開発者に多くの資金提供していることについてSweeney氏はこの手法を肯定した上で、資金を受けた開発者に Unreal Engine の使用を強制しているわけではないと主張している。

このような戦略が成功し、Epic がさらに強力になればAppleやGoogleに対して提訴しているのと同じように、独占禁止法に対する批判の対象となる可能性がある。このような戦術はかつて大企業がライバルをビジネスから追い出すために用いてきたものだ。Epicが「1984」を引き合いにAppleを非難したように、Epic 社も同じ罠に陥る可能性がある。これは残念な話だ。

しかし一番最悪なのは、Epic Gamesのゲーマー代理戦争とも言うべきこの聖戦が聞き流されてしまうかもしれない、ということだ。筆者の友人の一人はこう指摘していた。

「払うカネを大きくカットしてくれるなら、どっちの大企業が勝っても関係なくね?」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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