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souta watanabe

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99年生まれ(20歳)、法政大学(休学中)と放送大学に在籍。現在は主にクリプト業界のリサーチャーとして活動。2019年後半は東南アジア・インド。Ex- Omisego Neutrino, Consensus Base, Longhash。執筆分野(暗号通貨・ブロックチェーン/フィンテック/教育/インド)。Twitterアカウントは@souta_watatata

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)「フィンテック」共通戦略を紐解く【後編】

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※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。 3. Prioritizing health insurance &#8211…

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※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。

3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する

フィンテック領域において、最も市場規模の大きいビジネスとしては「決済」と「レンディング(クレジット)」の2つが挙げられると思います。しかしその次の主要領域として、人々の様々な生活上・金融行動上のリスクをカバーする保険サービスの領域が挙げられます。当然、両企業も同領域に参入しており、以下では両企業の提供する主要保険事業と、その成長について解説します。

CBIによれば、高齢化や健康ニーズの増加を背景に、中国政府が保険商品の提供を後押しする政策を打ったことで、中国の健康・医療保険市場は益々の拡大が予想されているといいます。

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Image Credit: CB Insights (Health Insurance:健康・医療保険 P&C and Life:損害・生命保険)

そんな背景の中で、領域業は中国の貧困地域や農村地域に対する保険サービスの拡大、及び保険サービスへの投資を積極的に実施しています。

まずTencentは、「Waterdrop」や「 Xiaobang」と呼ばれる保険企業に出資しています。前者のWaterdropは中国で8,000万人が加盟する保険で、月額3〜5元(約50〜80円)を支払うだけで主要な医療支出の際に30万元(約450万円)までを受け取れる保険サービス。後者のXiaobangは中流家庭向けの保険プランニング・金融教育サービスです。

このように、過去同社は投資という形で保険市場への好奇心を見せていましたが、ついに2019年に入って、自社でも保険仲介サービス「WeSure」の提供を開始しています。同サービスでは、Tencent社の持つWechatやQQなどのメッセンジャーアプリから、中国国内の保険業者の保険商品を購入することを可能にしています。

一方、Ant Financialは農村の地域向けの相互扶助プラットホーム「Xiang Hu Bao」を2018年に提供開始。同プラットホームは競合他社サービスの中で最も早い成長速度である10カ月で8,000万人という驚異のスピードで獲得顧客数を達成しました。

またAnt Financialは、2018年ににAlipayユーザーであり、かつ同社のクレジットスコアサービス「芝馬信用」のスコアが650点以上のユーザーらに対し、登録無料の「相互宝」というP2P保険を提供しています。同保険は一定期間内に発生した加入者の保険額(+Ant Financialへの手数料)を、その都度加入者間で割り勘するモデルを採用しています。

以上を踏まえると、両社ともに複数の保険事業に投資・展開し、着実に実績を残している点に驚かされます。

前編で解説した一つ目の共通戦略「フライホイール効果の構築」でも述べましたが、両企業とも、自社で保有するメッセンジャー・アプリやスコアリングと連携する形で各保険サービスを提供していることが分かります。

4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化

前編で一度言及した、6億人のユーザーを持っているAnt Financialの「余額宝」というサービスは、世界で最もユーザー数の多いMMF(マネー・マーケット・ファンド)としてその名を世界に知らしめました。しかし2019年9月、余額宝のユーザー数は2018年のピーク時から39%減少し、世界最大規模の地位から陥落しているそうです。(※以下グラフ参照)

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Image Credit: CB Insights

しかし「余額宝」のユーザー数減少は、実は同社にとって何らネガティブな結果ではありません。なぜならこの結果は同社の戦略によって生じた、想定の範囲内の現象だったためです。

その戦略とは、同社がユーザーがアリペイ内から余額宝一つだけでなく、外部のMMFサービス複数にもアクセスできるようにすることでした。言い換えると、同社は余額宝を単一の”商品”から”プラットホーム・サービス”に進化させたのです。

たとえば、2018年6月にAnt Financialのプラットホームに追加された「 Invesco」というMMFは、その収益を4倍に増加させることに成功しています。このように、Ant Financialはプラットフォーマーとして各種事業から手広く収益化を果たすと同時に、投資オプションの多様化を実現しているのです。

Tencentも自社の資産管理プラットホームが既に1,120億ドル規模に成長している中でさらなる機能充実を画策しており、現在世界最大の資産運用管理企業「Blackrock」と投資ポートフォリオ・ツールを中国市場で利用可能にするため協議を進めてるとのことです。

以上を踏まえると、両企業の目的は、ただ沢山の金融商品を提供する企業になることなく、それらに加え外部の金融プロダクトを複数囲い込むことで、金融プラットホームそれ自体になること、だということが分かります。

実際これはMMFなどの投資サービスに限った話ではなく、Tencent社のWesureが保険商品提供サービスではなく、保険仲介サービスであることからも、フィンテック事業を最大化する上での、一貫した成長スタイルだと考えることができます。

5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

日本では中小企業が全企業の99%を占め、かつGDPの5割を創出しているとされていますが、このような比率は中国においてもほとんど同じです。

CBIによれば、中国市場ではスモールビジネス(中小企業)が全企業の90%以上を占めており、かつ中国経済の生産の60%は彼らによって生み出されているといいます。そのため、Ant Financial及びTencentにとっては、このロングテールが必然的に勝負の決め手となっています。

その勝負の鍵を握るのは、両企業の中小事業者向けのオンライン銀行、Ant Financialの「MYbank(網商銀行)」と、Tencentの「Webank(微衆銀行)」です。

MyBankは中小事業者向けにQRコードでレシートを読み取り、サプライヤーの税務情報を得られるレシートファイナンスというサービスを新たに始めたそうです。このレシート情報によって中小事業者は信用力を示すことが可能になり、MYbankから短時間で大口のローンを得ることができるようになりました。データによればMyBankは2018年末までに1,230万を超える中国の中小事業者にローンを提供しているとのことです。

一方、WeBankは中国のスモールビジネスへのクレジット提供を拡大し続けています。同社によれば、Webankからローンを提供される中小事業者(平均従業員数10名)の66%、実に3分の2が新規ユーザーであると言います。

「MYbank」と「Webank」はAnt FinancialとTencentが取り組むスモールビジネス向けの金融サービスとして好例でしょう。どちらも大量の顧客データをアルゴリズムで解析し、信用スコアを算出することで融資を行うことを大きな収益ポイントとしています。

実は両サービスは信用情報のビックデータ解析にフォーカスしているだけで、資金源は中国国内の既存銀行から得ています。銀行にはデータと技術がないため、両社とも中小事業者と銀行を繋ぐプラットフォーマーとして独占的地位を築いているのです。

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以上、両社の成長戦略を踏まえると共通点としてその成長を支えたのは、既に保有していた「決済」アプリケーションを軸に関連金融サービスを確立させるプラットフォーム戦略、そしてプラットフォームから得られる膨大なデータ分析にあったことが分かります。

両輪をフルに活用し、信用・保険領域という決済の次に大きな市場にフォーカスした点や、特に「若者」や「中小企業」、「地方の農村住民」といった従来型の金融に十分なアクセスができていないユーザーをターゲットとしてサービスを展開した点が両企業のフィンテック・サービス拡大の主要因だと捉えられます。

そして両企業によるプラットホーム化も大きな注目ポイントです。Ant FinancialのMMFプラットホーム「余額宝」や、Tencentの保険仲介プラットホーム「Wesure」の提供開始などは、そのトレンドを象徴する現象でしょう。

両企業は今後も以上のような方向性・ビジネスモデルの変化を行なっていく中で、より高スピードで様々な先進的な戦略・サービスを展開していくと予想されます。最近のトレンドでは両社は顔認識技術を決済領域に持ち込むことで、生体情報に基づいたデータの収集に加え、決済アプリの利便性の向上を試みています。

日本でも現在LINEやPAYPAY、メルカリなどの企業を中心にモバイル決済戦争が起きています。本記事を通して学んだ両企業の成長戦略を踏まえると、数年先、勝ち残った国内決済プレイヤーが今後本格的にフィンテック企業化し、データを活用したクレジット・スコアや保険・与信事業を展開、及びプラットホーム化を進めていく可能性も高いと予想されます。

言い換えれば、Ant FinancialやTencentが牽引する中国のフィンテック市場の現在及び彼らの戦略は、これからの日本のフィンテック業界のプレイヤーらが生存戦略を考えるにあたって、非常に有意義な教材となるということです。その意味で、今後も中国のフィンテック業界の変化、両企業の躍進からは目が離せません。

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セクハラ解任でも1億ドル調達、SoFi創業者の新たな挑戦は「住宅ローン×ブロックチェーン」

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ピックアップ:SoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたこ…

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ピックアップSoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million

ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたことが明らかになった。

Figureが提供するサービスは、ホーム・エクイティー・ローンや借り換え住宅ローンなどの住宅ローンおよび借り換え学生ローンである。Mike氏はセクシャルハラスメント疑惑によりSoFiを2017年に解任されており、離職後すぐの2018年Figureを設立している。Figureはサービス立ち上げ後から着々と成長し、既に累計約1億ドルの調達を実施している。

※ホーム・エクイティー・ローン=住宅価格から住宅ローン未払い額分を除いた資産を担保に発行されるローン

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話題のポイント:Figureがターゲットとするのは、増加傾向にある高齢者層であり、彼らが持つ住宅を担保にローンを組むことを促します。米国でも高齢化は進んでおり、今後巨大化する市場に狙いを定めているのだと考えることができます。

この点、学生をメイン・ターゲットにしていたSoFiと多少の違いがあることがわかります。しかし、Figureは借り換えの学生ローンを提供していますし、実はSoFiは住宅ローン分野にも進出しています。そのため、Cagney氏は古巣SoFiと競合のビジネスを行なっていると捉えることもできるでしょう。

ただ、大きな違いとして、FigureはProvenanceブロックチェーン技術をベースにサービス開発をしている点が挙げられます。実はFigureのプロダクトはほとんどの処理をProvenanceプラットホーム上で実行しており、手数料の削減、透明性の向上を実現しています。

公開されている同社の業績データは未だ見当たりませんが、上記の先進的な技術の導入が結果的にユーザー増加に寄与し、本調達に繋がっているのかもしれません。ブロックチェーンは未だ未成熟なテクノロジーとされていますが、今後の同社の成長によって、証券市場におけるその有用性が証明される可能性があります。

一時は、自身の失態により創業した会社を追われる形となってしまったCagney氏ですが、SoFiをユニコーン企業まで押し上げた才能は腐ることなく、新たな技術を用いることで、フィンテック領域における彼の挑戦は次のステップへと進んでいます。今後のFigureの躍進に注目が集まります。

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業績見合いでローン提供「Uncapped」はスタートアップの株放出問題への対抗策となるか

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ピックアップ:Uncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Interne…

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Image Credit : Uncapped

ピックアップUncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses

ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Internet’s Global Founders CapitalやWhite Star Capital、Seedcamp、そしてその他複数のエンジェル投資家が名を連ねている。

同社はロンドンに本社を置くポーランド発の企業。スタートアップ向けに業績ベースのローン提供サービスを展開する。スタートアップはVCやエンジェルなどの投資家からのエクイティー(株式)投資に依存しており、それが将来的な自己株比率の不足をもたらすなどの問題に繋がっていた。

しかしUncappedからの借り入れは株放出に頼らない業績ベースのローン。10万~100万ポンド(約1400万~1億4000万円)を貸し出し範囲とし、手数料は一律6%、投資家よりも高速で資金調達を実行できる点を強みとしている。

TechCrunchの記事で同社CEOのIsmail氏は以下のように答える。

資金調達を検討する起業家に最初に立ちはだかるのは、“数%のエクイティー(株式)を手放すのか、はたまたデット(借り入れ)を行うのか”という、二者択一の意思決定。エクイティーは遅い上に株放出が必須であり、またローンもハイリスクという欠点があります。しかしUncappedは、両方の良いとこどりをした代替手段となり得ます。

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Image Credit : Uncapped

話題のポイント:Uncappedのファイナンス・サービスに関して気になるポイントは、同社の業績ベースの与信がどれほど効力があるのか、という点でしょう。ローンが高スピードかつ低い手数料である点は借り手のスタートアップにとって大きなメリットではあるものの、彼らの貸し倒れ率を一定以下に抑えなければ同社のビジネスは成り立ちません。

そのため、ローン提供先事業の債務返済能力を適切に与信を取るする必要があり、その方法の質の高さがサービスのコア・バリューになるとも言い換えられます。

与信の方法について、ピックアップ記事の中でIsmail氏は、「Uncappedは事業者がこれまで蓄積してきた販売データや、事業者らが利用するStripeやShopfyなどの外部サービス内の決済・販売データなど、多数のソースに依拠する形でデータを収集し、与信審査を行う」といったコメントを残しています。

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Uncappedが想定する借り手事業者は、Eコマースやサブスクリプションサービス、D2C、SaaS、アプリやモバイルゲーム、マーケットプレイスの6つのカテゴリに属する事業者であるとされています。これら6つのサービスが選ばれる理由は、与信データの収集を行いやすい事業モデルであるためだと考えられます。

実際、Uncappedは借り手に2つの条件を設けています。1つは商品・サービスの販売をオンライン決済で行なっていること、そしてもう1つはサービスの運用を少なくとも9カ月以上継続できるていることです。

ちなみにStripeやShopfyは既に自社サイトベースの業績データに依拠したローンサービスを提供しており、Uncappedの競合に当たります。一見するとより多くの業績データをプラットフォーム内で握るStripeやShopifyの方が優位性が高そうです。しかし、Uncappedは事業者自身が持つ販売データや事業者が運用するFacebookのようなSNSなども含め多面的にデータを収集しています。特定サービスに依存せず相対評価できているという見方もできるので、これはこれで強みを持っているといえるでしょう。

さて、全ての起業家の悩みのタネでもある資金調達を、より簡単かつ低コストなものに変革する「Uncapped」。欧州スタートアップの需要を掴み、かつ適切な出資を行うことで、新しい資金調達モデルを生み出すことができるのでしょうか。同社の今後の発展に期待が高まります。

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】

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ピックアップ:5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving 先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィン…

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ピックアップ5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving

先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィンテック分野での躍進です。

Alibaba(阿里巴巴)グループのAnt Financial(蚂蚁金服)が提供する「Alipay(支付宝)」、そしてライバルのTencent(腾讯)が提供する「WeChat Pay」がそれです。この中国2大モバイル決済アプリについて、米調査会社のCB Insightsが詳しい戦略の考察を掲載していました。本稿ではこれに沿った形で、この2大決済アプリが今、どのような状況なのかを紐解いてみたいと思います。

中国国内決済のほぼ全てを支配する

CBIの記事によれば、トップを走るAlipayは、実に中国国内の決済の54%を占めており、それを追う形のWeChat Payのシェアは約40%だそうです。

つまり、中国のモバイル決済はAlibabaとTencentという、米国のGAFAらと肩を並べる中国巨大テック企業の2社によってほぼ完全に独占されている状態で、これら2社を合わせると、中国国内のユーザー数は実に8〜9億人になるそうです。日本の総人口のざっと5倍です。

事業構造も異なります。Alipay陣営のAlibabaグループはコマースが中心。対するTencentはゲームとメッセンジャー「WeChat」によるコミュニケーション関連事業がメインになっています。特にTencentは広告事業の成長が頭打ち状態の一方、フィンテック関連サービス(レンディングや保険など)が年間40%もの成長を示していると記事は指摘しています。

Ant Financialの推定評価額は1,500億ドル(Alibaba全体では約4,570億ドル)、フィンテック事業に限定したTencentの評価額は1,230億ドル(Tencent全体では約3,875億ドル)と拮抗しており、今後、ヤフーやLINE、東南アジアで勢力を伸ばすテックスタートアップ各社はこことのポジション争いをアジア圏で繰り広げることになりそうです。

といってもこの2社、時価総額では世界トップ10入りの桁違いなので背中は遠いです(※日本のトップを走るトヨタは約1960億ドル)。

AlibabaとTencentが取ったフィンテックの共通戦略

CBIの記事ではこの事業が異なる2社が、フィンテック分野においては同じような戦略を取っていると考察しています。それが次の5つです。

  • 1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築
  • 2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す
  • 3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する
  • 4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化
  • 5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

詳細はぜひ原文をご一読いただくとして、これらの項目に沿って気になったポイントを解説してみたいと思います。

1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築

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「フライホイール効果(弾み車)」とは、Amazonの成長を解説する際にジェフ・ベゾスが引き合いに出した理論です。一言で言えば、“ビジネスの中に好循環を生み出すこと”を意味します。

ジェフベゾスは、Amazon商品の低価格化→顧客満足度の上昇→取引ボリューム増加→品揃えの充実、に至る一連の好循環をフライホイール効果と表現しました。Ant FinancialやTencentの場合、決済アプリと関連金融サービスによる相乗効果がそれです。

CBIがまとめたAnt Financialのデータによると、2019年6月のデータではAlipayユーザーのうちAnt Financial以外の金融サービスを3つ以上利用しているユーザーは80%、5つ以上利用しているユーザーは40%となっています。

具体的には、Alipayの提供するWallet内から、中国の一般的な銀行預金金利と同程度かそれ以上の金利(過去の一時期4%に到達、現在2%周辺)をもらえる「余額宝」と呼ばれるMMF(マネー・マーケット・ファンド)サービスを簡単に利用できたりします。

他にもローンや保険サービスをAlipay Walletから簡単に利用できるなど、関連サービスへの導線が上手く出来ているため、ユーザーの人気を集める理由となっています。新たなサービス導線の誕生ですね。

2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す

アジア圏におけるミレニアルやZ世代と呼ばれる新しい年代のユーザーはインターネットで決済することが当たり前になっている状況があります。

<参考記事>

ここで重要なデータがクレジット(信用)です。

Ant Financialが運営する消費者信用サービス「Huabei」は、こうした世代向けに無利息のクレジットを提供し、大きく消費を加速させています。データによれば、同サービスが開始した2015年から累計貸し出し額は1,400億ドル(約15兆円)に及んでいるそうです。

驚かされるのは成長率です。

原文のグラフを見ると一目瞭然ですが、1,400億ドルというのは2017年前半までの累計額の10倍です。この増加を2年と少しの期間で達成しているということには驚かされずに入られません。Tencentも「Fenfu」と呼ばれる同様のサービスを開発しており、2019年末までにローンチされる見込みです。記事の後半では残りの3〜5について解説をお送りします。

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拡大する途上国フィンテックへの投資ーーソフトバンクとTencent(騰訊)が南米チャレンジャーバンクへ1.5億ドル出資

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ピックアップ:Argentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと…

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ピックアップArgentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank

ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと発表した。同社の創業は2016年で、本調達により累計調達額は約1.95億ドルに達する。

Ualaは近年欧米を中心に台頭する「Revolut」や「Monzo」に代表されるチャレンジャー・バンク事業をラテン・アメリカで展開。同社のアプリとカードを通して、預金・送金・融資・投資信託などほぼ全ての種類の金融サービスを利用できる。なお、欧州のチャレンジャー・バンクとの違いとして、Ualaが銀行免許を取得せずにサービス展開している点が挙げられる。

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Image Credit : Google Play

話題のポイント:WeWork経営危機問題を横目に、SoftBankによる海外投資は着々と加速しています。最近では、同社が仕掛けるラテン・アメリカ地域特化のイノベーション・ファンドが、先日ブラジルのEコマース企業「VTEX」の1億4000万ドル調達ラウンドにも参加していました。

アルゼンチンは現在深刻なインフレーションや3,300億ドル規模の債務など、国家の金融面で様々な問題を抱えており、加えて金融サービスの普及率も先進国に比べれば低い状況が続いています。そのためUalaのような個人向け資産管理アプリは同国の金融サービスへのアクセスを急拡大させられると考えられます。

このようにSoftBankは途上国の未成熟な金融システムを代替しうるデジタル・バンキングに投資の可能性を見出しています。実際に今年5月頃、SoftBank及びSoftBank Vision Fundはブラジルの担保貸付サービス「Creditas」に2億ドル超の出資を実施した経歴があります。

一方、中国最大のテック・ジャイアントでWechatなどを運営するTencentもSoftBankと同様の投資戦略を持っていると考えられます。TencentはWechat Pay及びその他の多数フィンテック・サービスを展開していることから、事業提携を通じた長期的な関係構築を見据えた戦略も感じさせられます。

Tencentは既にブラジル発のチャレンジャー・バンク「Nubank」との戦略的提携及び出資(1億8,000万ドル)を実施した過去があります。こうした投資実績からTencentはラテン・アメリカ市場を熟知していると考えてよく、本投資決行の大きな自信になっていることは言うまでもないでしょう。ちなみにNuBankは現在ラテン・アメリカではまだ珍しいユニコーン企業へと成長しています。

TencentとNubankのように、中国のフィンテック・ジャイアントが新興国のフィンテック・サービスに大型出資を行う案件は本件が最初ではありません。実はTencentが運営するWechatの競合にあたるAlipay(支付宝)と、その運営企業「Ant Financial(蚂蚁金服)」は数年前、インド市場へ影響力を拡大することを目的に、(関連会社アリババからの投資に加え)技術輸出という形でインド最大の決済大手「PayTm」を支援しています。

Ant Financialは現在まで投資を複数回続け、結果的にPayTmはインドで最も大きな決済アプリとなりました。つまりTencentによる戦略的投資は、Ant FinancialによるPaytmへの戦略的投資を大いに参考にしていると考えられます。

さて、アルゼンチン経済の特殊な背景と言う違いはあるものの、UalaはTencent及びNubankの成功モデルを参考にできる分、サービス拡大の難易度は高くないと言えるのではないでしょうか。両企業を参考にしつつ、効果的に開発と資本注入を繰り返すのがUalaの今後の事業プランとなっていくでしょう。

Ualaは未だアルゼンチン以外の南米諸国へとサービス展開する予定はないとしていますが、おそらくTencentは今後も大型資金を同社に投入し続けていく意向でしょうから、将来的に他国参入を実施する可能性は十分にあるはずです。Ualaの今後の成長・拡大にSoftBankとTencentの投資戦略の面からも注目です。

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学術書サブスクの「教材版Netflix」Perlegoは欧州学生の心を掴めるか

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ピックアップ:Perlego Raises $9 Million Series A to Grow E-Book Library ニュースサマリー:欧州28カ国に電子書籍サービスを展開する「Perlego」は11月20日、シリーズAラウンドにて、Charlie SonghurstやDedicated VCなどの複数投資家らから合計700万英ポンド(※約900万ドル:約1,000万円)を調達したと発…

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Image Credit : Perlego Instagram

ピックアップPerlego Raises $9 Million Series A to Grow E-Book Library

ニュースサマリー:欧州28カ国に電子書籍サービスを展開する「Perlego」は11月20日、シリーズAラウンドにて、Charlie SonghurstやDedicated VCなどの複数投資家らから合計700万英ポンド(※約900万ドル:約1,000万円)を調達したと発表した。

同社はロンドン拠点のスタートアップ。教科書版Netflixとも呼べる、20万点以上のデジタル教科書読み放題(サブスクリプション)サービスを提供する。調達資金は英語以外のコンテンツ拡充およびヨーロッパ市場へのさらなる拡大に向け活用される予定。加えて、今後アクセス可能なコンテンツ数を25万に増加させるとのこと。

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Image Credit : Perlego

話題のポイント:「教科書や参考書、学術書は一般の本に比べ割高」という印象を持っている人は少なくないと思います。高校や大学、塾で購入を強制される教材というのは安くても1,000円以上、学術書などは高ければ3,000~5,000円ほどの価格帯のものもあります。

学生は学習を進めれば進めるほど、または進級する度にこうした高額な教科書を購入する必要が発生し、社会人でお金がある訳でもない彼らにとっては悩ましい問題といえます。

まさにこのような問題解決に挑むのがPerlegoです。年額プランの場合は月額10ユーロ(約1,200円)、月額プランの場合は月額15ユーロ(約1,800円)で、2,000に及ぶ主要な出版社から20万冊以上の教科書にアクセスし放題になります。

同社のアプリはiOSとAndroidのスマホどちらかも利用でき、オフラインダウンロード機能を使えばWifi環境がなくても読むことができます。また専門家がキュレーションした教材リストにもアクセスでき、ユーザーがどの書籍を読むか迷う心配を減らす機能も提供します。この辺りのサービス設計は定額制ストリーミングサービスの代表格といってもいいNetflixやSpotifyを大いに模倣していると考えられます。

さらに実際のアナログ本さながらにメモやマーカーをいれることができたり、学生は20%割引だったりと、価格・利便性の面でターゲットである学生層の心を掴む利点も充実していることが分かります。

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Image Credit : Perlego Instagram

Perlegoの競合としては、世界的な教育書籍出版社「Cengage」が提供するサービス「Cengage Unlimited」などが挙げられます。同サービスは現段階で米国限定の提供を行なっていることから、今後欧州地域に参入する可能性もあります。そのため、Perlegoは一刻も早く欧州地域で独占的地位を築く必要があるでしょう。

また、Amazonの「Kindle Unlimited」や「Amazon Ignite」に代表される巨大プレイヤーによるサービスも参入も長期的に考えられます。比較的小さな市場とはいえ、Perlegoにとっては厳しい競争が待ち受けていることが想像できます。

こうした競合への対抗戦略として考えられるのは2つ。1つ目に提携戦略。すなわち欧州市場の教材出版社や教育機関との提携を通じてサービス普及の加速を図るというものです。

仮に主要な出版社と先んじて独占的な契約を結ぶことができれば、それはユーザー数拡大を促すだけでなく、競合を抑え込む強力な障壁となるでしょう。また、教育機関へのサービス提供ができる場合、コストを支払うのは教育機関側となるため、生徒に無料で電子書籍を提供するモデルが考えられます。その場合、Perlegoはまるでデジタル図書館のように機能し、生徒を魅了することができるはずです。

もう1つが、現在Netflixが進めるオリジナル・コンテンツ戦略です。出版社との提携も強力ですが、著者を直接的に囲うことができれば中間マージンの削減やサービスの独自性上昇に繋がります。

上述のような提携戦略や、サブスク先駆者であるNetflixを踏襲した戦略を持ってすれば、マス狙いのAmazonの電子書籍・教材のサブスク・サービスが人気を博したとしても競争力を十分に発揮し、大手サービスにも対抗することが可能なのではないでないでしょうか。その意味で、今後の同社のサービス拡張戦略にはとても注目が集まります。

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4.5万人が稼働するUberロンドン市場で営業権が一時失効に

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  ピックアップ:Uber’s fate in London hangs in the balance as transport regulator reportedly weighs a ban ニュースサマリー:Uberが持つロンドン市での営業権利が失効されたようだ。ロンドン交通局(正式名 Transport for London)は失効日である25日までに新たな営業ライセンスを発行…

 

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ピックアップUber’s fate in London hangs in the balance as transport regulator reportedly weighs a ban

ニュースサマリー:Uberが持つロンドン市での営業権利が失効されたようだ。ロンドン交通局(正式名 Transport for London)は失効日である25日までに新たな営業ライセンスを発行するかどうかの判断を迫られたが、発行の動きを見せなかったことから静かに幕引きとなった。

ただし、Uberに21日間の控訴猶予日が残されていることから、すぐにオペレーションが止まることはない。また、裁判が始まれば判決が出るまで営業を続けていくことができる。ロンドン交通局はUberの運営禁止に関し積極的な検討を行なってきたとされ、一方のUberは当局の判断について楽観的だとの意見を述べていた。

しかし、ロンドン交通局はUberがいくつかの交通安全上のリスクを孕んでいる点を懸念。たとえばロンドン交通局がUberのドライバーを全て特定できておらず、1.4万にも及ぶ未登録車両が存在している点を問題視していた。

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話題のポイント:Uberのロンドンでのサービス提供に暗雲が立ち込めてきているようです。2017年、Uberは初めてロンドン交通局に営業ライセンスを没収されました。その後、改善を試みた上で一時的な営業ライセンス付与に至り、15カ月に渡ってオペレーションを回しました。さらに今年9月には新たに一時営業ライセンスを取得し、11月までの約2カ月間の営業を行なってきました。

Uberにとってロンドンはヨーロッパの中でも最も利用数を誇る、4.5万を超えるドライバーを抱える市場です。今後のロンドン交通局の対応次第で本当に営業を停止する必要に迫れられます。そうなった場合は非常に大きな機会損失を生むでしょう。

ロンドン・ラジオ・ステーションの編集者はTwitter上でタレコミ情報をツイート。ロンドン交通局は同氏に対し「Uberはポジティブな改善をし続けてはいる」と回答しているようで、Uberによる一定のオペレーション改善努力は認めていることが分かります。この点が今後どう転ぶかは注目でしょう。

一方、Uberは余裕な姿勢を見せ続けています。というのも、Uberは控訴・上訴を行うことで実質的にオペレーションを延長し続けることができてしまうからです。許されるギリギリのラインを見計らいながら改善を施していくと同時に、だらだらと裁判の期間を引き延ばす戦略が垣間見れます。

Uberとしても欧州最大規模のロンドン市場を失うことだけは避けたいはずです。事実、Financial Timesによれば同社の株価は当ニュースを受け6%以上下落しました。これから裁判に臨み、出来る限りの改善を尽くすでしょうが、ロンドン交通局がどこまで譲歩するのかが焦点となりそうです。

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3つの陣営がバトル、激化する欧州の電動スクーター市場

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ピックアップ:Voi raises another $85M for its European e-scooter service ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調…

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ピックアップVoi raises another $85M for its European e-scooter service

ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調達したばかり。今回の調達により累計調達額は1億3,800万ドルに到達した。

Voi Technologyが提供するのは、都市部の通勤者・通学者をターゲットとした電動スクーター・シェアサービス。専用アプリを使うことで街中自由に乗り降り可能なサービスである。利用時間ベースで料金を徴収される。

また、同社は大企業や行政(都市)向けサービスの提供も行なっている。エンタープライズ版を利用する企業従業員は通勤だけでなく、近場での社外会議の際などに高額なタクシーではなくVoi Technologyのスクーターを使って移動できる。

一方、行政側の導入メリットとしては市民の移動を快適にできると共に、Voi Technologyを通じて得られる市民の移動データを利用して交通機関マネジメントに活かせる点が挙げられる。

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話題のポイント:現在Voi Technologyは10か国(スウェーデン・デンマーク・スペイン・ポルトガル・フィンランド・フランスなど)、38都市で運営されるヨーロッパでも屈指の電動スクーター企業です。

同社は本調達資金を未上陸市場であるドイツ・イタリア・ノルウェー地域でのサービス拡大に投資する予定だとされています。しかし、既にヨーロッパ圏には複数の電動スクーター・サービスが展開されていることも事実。

プレイヤーを3つに分類すると、1つに米国発のユニコーンである「Lime」(欧州18か国、約50都市展開)や「Bird」(ヨーロッパ25都市展開)などの巨大勢力。2つに先月2,800万ドルの調達に成功したドイツの「Tier」(欧州約40都市展開)や、今年5,000万ドルを集めたスペインの「Wind」(欧州6か国展開)に代表される欧州発の新興スタートアップ。そして最後にUber傘下の「Jump」(ヨーロッパ10都市展開)を筆頭とする既に配車市場で大きな影響力を誇っている巨大モビリティ企業が挙げられます。

現在の欧州の電動スクーター市場は上述した3種類のプレイヤーによる激戦が繰り広げられており、投資熱が急速に加熱しています。Voi Technologyは今後、上述のようなレッド・オーシャンの中で市場シェアを奪い合っていくことになります。たとえばLimeとUberは行政との提携を実施。シェア獲得に向け各プレイヤーが策を講じており、市場を逃げ切るための対策が必要となるでしょう。

利便性・利益率の向上を実現し競争力をあげていくため、今回の調達資金をスクーターの性能向上などのためのR&Dにつぎ込まれる予定。今後の電動スクーター市場及びVoi Technologyの成長戦略の舵取りから目が離せません。

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ついにフィンテックでインドが中国に追いつく【CBIレポート】

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ピックアップ:Global Fintech Report Q3 2019 ニュースサマリー:CB Insightが、四半期毎にフィンテック・スタートアップ市場についてデータ分析するレポート『Global Fintech Report Q3 2019』を公開した。当該レポートではインド市場におけるスタートアップ総調達額がついに中国を上回ったことが判明している。 具体的には、2019年第3四半期におけ…

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ピックアップGlobal Fintech Report Q3 2019

ニュースサマリー:CB Insightが、四半期毎にフィンテック・スタートアップ市場についてデータ分析するレポート『Global Fintech Report Q3 2019』を公開した。当該レポートではインド市場におけるスタートアップ総調達額がついに中国を上回ったことが判明している。

具体的には、2019年第3四半期におけるインドのフィンテック市場の調達額は6億7,000万ドルであったのに対し、中国は6億6,000万ドルと僅差でインドが中国を追い抜かしている。一方、大型調達ディールの回数では、インドは33回であるのに対し、中国は55回と、こちらは中国が強さを見せている。

話題のポイント:今や中国とインドがアジアのフィンテックをリードする存在だということは周知の事実となりました。CB Insightによれば、2019年第3四半期のアジア圏(東南アジア地域を除く)のフィンテック・スタートアップによる資金調達は、総額18億ドルに到達し、その数は152回に及ぶといいます。ちなみに同期における欧州の調達額とディール数はそれぞれ17億ドルと182回、北米は43億ドルと90回でした。

このインドが6億7,000万ドル、中国が6億6,000万ドルであるという数値を踏まえると、すなわち両国だけでアジアのフィンテック市場の調達総額の3分の2を占めているということが分かります。以下のグラフを見ると、インドが中国を調達額で上回るのは直近1年で初めてのことであり、また中国の調達額が2019年に入り落ち込んでいることが分かります。

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インドの調達総額を押し上げたのは、クレジットカード・リワードアプリ「Cred」の1億2000万ドル調達やインシュアテック「Policy Bazzar」の1億3,000万ドル調達などの超大型ディールです。

<参考記事>

・創業9カ月で1.5億ドルを調達したインドのクレジットカード・リワード「Cred」とは?

また、実施投資回数を見るとインドが33回、中国が55回。合わせて88回(57%)と半分以上を占めていることが分かります。下図では2019年第2四半期において、インドが一度中国の投資回数を上回ってはいるものの、これは中国の調達数激減による勝ち越しだといえるでしょう。

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Image Credit : CB Insight

ここ数年のアジアのフィンテック市場でインドが徐々に中国の背中を捉え、調達額やディール数にて勝ち越すケースが生じていることが分かります。

Alibaba(阿里巴巴)関連企業のAnt Financial(蚂蚁金服)やTencent(騰訊)が中心となり、先んじて巨大なフィンテック・エコシステムを構築する中国ではありますが、インドも決済サービス「PayTm」を筆頭にレンディングや保険領域でもユニコーン企業を輩出、その勢いは止まることを知りません。

ただ、PaytmはAnt FinancialとAlibabaからバックアップを受け大成したことから、資本戦略的に利害関係を共にするインドと中国の企業が多くいることも事実。そのため対立構造的な見方は今後薄れていくともいえるでしょう。

両国は共に人口が13億人と巨大な市場を持つ一方、既存金融の発達度合いも先進国に比べれば低いため、新しいサービスが急激に広まるリープフロッグ現象が起きやすい環境であるという共通性を持っています。そのため、今後もその勢いは止まることなく、アジアのフィンテックをリードし続けていくと予想されます。

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民泊は東京五輪の宿泊問題をどう解決するのか

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ピックアップ:Airbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年…

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ピックアップAirbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million

ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年の東京、2022年の北京(冬季)、2024年のパリ(夏季)、2026年のミラノ(冬季)、2028年のロサンゼルス大会において適用される。Financial Timesによれば、契約金は5億ドルに上り、Airbnbが2028年まで宿泊施設提供のサポートすることになるそうだ。

IOC会長のThomas Bach氏は今回の契約について以下のようにコメントしている。

本パートナーシップによって、Airbnbが選手村に取って代わるような大きな動きはありません。観光客やアスリートの家族、運営関係者の宿泊場所を提供することに終始します。開催都市が当イベントのためだけに一時的に宿泊施設を拡充するといった非効率な経費を削減するでしょう。

向こう9年間の開催都市にリストされている5つの都市は、Airbnbのプラットフォーム上で特に旅行者とホストの多いホットスポット。Airbnb共同創業者のJoe Gebbia氏は今回のパートナーシップに関し以下のようなコメントを残している。

これまでのオリンピックでAirbnbは宿泊場所を提供してきていました。しかし、公式にサポートを行うのは今回が初めてです。開催5都市には20万以上のAirbnbホストが存在していますが、今回のIOCスポンサーシップによって、この数はさらに大きく上昇していくと期待しています。

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話題のポイント:東京では数年前からオリンピックの宿泊施設不足問題が叫ばれていました。みずほ総合研究所が16年に行った調査では、オリンピックが開催される2020年には4.1万を超える客室が不足するという予測もあったほどです。

そこでかねてから注目が集まっていたのが民泊です。

東京五輪におけるAirbnbの仕事は主に2つ。1つは企業提携やイベント民泊制度を駆使した宿泊場所の拡充。そしてもう一つは体験型プログラムを通した訪日客の満足度向上です。

2017年に2,700万人だった訪日客数は、2020年にはオリンピック需要も期待されて4,000万人に達するとされています。そのため東京都市部では建設ラッシュが続き、民泊やゲストハウスはもちろん、コンテナホテルや船をホテルにする「ホテルシップ」などの対策も検討されるほどの大急ぎの準備が続いています。

日本では2018年6月15日、民泊新法の施行により、民泊ホストになるためには政府への届け出が必要となりました。その影響で一時的に物件数が激減、一部報道によると8割以上の物件数がAirbnbのサイトから削除されたといいます。

しかしその後、Airbnbはソフトバンクとの提携を通し、企業へのホスト提供などのモデルを構築。方針転換が功を奏し、Business Insiderによれば、2019年6月に過去最高の室数を記録しているといいます。ラグビーW杯においては、自治体との提携により手続きを簡素化、一時的な無免許民泊提供を許可する「イベント民泊」制度を駆使することで利用客は前年の1.5倍の65万人に増加しています。

これらの実績を踏まえると、Airbnbは国内の企業や行政と上手に連携し、サービス拡大を図る実績・ノウハウを既に蓄積していることが分かります。東京五輪開催まで1年を切っているものの、本パートナシップにより、Airbnbのホスト数をさらに増加させることができれば、当問題の緩和に大きく貢献することでしょう。

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また、Airbnbによって検討されている施策の一つに、同社サービスを利用したアスリートらが訪日客らに直接パフォーマンスを見せる体験型プログラムの実施が挙げられます。Airbnbには既に体験サービスの提供機能も実装されていますが、そこにIOCのオリンピアン枠が追加されることになるそうです。

当プログラムで参加者は直接アスリートのパフォーマンスを観覧したり、指導を受けることができます。一方、アスリートはプログラムを通し収入を得られる設計になっています。訪問客が直接アスリートと触れ合うことでオリンピック競技を体験できます。体験者が高い満足度を得られる非常にクリエイティブな施策であることに加え、アスリートにきちんと対価が支払われる公正さを兼ね備えた取り組みです。

つまり、Airbnbは単なる宿泊サービスとしてだけでなく、スポーツエンターテイメント・教育サービスのプラットホームとしても東京五輪をサポートするということです。提携後初の本番である東京五輪から既にこのような施策を用意している点から、Airbnbの積極的な姿勢が伺えます。サービス自体は2020年夏から開始する予定だとされています。

今回の東京五輪の客室・体験プログラムの提供が好評であれば、2028年までのオリンピックにも良い影響を及ぼすことができるかもしれませんね。

<関連情報>

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