
家具のサブスクリプションサービス「subsclife(サブスクライフ)」を運営する subsclife は14日、直近のラウンドで約30億円を調達したことを明らかにした。この金額には、金融機関からのデットが含まれる。参加した投資家は次の通り。
- YJキャピタル(ヤフーの CVC)
- エニグモ(東証:3665)
- ユナイテッド(東証:2497)
- KDDI(東証:9433、KDDI Open Innovation Fund)
- ダブルシャープ・パートナーズ(パイプド HD の CVC)
- SMBC ベンチャーキャピタル
- セゾン・ベンチャーズ(クレディセゾンの CVC)
- 三菱 UFJ キャピタル
- XTech Ventures
- サイバーエージェント・キャピタル
XTech Ventures は、同社が KAMARQ HOLDINGS からスピンアウトした際のラウンドのフォローオン。またこの際、サイバーエージェント・キャピタルも出資参加していたことが今回明らかになった。
同社は 家具スタートアップ KAMARQ HOLDINGS の共同創業者の一人である町野健氏が、2018年3月に家具のサブスクリプションサービスとしてβリリースさせたサービスが原型。サブスクリプションサービスの急成長から、新法人 subsclife としてスタートした。
当初は KAMARQ の自社家具のみだったが、他の家具メーカーの商品や家電、インテリア全般に取扱を広げ、現在では400ブランドにまで成長。個人ユーザだけでなく、スタートアップはもとより大企業までもが新オフィスの開設・増床・閉鎖・移転などを速やかに実施する必要に迫られる中で、イニシャルや処分コストの負担が少ない subsclife は人気を集めている。
ところで、最近は新型コロナウイルス感染拡大が契機となり、物理的オフィスを閉じるスタートアップやオフィス規模を縮小する企業は増加傾向にある。subsclife にとって、コロナ禍は順風なのだろうか逆風なのだろうか。
オフィス不要論なども一部で取り沙汰されているが、やはりオフィスは必要で、オフィスの定義が変わっていくのだと思う。フリーアドレス化とかで、そのために必要となる家具が発生するので subsclife の需要は大きい。
コロナ禍で企業は不測の事態への心構えを積極化させるようになった。subsclife を使って、その時その時の必要に応じた柔軟なオフィス運用を可能にする上で、subsclife は重宝されている。(町野氏)
今回の調達で subsclife は法人向けのセールス体制を強化するようだ。また、サブスクリプションサービスを展開する上で、subsclife はメーカーから家具を先に買い取る必要があるが、それに必要な資金はグロース資金というより運転資金であるため、エクイティファイナンスで獲得した資金を投入しづらい側面がある。subsclife では業績成長と共に金融機関からのデット枠を拡大しており、これらをバックファイナンスとして活用することで、家具調達がスムーズになり、より多くの顧客や商品点数を取り扱えるようになる。
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