郵便物受取の代行や管理をクラウド化するサービス「atena(アテナ)」を運営する N-Technologies(N)は14日、Coral Capital から2,500万円を調達したことを明らかにした。 N は、共にオンラインプログラミング塾スタートアップ Yoki 出身の白髭直樹氏と北方佑樹氏により今年6月に創業。N は以前から RUNWAY Design のブランドで Web サイトやクリエ…
N は、共にオンラインプログラミング塾スタートアップ Yoki 出身の白髭直樹氏と北方佑樹氏により今年6月に創業。N は以前から RUNWAY Design のブランドで Web サイトやクリエイティブの制作や BPO を行ってきたが、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが増え、BPO 業務の顧客ニーズの延長から atena を立ち上げるアイデアに行き着いた。
国内市場オンリーフォーカスのスタートアップが多い中、興味深いことに N の Web サイトは日本語より英語の方が充実している。創業者である白髭氏が留学組ということが影響しているのかと思ったのだが、どうやら、海外企業が日本支社のメールセンター機能として利用する需要を取り込みたい意図もあるとのこと。海外系の OTA や航空会社は、電話を国際転送して海外のコールセンターで受けているケースもあるから、郵便物に関しても同じような需要があるかもしれない。
このようなサービスは、アメリカでは「Virtual Mail Service Provider」と呼ばれ、10年以上前から存在する。最大手は2007年に創業した Earth Class Mail で、100カ国にユーザ100万人を擁し、北米だけで毎年500万件の郵便物を取り扱っている(2018年現在)。Peter Thiel 氏らが出資した Outbox なども参入したが、需要が少なく、郵便物のセキュリティを心配する郵便公社総裁の反対に遭って2013年にシャットダウンした。
確かに海外では多くのスタートアップがいて、サービスを終了したところを見ると、料金を安く設定し過ぎて過当競争に陥った感がある。一方で、Earth Class Mail は、セキュアなサービスを提供していることから信頼を得て、うまく行っているようだ。atena もセキュアなサービスを提供できるよう注力していく。
N は、他社サービスとの連携にも積極的だ。今年7月には請求書処理 AI の「sweeep」と連携、atena で受け取った紙の請求書を元に仕訳データ変換、振込までをワンストップでできる UX を実現した。また「パセラのコワーク」と提携するなど、入居者向けにコワーキングスペースに届いた郵便物のクラウド化にも乗り出している。
BPO 大手のうるるは昨年から、「シュフティ」の約40万人のクラウドワーカーを使った受電代行サービス「fondesk」を提供している。一方で、アメリカでは Google は7月、社内インキュベーションで立ち上げた受電代行 SaaS の「CallJoy」をローンチから1年あまりでシャットダウンした。
プロロジスとは、施設入居企業に向けた倉庫内での働き手の確保の手段として連携、近鉄ベンチャーパートナーズとは、近鉄の伊勢志摩など沿線地域の働き手不足の解消や関係人口創出を通じた地域活性化で連携、保育・介護などを主事業とする global bridge HOLDINGS とは、保育業界における需要時間帯や保育士経験の偏在を解消を狙った連携を行う。
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