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農業のデジタル化でケニア女性の自立を模索する「Farmers Pride」の取り組み

ピックアップ:Kenyan agri-tech startup Farmers Pride raises $220k funding from Gray Matters Capital’s coLABS 重要なポイント:11月初めに22万ドルの資金調達を行ったケニアのアグリテック・スタートアップFarmers Prideは国内の小規模農家や農業製品・農産物販売を行う女性に焦点をあて、ワンストップの…

ピックアップ:Kenyan agri-tech startup Farmers Pride raises $220k funding from Gray Matters Capital’s coLABS

重要なポイント:11月初めに22万ドルの資金調達を行ったケニアのアグリテック・スタートアップFarmers Prideは国内の小規模農家や農業製品・農産物販売を行う女性に焦点をあて、ワンストップのECプラットフォームを展開して女性の収入向上を支援している。

詳細な情報:出資したcoLABSは世界中の女性と少女が直面する重大な問題に取り組んでいる革新的でスケーラブルな企業に投資するために、2017年初めにGray Matters Capitalによって立ち上げられたグローバル投資ポートフォリオ。

  • Farmers Prideはテクノロジーとフランチャイズを活用し、農家の生産性や農産物販売の売り上げ向上など、農家が成功するのに必要なすべてのものをつなぐラストワンマイルのオンラインとオフラインをつなぐECプラットフォームを提供している。中でも小規模な女性農家や女性の農産物販売者のエンパワーメントに積極的に取り組んでいる。
  • 同社は既に1万人を超える農家と約300の農業製品や農産物を販売する小売業者のユーザーを獲得している。
  • 今回調達した資金は、主には女性農家を対象とする農村部約50万人の農家を対象に、同社のワンストップECプラットフォームを介した保険サービスや金融サービスへのアクセス、市場との連携、農業の機械化などによる収入向上を支援することに使われる。資金の一部はその他、テクノロジーを活用した農業関連製品及び農産物販売所の立ち上げや、2022年までに3万人の農家を支援することを目的とした教育プログラムの作成にも使われる。
  • オンラインベースの小規模農家のサプライチェーンを構築し、それぞれ独立していた小規模でインフォーマルな各農村の農業製品や農産物の販売所をマイクロフランチャイズに変えることで価格の透明性や公平性が高くなる。また、製品のトレースが可能になることで種子や農薬などの製品の期限切れや質の悪い偽造製品が流通することを防げる。

背景:ケニアは、2006年には性的犯罪法、2015年に家庭内暴力防止法、2019年はFGM撲滅政策とジェンダー開発に関する政策と女性の平等を高めるための措置を講じているため、依然としてジェンダーギャップはあるものの徐々に改善傾向にある。(2020年のグローバルジェンダーインデックスは0.671で153カ国中109位)

また、ケニア国立統計局は国連やユニセフ等と協力し、ケニアにおける女性と女児のエンパワーメントのための初の包括的かつ体系的な指標となるWEI(Woman Enpowement Index)を作成し今年8月に最初の調査を行った。結果として都市部と農村部、教育水準、貧困の度合いなど国内の中でも置かれている環境により、女性に与えられた権利や権限の差が数倍にのぼるケースもあり国内での女性の立場による格差が明らかとなった。同調査によれば都市部に住む女性の40%には権限が与えられており、これは農村部の割合の約2倍となる。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

貧困層にキャッシュレスを広げるケニア「Digiduka」は送金手数料無料モデル

ピックアップ:Kenya’s Digiduka launches to help bring informal retailers into digital economy 重要なポイント:モバイルマネーサービスM-PESAが高い普及率を誇るケニア。しかし、貧困層やインフォーマルセクターの小売業者などの間では、現在でも現金による支払いが好まれる傾向にある。Digidukaはこれらの人々をターゲット…

ピックアップ:Kenya’s Digiduka launches to help bring informal retailers into digital economy

重要なポイント:モバイルマネーサービスM-PESAが高い普及率を誇るケニア。しかし、貧困層やインフォーマルセクターの小売業者などの間では、現在でも現金による支払いが好まれる傾向にある。Digidukaはこれらの人々をターゲットに、オンライン上での商品の販売やキャッシュレス決済の行えるプラットフォームをローンチした。

詳細な情報:同社はこのプラットフォームを「インフォーマルセクターの小売業者がFacebookショップ、Instagramショップ、WhatsAppチャットボットなど複数のソーシャルプラットフォームでデジタルストアを立ち上げ、商品を販売できるようにするソーシャルコマースプラットフォーム。在庫管理・支払い・配送を処理するエンドツーエンドのShopifyのようなソリューション」と説明している。

  • Digidukaは小売業者にモバイルアプリまたはUSSDショートコードを介し、モバイルマネーと銀行支払いされた料金の回収ができるウォレットを提供。送金手数料を無料にすることで小売業者とエンドユーザー両者のキャッシュレス化を推進する。
  • これによりインフォーマルセクターの小売業者もオンラインで商品の販売が行えるようになり、デジタル経済への参入の手助けとなる。同社によればサービス開始からの数か月で、3,500を超える小売業者や中小企業による取引がプラットフォーム上で行われている。
  • 今後3年間で、ガーナやタンザニア、ウガンダ、ルワンダ、エチオピアなど、同様の機会が見込まれる他のアフリカ諸国への拡大も計画している。

背景:ケニアではM-PESAの普及率が高く(M-PESAによる総取引額はケニアのGDPの5割弱にのぼるといわれている)社会のキャッシュレス化に成功していると言われているが、決済には最大で9.5%となる手数料がかかることが難点。

そのため、低所得者層やインフォーマルセクターの小規模な小売業者の間では、日々の生活の中での支払いの92%は依然として現金で行われている。M-PESAの支払いが積極的に行われないこの分野に着目して事業を行なうスタートアップは他にも TandaPesaKitPesaPointOpenFloat などがある。Digidukaは世界的VCのAntlerが昨年ケニアでの事業を開始した際に行った、約半年のナイロビプログラムの中で10万ドルの出資のもと設立されたスタートアップだ。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

鍵はモバイル、ルワンダで女性向け衛生用品ECを展開する「Kasha」

ピックアップ:African Femtech Kasha Raises $1M from Swedfund ニュースサマリト:ルワンダとケニアで女性向け健康・衛生用品のECプラットフォームを展開するKashaは10月27日、スウェーデンの開発金融機関であるSwedfundから100万米ドルの資金を調達したことを発表した。 詳細な情報:同社は2016年、元マイクロソフト社員のJoanna Bichs…

画像出典:Kasha 公式ウェブサイト

ピックアップ:African Femtech Kasha Raises $1M from Swedfund

ニュースサマリト:ルワンダとケニアで女性向け健康・衛生用品のECプラットフォームを展開するKashaは10月27日、スウェーデンの開発金融機関であるSwedfundから100万米ドルの資金を調達したことを発表した。

詳細な情報:同社は2016年、元マイクロソフト社員のJoanna Bichsel氏とAmanda Arch氏(現在は退社)によって設立。2017年のFastCompanyの取材によると、両氏はシアトルのテックシーンで目の当たりにしていた救命技術の革新が、発展途上国に届いていないことへのフラストレーションから、ルワンダに移住した。

  • Kashaは、発展途上国で当たり前になっているモバイル注文やeコマースのトレンドを活用し、女性が妊娠検査薬や避妊薬を入手できるようなプラットフォームをつくることを目的に設立された。
  • 同社はルワンダでスタートし、現在はケニアに進出。Bichsel氏が回答したtechcabalの取材によると、これまでに7万人以上の顧客にサービスを提供し、70万個以上の商品を届けている。顧客層のうち65%が低所得者であるという。一方で、男性もこのプラットフォームで買い物をしており、顧客の17%が男性だという。
  • またケニア進出以降、同社は西アフリカ市場に参入するか、東アフリカ諸国での展開を考えているという。また、東南アジアや中東にも目を向けており、グローバルな女性向けeコマース企業になることを目指している。

背景:ResearchAndMarkets.com2019年1月のレポートによると、女性用衛生用品市場は現在の310億米ドルから2026年までには620億米ドルに倍増すると予測されており、ナプキン、タンポン、月経カップなどの生理用品が最大のシェアを占めている。ルワンダでは人口の大部分が農業に従事しており、そのうちの70%は自給自足の農業で、平均世帯収入は400米ドル、一人当たりのGDPは801米ドルと小さい市場である。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

トゥクトゥクがラストワンマイルのキー、ケニアで拡大する小売向けEC「Sokowatch」

ピックアップ:The BackEnd: How Sokowatch uses tricycles as warehouses for its African Amazon ニュースサマリー:シリーズAラウンドにて1,400万ドルを調達したケニアのSokowatchは、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダの4カ国9都市の1万6,000を超えるインフォーマルセクターの小売業者に米や石鹸などの生活必需…

Image Credit :Sokowatch

ピックアップ:The BackEnd: How Sokowatch uses tricycles as warehouses for its African Amazon

ニュースサマリー:シリーズAラウンドにて1,400万ドルを調達したケニアのSokowatchは、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダの4カ国9都市の1万6,000を超えるインフォーマルセクターの小売業者に米や石鹸などの生活必需品を届けている。

詳細な情報:ケニアのナイロビを拠点とするSokowatchは、低コストなトゥクトゥクを用いた配送を特徴とするB2B ECスタートアップ。運転資金不足に困る小売業者には支払いの後払いに対応するなど、インフォーマルセクターの小規模小売業者を対象とし、4カ国9都市で展開している。

  • Sokowatchがターゲットにしている1日あたり25ドルから100ドルの収益を上げる小売業者。多くは資金面や店舗面積の問題で卸売業者から商品を一度に大量に仕入れ届けてもらうことができない問題を抱えている。そのため、自ら卸売業者の倉庫や市場に出向いて商品を仕入れる必要があるため、交通費がかかったり一度店舗を閉めたりと、売り上げや収益を上げるのを阻害する要因となっている。
  • Sokowatchのグローバルイノベーション責任者であるKagichiri氏によると、同社のビジネスモデルのコアはトゥクトゥクで、オートバイとは異なりトゥクトゥクには商品を置ける十分なスペースがあり、バンやピックアップトラックに比べて調達や保守費用が安価。
  • Sokowatchはトゥクトゥクを倉庫とロジスティクスの融合と捉え、モバイルデポとして活用することで注文したその日の配送に対応する。同社は大量買付した商品を小売業者に小分けにして売り、その差額で収益を得ているため、トゥクトゥクによる各店舗への配送は無料で実施する。これにより小売業者はこれまで市場に行くためにかかっていた時間とコストをゼロにすることが可能となった。
  • モバイルデポであるトゥクトゥクに商品のストックがなくなってしまった場合には、メイン倉庫からライダーが派遣され対象のトゥクトゥクの元へと商品の補充に向かう。Sokowatchでは、リアルタイムでの注文情報と商品のトラッキング情報や過去のデータも活用する。これまでの取引データとリアルタイムな注文情報を活用し、それぞれの小売業者向けにパーソナライズされたプロモーションとビジネスインサイトの提供を行う。
  • 過去の取引データをもとに小売業者のニーズを予測できる「スマートコールリスト」を開発。在庫のなくなりそうな顧客に事前に連絡して在庫状況の確認や配送日の予定を立てることで、トゥクトゥクはより効率的に配送が行なえる。
  • 資金繰りに悩む小売業者向けには、これまでの取引データをもとにした審査によるファイナンスサービスも行う。現金で取引を行なう場合には支払いを後払いとし、配送当日の営業終了時または最大1週間程度後までの期間で支払い期日を設定出来る。これにより小売業者は仕入れた商品を販売し売り上げを得てからSokowatchへの支払いをすることができるため、運転資金不足の回避につながる。
  • 店舗運営や商品の注文・支払いなどに利用することを想定したスマートフォン購入のためのローンなど、特定の物資購入のための融資も行なっている。同社のサービスはスマートフォン以外にもSMSでの商品注文にも対応しているため、スマートフォンを持っていなくても利用できる。

背景:CEOで創業者のDaniel Yu氏は2012年エジプトに住んでいた際、地方の医療センターと医薬品の供給源を繋ぐデジタル在庫管理システムのアイデアを発案。その後、アフリカと中央アメリカ5カ国で成功を収めるプロジェクトとなったが、NGOの多国籍ヘルスセンター向けシステムであったため営利事業への転換は不可能であった。そこで同システムを利用したビジネスとして、ケニアの小規模な小売業者が抱える問題と流通市場の抱える問題に着目しSokowatchを立ち上げた。Yu氏によれば、東アフリカだけでもインフォーマルセクターの生活必需品市場の規模は約1,800億ドルあり、アフリカの他の地域も含めた全体では6,000億ドル程度で、現在増加傾向にあるという。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

ケニアで圧倒的シェアを誇るモバイル決済「M-PESA」を運営するSafaricomとは

ピックアップ:sustainability report_2019 重要なポイント:ケニアで圧倒的シェアを誇るモバイル決済サービスM-PESAを運営する通信事業者Safaricomは2,503億Ksh(約23億米ドル)の収益、625億Ksh(約5億8,000万米ドル)の利益を2019年度に上げ、人口約4,800万人のケニアで約3,200万人の顧客を獲得している。これにより、約100万人の直接的・間…

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Safaricomウェブサイト

ピックアップ:sustainability report_2019

重要なポイント:ケニアで圧倒的シェアを誇るモバイル決済サービスM-PESAを運営する通信事業者Safaricomは2,503億Ksh(約23億米ドル)の収益、625億Ksh(約5億8,000万米ドル)の利益を2019年度に上げ、人口約4,800万人のケニアで約3,200万人の顧客を獲得している。これにより、約100万人の直接的・間接的雇用を生み出した。

Safaricomはこれらの顧客に向けて同社のモバイルネットワークやインターネット回線網、M-PESAの送金システムを活用し、様々な分野からケニア人の生活にポジティブな影響を与えるサービスの提供を積極的に推進している。

詳細情報:Safaricomがケニアの人の生活に大きく影響を与えている土台には、通信インフラ設備への投資も非常に大きい。人口に対するネットワークのカバー率は 2Gが96%、3Gが94%、4Gが57% となった。また、2019年度で光ファイバーケーブルの総敷設距離は6,700キロメートルになり、2016年の3,236キロメートルから倍以上の距離となっている。

  • 同社ではこれらのモバイルネットワーク、インターネット網、M-PESAのプラットフォームを活用し、「Transform Lives」という目的のもと、農業、教育、医療などの分野を中心に既存のケニア人の生活に変革を起こすサービスの提案・提供をここ数年積極的に行っている。具体的には次のようなサービス群だ。

金融

M-PESA引き続き同社の主要サービスであるM-PESAは2019年度は2,260万人以上のユーザーが利用し、750億ksh(約7億米ドル)の収益を上げた。2018年からはGoogle、PayPal、Western Unionと提携し、国際送金サービスM-PESA Globalも開始、18万人のアクティブユーザーが利用している。

Fuliza:2019年1月にサービスを開始したFulizaは世界初のモバイル当座貸越サービス。M-PESAアカウントの残額が不足している場合でも、その場で決済取引を完了できるように作られた。1,070万ユーザー、2,900万ksh分の払い出しが行われた。

農業

Digifarm:小規模農家を総合的に支援するプラットフォーム、農業についての知識を学んだり、市場の需要に基づいた作物の栽培量に関するアドバイス、M-PESAを使用した少額の融資、農作物の販売マーケットプレイスといったサービスが利用できる

小規模農家の生産性を向上し収入を増やす目的で、100万人以上が利用し、MAUは30万。 2019年度末までで6万1,435件の融資を実施している。非公式なものを含めると、ケニアの総雇用の60%以上が農業従事者といわれている。

医療

M-TIBA:医療を必要とする人と医療施設、ヘルスケアプロバイダー、保険会社を繋ぐ、ヘルスケア&ファイナンス プラットフォーム。M-TIBAを介してNHIF(政府が運営する健康保険制度)への登録も可能で、煩雑な手続きなどをせず保険制度を利用して安価な医療サービスが受けられる。

医療システムの改革と健康保険の普及を支援し、低所得者層でも手頃な価格の医療サービスにアクセス可能とすることを目的に置く。現在では、400以上の提携クリニックでサービスを提供し、420万件以上の加入者、2億円以上の医療費節約に貢献している。

クリーンエネルギー

M-Kopa:未電化地域や電力供給が不安定なエリアの家庭に小型の太陽光パネルと家電のキットを提供。利用者はM-PESAを介してキットの費用代金を分割で支払い、費用代金の支払い完了後は無料で利用可能。三井物産や住友商事が出資に参画している。「すべての人が手頃な価格で持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する」という、2050年までにCO2排出ゼロ企業を目指す取り組みの一環として実施する。50万世帯以上に太陽光パネルを提供し、240万人の生活の向上に貢献している。

M-GAS:2019年に18.96%の株式を取得したCircle Gasと提携し、スマートメーターを使用しM-PESAでの支払い状況によって利用の制御が行える。プリペイド式調理用ガスの提供を2020年1月から開始している。

教育

Shupavu291:ゲーム形式のeラーンニング・プラットフォーム。インターネット環境の悪い場所での利用も想定し、オフラインでも利用できるコンテンツやSMSを利用したクイズ形式の問題なども用意されている。包括的で公平な質の高い教育を確保し、すべての人に生涯学習の機会を提供することを目的に置く。50万人以上のアクティブユーザー、2016年のサービス開始以来これまでに約410万人以上が利用している。

コマース

Masoko:ケニア国内で製造された製品などを中小企業などが販売できる「アフリカのライフスタイルマーケットプレイス」として2017年よりサービスを開始。2019年の11月にベンダー宛にサービスの中止を通知する旨のメールを送っており、現在は中国や韓国製のスマホや周辺アクセサリのみを販売している。

SDGs

Safaricomでは、ビジネスの役割は利益を生み出すことだけにとどまらないと考え、SDGsの取り組みもビジネスのコアに包括することを目指している。上記の事業もほとんどがSDGsのいずれかの目標と関連している。

M-PESA Foundation Academy:経済的に恵まれない学生を対象に、住居や奨学金制度などとともに、ケニアのナショナルカリキュラムを提供する高校。リーダーシップ、起業家精神、テクノロジー、イノベーションを持つ起業家やリーダーとなる人材の育成を目指す。

Fafanuka:非感染性疾患(NCD)の予防・診断・管理・などについて、SMSとUSSDを使用して一般市民、患者、医療従事者、介護者に対し正しい知識の啓蒙や教育を行うサービス。

M-Salama:ケニア赤十字社と提携して運営するSMSによる災害警告システム。

WIT(Women in Technology):様々なバックグラウンドを持つ女性が、テクノロジー関連のキャリアを身に着け、社会進出することを支援するインターンシッププログラム。

※上記各サービスの具体的な数字は、Safaricomの公開している、2019年度のSustainability Reportから引用

背景:2007年3月にサービスを開始したM-PESAは、総取引額がケニアのGDPの50%を占めるまでに普及している。Safaricomのサービスの多くは、SafaricomのSIMカードを持っていれば誰でも利用できることと、スマホのアプリやインターネット回線を必ずしも必要とせず、2Gしか繋がらない環境やガラケーでも使用できることが普及の要因となっている。例えばM-PESAの送金はSMSを介して行われ、相手の電話番号さえ知っていれば送金が可能。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカ・ケニアで進む金融包摂、キーワードは「ブロックチェーン」

ピックアップ:Pioneering Kenya eyes next stage of mobile money 重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。 ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリ…

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Image Credit : cellulant

ピックアップPioneering Kenya eyes next stage of mobile money

重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。

ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリカ8カ国(ケニア、ナイジェリア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、モザンビーク、ザンビア、ボツワナ)でサービスを提供している。

Tinggは決済機能だけでなく、サードパーティサービスの提供を強化しており、水道・電気などの公共料金の支払いやフードデリバリー、各家庭で利用するガスの配送などもTinggを通じて利用可能だ。また同社の農業プラットフォームでも利用することができ、多方面で金融包摂を推進している。

詳細情報:ケニアの中央銀行の調査によると、2019年にはケニア人の80%以上が銀行だけでなくマイクロファイナンスやモバイル決済サービスなどを含めた何らかしらの金融サービスにアクセスできるようになり(2006年時点では27%)、首都ナイロビに限れば金融包摂率は96%にもなると報告されている。

  • 一方、3分の2以上の人は自身の給与で生活費を常に十分に賄うことができておらず、60%以上のケニア人は友人・家族・非合法な高利貸しなどからお金を借りている。金融サービスにアカウントを持ち利便性がよくなることと、個々人の経済的問題の解決、貧困からの脱却は全く別問題であるということも浮き彫りとなっている。
  • 世界銀行のレポートによるとケニアの貧困率は減少傾向にあるものの、減少の主要な要因は農業によるもので、現在の貧困層のほとんどは北東部の農村地域に集中している。
  • ケニアでは現在国内総生産に占める農業の割合は増加傾向にあり、現在は約3割(35%前後)を農業が占めている。(10年前と比較して約10%増)。またアフリカ全体での農業市場は2030年までに1兆ドルに成長するといわれている。
  • Cellurantではアフリカでの真の金融包摂推進には農業分野をいかに取り込み各国に展開していくかが大事であると捉え、Tinggに続き、ブロックチェーンベースの農業用デジタルマーケットプレイスサービス「Agrikore」という農業用のプラットフォームをローンチしている。現在ケニアとナイジェリアで稼働している。
  • 目的は農業に関係する全ての人(農家・買付業者・物流会社・政府・金融機関など)が信頼できる環境でビジネスができるようにするため、Tinggと連携することで、融資や政府などから農家への助成金の送金をはじめとする必要な資金のやり取りや決済は全てオンライン上で完結する。
  • 例えば、買付業者が品物を注文すると、近接する農家に規模に応じてそれぞれの個数と価格のオファーを送信、農家がそのオファーを受けるとプラットフォーム上に登録されている輸送業者や品質検査員が割り当てられていくといった流れをたどり、その各者間での資金のやり取りはTinggを介して行われる。全てのログは記録され、Agrikore利用者は誰でも全てのログを確認することができる
  • これにより、中間業者やエージェントなどを介すことで不透明となっていた価格設定や資金の流れが明確かつ公正になり、小規模農家が苦慮していた販路確保の問題も解消される。
  • モバイルマネーは「最初のステップ」にすぎないと考えるCellurantでは、第二のステップはデジタル融資、最終的にはこれらを包括した市場全体の経済問題を解決することが重要だと考え、アフリカ全体での金融包摂の推進を視野に入れ今後もサービスを展開していく。

背景:人口5,139万人のケニアではモバイル決済のアクティブユーザーが3,160万人、そのうちの2,557万人がM-PESAを利用している。ケニア中央銀行によると、昨年のモバイル決済によるトランザクションは3.7兆ケニアシリング(385億ドル)に達し、国内総生産のほぼ半分に相当するまでになっている。 その一方でNetflix、Uberをはじめとする海外企業がケニア国内で提供するサービスなどでは決済手段として利用出来ないことも多く、ローカルな決済手段にすぎないという側面も持っている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

ケニア拠点のアグリテック、金融から生産支援まで支援する「Apollo Agriculture」

ピックアップ:Out in the field with the farmers ニュースサマリー:ケニア発AgriTechスタートアップ「Apollo Agriculture」は5月19日、シリーズAにて4000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはAnthemis Exponential Venturesが参加した。また、 既存投資家のAccion Venture LabやNe…

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Apollo Agriculture

ピックアップ:Out in the field with the farmers

ニュースサマリー:ケニア発AgriTechスタートアップ「Apollo Agriculture」は5月19日、シリーズAにて4000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはAnthemis Exponential Venturesが参加した。また、 既存投資家のAccion Venture LabやNewid Capitalなども同ラウンドに参加している。

重要なポイント:2016年に設立したApollo Agricultureは、ケニアの小規模農家を対象に、機械学習や衛星画像、リモートセンシングなどを活用した統合的な農業支援サービスを提供する。ナイロビに拠点を置き100人以上を雇用、4000万以上の農家にサービスを提供している。

詳細:Apollo Agricultureの特徴は大きく分けて2つある。1点目は様々なテクノロジー駆使して農業におけるサービスアップデートを図っている点。

  • 現地で普及しているモバイル決済「M-PESA」のほか機械学習、衛星データ、リモートセンシングなどの技術を活用した独自のアプリ・プラットフォームを提供。
  • 機械学習による独自の与信判断やリモートセンシングによる農場の査定により、これまで融資を受けることのできなかった小規模農家でも融資を受けることが可能に。
  • 農家からの返済は状況に応じた柔軟な返済条件のもと、収穫後にM-PESAのモバイル決済を使用して行われる。

2点目は、小規模農家の収益最大化にフォーカスした生産席向上の統合的支援を実施している。

  • 融資だけを行うのではなく保険や農具、音声ガイダンスなど、農家の収益最大化を目的として、そのために必要な全てをパッケージ化して提供。
  • サービスのサポートや問題点の聞き取りを行うために実際に農家を訪問することを主な業務とする多数のスタッフやコールセンターを設置。テクノロジー主導のサービスを提供する一方で、顧客との直接的な対話も重視ししている。

背景:ケニアの小規模農家では生産性を今よりも上げるために何をするべきか、そのために必要な事が何であるかといった事が分かっていないケースが多い。

アフリカでは現在でも農業の生産性が非常に低いが、適切な生産性向上を図れば現在よりも2~3倍の穀物を収穫出来る可能性があるとされる。創業者の1人Pollak氏は、スタンフォード大学で工学を学んだ後、大規模農家の生産性向上に取り組む仕事をしていた際に、アフリカにおける農業生産性の低さに衝撃を受け、Apolloの創業を決意した。

執筆:椛澤かおり/編集:増渕大志

Alphabetの気球によるインターネット網構築プロジェクト「Loon」、ケニア上空で商用サービスを開始

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Alphabet が長年取り組んできたプロジェクト「Loon」は4月21日、同社が正式に初の商用サービスを開始し、その気球がケニア上空を飛行したことで、大きな節目を迎えた。観測気球を使ってへき地にインターネット接続を提供する Loon は、Telkom Kenyaとの提携の一環として、ケニア上空に気球を打ち上げた。 このプロジェクトの実現は、ムーンショット育成についてしばしば大袈裟な言葉で語りなが…

ケニアで、気球を使ったインターネット接続の商用サービスを開始した「Loon」
Image Credit: Loon

Alphabet が長年取り組んできたプロジェクト「Loon」は4月21日、同社が正式に初の商用サービスを開始し、その気球がケニア上空を飛行したことで、大きな節目を迎えた。観測気球を使ってへき地にインターネット接続を提供する Loon は、Telkom Kenyaとの提携の一環として、ケニア上空に気球を打ち上げた。

このプロジェクトの実現は、ムーンショット育成についてしばしば大袈裟な言葉で語りながら、自動運転車のようなプロジェクトを商用サービスに転換するのに苦労している Alpha にとって注目すべき一歩だ。今回の場合、Loon の躍進は、気球やドローンを使って、へき地に住む人々にインターネット接続を提供しようとする Alphabet や Facebook の取り組みにとって、重要かつ象徴的な勝利だ。

Loon はもともと「Project Loon」と呼ばれていたが、2011年に Google での実験として始まり、徐々進化して独立した会社となった。2009年初頭、Loon は商業サービスの野望を加速すべく、通信関係者からなるアドバイザリーボードを設立した。

Loon は海上20km上空を移動する気球を使い、気球の動きと距離を追跡するアルゴリズムで複数の気球をネットワークしながら配置することで、インターネット接続を維持することができる。

同社は当初、商業サービスの昨年開始を念頭に2018年にケニアとの提携を発表していたが、さまざまな遅延により4月開始することとなった。ケニア政府は今年3月正式にサービスを承認したが、この遅延がサービス開始のために気球のレースを生み出すことになった。新型コロナウイルス流行の影響で(スタッフの移動に制約が出るなど)タスクが複雑化したためだ。

気球はプエルトリコとネバダのサイトから打ち上げられた。つまり、この日ののキックオフでは、Loon のチームは気球を空に打ち上げた後、約11,000km離れたケニアまで誘導する必要があったわけだ。

プエルトリコからケニアまでの気球ナビゲーションマップ
Image credit: Loon

Loon の CTOで Salvatore Candido 氏のブログ投稿によると、このシステムはソフトウェアを使用して自動的に地図を作成し、天気予報に基づいて飛行経路を最適化し、継続的に調整することが可能だ。それぞれの気球は、最終目的地まで独自のルートをたどる。

同社が昨年実施した飛行テストは100万時間以上を超え、このナビゲーションシステムを大幅に改善した。機械学習を利用して、目的地に向かってまっすぐ飛ぶよりも、ジグザグのパターンで飛ぶ方が効率的であることを発見した。また、円ではなく8の字型のパターンで飛行することで、気球がより長い時間指定された領域に留まることできる。

地上クルーがシステムを監視しているが、自動化と環境条件から迅速に学習できる Loon の能力は、商用サービスを展開する上で非常に重要であることが証明されている。

Loon チームは、これまでケニアではほとんど、あるいは全くインターネットに接続できなかった地域の人々にサービスを提供できることに興奮している。(中略)

私がしばしば言っていることだが、人々にはインターネットよりもはるかに必要なものがある。仲間に食料、きれいな水、医療品を届けられるなら、それを先にすべきだ。しかし、人類が新型コロナウイルス流行に対応し、友人・同僚・家族と物理的に距離を置いている今、情報を得ながら共につながっていることができるのは、オンラインで連絡を取り合うことができるという我々の力だ。(Candido 氏)

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【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

サムライインキュベート、アフリカのスタートアップ向けに20億円規模の新ファンドを組成

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 【9日18時更新】赤字部分を追記、訂正線部を削除。 東京を拠点とする VC であるサムライインキュベートは9日、ケニア・南アフリカ・ナイジェリアのスタートアップ向けのファンドを組成したと発表した。ファンド名は「Samurai Africa Fund 2号」で、ファンド規模は最終的に20億円を目指す。対象となるスタート…

左から:久保浩成氏(サムライインキュベート シニアマネージャー ファンドコントローラ)、米山怜奈氏(サムライインキュベート シニアマネージャー 兼 サムライインキュベートアフリカ マネージングパートナー)、 榊原健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役社長 兼 サムライインキュベートアフリカ 代表取締役社長)、 小池直氏(サムライインキュベート マネージャー)、本間良広氏(サムライインキュベート執行役員 コーポレートグループ)
Image credit: Samurai Incubate

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

【9日18時更新】赤字部分を追記、訂正線部を削除。

東京を拠点とする VC であるサムライインキュベートは9日、ケニア・南アフリカ・ナイジェリアのスタートアップ向けのファンドを組成したと発表した。ファンド名は「Samurai Africa Fund 2号」で、ファンド規模は最終的に20億円を目指す。対象となるスタートアップのステージはシードからシリーズ A ラウンドで、ワンショットのチケットサイズは500〜5,000万円。投資対象領域は、金融・保険、物流、医療・ヘルスケア、小売・EC、エネルギー、農業、交通・モビリティ、エンターテインメントに設定されている。

Samurai Africa Fund 2号 と名乗るからには、同ファンドの1号はいつ組成されたのか気になる読者もいるだろうが、サムライインキュベートと共同出資で同社出身の寺久保拓摩氏が2018年5月に設立した Leapfrog Ventures のファンド(5億円)を指しているようだ。なお、サムライインキュベートの沿革によれば、2019年6月に Leapfrog Ventures はサムライインキュベートアフリカとして社名を変更している。

サムライインキュベートアフリカの代表は、2019年6月の段階では寺久保氏が務めていたことが確認できるが、現在は、サムライインキュベート代表の榊原健太郎氏に変更されている。事実上、サムライインキュベートの完全子会社(またはアフリカ向け投資ビークル)になったと理解できる。寺久保氏は独自にアフリカ向けファンドを組成する準備に入っているとの消息筋の情報もあり、氏の動向については機会を改めて詳報をお伝えしたい。

2号ファンドの運用にあたっては、日本政策投資銀行や国際協力銀行出身で、JICA(国際協力機構)モロッコ事務所で駐在員アシスタント企画調査員、TECHFUND のディレクターなどを務めた米山怜奈氏がマネージングパートナーとして就任する。なお、サムライインキュベートアフリカは JICA から起業促進やスタートアップエコシステム形成に関する調査を受託している。なお、サムライインキュベートアフリカでは、「JICA 当該調査の委託は、いかなる意味においても本ファンドの評価を示すものではない」としている。

1号ファンドではルワンダ、ケニア、タンザニア、ウガンダ、南アフリカを投資対象地域に設定していたが、2号ファンドではルワンダ、ウガンダ、タンザニアは外され、ナイジェリアが追加された(サムライインキュベートアフリカでは、ルワンダ、ウガンダ、タンザニアを表記から外しただけで、運用上の投資対象地域からは外していないとのこと)。サブサハラ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)最大の市場を誇るナイジェリアは成長が著しいため、サムライインキュベートアフリカでは経営資源の選択と集中を図ったものとみられる。なお、1号ファンドは組成時に80社程度への出資を目標に掲げていたが、これまでに約4分の1に相当する18社への出資が完了したことが明らかになった。

1号ファンドからのこれまでの投資先には、アフリカで製造・流通業向け営業管理 SaaS「SENRI」を提供する アフリカインキュベーター(Afri-inc)、ケニアのソーシャルコマース/販売管理SaaS「BiasharaBot」を運営する Biashara Viral Gains、 非銀行層向け与信インフラを提供する EXUUS などがある。1号ファンドには投資枠は残存していると見られ、今後の1号ファンドの投資対象地域が従来のものを踏襲するか、2号ファンドに準拠するかは現時点で定かではない。

(「Samurai Africa Fund 1号」は、Leapfrog Ventures の当初組成額5億円に加え、「Samurai Incubate Fund 6号」(組成額34.5億円)の10%をファンド・オブ・ファンズ形式で組み入れており、投資枠は既に終了しているとのこと。投資したスタートアップ数は当初想定数の4分の1だが、1社あたりのチケットサイズが当初想定より大型化したと見られる。)

この分野では、アフリカでのコーポレートアドバイザリーやスタートアップ支援を提供する日本企業として、東京に拠点を置く Double Feather Partners などが存在する。

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アフリカで製造・流通業向け営業管理SaaS「SENRI」運営、SBIインベストメントから2億円を調達——ケニア・ナイジェリアでの体制を強化

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ケニア・ナイロビなどを拠点に、アフリカ現地の製造・流通業向け営業マネジメントシステム「SENRI」を提供するアフリカインキュベーター(Afri-inc)は28日、シリーズ A ラウンドで SBI インベストメントから2億円を調達したことを明らかにした。同社にとっては、昨年9月に実施した8,000万円の調達(プレシリーズ A ラウンド相当)、2015年に実施した4,000万円(シードラウンド相当)の…

アフリカインキュベーター/SENRI のナイジェリアオフィスの皆さん
Image credit: Afri-inc

ケニア・ナイロビなどを拠点に、アフリカ現地の製造・流通業向け営業マネジメントシステム「SENRI」を提供するアフリカインキュベーター(Afri-inc)は28日、シリーズ A ラウンドで SBI インベストメントから2億円を調達したことを明らかにした。同社にとっては、昨年9月に実施した8,000万円の調達(プレシリーズ A ラウンド相当)、2015年に実施した4,000万円(シードラウンド相当)の調達に続くもので、累積調達金額は3億2,000万円。

アフリカインキュベーターは、JICA でアフリカのプロジェクトの立ち上げや運営を経験した後、外資系戦略コンサルティングファームでマネージャーをしていた永井健太郎氏が2015年に設立。消費財などを中心に製造・物流業企業100社ほどに SENRI を提供している。有名企業では、ホンダ、森永製菓、ロレアル、味の素 (現地法人を含む)なども SENRI の顧客だ。アフリカでは伝統的な小売店を通しての流通が主流のため、流通にかかるコストが大きく、企業にとって流通網の効果的な拡大が困難だ。SENRI では受発注をはじめとする流通プロセスを SaaS 化することで業務を効率化、20%を上回る生産性向上を実現してきた。

永井氏に昨年9月からのアップデイトを聞いたところ、サブサハラアフリカ最大の市場であるナイジェリアに進出したことが大きいようだ。

ナイジェリアの市場は、当初想定していたよりも、ひたすらデカいことがわかった。(元々の SENRI の主戦場である)ケニアの5倍以上はあるように思う。製造業は最大都市のラゴスに集中しているが、そこに拠点がある企業が SENRI を採用し、ナイジェリア全土でサービスを提供できている。メーカー1社に100人程度の営業担当者がいて、その全員が SENRI を使っている、といった規模感。(永井氏)

SENRI のナイジェリアでの利用状況
Image credit: Afri-inc

SENRI には昨年来、決済機能が強化されているが、今回の SBI インベストメントからの出資は、SENRI が持つ決済機能を中心としたフィンテックの可能性に、中長期的な展望を踏まえた上でのものと言えそうだ。銀行利用率が高くないアフリカにおいては、B2C や C2C でフィンテックを取り入れたユニーク金融市場が出来上がりつつある。これは B2B にも波及するとみられ、特に物流を担う SENRI では、ファクタリング、ビリング代行、信用スコアリングを含む貸付などのサービス展開も期待できる。

ケニアとナイジェリアでは需要も似ている。営業担当者が出先でサボっていたりすることが多く、また、小売店からオーダーが来てから商品を届けるのに時間がかりミスも多い。そういう問題を少なくすることに、SENRI が役立っている。世界的な消費財メーカーの需要にも対応できるようにし、そういった企業を着実にユーザに取り込みつつある。(永井氏)

アフリカインキュベーターでは、ケニア・ナイロビのオフィスに加え、ナイジェリアへの本格進出を機に現地子会社を設立しラゴスに拠点を開設した。現在、事業企画メンバーの採用を強化しており、今回調達した資金を使って、ケニア・ナイジェリアを中心としたアフリカでの営業・マーケティング体制の強化と、決済機能を含むサービスの機能強化を目指すとしている。

SENRI(クリックして拡大)
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