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Bytedance(字節跳動)、TikTok(抖音)のCEOにディズニー元幹部を抜擢——米国での懸念噴出に対応か

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人気の短編動画アプリ「Tiktok(抖音)」を運営する Bytedance(字節跳動)は19日、Tiktok の CEO に元ウォルト・ディズニー・カンパニーのストリーミング部門元幹部 Kevin Mayer 氏を任命したと発表した。 重要視すべき理由:同社は、中国企業による所有であることをめぐる懸念に対処する取り組みを強化している。Bytedance は4月、サイバーセキュリティのベテラン Ro…

Photo credit: Alexey Malkin / 123RF

人気の短編動画アプリ「Tiktok(抖音)」を運営する Bytedance(字節跳動)は19日、Tiktok の CEO に元ウォルト・ディズニー・カンパニーのストリーミング部門元幹部 Kevin Mayer 氏を任命したと発表した。

重要視すべき理由:同社は、中国企業による所有であることをめぐる懸念に対処する取り組みを強化している。Bytedance は4月、サイバーセキュリティのベテラン Roland Cloutier 氏を CISO(最高情報セキュリティ責任者)に任命した。また昨年には、YouTube の元幹部 Vanessa Pappas 氏などアメリカで幹部を任命するなど、Tiktok を中国の運営から切り離す努力を強化している。

  • Mayer 氏は Bytedance の上級職にも就いており、Bytedance の中国本社が現在も Tiktok を厳しく管理していることを示唆している。

詳細情報:Bytedance が18日に発表した声明によると、同社は Mayer 氏を Bytedance COO 兼 Tiktok CEO に任命した。

  • Mayer 氏は、Bytedance の創業者兼 CEO Zhang Yiming(張一鳴)氏の直属となり、同社のグローバル展開を指揮することになる。また、Mayer 氏は Bytedance の企業開発、営業、マーケティング、広報、セキュリティ、コンテンツモデレーション(不適切コンテンツの監視)、法務を担当することになると同社は述べている。
  • Mayer 氏は18日にディズニーを退任し、Bytedance には6月1日に着任する。
  • 声明によると、Tiktok の前身である Musical.ly の創業者であり、現在 Musical.ly の社長を務める Alex Zhu(朱駿)氏 は、Bytedance の製品・戦略担当 VP に就任する。

Mayer 氏はグローバルビジネスを成功させた豊富な経験を持ち、世界中のユーザのクリエイティビティを刺激するという我々のミッションに最適な人物だ。世界で最も実績のあるエンターテインメント経営幹部である Mayer 氏は、Bytedance の製品ポートフォリオを次のレベルに引き上げる上で適任だ。(Bytedance の創業者兼 CEO Zhang Yiming 氏)

背景:Mayer 氏は、ディズニーの複数のストリーミング事業を担当する子会社 Direct-to-Consumer & International の会長を務めていた。11月に開始したストリーミングサービス「Disney+」のグローバルローンチを主導し、5ヶ月で5,000万人以上の加入者を集めた。

  • Bytedance は、時価総額が約1,000億米ドルと推定される世界で最も評価額の高いスタートアップの1つであり、中国以外の市場での存在感を精力的に拡大している。創業者の Zhang 氏は3月、国外事業を引き継いだ
  • Tiktok は中国との関係をめぐってアメリカでの監視の目が厳しくなっている。調査会社 Sensor Tower によると、アメリカでダウンロード件数1億7,200万件に達したアプリが国家安全保障上のリスクをもたらす可能性があるかどうかについて、アメリカの議員数人が疑問を呈している
  • Tiktok は今年3月、セキュリティとプライバシーに関する懸念に対処するため、アメリカのオフィスにコンテンツモデレーションのトランスペアレンシーセンターを設置すると発表した

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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「TikTok(抖音)」運営のByteDance(字節跳動)、時価総額は1,000億米ドルに到達か【報道】

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Financial Times は、TikTok および Douyin(抖音)開発元の Bytedance (字節跳動)の時価総額は現在、最近の中国企業株式のセカンダリーマーケットにおける同社の株価に基づいて計算すると、最大で1,000億米ドルに上ると推定されると報じた。 重要視すべき理由:この最新の評価額は、2018年時点の評価額750億米ドルよりも約3分の1程度高くなっている。 詳細情報:Fi…

上海の Bytedance(字節跳動)ビル受付で働くスタッフ
Image credit: TechNode/Emma Lee

Financial Times は、TikTok および Douyin(抖音)開発元の Bytedance (字節跳動)の時価総額は現在、最近の中国企業株式のセカンダリーマーケットにおける同社の株価に基づいて計算すると、最大で1,000億米ドルに上ると推定されると報じた。

重要視すべき理由:この最新の評価額は、2018年時点の評価額750億米ドルよりも約3分の1程度高くなっている。

詳細情報:Financial Times は3月30日、複数の関係者の情報を引用し、最近同社の株式がセカンダリーマーケットで売却された後、複数の投資家が非公式的ながら Bytedance に対し900億米ドルから1,000億米ドル程度の評価額を付けたと報じている

  • 投資家向けレターを引用した報道によれば、これらの投資家にはニューヨーク拠点の投資会社 Tiger Global が含まれ、同社はこの21ヶ月間、評価額を将来フリーキャッシュフローに対し低い割引率で算出し Bytedance の株式を購入してきたとされる。
  • 2018年、ソフトバンクや General Atlantic などの投資家が Bytedance に約30億米ドルを出資した際には、評価額は750億米ドルだったと Bloomberg が報じている。Bytedance のスポークスパーソンは3月31日、TechNode(動点科技)の問合せに対し、「この評価額を確認していない」と語った。
  • Financial Times の報道によると、Tiger Global は Bytedance の評価額が約半分であった頃から株式の購入を開始し、セカンダリーマーケットでの購入を通じて持分を増やしているという。
  • Bytedace は、この取引についてコメントを拒否した。
  • Tiger Global は投資家向けレターの中で、Bytedance が2017年に中国のオンライン広告市場の約4%を掌握したと述べ、今年は約19%を掌握すると予測している。市場調査会社 eMarketer によると、中国のデジタル広告支出総額は今年810億米ドルに達すると予想されている

背景:Financial Times は昨年10月、Bytedanceが今年第1四半期に香港での IPO を視野に入れていると報じた。同社は当時この報道を否定し、近日中に株式を公開する予定はないと述べた。

  • Tiger Global の中国市場における投資先には、オンラインサービスプラットフォームの Meituan-Dianping(美団点評)、EC 大手の Alibaba(阿里巴巴)、配車サービスの Didi Chuxing(滴滴出行)などがある。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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「TikTok(抖音)」運営のByteDance(字節跳動)、米議会の監視強化に対応しトランスペアレンシーセンターを開設へ

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「TikTok」は11日、「トランスペアレンシーセンター」を開設し、同短編動画プラットフォームのセキュリティとプライバシーに関する懸念に対処するため、アメリカオフィスにコンテンツの節度を保つための「トランスペアレンシーセンター」を開設する予定であると発表した。 重要な理由:中国企業が運営する TikTok は、アメリカ議会による監視強化に直面している。彼らはコンテンツ検閲と、アメリカ人ユーザの個人…

Photo credit: Alexey Malkin / 123RF

「TikTok」は11日、「トランスペアレンシーセンター」を開設し、同短編動画プラットフォームのセキュリティとプライバシーに関する懸念に対処するため、アメリカオフィスにコンテンツの節度を保つための「トランスペアレンシーセンター」を開設する予定であると発表した。

重要な理由:中国企業が運営する TikTok は、アメリカ議会による監視強化に直面している。彼らはコンテンツ検閲と、アメリカ人ユーザの個人情報が中国政府に共有される可能性について懸念している。

  • TikTok は大幅な成長を遂げており、特に10代から支持されている。中国版では「TikTok(抖音)」と呼ばれるこのアプリは、2019年に7億3,800万回以上ダウンロードされ、世界で2番目にダウンロードされたアプリとなった。
  • アメリカで直面している監視は、ソーシャルアプリ「Grindr」がアメリカの投資家への売却前に直面していたものと類似している。マーケティングインテリジェンス企業 CB Insights によると、TikTok の事業を分割するならば、同事業を運営する ByteDance(字節跳動)のバリュエーションに大きな打撃を与える。マーケティングインテリジェンス企業 CB Insights によれば、Bytedance のバリュエーションは2018年に780億米ドルと世界で最も高いバリュエーションをつけた。

詳細情報:TikTok は11日の声明で、ロサンゼルスのオフィスにコンテンツモデレーションセンターを設置し、外部のエキスパートによって同アプリがどのようにプラットフォーム上のコンテンツの節度を保っていくか示す予定である、と発表した。

  • 声明によると、このセンターでは、同社のコンテンツモデレーターがどのようにアップロードされたビデオを評価し、違反の可能性があるものを特定しているか、またユーザからの苦情や批判がどのように処理されているか、専門家が監視できるようになるyていだ。
  • センターは5月上旬にオープンする。同社によれば、初期段階では TikTok のコンテンツモデレーションにフォーカスし、ソースコードの調査や、データプライバシーやセキュリティに関する取り組みへと広げていく予定だ。
  • また同社は、サイバーセキュリティの専門家 Roland Cloutier 氏を4月に入社する最高情報セキュリティ責任者として採用したことも発表した。Linkedin のプロフィールによれば、Cloutier 氏は給与計算サービス企業 ADP の最高セキュリティ責任者を務めていた。
  • TikTok のアメリカゼネラルマネージャー Vanessa Pappas 氏は、声明の中で「当社が身を置く業界や産業は急速に進化しており、当社のシステム、ポリシー、慣行は完璧ではないことを認識している。よって、継続的な改善に取り組んでいく。」と述べている。

背景:TikTok はこの数ヶ月間、アメリカでのコンテンツ検閲や中国政府の関連する問題への懸念に対処するため、取り組みを強化している。

  • 同社は12月、史上初のトランスペアレンシーレポートを発表し、2019年上半期には(中国公安など)法執行機関を含む中国政府からのユーザ情報のリクエストは一切受け取っていないと述べた。
  • The Guardian は昨年9月、TikTok がモデレーターに対して、中国政府によって政治的にセンシティブなものだとみなされる動画を検閲するよう指示したと、Tiktok のガイドラインを詳述する漏洩文書を引用して報道した。Bytedance は昨年11月、このガイドラインが昨年5月に廃止されたと説明した

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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半年で75倍の激増、TikTokのモバイル広告投下がすごいことに

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データ計測企業「Singular」がまとめたモバイル広告ネットワーク調査2020 ROI Indexによれば、モバイルユーザ獲得においてTikTokが急拡大していることが分かった。 Singularはモバイル広告ネットワークのROIを測定している。2019年、同社は550の広告ネットワークにわたる22億件のアプリインストールに対する広告費63億ドルを精密に調べた。そして額やアダプション、ROIでは…

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Singular has launched its list of the top ad networks for mobile user acquisition.
Image Credit: Singular

データ計測企業「Singular」がまとめたモバイル広告ネットワーク調査2020 ROI Indexによれば、モバイルユーザ獲得においてTikTokが急拡大していることが分かった。

Singularはモバイル広告ネットワークのROIを測定している。2019年、同社は550の広告ネットワークにわたる22億件のアプリインストールに対する広告費63億ドルを精密に調べた。そして額やアダプション、ROIではGoogleとFacebookがまだリードしているが、TikTokが突然頭角を現してきているということが分かった。

TikTokは1年間で6億1,400万回ダウンロードされ、その広告費は2019年5月から2019年11月にかけて75倍に成長している。

Apple Search Adsも勢いを見せ、地域別リストと分野別リストで12の全てのリストに登場している。GoogleとFacebookの両社は全体的なROIと地域という点で12のトップリストのうち10に姿を見せている。

しかしSingularのCEOであるGadi Eliashiv氏は、「小さめの企業でもまだ特定のニッチな部分では大手を凌駕することができる」とeメールで回答している。

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Above: This chart captures the rapid rise of TikTok as an effective ad network.
Image Credit: Singular

例えば、Vungleはプライベートエクイティ企業のBlackstoneに7億5,000万ドルで買収される前、ほんの2,500万ドルの資金しか調達していなかったが、8つの地域別リストに姿を見せている。IronSourceは9つの、そしてTapjoyは7つのリーダーボードに名前が挙がっている。

ROIの点でiOS用の広告ネットワークトップ15社は、アルファベット順で、Aarki、AdAction、Apple Search Ads、Applovin、Chartboost、Facebook、Google、IronSource、Liftoff、Moloco、Snap、Tapjoy、Twitter、Unity、Vungleとなっている。

Androidでのトップ15社は、Aarki、AdAction、Applike、Applovin、Facebook、Google、IronSource、Liftoff、Moloco、Nend、Snap、Tapjoy、Twitter、Unity、Vungleだ。

TikTokは今年のSingular ROI Indexで、12のトップチャートのうち2つにしか姿を見せていないが、これは始まったばかりであるためだ。実際、TikTokが急成長を始める8月までは、Singularは同社の広告費をほとんど目にすることはなかった。

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Above: Singular tracks ad spending in 2.2 billion app downloads.
Image Credit: Singular

Unityは地球上のモバイルゲームの50%にサービス提供している。同社はこの流通網を使い月に100億件以上の広告を行い、しかもそれが上手くいっている。同社は顧客維持の(世界的)トップ広告ネットワークやROIの(世界的)トップ広告ネットワークを含む、リーダーリストのうち9つ(昨年から2つアップ)に名前が載っている。

Amazonがトップリストに載っていないのは単純な理由。現在、Amazonの広告部門はモバイルアプリのインストールよりも小売販売に注力しているのだ。そのため、Amazonの広告部門のサイズがここ数年で3倍になっていても、まだリーダーボードには姿を見せていない。

TwitterやSnapのような中心的なソーシャルプラットフォームは、モバイルのマーケターにとって非常に重要だ。Twitterは12のリーダーボードのうち9つに、Snapはその全てに名前が載っている。すでに印象的だった昨年の結果からさらに向上した形だ。

FacebookとGoogleはスケールしようとしているマーケターに求められているプラットフォームである。Singularは現在iOSではApple Search Adsがそのレベルに達していると言うことができるとしている。量は同等ではないが、Apple Search Adsが届けているモバイルユーザの質は極めて高く、あらゆるiOSカテゴリーで同社をリーダーボードに押し上げている。

Singularはモバイルのマーケティングデータを測定し、分析している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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中国版TikTokが映画放映、次のYouTubeを狙う戦略を振り返る

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ピックアップ記事: TikTok, Douyin the world’s second most-downloaded app in 2019 ニュースサマリー: 中国テックメディアTechnodeによると、「TikTok」および中国版TikTok「Douyin(抖音)」の2019年におけるダウンロード数が、App StoreとGoogle Playで2位であったと報じた。1位を獲ったのはFace…

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Image Credit: Kon Karampelas on Unsplash

ピックアップ記事: TikTok, Douyin the world’s second most-downloaded app in 2019

ニュースサマリー: 中国テックメディアTechnodeによると、「TikTok」および中国版TikTok「Douyin(抖音)」の2019年におけるダウンロード数が、App StoreとGoogle Playで2位であったと報じた。1位を獲ったのはFacebookのWhatsApp。

App StoreとGoogle Playにおける、TikTokとDouyinの2019年合計ダウンロード数は合計で7億3,800万件超。Google Playが約6億件のインストールを記録しており、合計数の大半を占めるという。また、2019の第4四半期のダウンロード数は過去最高を記録し、インストール数は2億2000万件超を達成。前四半期比で24%、前年比で6%増加した。

2019年10月以来、TikTokが米国ユーザーにデータセキュリティとプライバシーのリスクをもたらす可能性があると判断されており、精査対象となっている。こうした動きに対処するため、昨年末にプラットフォームの透明性に関するレポートを初めて発表している。

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Photo by Tim Savage on Pexels.com

記事のポイント: TikTokの勢いが止まりません。同アプリの源流にあるのが短尺動画だと考えます。

2010年代から短尺動画フォーマットが流行始めました。1〜3分ほどの短さで完結する動画を楽しむ視聴スタイルです。筆者はこのトレンドがTikTokによるYouTubeの牙城崩しにも繋がるものだと考えています。そこで、本記事では4章に分けたサマリーに沿って説明しながら、TikTok誕生までの市場史と短尺動画メディアの行く末に関して考察していきたいと思います。

1) モバイルファースト + 縦長動画フォーマット最適化(2011年〜2014年)

まず、短尺動画時代の幕開けは2011年創業の「Snapchat」から。ユーザー同士が10秒動画を送りあってコミュニケーションをするP2Pプラットフォームとして爆発的な人気を博し、今や上場を果たしています。競合として、後にTwitterに買収される2012年創業の「Vine」も追随。当時はコンシューマアプリ全盛期でもあったため、Snapchatライクなアプリは数多登場しましたが、結局本家しか生き残れなかった感があります。

SnapchatはまさにYouTubeが当時なし得なかった、モバイルファースト + 縦長動画フォーマットにサービスを最適化させたサービスと言えます。

フックとなったのが注目をされていたミレニアル世代。日常おもしろコンテンツの発信欲は一定層存在します。ミレニアルズはまさにこの欲求を強く持っていました。そこで登場したSnapchatが刺さり、スマホを通じた動画コミュニケーションの最適解を示しました。

よりマクロ視点で語れば、スマートフォンに搭載された機能が市場を大きく変えた瞬間であったと感じます。

GPSはGoogle Mapのリアルタイムナビゲーション体験を市場に浸透させましたし、カメラ機能はInstagramやSnapchatを通じたビジュアルコミュニケーションの考えを広めました。この点、Snapchatは未だ発掘されていなかったスマホ機能のユースケースを市場に浸透させた事例とも言えるでしょう。単にうまくミレニアル世代に幸運にも刺さったサービスではないと思います。

「分散型動画メディア」が登場、短尺動画の認知が広まる(2015年〜2017年)

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Photo by Pixabay on Pexels.com

2015年に差し掛かると、各種SNSにコンテンツ投稿する「分散型メディア」というワードに注目が集まります。ユーザーが集まる場所に、最適化したコンテンツをメディア側が投稿する考えです。わざわざユーザー側からメディアの方へ出向くのではなく、メディア側からユーザーへ出向く業態が流行りました。2012年創業の「NowThis」は分散型動画メディアとして有名となりました。日本勢では「クラシル」が人気でしょう。

ただ、分散型メディアはFacebookやTwitter、YouTubeにユーザーデータを取られるリスクを背負う必要があると同時に、アルゴリズムの変更によりメディア戦略を随時変更する必要性もありました。なにより、課金ポイントがネイティブ動画広告以外一切なく、非常に苦しい状況に陥ります。

最終的にSNSは膨大なユーザーを短期間で一気に稼ぐ、メディア認知をさせる場所として捉えられます。1ユーザーの獲得コストが100円にも満たないことから、CAC(ユーザー獲得コスト)に革命が起きたのは事実でしょう。しかし、自社アプリプラットフォームにユーザーを誘導し、有料プランを提供する戦略を各メディアが採用する必要が出てきました。

アプリ開発をせず、SNSだけで課金ポイントを模索したメディアは総じてしぼんでいった印象です。唯一生き残った業態は2つ。1つは有料プランと相性の良いレシピ情報を提供できる料理動画系メディア。もう1つは企業とタイアップした広告事業。ユーザー獲得に数億程度のコストをかけ、一定視聴数をコンスタントに稼げるベースラインを構築した大型調達組のみが広告事業で生き残っていると感じます。

個人的にはユーザーデータを細かく分析しながらサブスクモデルでリテンションを長くする施策を適宜打てるクラシルのような料理動画メディアの戦略こそ、分散型動画メディアの唯一の解であったのではないでしょうか。

プロシューマー系アプリ「TikTok」が爆発的な普及(2015年〜2019年)

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Image Credit: Douyin

分散型動画メディアの登場と共に、TikTokのユーザー数は数億人規模に拡大。SNS志向の分散型メディアと、単独アプリ中心のTikTok。一見、相入れないように感じますが、TikTokはSNS動画の流れを大きく汲んでいます。

先述したような分散型動画メディアは世界中で乱立。収益モデル確立に苦しみ、すでに大半が買収・撤退・事業維持の3つで決着しています。一方、乱立したおかげで、短尺動画の視聴体験が市場に受け入れられました。また、SNSの登場により、CACの著しい低下によりアプリ広告コストが抑えられ、短期間に膨大な量のユーザーを囲い込み、資金力を武器に一大プラットフォームを作る逃げ切り型のモデルが認知されるのです。

この2点が次のTikTok登場に繋がります。Snapchat登場時にはなかった、CAC革命により急成長できたのがTikTokであると言えるでしょう。

さて、TikTokはSnapchatやVineなどの動画投稿プラットフォームとは一線を画します。ポイントは大きく下記5つほど挙げられるかと思います。

  • プロシューマー系動画アプリ
  • 音楽の解放
  • コンテンツ幅の拡大
  • トレース性の訴求
  • レコメンド

同じ動画をループさせるSnapchatのようなサービスとは違い、ある程度のスキルを持った動画クリエイターになれる「プロシューマーアプリ」がTikTokだと感じています。プロシューマーとは、コンシューマ向けのツールを使い倒し、ものすごい早いスピードで仕事をこなせる「プロの仕事人」を指します。この点、プロとは言わないまでも、動画撮影に多少長けたユーザー向けアプリがTikTokだったのです。

TikTokを支えるのが残り4つのポイントです。

まず、音楽を解放することで、誰もがアマチュア動画クリエイターになれる門戸を開きました。著作権で突っ込まれない点は、UGC(ユーザー・ジェネレイト・コンテンツ)プラットフォームでは地味に大きい点かと思います。コメントで非難されることがなくなるためです。

また、SnapchatやVineは超短尺のループ動画であったため、コンテンツ表現が制限されていました。そこで、少し長めの動画尺を採用することで、コンテンツの幅を広げました。

豊富なラインアップの中から好きな音楽を元に動画作成させる導線は、音楽毎に独特の作法を確立しました。たとえば、大塚愛さんのさくらんぼの音楽を選択すれば、アンゴラ村長のダンスを真似るといった具合です。このように、人気動画コンテンツの作法がいくつもユーザーによって発見され、真似る文化が醸成しました。他のユーザーが人気コンテンツ・フォーマットを投稿できるトレース性を限りなく高めたのがTikTokの大きな強みです。

コンテンツ発見の導線設計にも余念がありません。AI機械学習によるレコメンド機能は、各ユーザーにパーソナライズ化した動画コンテンツをタイムラインに並べます。こうしてZ世代、ミレニアル世代、X世代のように、各世代やデモグラフィック毎に最適なコミュニティ形成を可能としました。全く違う趣向のユーザーがバッティングしないプラットフォーム設計をAIを活用して実現させました。

映画配信へ参戦。YouTubeの牙城が壊され始める(2020年〜)

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動画投稿と視聴の両方を兼ね備えたハイブリッドメディアとしてのTikTokは、間違いなく2011年から変化を遂げてきた短尺動画トレンドの着地点の1つとなるでしょう。前章で説明した5つの要素を武器に、TV業界とYouTubeのディスラプトへ走り始めています。

友人間の動画コミュニケーションに特化した「P2P(Person-to-Person)プラットフォーム」がSnapchatであるならば、個人ユーザーが大衆に向けてバズコンテンツを大量に生み出せる「P2C(Person-to-Consumers)プラットフォーム」の立ち位置を確立したのがTikTokです。

個人が大衆に向けて動画コンテンツを大規模に発信できるプラットフォームの形は、個人がTV番組ほどの影響力を持てることを意味します。その上、15〜30秒ほどの動画を自然発生的に、かつ大量に投稿させるプラットフォームはTV広告に取って代わる可能性を持ちます。

TV画面で15秒間隔に移り変わるスポンサーコンテンツ。一方、TikTokは5億人とも言えるユーザーに向けて、同尺程度の動画を提供できる土台がすでに固まっています。TV広告の尺を、モバイルファーストに最適化させた形で、大量にコンテンツを拡散するプラットフォームを確立させたのです。TV業界をディスラプトするようなサービスの通称「コードカッター」の代名詞にまで上り詰めることができるはずです。

YouTubeもコードカッターの特色を持ちますが、スマホからの動画投稿は一般的ではありませんし、短尺動画のトレンドに乗っていません。もはや動画編集サービスを使わなければ良質な動画を投稿できないプロツールとしての動画サービスになっているため、動画投稿体験においてミレニアル世代やZ世代から人気を獲得できていません。

なにより、TikTokがYouTubeに大きく追いつく一手が打たれました。それが映画の放映です。

きっかけはコロナウィルス。中国メディアによると、旧正月に放映される予定であった映画がキャンセルに。そこでTikTok親会社「Bytedance」が6億3,000万元(9,080万ドル)を支払い放映権を購入。中国版TikTokであるDouyinを含め、Bytedance傘下のメディアで放映されたそうです。

限定的な作品放映ではありますが、なんの脈絡もなしに放映権獲得に動くはずもないでしょう。以前から長編動画の戦略を画策していたことが伺えます。映像作品まで楽しめるようになれば、ユーザーは他社ストリーミング企業を開く必要がなくなり、いよいよYouTubeやNetflixと直接競合するようになります。

2011年から始まった短尺動画のトレンド。TikTokは動画市場の変遷の中で、巧みなユーザー体験設計と成長戦略を描き、ここまでたどり着きました。10年目の2020年は長尺動画・映像放映にまで着手し、あらゆる世代向けに・あらゆる尺の動画コンテンツを提供するプラットフォームを完成させるかもしれません。

未だTikTokは課金へ大きく舵を取ってはいませんが、TV業界やYouTubeの座をひっくり返すビジネスモデル確立のため布石を打ち続ける方針は明らかです。ますますTikTokの動向に目が離せません。

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月間アクティブ12億人、WeChat(微信)が中国版TikTokに対抗して短尺動画をテスト

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WeChat(微信)はライバルのDouyin(抖音)とKuaishou(快手)との競争が激化する中、ユーザエンゲージメントを高めるために、ユーザが自分のソーシャルサークル外のオーディエンスに向けに動画投稿できる新機能をテストしている。 重視すべき理由:WeChatはこの数カ月で一連のアップデートをリリースした。これは中国で最も人気のあるSNSアプリであるWeChatがより多くのユーザを獲得し、成長…

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WeChat(微信)はライバルのDouyin(抖音)とKuaishou(快手)との競争が激化する中、ユーザエンゲージメントを高めるために、ユーザが自分のソーシャルサークル外のオーディエンスに向けに動画投稿できる新機能をテストしている。

重視すべき理由:WeChatはこの数カ月で一連のアップデートをリリースした。これは中国で最も人気のあるSNSアプリであるWeChatがより多くのユーザを獲得し、成長を加速するための取り組み強化をしていることを示している。

  • 新機能「Channels(視頻号)」は、ユーザがビデオや写真を不特定多数のオーディエンスに投稿できるもので、同アプリのニュースフィード「Moments(朋友圏)」に似ており、ユーザの投稿は既存の連絡先にしか表示されない。
  • ChannelsはBytedance(字節跳動)のDouyin  やTencent(騰訊)が投資したKuaishouのような短編動画プラットフォームや写真共有アプリから、自社アプリへインフルエンサーやコンテンツクリエイターを誘い込む可能性を秘めている。

詳細情報:Channelsではユーザは一度の投稿で1分間の動画、または9枚の写真とリンクを投稿することができる、とベータテストに参加したMiniapp.comの編集者であるJiang Hongchang氏は述べた。

  • WeChat Teamの公式アカウントで公開されたテストへのインフルエンサーの参加募集呼びかけの中で、同社は応募者に対し、他のソーシャルプラットフォーム上のフォロワー数を含む「影響力の証明」を提供するよう求めた。

この機能がフォロワーやエンゲージメントを獲得するための新たな手段になるかどうかを見極めていきます(Jiang氏)

  • WeChatはTechNode(動点科技)に宛てた声明の中で、Channelsはまだ「A/Bテスト」段階にあり、この機能は「ユーザに創造的な自己表現方法を提供する」ための同社の最新研究であると述べた。
  • WeChatが全てのユーザにこの機能へのアクセスを許し、閲覧や投稿ができるようにするかどうかは未定である。同社は声明の中で、「より幅広いユーザーが利用可能となるだろう」とだけコメントしている。

背景:親会社Tencentの第3四半期決算報告によると、WeChatの月間アクティブユーザ数は9月時点で約12億に達している。

  • 同社は先週、公式アカウントプラットフォーム上でパブリッシャーが投稿にペイウォールを追加できる新機能を発表した。
  • 今月初め、WeChatは小売業者向けのミニプログラム(小程序)機能を複数発表し、Alibaba(阿里巴巴)、JD.com、Pinduoduo(拼多多)などのライバルと競争するために巨大オンラインマーケットプレイスを構築しようとしているのではないかという憶測を呼んでいる。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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短尺動画「Douyin(抖音)」、デイリーアクティブユーザ4億人を突破

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訂正と補足:記事初出時にDouyin(抖音)をTikTokと表記していましたが正しくは原文の通り、こちらのニュースは中国国内で展開しているDouyin(抖音)の情報になります。グローバルで展開しているTikTokとは異なる情報なので修正してお知らせいたします Bytedance(字節跳動)は1月5日にリリースした2019年版年次報告書で、短尺動画アプリ「Douyin(抖音)」のデイリーアクティブユ…

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訂正と補足:記事初出時にDouyin(抖音)をTikTokと表記していましたが正しくは原文の通り、こちらのニュースは中国国内で展開しているDouyin(抖音)の情報になります。グローバルで展開しているTikTokとは異なる情報なので修正してお知らせいたします

Bytedance(字節跳動)は1月5日にリリースした2019年版年次報告書で、短尺動画アプリ「Douyin(抖音)」のデイリーアクティブユーザ数(以下、DAU)が4億人を超えたと発表した。

重視すべき理由:Douyinは現在、ライバル関係にある短尺動画プラットフォーム「Kuaishou(快手)」との熾烈な競争に直面している。Kuaishouは6月に「戦闘モード」に入り、1月末までにDAUを3億人に引き上げるという。

  • 調査会社Quest Mobileのレポートによると、DouyinとKuaishou両方を利用している2019年6月のユーザ数は前年比で2倍以上増加し、1億5,880万人となった。

詳細情報:年次報告書によると、DouyinのDAUは7月に発表された3億2,000万人から25%以上急増した。

  • また、年次報告書において、より高いロイヤルティを求める世界的な大手音楽レーベルと膠着状態にある中、Bytedanceはオリジナル楽曲の導入を促進したと強調している。2019年に最も頻繁に使用された10曲のうち上位9曲は、中国の独立系ミュージシャンによって作曲されている。
  • さらに、Douyinの教育コンテンツに関する統計も明記されている。昨年1,490万件近くの教育向け短編ビデオが作成され、それぞれ平均10万人のユーザが閲覧した。

背景:Tencent(腾讯)から支援を受けるKuaishouと激しい競争が繰り広げられている中、Bytedanceはユーザベースの成長を堅調に維持することができている。

  • Bytedanceが運営するアプリ全体の2019年上半期DAUは、前年同期比で16.7%増加し7億人になったと同社は7月に語った
  • LatePostの報道によると、Kuaishouは2019年12月、Tencentがリードする30億米ドル規模のシリーズFラウンドをほぼ完了させた。
  • Kuaishouは10月に目標を大きく2つに分けた。1つ目は旧正月が2020年1月24日に開催される前に、ピーク時のDAUを3億人にすること。2つ目は春節後3か月で平均DAUを3億人にすることである。
  • この目標を達成するために、Kuaishouは11億人民元相当の賞金を用意し、China Central Televisionが開催する毎年恒例のテレビイベントであるSpring Festival Gala(春節聯歓晩会)を大々的に宣伝する予定だ。Kuaishouは同イベントの独占的インタラクティブパートナーである。

【via TechNode】 @technodechina

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上半期収益は71億ドル、拡大続く中国「TikTok」がEコマース機能をアップデート

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短尺動画アプリ「TikTok(抖音)」は最近、Eコマース機能をアップデートしていたことがわかった。36Krの報道によると、ユーザが広告をクリックした後、1つの商品だけでなく、フィード内に類似または関連商品を閲覧できるようになったという。 重視すべき理由:Bytedanceはコンテンツプラットフォーム全体において、広告の作成や展開、および管理を最適化することで広告収益を高めるだけに留まらず、ユーザエ…

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Screenshots of a product feed following a short video for a meal replacement milkshake with similar products (left) and other recommended products (right). (Image credit: TechNode)

短尺動画アプリ「TikTok(抖音)」は最近、Eコマース機能をアップデートしていたことがわかった。36Krの報道によると、ユーザが広告をクリックした後、1つの商品だけでなく、フィード内に類似または関連商品を閲覧できるようになったという。

重視すべき理由:Bytedanceはコンテンツプラットフォーム全体において、広告の作成や展開、および管理を最適化することで広告収益を高めるだけに留まらず、ユーザエクスペリエンスの改善にも取り組んでいるようである。

  • Bytedanceは9月、TikTok向けの広告動画作成ツールをローンチした。それ以前には、広告やマーケティングキャンペーン実績を追跡する2つのアプリもリリースしている。

詳細情報:動画下部にある商品広告をクリックすると、類似または関連商品の広告を含む動画で構成されるフィードに移動する。アップデート前は広告をクリック後、1つの商品しか表示されなかった。

  • 動画の表示方法は次のように複数存在する。一部フィードはユーザの「いいね!」の数をもとに動画をランク付けするが、その他フィードは売上高でランク付けされた類似商品を宣伝する動画を直接表示する。また、別のタイプのフィードには、ユーザが興味を持っているであろう関連性のない商品が順不同で表示される。
  • たとえば、食事代わりとなるミルクシェイクを宣伝する短い動画では、他のクリエイターが手掛けた上位6つの同じミルクシェイクの宣伝動画を閲覧できるフィードに移動し、その後に果物、アルコール飲料、シーフードなどのおすすめ商品リストが続く。
  • ユーザは売上や価格に準じて、フィードをランク付けして結果を表示させることができない。
  • それぞれ異なるユーザに合わせ、どのタイプのフィードを表示させるかを決定するパラメーターは何が使われているかについては、明らかにされていない。
  • TechNodeはBytedanceに取材申込をしたが、コメントを得ることができなかった。

背景:Bytedanceは2019年上半期に、検索エンジン大手Baidu(百度)と巨大ゲーム企業Tencent(騰訊)を抜いて、中国のデジタル広告市場で2番目に大きなシェアを獲得した。TikTokとコンテンツアグリゲーターであるJinri Toutiaoの好調が、シェア獲得の主な要因である。

  • 同社の今年上半期のデジタル収益は、前年比113%増の500億人民元(71億米ドル)となり、中国のデジタルメディア支出全体の23%を占めている。

【via TechNode】 @technodechina

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インドのTikTokは教育に活路を見出すーー月間2億人を送客する巨大プラットフォームに

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ピックアップ:TikTok makes education push in India ニュースサマリー:中国のショートビデオ配信プラットホーム「TikTok」が教育コンテンツ・プログラムの拡大戦略を掲げ、インドで教育系スタートアップやコンテンツクリエイターらと提携し始めている。 TikTokが特定コンテンツ領域で今回のようなプログラムを実施することは初めての試み。教育コンテンツは基礎科目である理…

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Image Credit : TikTok

ピックアップTikTok makes education push in India

ニュースサマリー:中国のショートビデオ配信プラットホーム「TikTok」が教育コンテンツ・プログラムの拡大戦略を掲げ、インドで教育系スタートアップやコンテンツクリエイターらと提携し始めている。

TikTokが特定コンテンツ領域で今回のようなプログラムを実施することは初めての試み。教育コンテンツは基礎科目である理科や数学、英語などの他に、メンタルケアや自己啓発など多岐に渡る。パートナーとして発表されている企業では以前本誌で紹介した「Vendatsu」を筆頭に、「Topper」や「Made Easy」、「Gradeup」、「 Josh Talks」などが名を連ねる。

<参考記事>

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Image Credit : Google Play

話題のポイント:提携企業数を増やす目的は、彼ら独自のコンテンツをTikTokプラットホーム上で配信可能にし、それぞれのプラットホームとの相互流入を加速させて相乗効果を図ることです。TikTokとしてはプラットホームのコンテンツ充実化を果たすことができ、提携側もTikTokプラットホームで自社コンテンツの視聴者数を押し上げることができます。

実際ピックアップ記事によればインドのTikTok月間ユーザー数は約2億人に上るといいます(今年4月のアクティブ・ユーザー数は1億2,000万人)。Josh Talkのボードメンバーによれば、同プラットホームはTikTokとの提携後、わずか2カ月弱で3,500万人以上のユーザーにリーチできたとのこと。

こうした点を踏まえると、TikTokは教育動画コンテンツのキュレーション・メディア化を狙っているということが分かります。言い換えれば、様々な教育メディアからコンテンツを収集し、TikTok上で一元的に配信するプラットフォーム化を狙っているわけです。

キュレーションメディアはアクセス数を集めることに向いており、かつ教育動画は広告効果が高く、収益化に向いているとされています。ゆえに同社が狙うポジションには大きな旨味があります。

一方、競合としてTikTokをエドテック市場に持ち込んだかのようなスタートアップ「Bolo India」が挙げられます。こちらは70秒を最大尺としたショート・ムービーの配信プラットホーム。基礎科目から人生・人間関係・キャリア・自己啓発・金融・テクノロジー・スポーツ・生活術など幅広いコンテンツが揃っている動画SNSです。

<参考記事>

日本でも有名なTikTokですが、今後教育ショート・ムービーを日本でも展開する可能性があると考えれば、今回の挑戦には大きな興味をそそられます。

既に大規模なネットワークを持っている点でTikTokの地盤は強固だと言えますが、各市場で競合はいくらでも出てくる可能性があり、マーケット独占はそう簡単ではないと予想できます。一方、本記事で紹介したBolo Indiaのように既に教育ショート・ビデオに特化したネットワークを保有しているメディアすら、TikTokと提携を行い協力関係を築くというシナリオもあり得るでしょう。

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TikTokは「追体験プラットフォーム」になる ーー “Storytelling as a Service”が秘める市場インパクト

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ピックアップ記事: Subway Time Warps Are China’s Latest TikTok Meme ニュースサマリー: 2019年4月、短尺動画アプリ「TikTok」を発信源に、地下鉄を舞台にしたコンテンツが流行した。動画では、女性が現代の地下鉄を降りると過去や別次元へ足を伸ばし、様々な服装を装ったりいろんな場所へ赴きながら旅をする。 中国版Twitter「Weibo」上ではハッ…

people watching fireworks display during nighttime
Photo by Jonas Von Werne on Pexels.com

ピックアップ記事: Subway Time Warps Are China’s Latest TikTok Meme

ニュースサマリー: 2019年4月、短尺動画アプリ「TikTok」を発信源に、地下鉄を舞台にしたコンテンツが流行した。動画では、女性が現代の地下鉄を降りると過去や別次元へ足を伸ばし、様々な服装を装ったりいろんな場所へ赴きながら旅をする。

中国版Twitter「Weibo」上ではハッシュタグ「subway crossing」と名付けられ、同動画を真似たコンテンツが瞬く間に700万回まで再生数が伸びた。中国の西安市の地下鉄会社もsubway crossingのトレンドに乗り、自社事業を紹介するトレース動画を発表した。

TikTokは「ストーリー追体験プラットフォーム」の役割を担う

話題のポイント: TikTok上では様々なコンテンツが人気になっていますが、なかでも注目なのが今回紹介したような旅動画の領域。

日本ではハッシュタグ「TikTokで旅をしよう」と検索すると非常に凝った高品質なコンテンツがヒットします。こうした旅動画が新たなメディア領域になる兆しが出ています。実際、ハッシュタグ「TikTokで旅をしよう」は累計約5億再生、ハッシュタグ「Travel」においては30億再生。TikTokが作り出した市場規模は巨大です。

旅動画コンテンツの醍醐味はユーザーが行ったことのない・体験したことのない場所を、ストーリー仕立てで追体験できる点にあります。追体験をユーザーに提供するためには、現在のTikTokのフィルターでは対応しきれません。外部ビジュアル・エフェクトツール(以下VFX)や、動画編集ソフトを利用してコンテンツ表現を高める必要があります。

TikTokの独特な撮影フォーマットと、各ユーザーが趣向を凝らして編集した旅行体験を伝えるコンテンツに注目が集まりつつあります。

同時に、ユーザーが1分程度スマホを眺めるだけで追体験できるコンテンツが集まるTikTokを“Story Telling as a Service”と呼び始める人も登場し始めました。アプリを通じてストーリー調の体験をユーザーに伝えるコンテンツが量産されるプラットフォームを指します。

動画編集市場を一変させる可能性

low angle view of lighting equipment on shelf
Photo by Pixabay on Pexels.com

先述したように、ストーリー仕立ての旅行動画を制作するには映像編集に強い人材が必要です。言い換えれば、現在こうしたコンテンツ領域に張っている動画製作者が人気コンテンツを配信できる状態といえます。

しかし、TikTokが撮影フォーマットやARフィルターなどを将来的に追加してくれば、一般ユーザーでも似たような世界観をいずれ編集して再現することが可能となるかもしれません。

もともと独特の動画編集フォーマットを用いて、動画編集ツールの役割を担いながら成長してきたTikTok。いわば動画編集ツールを他のどのサービスよりも民主化したのが同アプリです。編集ツールとしてのTikTokの進化を考えた際、たとえば冒頭で紹介した地下鉄コンテンツを手軽に真似ることもできるようになるかもしれません。

ここで今後の市場感として捉えておくべきなのが、VFXコンテンツ製作者に代表される動画編集者の活動領域・作品発表プラットフォームが旅動画の人気と共にスマホへとシフトしつつある点です。

TikTokの台頭と共に、従来映像編集スタジオでしか出来なかったことが徐々にスマホのフィルターで出来るようになっている市場変革の兆しがすでに芽生えています。これを指して“Movie Studio in the phone”と市場では称されます。

こういった未来を逆算した際、相当高度な映像編集技術を要するコンテンツが、TikTokの成長と共に量産され、現在活躍している動画編集者の価値が目減りしてくることが予想されます。

5-10年の時間を費やすと思いますが、TikTokを筆頭に“Story Telling as a Service”の概念が広まり、高い再現性を用いてあらゆる物事を追体験できるコンテンツが広まることで起こる動画市場の変化に注視しておく必要があるでしょう。

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