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souta watanabe

souta watanabe

99年生まれ(20歳)、法政大学(休学中)と放送大学に在籍。現在は主にクリプト業界のリサーチャーとして活動。2019年後半は東南アジア・インド。Ex- Omisego Neutrino, Consensus Base, Longhash。執筆分野(暗号通貨・ブロックチェーン/フィンテック/教育/インド)。Twitterアカウントは@souta_watatata

執筆記事

新型コロナウイルスが「地球に優しい」という皮肉

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ピックアップ:Coronavirus pandemic leading to huge drop in air pollution ニュースサマリー:新型コロナウイルスは今や全世界中の経済活動や移動を制限している。しかし現在、皮肉なことに経済活動及び移動の減少は、我々が長年削減を試みてきた空気汚染の減少に大きく寄与している。下図は中国における、大気中の二酸化窒素の濃度の変化を表したものだ。 上図二…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップCoronavirus pandemic leading to huge drop in air pollution

ニュースサマリー:新型コロナウイルスは今や全世界中の経済活動や移動を制限している。しかし現在、皮肉なことに経済活動及び移動の減少は、我々が長年削減を試みてきた空気汚染の減少に大きく寄与している。下図は中国における、大気中の二酸化窒素の濃度の変化を表したものだ。

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対流圏中の二酸化窒素濃度  (左:2020年1月1日~20日、右:2020年2月10~25日)
Image Credit : ESA

上図二つのイメージを見れば一目瞭然だが、今年2月に入って以降、中国全土の二酸化窒素濃度は著しく低下している。ESA(欧州宇宙機関)によれば、同様の現象が中国だけではなく世界中の都市及び産業クラスターで起きているという。

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イタリアの対流圏中の二酸化窒素濃度(左:2019年3月、右:2020年3月14~25日)
Image Credit : ESA

話題のポイント:二酸化窒素とは、一酸化窒素(NO)の二次生成物で、自動車や工場での燃焼だけでなくビル、家庭からの排出される有害物質です。二酸化窒素は二酸化炭素とは異なる物質ですが、同様の工業活動によって排出されるそうです。温暖化に影響を与えている二酸化炭素の減少も同じ程度生じていると推測されます。

レスター大学の空気汚染の専門家であるPaul Monks氏は英ガーディアンの取材に対して、空気汚染の減少には様々な利点があると指摘しています。例えば空気汚染がなくなることで、喘息持ちの人々は症状を改善することができますし、また人々の免疫力を上げることで、特定のウイルスの感染を抑制する効果も期待できるとしています。

加えて同氏は以下のように述べています。

私たちは現在、不本意な形ではあるにしろ史上最大規模の実験を行っているのです。低炭素経済に移行することができれば、どんな未来が見えてくるのでしょうか。命の損失を軽蔑するわけではありませんが、今回のパンデミックは、恐怖の中から我々に希望を与えてくれるかもしれません

この現象を見て環境問題が解決に向かっているなどと、到底言うことはできません。しかし、今回のパンデミックを通して副次的に誕生した何かがより持続的な経済モデルを生み出すヒントを含んでいることには注視すべきでしょう。

テクノロジー業界における典型的な例は、現在利用が急激に増加しているオンラインワーク・ツールです。ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールやSlackなどのコミュニケーションツール、その他コラボレーションツールによって、我々は出社や出張、集会を回避できるようになりました。

<関連記事>

人々は移動から解放され、温暖化や空気汚染を排出する車やバス、飛行機の利用を抑えることができます。このようにテクノロジーの可能性を考えると、我々は今回のパンデミックをある種の好機と捉えることもできるはずです。

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Twitterが「新型コロナ専門家」に認証バッジを付与へ、すでに数百件を認証

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ピックアップ:Twitter prioritizes blue-check verifications to confirm experts on COVID-19 and the novel coronavirus ニュースサマリー:3月21日、Twitter社はコロナウイルスに関して詳しい機関及び専門家のアカウントに、青色の認証バッジを付与していくと発表した。この取り組みは、ユーザーがコロナウ…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:Twitter prioritizes blue-check verifications to confirm experts on COVID-19 and the novel coronavirus

ニュースサマリー:3月21日、Twitter社はコロナウイルスに関して詳しい機関及び専門家のアカウントに、青色の認証バッジを付与していくと発表した。この取り組みは、ユーザーがコロナウイルスに関する正しい情報を発見しやすくするために取られた措置である。

我々は現在、コロナウイルスに関して信頼できる情報を提供するアカウントを認証するために動いている。我々は世界的な公衆衛生機関と協力し、専門家を特定し、既に数百のアカウントを認証している。しかし、まだまだやれることは残されており、またあなたからのサポートを採用できるかもしれない。

以上の文章からも分かる通り、Twitter社は既に数百のバッジ付与を実施済みである。しかしこれからもバッジ付与を増加させていく方針で、WHOやアメリカ疾病予防管理センター、州立健康機関などの医療機関と共同し、専門家の発見と検証を行っている。バッジはこれらの医療・学術機関のアカウントにも付与されるという。

話題のポイント:現在のTwitter上では、コロナウイルスに対する民衆の恐怖心につけ込みフェイク情報を拡散するアカウントが一定数存在し、ユーザーは正しい情報の選定に苦労しています。Twitterの認証バッジは、これまで大して意味のない機能としてしばしば批判されてきましたが、本取り組みにおいては大きな効力を発揮するかもしれません。

しかし、この取り組みは専門家の信頼性の検証に失敗すれば、より大きな混乱を生み出してしまう危険があります。そのため、大量の専門家の過去の経歴や現在の活動から信頼性を判断し、バッジを付与していくことは極めて困難な作業になるでしょう。

Twitter CEOのジャック・ドーシー氏のツイートを見るに、この取り組みが実行に移された理由の一つには、ユーザー側からの意見があったのだと確認することができます。Y Conbinator創業者のポールグレアム氏による「医療の専門家に対し青色チェックを付与してくれ」との引用リツイート投稿に対し、ジャック氏が「我々はその取り組みを始めている」と返信を返しています。

https://twitter.com/jack/status/1241053395986731008?s=20

Twitterは今月18日は、ウイルスに関する専門家のガイドラインを否定するツイート、「フェイクまたは効果のない治療や予防、診断方法」を交えたツイート、衛生当局や専門家を装って人々を誤解を生むツイートを禁止する方針を発表しています。

正確な情報の価値が高まる現在のような社会状況において、Twitterなどのソーシャルメディアの措置は非常に重要性を増します。Facebookも同様にフェイクニュース拡散や正確な情報の提供のため、いくつもの措置を発表しています。

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不況の時にスタートアップする理由

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ピックアップ:Stocks dive on Dow’s worst day since 1987, tech crashes and Bitcoin is no haven ニュースサマリー:ダウ平均株価は10%以上の下落を見せた。たった1日でこれほどの下落幅を更新したのは、1987年の株式市場暴落時(ブラックマンデー)以来とされいている。またこれに対しニューヨーク連邦準備銀行が1.5兆ドル(約1…

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ピックアップStocks dive on Dow’s worst day since 1987, tech crashes and Bitcoin is no haven

ニュースサマリー:ダウ平均株価は10%以上の下落を見せた。たった1日でこれほどの下落幅を更新したのは、1987年の株式市場暴落時(ブラックマンデー)以来とされいている。またこれに対しニューヨーク連邦準備銀行が1.5兆ドル(約158兆円)を市場注入し救済に当たったと公表した。

またビットコイン市場は株式市場以上の暴落を見せている。ビットコインは金と同様に、既存金融市場と価格相関性の低い安全資産だと言われてきたが、ここ1カ月半のビットコイン価格の下落率は40%と、他の金融市場よりも大きな下落幅を記録している。

話題のポイント:Y Combinator創業者のポール・グレアム氏は自身のブログ記事「不況の時にスタートアップを始める理由」で以下のような言葉を残しています。

Which means that what matters is who you are, not when you do it. If you’re the right sort of person, you’ll win even in a bad economy. And if you’re not, a good economy won’t save you.

重要なのはいつやるかではなく、あなたが誰であるかだ。もしあなたが正しい人であれば、不況だろうとあなたは勝利を掴むだろう。その逆であれば、失敗に終わるだけだ。

今、まさにスタートアップしようとしている(あるいは転職を考えていた)人たちの中には動揺が走っているかもしれません。確かに国内にはIPOを延期する動きも顕著になってきました。上場やEXITを予定・検討している企業は計画変更を余儀なくされるケースもあるのではないでしょうか。

<参考記事>

ですがリーマンショックのような不景気がスタートアップにとって絶望的かと言えば、決してそうとは言い切れない面もあります。

グレアム氏のブログにも指摘あるように、不況という局面を成長又は変化のチャンスと捉えることも可能です。プロダクトの開発に集中しているフェーズのチームは市場の不景気は気にする必要はありません。買い手市場になればできるだけ運営費を安く抑えることも可能ですし、こういった大きく社会が変化するタイミングでいち早く優位性のある技術を開発し、新しい市場を発見する良い機会になるかもしれません。

ちなみに、2004〜2006年に誕生したFacebookやReddit、Twitterは創業から5年以内のタイミングでリーマンショックを経験しています。2008〜2010年にあった不況真っ最中の期間は、GithubやUber、Airbnb、Instagramが誕生した時期でもあります。もっと過去を振り返れば、マイクロソフトが誕生し事業を伸ばし始めたのは、石油危機と不況が重なる1975年ごろです。

国内に関して言えば、リーマンショックの打撃はあったものの、その後海外SNSの日本進出やスマートフォンの登場、その他クラウドやアドテクの発展により、国内のスタートアップ・エコシステムは10年で現在の規模にまで成長しています。

つまりスタートアップの発展は景気(資金)だけではなく、社会の変化と技術の発展により大きく影響を受けるということです。したがって、今日本のスタートアップがすべきことは、金融市場の動向を気にかけることではなく、これまで通り、次のテクノロジー・トレンドや参入タイミングを見分け、適切に事業を運営し続けることではないでしょうか。

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数千人規模のブロックチェーン会議「Consensus2020」はコロナの影響でオンライン開催へ

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ピックアップ:CoinDesk Takes Consensus 2020 Virtual ニュースサマリー:暗号通貨&ブロックチェーンメディア「Coindesk(コインデスク)」は、今年5月に開催を予定していた大規模ブロックチェーン・カンファレンス「Consensus(コンセンサス)」を、コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年は完全オンライン開催へ変更することを発表した。 Conse…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:CoinDesk Takes Consensus 2020 Virtual

ニュースサマリー:暗号通貨&ブロックチェーンメディア「Coindesk(コインデスク)」は、今年5月に開催を予定していた大規模ブロックチェーン・カンファレンス「Consensus(コンセンサス)」を、コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年は完全オンライン開催へ変更することを発表した。

Consensusは、同メディアが主催する年に1度のカンファレンスで、世界で最も大規模な暗号通貨&ブロックチェーン・カンファンレンスの一つ。開催場所はニューヨークで、毎年並行して様々なブロックチェーン関連のイベントが行われる。2018年には8500名ほどが参加した。

Coindesk社は既にバーチャル・カンファレンス開催のため、オンライン・ミーティングを提供するプラットフォームと共同で準備を進めている。既にチケットを購入してしまっていた人は、60日以内に連絡をすれば全額が返金されるという。

話題のポイント:コロナウイルスの感染拡大の影響により、世界的にカンファレンスやイベントが延期・中止に追い込まれています。これらの決定は感染拡大を第一に考えるのであれば、苦渋だと思いますが賢明な判断です。

というのも、3月3日にフランスのパリで開催された別のブロックチェーン大規模カンファレンス「Ethereum Community Conference[3]」では閉幕から1週間ほど経って、数名コロナウイルス感染者が出たという話題が、Twitter上の参加者の話に持ち上がっています。

こういった話題は否定することもできないため、カンファレンスを開催するリスクの高さは一定以上あると考えるのが無難です。米国は現在、国全体がウイルスの感染拡大に敏感になっているのです。

一方、これをバーチャル・カンファレンスの契機にするのも一案です。

気になるクオリティや満足度についても対面とはまた違った価値を提供できます。例えば参加者の移動コストがゼロになるため、世界中から著名なスピーカーを呼び込むことが可能で、また参加者も同じように、世界中どこでもセッションを視聴することができます。

ひと昔前なら、オンラインの大規模なライブ配信は難しかったかもしれませんが、現在はZoomやMicrosoft Teamsようなオンライン・ミーティングサービスなどがあります。そのため、技術的な問題でクオリティが低下するリスクも軽減されています。

また最近はバーチャル・カンファレンスの質も進化しており、ネットワーキングを可能にするサービスもあれば、VRを活用したバーチャル会議サービスも登場しています。伝染病などのリスクを度外視しても、これらの環境の進化は、今後バーチャル・カンファレンスの件数及び需要増加に寄与していくことになるでしょう。

<参考記事>

延期や中止ではなく、バーチャル・カンファレンスへと踏み切ったConsensusの判断は非常に印象的です。ブロックチェーン業界で最も大規模なカンファレンスがバーチャル・イベントを成功させることができれば、現在中止や延期を検討するその他のイベントも続いてオンライン開催へ踏み切るかもしれません。記事によれば、2021年のConsensusは例年通り、ニューヨークでオフライン開催される予定だとされています。

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ブロックチェーンで企業の情報統合をスムーズにする「Baseline Protocol」、EY・Microsoft・ConsenSysらが提携

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ピックアップ:EY and ConsenSys Announce Formation of Baseline Protocol Initiative to Make Ethereum Mainnet Safe and Effective for Enterprises ニュースサマリー:3月4日、大手会計事務所「EY」とEthereumエンタープライズ企業「ConsenSys」、そして「Micro…

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Image Credit : ConsenSys Blog

ピックアップEY and ConsenSys Announce Formation of Baseline Protocol Initiative to Make Ethereum Mainnet Safe and Effective for Enterprises

ニュースサマリー:3月4日、大手会計事務所「EY」とEthereumエンタープライズ企業「ConsenSys」、そして「Microsoft」が提携を発表。同3社は今後、Ethereumパブリック・ブロックチェーンを活用し、企業の安全かつ低コストなビジネス推進をサポートするオープンソース・イニシアティブ「Baselin Protocol」を共同運営・開発していく方針を示した。

同プロトコルは、導入企業が機密データをパブリック・ブロックチェーンに記載する必要なく、ビジネスを推進することを可能とする。

企業は一般的に、基幹業務システム(ERP)や顧客管理システム(CRM)、及びその他の内部記録システムに対し莫大な予算を費やしている。ただし従来、これらのシステム同士を適切に統合しようとするのは、争議や在庫損失、資本コストの増大、規制措置、その他の情報漏洩など、大きな技術的問題と無駄を生みだすことが問題視されていた。

しかしBaseline Protocolは、Ethereumパブリックチェーンを活用し、これらのシステムを代替する共通のリファレンス・フレームを実現。また同システムはオープンであり、企業らは同システムを自由に、好きな分だけ利用可能である。

話題のポイント:企業間でのデータ基盤の共有は、以前からブロックチェーン業界で注目されているアイディアでした。しかし企業間でお互いの機密データが必要以上に漏洩してしまうという懸念が、これまでこの類のプロジェクトの進展を阻んでいました。

だからこそ、同問題の解決を実現するBaseline Protocolは画期的なのです。振り返れば、実はEYは過去2年間に渡り、企業のブロックチェーン活用に関連する諸問題を解決するため、様々な調査・研究及びプロジェクトの推進を行ってきた実績を持ちます。

またEYとConsenSys、Microsofの3社でEthereumパブリックブロックチェーンを活用して共同でプロジェクトを推進するのは、今回が初めてではありません。2019年には、サプライチェーンにおけるリアルタイム・ディスカウント・プロジェクトが同3社によって共同で実施されています。

つまり彼らは、一度共同でブロックチェーン・プロジェクトを共同開発した経験があり、ユースケース創出のナレッジを蓄積しているのです。

同プロトコルは、エンタープライズ・システムベンダーやクラウドサービス提供事業者などを利用者として設計されているといいます。また現在同プロトコルのコードは初期のテスト・グループ向けにのみ利用可能ですが、今月中にはパブリックに公開される予定です。

 

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2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(教育編まとめ)

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ピックアップ:The a16z Marketplace 100 2月18日に米国大手VCであるAndreessen Horowitz(a16z)は「The a16z Marketplace 100」と題した、急速に成長を遂げる100のコンシューマー向けプラットフォームの分析ブログを公開しました。 <参考記事> 2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(概要編) 2020年に注目さ…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:The a16z Marketplace 100

2月18日に米国大手VCであるAndreessen Horowitz(a16z)は「The a16z Marketplace 100」と題した、急速に成長を遂げる100のコンシューマー向けプラットフォームの分析ブログを公開しました。

<参考記事>

本記事では上記ブログで紹介されていた100個中10社のエドテック(教育×テクノロジー)・マーケットプレイスにフォーカスして解説します。

まず、前提として以下グラフを見ていただければ分かる通り、Education領域のマーケット・プレイスの成長速度は、全領域と比較しても低いです。

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しかし米国の学費高騰問題や、動画通信を中心としたインターネット・インフラの安定化によって、エドテック市場全体は成長し続けており、また多種多様なサービスが存在している点が魅力的なポイントです。ではいきます。

1:Course Hero(学習コンテンツ・シェアプラットフォーム)

創業:2006年
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Great Oaks Venture Capital, SV Capitalなど
累計調達額:2,740万ドル
シリーズ:B

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Image Credit : Course Hero

Course Heroは、大学の授業ドキュメントや市販教材、ノートメモ、動画などの良質な学習コンテンツのシェアや、学習に関して24時間/7日いつでも質問・相談可能なチュータリング・サービスなどを提供するエドテック・プラットフォーム。

学習者は、サブスクリプション課金あるいは上記例の中から、自ら学習コンテンツをアップデート・シェアすることで、さらに多くのドキュメントにアクセスできるようになる。米国中の大学の学習教材が閲覧可能で、推計では、現時点で2,500万件を超える学習コースのドキュメントがアップロードされているという。

2:Coursera(MOOCs)

創業:2012
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Kleiner Perkins, New Enterprise Assosiate, 世界銀行など
累計調達額:3億1,300万ドル
シリーズ:E

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Image Credit : Coursera

Couseraは、教育業界では言わずと知れたオンライン講義プラットフォームで、世界中の有名大学の授業のほとんどを無料で提供している。MOOCs(Massive Open Online Course)と呼ばれ、edXなどと肩を並べ有名な大規模学習オンライン・サイトである。

ビジネスモデルとしては、営利企業であるにも関わらず利益を最優先事項に掲げておらず、数少ない収益と、ベンチャー・キャピタルによる投資資金、そして参加大学らの負担によって運営されている。

登録者数は世界185か国以上から累計37万人を超える規模となっており、日本からは東京大学も授業を提供している。

3:MASTERCLASS(専門家によるオンライン学習プラットフォーム)

創業:2012
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Harrison Metal, Bloomberg Betaなど
累計調達額:1億3,640万ドル
シリーズ:D

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Image Credit : MASTERCLASS

MasterClassでは、特定の職業で著名な専門家が、一般大衆向けに専門知識を提供するオンライン・プラットフォーム。年会費180ドルで、ウェブサイトやモバイルアプリにて全ての講座にアクセスすることができる。又は90ドルで1回限り1つの講座もある。

同社プラットフォームが、本記事で後ほど紹介することになるUdemyやCoursseraと異なるのは、資格取得よりも、技術・能力を洗練させること、その分野における一流の人からヒントやコツを学ぶことに重点を置いている点である。

4:Udemy(オンライン学習プラットフォーム)

創業:2010
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Naval Ravikant, Benesse, 500 Startupなど
累計調達額:2億2,300万ドル
シリーズ:E

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Image Credit : Udemy

Udemyも、エドテック業界では既にかなり有名なオンライン・学習プラットフォーム。個人講師が自作した10万以上のオンライン授業を低価格かつ自由な時間に受講可能で、世界中に4,000万人以上の受講生を抱えていると言われている。

プログラミング・コンテンツが特に人気ではあるが、その他にもビジネスやデザイン、語学、自己啓発、フィットネス・音楽など、アクセス可能な学習科目は多岐にわたる。5万人以上存在する個人講師らは、自作した動画授業・教材を提供し、その対価として収入を得ることができる。

MOOCsに括られることもあるが、CouseraやedXと異なり、Udemyはより短いコンパクトなコースを多数配置していることが特徴である。また、同社は2020年2月に日本市場におけるパートナー企業であったベネッセコーポレーションから5,000万ドルを調達した。

5:SKILLSHARE(クリエイティブ特化オンライン学習プラットフォーム)

創業:2010
拠点:ニューヨーク
主な投資家:USV, Spark Capitalなど
累計調達額:1,900万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : SKILLSHARE

SKILLSHAREは、クリエイティブ・スキルのオンライン学習プラットフォーム。言うなれば、Udemyのクリエイティブ・スキル版で、アニメーションやデザイン、カメラ・映画、ライティングなどを中心とした技能のシェアに特化したプラットフォームである。

2018年の調達時で既に、同プラットフォームでは6万人の専門家による2万を超えるレッスンが提供されており、それに対して計約500万人のユーザーが入会していたという。

ビジネスモデルはサブスクリプション制を採用しており、月額8ドルで、登録者はより高評価な講師の授業を含む、無数の授業全てにアクセスすることができ、またダウンロード機能なども利用することができる。

6:Varsity Tutors(家庭教師プラットフォーム)

創業:2007
拠点:米国中西部
主な投資家:TCV, Chan Zuckerberg Initiativeなど
累計調達額:1億700万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : Varsity Tutors

Varsity Tutorsは、学習者に対し最適な家庭教師を紹介・マッチングするオンライン・プラットフォーム。授業はオンライン又は対面で実施され、後者の場合は、ドキュメントのシェアやテキストメッセージ、ホワイトボード機能など、多様なツールを活用し授業が行われる。

同社ウェブサイトによれば、選択可能な科目は2,500以上、チューターの数は4万人、顧客満足度は4.9/5.0。次に紹介するWyzantと類似したプラットフォームだが、Varsityの特徴はチューターの選考がより厳しく行われ、選りすぐりの講師を揃えている点にある。

また同社は、Varsity Learning Toolsという補完サービスも提供していて、これはVarsityプラットホームを利用している学生に無料で提供される学習教材で、予習や復習のための補助教材として利用される。

7:wyzant(オンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2005
拠点:シカゴ
主な投資家:Accel
累計調達額:2,100万ドル
シリーズ:A

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Image Credit : wyzant

Wyzantは、オンラインかつ1対1のライブ授業を受けられるプラットフォームで、アルバイトの大学生や副業の社会人、フルタイムのプロ・チューターなど、計8万人を超える家庭教師らが個人事業主として登録している。

同プラットフォーム上で学習者がアクセスできるコースの数は300以上とされており、また2015年までの時点で累計100万件以上のレッスンが行われている。また米国の大学に対してもサービスを展開しており、ハーバード大学やスタンフォード大学、アリゾナ州立大学などの学生らにも授業を提供している。

8:takelessons(オンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2006
拠点:サンディエゴ
主な投資家:Crosslink Capital, Steven Coxなど
累計調達額:1,900万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : takelesons

takelessonsは、趣味や語学、勉学などの学習に関して、講師と生徒をマッチングするチュータリング・プラットフォーム。個人講師らは同サイトを通し、事業のマネジメント、マーケティング、決済などを外注orサポートできるツールを利用可能。

先述のwyzantsやvarsity tutorsと類似するサービスではあるが、異なる点としては、takelessonsはよりカジュアルな学習機会を創出する場である点。音楽分野からスタートしたこともあり、学校の代替や学業の補填というよりかは、エンターテインメントや趣味などの科目が多めに提供されている。

9:Outshcool(子供向けオンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2015
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:FundersClub, Y combinatorなど
累計調達額:1,000万ドル
シリーズ:A

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Image Credit : Outschool

Outschoolは、3歳から18歳までの子供と、オンデマンド・ライブ授業を提供する個人家庭教師をマッチングするオンライン・学習プラットフォーム。開講されているクラスの数は1万を超え、子供一人一人に最適かつインタラクティブな学習機会を提供する。

クラスは必ずしも1対1だけではなく、他の学生と同時に受けられる授業も存在し、その方がより低価格(最安で5ドルなど)で授業を取得することができる。人気科目はアートや語学、テック系(プログラミングやデザイン)。

米国は今、”ホームスクール”という、子供を学校に通わせずに家で教育するスタイルが流行しており、そんな家庭にとっては、子供の興味・関心や学習スタイルに沿って、最適なエキスパートの教育を受けさせることができるOutschoolは魅力的に映るだろう。

10:Verbling(言語特化オンライン授業プラットフォーム)

創業:2011
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Learn Capital, Y combinatorなど
累計調達額:100万ドル
シリーズ:言語学習アプリ「Busuu」により買収済み

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Image Credit : Verbling 

Verblingは語学学習者とネイティブ講師をマッチングするオンライン・プラットフォーム。レッスンはGoogleハンズアウトを通して実施される。授業はグループレッスンの場合、一回(1時間)3ドルで、サブスクリプションの場合月額19ドルで10回のレッスンをとることが出来る。

特筆すべき要素として、ユーザーはお金を払わずとも、発言はできないが、レッスンを視聴することはできるという点。つまりスピーキングの練習としてネイティブ講師と会話することはできないが、他の生徒と講師の会話をタダで視聴することが出来る。これは単にリスニングの練習にもなるし、講師選びの役に立つという二つのメリットがある。

なお、つい1ヶ月前の2020年1月半ば、同社は言語学習アプリを提供するBussu社によって買収されている。

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急拡大する米国InsurTech市場、保険比較サイト「The Zebra」が3,850万ドルを調達

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ピックアップ:The Zebra raises $38.5M as the insurance marketplace race heats up ニュースサマリー:米国オースティンを拠点とし、自動車・住宅保険比較サービスを提供する「The Zebra」は2月5日、シリーズCラウンドにて、Accelをリードとする6つの投資ファンドから合計3,850万ドルを調達したことを発表した。本調達により、同社…

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Image Credit : The Zeebra

ピックアップThe Zebra raises $38.5M as the insurance marketplace race heats up

ニュースサマリー:米国オースティンを拠点とし、自動車・住宅保険比較サービスを提供する「The Zebra」は2月5日、シリーズCラウンドにて、Accelをリードとする6つの投資ファンドから合計3,850万ドルを調達したことを発表した。本調達により、同社の累計調達額は1億ドルを突破した。

同社が提供するのはオンライン完結型の保険提供サイト。ユーザーは数十以上の質問欄に自身の自動車または住宅情報、個人情報、そして希望する保険条件を入力すると、膨大なデータベースの中から、最適な保険会社・保険商品が選び出される。

従来のような、保険代理店に電話による情報提供及び条件相談といった煩雑で手間のかかる作業をなくし、よりスムーズで簡単な保険選び・加入手続きを実現している。以下の画像は情報入力後、最適な保険をピックアップしてくれているサイト画面。価格帯別に、分かりやすく保険商品がリストされていることが分かる。

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Image Credit : The Zeebra

話題のポイント:2020年に入って以降、米国ではThe Zebraのような保険比較サイト(マーケット・プレイス)を提供するスタートアップらが、次々と大型の資金調達を成功させています。1月15日には「Insurify」4,600万ドル、1月29日には「Gabi」が2,700万ドル、1月30日には「Policygenius」が 1億ドルを調達しています。2020年2月の時点で、計1億8,500万ドルもの資金がInsurtech市場に流れています。

機械学習アルゴリズムによる被保険者と保険商品の最適マッチングモデルがVCに大きく注目される理由は、シンプルな仕組みでありながら高い収益性を持つ点にあるとされています。参考として、以下The Zebraの業績データを紹介していきます。

月間サイト訪問者数 : 約130万件以上
年間成長率(収益) : 約200%(2019年は約3,700万ドル)
現在の月収益 : 約500万ドル(年間換算約6,000万ドル以上)
2020年の成長予測 : 100%以上

※参考 : TechCrunch

同サービスは保険商品を開発・販売し、保険料の支払いなどをするのではなく、単にアルゴリズムで最適マッチングを行うことだけに特化しているビジネスです。そのため従来の保険代理店でいうところの営業やカスタマー・サポートといった人員を増加させる必要性が低く、人件費を安く済ませることが可能です。収益の成長率も凄まじく、オンライン保険マーケット・プレイス市場が大きく成長していることが分かります。

同社CEO  Melnick氏は年々顧客獲得単価が下がり続けていると発言しています。オンライン保険を購入検討する消費者数は米国で上昇していることから、競合より優れた保険サービス・マッチングアルゴリズムを持っていれば、マーケティングにお金をかけずともユーザーが自然と集まることになります。保険比較サイトやマーケットプレイス型サイトにVCマネーが流入している理由はこのあたりに潜んでいるのかもしれません。

またこれだけ成長していれば、投資家はIPOの可能性やEXIT戦略について気になるでしょうが、それらの資本政策に関しては未だ具体的な計画はしていないとのことです。 Melnick氏によれば、適切なタイミングを待つとだけ発言しているようです。

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「Lightning Lab」が目指す“ビットコイン版VISA”の可能性、その驚きの送金手数料

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ピックアップ:Lightning Labs Raises $10M Series A to Be the ‘Visa’ of Bitcoin ニュースサマリー:Bitcoinの決済処理性能の向上を目的とするスケーリング技術「Lightning Network」を開発するLightning Labsは2月5日、Craft Ventures、Slow Ventures、Avichal Garg of …

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Image Credit : Lightning Labs

ピックアップLightning Labs Raises $10M Series A to Be the ‘Visa’ of Bitcoin

ニュースサマリー:Bitcoinの決済処理性能の向上を目的とするスケーリング技術「Lightning Network」を開発するLightning Labsは2月5日、Craft Ventures、Slow Ventures、Avichal Garg of Electric Capital、Ribbit Capitalなどから合計1,000万ドルを調達した。

Lightning Labsは2018年のシードラウンド時点で、スケーリング・ソリューション「LND」のベータ版をリリース。TwitterおよびSquare CEOのジャック・ドーシー氏やLitecoin創業者のCharlie Lee氏、元Paypal COOのDavid Sacks氏らから計250万ドルの資金調達した実績を持つ。

2019年6月にはモバイル・ウォレットの提供を開始し、現在では有料ペイメント・サービス「Loop」を開発・提供している。

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Image Credit : Lightning Labs

話題のポイント:Lightning Networkは、銀行間決済で言うところのVISAの様な存在だと考えるとわかりやすいでしょう。現時点でVISAの秒間処理スピードが約1700件程度だとされているのに対し、Bitcoinは毎秒7〜8件程度と、今のままではとても使いものになりません。そこでLightning Networkが登場します。

Craft Venturesのディレクターであり、Lightning Labの取締役の一人であるBrian Murray氏が、Lightning Networkについて以下のような説明をしています。

Bitcoinがグローバルなペイメント・ネットワークへと進化するためには、ベースレイヤー(1st Layer)を越えて拡張を成功させる必要があります。VISAが銀行間の決済処理を肩代わりし、パフォーマンスを向上させているのと同様、Lightning NetworkがBitcoinブロックチェーンの決済処理パフォーマンスを向上させ、手数料の低下をもたらす可能性があるでしょう。

言い換えれば、銀行の決済性能では処理できない量の取引を、Lightning Networkが代わりに行なってくれることを意味します。

Lightning Networkにより、処理数が数千にも拡大する可能性があります。処理性能が大きく飛躍を遂げ、高いパフォーマンスを達成した際には、同技術を活用したマイクロペイメントやサブスクリプション・サービスなどの登場も期待できるでしょう。

さて、筆者は最近、国際送金を行う機会がありましたが、有名な送金サービス「Transferwise」が銀行による国際送金の8分の1程度のコスト(手数料)で送金サービスを提供していることに驚きました。約50万円の送金コストは4300円程度で、これはクレジットカードの海外キャッシングのコスト(利息)と比較しても半額になります。

しかしその後、Bitcoinの決済手数料を確認すると、50万円ほどの送金にかかる手数料がわずか15円程度であることに衝撃を受けました。もちろんネットワークが混雑している場合は手数料は高騰し、着金も遅延しますから、今以上にBitcoin送金に需要が生まれれば、このクオリティは維持できないでしょう。

ただ、Lightning Networkが普及すれば、ネットワーク混雑時も価格・スピードを低く維持できます。そう考えると、送金通貨としてのビットコインの可能性には大きな期待が高まります。ジャック氏を含む数々の起業家らがLightning Networkの可能性に魅せられる理由も理解できるのではないでしょうか。

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全てのスタートアップはフィンテック企業になる

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ピックアップ:Every Company Will Be a Fintech Company 先日開催されたa16z Summitにて、「Every Company Will Be a Fintech Company(全てのスタートアップがフィンテック企業になる)」と題したプレゼンが、投資ファンド「Andreessen Horowitz」のゼネラル・パートナーであるAngela Strange氏に…

ピックアップ:Every Company Will Be a Fintech Company

先日開催されたa16z Summitにて、「Every Company Will Be a Fintech Company(全てのスタートアップがフィンテック企業になる)」と題したプレゼンが、投資ファンド「Andreessen Horowitz」のゼネラル・パートナーであるAngela Strange氏によって行われました。

一見耳を疑うこの主張は、具体的には何を意味しているのでしょうか。

一言でまとめれば、“全てのスタートアップが、複数の金融インフラ・サービスの手を借りることで、低コストかつ高速に、独自の金融サービスを構築することが可能になる”と言えるでしょう。

「as a Service化」がフィンテック領域に

15年ほど前、スタートアップが自前のウェブ・サービスを開発することは非常に難易度の高い、手間のかかる作業でした。

まず自前のウェブ・サーバーを購入し、オフィスなどで管理・維持する必要がありました。複数のソフトウェア・ライセンスを購入し、データベースコードを何千行と書くことで、初めてプロダクトを完成することができました。

ところが、現在ではAWS(Amazon Web Service)が登場したことで、上述のインフラストラクチャーは、全て外注可能になりました。1カ月を要していたサーバー設置・稼働が1日に短縮、コストは1,000万円から1万円程度へと減少しました。

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Image Credit : a16z 

「〇〇 as a Service」と呼ばれるクラウド・サービスが近年広く成長・普及し始めていたことで、ここ十数年で劇的にウェブ・サービスの開発コストは激減しました。今やスタートアップがプロダクトを開発する際に必要なのものは、自前のノートPCとクレジットカードくらいでしょう。

そこでa16zは、以上のような「as a Service化」の波が、当然のごとくフィンテック業界にも起こると予見しています。具体的にその中身を見ていきましょう。同ファンドはフィンテック・インフラのレイヤー構造を以下の画像の様に7つに分類しています。

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Image Credit : a16z 

最上層のUser Interfaceは、金融サービスの提供を試みるウェブ・サービスまたはフィンテック・サービスとなり、ユーザーが直接的に利用するインタフェース・レイヤーです。以下6つのレイヤーは、全て外注業者となるインフラ・サービスによって提供されるようになりました。

金融サービスの開発・提供を試みていた従来のスタートアップは、詐欺防止・レギュレーション・データ・決済・コアシステム・免許などのインフラ要素を全て自前で取得・構築しなければならなかったのに対し、今後はそれらを全て外注することで、低価格で素早くフィンテック・サービスを提供することができることになります。

結果的にフィンテック・サービスの増加・多様化が促されることになり、最もユーザーがその恩恵を間接的に享受することになります。

ここから、実際にどんなインフラ・サービス群が存在しているのかについて、いくつかの事例を紹介します。

Banking as s Service(BaaS)

AWSにSaaS(Software as a Service)の呼称が付いているように、フィンテック企業のインフラ・サービス群の中でも、銀行業に近い性質を持つサービスは、「Banking as a Service」と呼ばれています。

代表的な例では、先日VISAによって買収された元ユニコーン企業「Plaid」が挙げられます。同社はフィンテック企業と金融機関(銀行・信用情報機関・学生ローン機関など)をAPIで繋ぎ、ユーザーが自身の情報をオンラインでリアルタイムに確認またはフィンテック企業へ開示・証明することを可能にします。

たとえば給与前払いアプリ「earin」や住宅ローン「blend」はいずれも、FAXなどで残高証明書や証券取引明細書の書面開示を銀行に求めるのでなく、PlaidのAPIを通すことで、一瞬にしてユーザーの金融情報を確認を行うことができています。

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Image Credit : a16z 

また、最近Uberがドライバーへの給与即時支払いのための独自デビットカードの提供を開始しましたが、同デビットカードの発行及びトランザクション処理、そしてライセンスはパートナーである「Green Dot」というBaaS企業が全て肩代わりして実施しています。

Green DotによるUberのフィンテック企業化はまさに、“全てのスタートアップがフィンテック企業になる”という主張の説得力を大きく後押する事例だと言えるでしょう。

※以下の記事では、Banking as a Serviceについて、Green DotとPlaidを中心にさらに詳しく説明しているので、興味のある方はぜひご覧ください。

<参考記事>

以上の事例をまとめると、Plaidはコアシステム及びデータレイヤーのAs a Serviceとして、Green Dotは免許(ライセンス)及び決済(ペイメント)レイヤーの「As a Service」として機能していることが分かります。

詐欺防止及びレギュレーション・レイヤーの「As a Service」

次に、詐欺防止及びレギュレーション・レイヤーについて見ていきましょう。a16zはまず詐欺防止サービスの例として、「SentiLink」というサービスを紹介しています。

sentilink
Image Credit : a16z 

近年、度重なる個人情報流出事件(例:Equifax事件」)の増加と共に、ダークマーケットで購入した複数の断片的な個人情報を合成し作り出された架空の身元(合成アイデンティティ)によって、不正・詐欺が行われる事件が増加しているそうです。大量の借り逃げが起これば、融資を提供するクレジットカード会社やレンディング企業は大きな損失を被ります。

そこでSentiLinkのような機械学習アルゴリズムによって、合成アイデンティティを検知するサービスが必要となります。検知システムの構築は一般的なレンディング・スタートアップに膨大なコストとなりますが、「as a Service」として提供されることで、大きく費用を削減することが可能になります。

次にレギュレーション・レイヤーについてです。当然の話ですが、金融は規制産業であり、レギュレーション対策は必ず行わなくてはなりません。a16zによれば、ある大手銀行は21万人の従業員のうち、15%以上の3万3000人をコンプライアンス遵守のためだけに稼働させていると言われるほど、レギュレーションは重大なコストがかかる領域です。

そんな中、「Comply Advantage」はAML対策サービスの一つとして、銀行のテロリスト及び制裁者リストの統合及び監視を代行することで、レギュレーション遵守にかかるコストを大幅に削減するサービスを提供しています。

チャレンジャー・バンクが良い例ですが、今後フィンテック領域では、グローバルに展開するオンライン銀行が増加していくでしょう。そうなれば、彼らのAML対策のための「As a Service」への需要も益々増加していくことになるはずです。

簡単かつ迅速に、金融機能を組み込み・構築可能になる

ここまで6つのインフラ・レイヤー全てにおける事例を紹介してきました。”全てのスタートアップがフィンテック企業になる”という主張は多少大袈裟にも聞こえましたが、実際には、“ウェブ・サービスが簡単かつ迅速に、多様な金融機能を組み込み・構築可能になる”程度の理解が正しいと考えています。

本当にフィンテック企業になるかは企業によりけりで、Uberのようにオリジナルの金融サービスを提供する場合もあれば、決済や与信などの外部の金融サービスを部分的にアプリ内にインテグレートし、ユーザーに提供するといったサービスもあり様々です。

ただ、a16zが多少誇張してこのメッセージを伝えるのは、裏側で起こっている変化が我々ユーザーが思っている以上に劇的なものであり、また今後全てのスタートアップが、必ずその恩恵に預かる未来になると確信しているためでしょう。

同ファンドはこれまで暗号通貨とブロックチェーン領域に多数の投資を実施しているにも関わらず、今回のプレゼンではその点について言及が一切なかった点には一つ違和感を覚えましたが、その点を抜きにして言えば、同プレゼンは、a16zが今後数年のフィンテック領域の未来に対しどのような展望を抱いているかについて把握できる最高の資料です。

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拡大するアフリカのソフトウェア・エンジニア市場ーープログラミング・スクール「Gebeya」がシード調達

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ピックアップ:Ethiopian-based edtech startup, Gebeya, closes $2 million seed funding as it plans to scale up services ニュースサマリー:アフリカのエチオピアを拠点とするエドテック企業「Gebeya」は2月6日、シードラウンドにて、Partech AfricaおよびOrange Digital V…

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Image Credit : Gebeya

ピックアップEthiopian-based edtech startup, Gebeya, closes $2 million seed funding as it plans to scale up services

ニュースサマリー:アフリカのエチオピアを拠点とするエドテック企業「Gebeya」は2月6日、シードラウンドにて、Partech AfricaおよびOrange Digital Ventures、Consonance Investment Managers らから計200万ドルの資金調達を実施したと発表した。

2016年に創業され、今年4年目に突入する同社はIT人材育成スクールと受託開発事業を展開している。教育事業においては、ソフトウェア・エンジニアを目指す人材に対して学習カリキュラムを提供し、就労支援まで行う。既にソフトウェア・エンジニアとして働く人材に対しても、スキルアップコースを提供し、転職支援などのサービスも提供する。

これまで600人以上のIT人材を育成し、そのうち30%以上を直接的な紹介で就労させた実績を持つ。現在の展開地域はエチオピア・ケニア・ジプチの3カ国で、エチオピアの他にシリコンバレーにもオフィスを構えている。

話題のポイント:世界全体でソフトウェア・エンジニアの労働市場は需要増加を続けており、それはアフリカにおいても同様です。

ここ数年の日本国内においても、ソフトウェア・エンジニア需要増加と、それに伴うプログラミング・スクールの増加を肌で感じることができます。アフリカ地域の場合、平均賃金の安さから、オフショア開発の拠点として大きく注目されているため、より一層ソフトウェア・エンジニアへの需要は増していくと考えられます。

東南アジアは日本のオフショア開発地域として既に有名ですが、アフリカ地域は時差の一致から、ヨーロッパ圏のIT企業らの開発外注先として、今後さらに注目されることでしょう。

以下画像は南アフリカの分野ごとの労働市場の需要と供給を表しています。需要グラフ(画像左)を見ると、Information Technologyが最も需要が大きく、30%ほど増加しています。一方、同領域の供給側の増加率は7〜8%程度となっており、供給が追いついていないことが分かります。

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Image Credit :It’s a great time to be a software developer in South Africa

オフショアだけでなく、現在アフリカ各国ではフィンテックやEコマース市場を中心にスタートアップ市場が大きく成長しています。外資だけでなく、現地発のIT企業の増加はさらにソフトウェア・エンジニア市場の拡大を後押しするでしょう。

Gebeyaの目標は、IT人材の中心的な育成期間となるだけでなく、大きなマーケット・プレイスとしてグローバルに注目されることで、将来的にはアフリカのITエコシステムのハブになることを目指しています。

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