クラウドファンディングで金融包摂を目指すナイジェリアの「Owoafara」

重要なポイント:ナイジェリアで中小企業の持続的な成長と拡大を支援するフィンテックスタートアップOwoafaraは、これまで資金調達のために中小企業と金融機関をマッチングさせるサービスを展開していたが、中小企業の多くは金融サービスへのアクセスそのものが制限されているという問題点に着目し、既存のクレジットスコアリングを活用した資金調達のためのクラウドファンディングサービスを新たに開始。約半年で50億ナイラ(約1,300万ドル)を上回る取引が行われている。

詳細な情報:Owoafaraの設立は2019年1月。サービスの行き届いていない5,000万を超える中小企業の金融サービスへのアクセスをサポートすることを目的として立ち上げられた。中小企業と金融サービスを結び付けることで、中小企業の持続的な成長と拡大を支援することをミッションとしている。

  • Owoafaraは当初、中小企業にクレジットスコアを付与し、それを元に金融機関や信用機関の金融サービスを提案するクレジットスコアリングとファンドマッチングのプラットフォームを提供していた。15を超える金融機関の登録と10万ドルを超える取引が発生したが、ナイジェリアではほとんどの中小企業が、既存の金融機関のサービスを受ける基準を満たしていないため、この事業では同社のミッションである中小企業の持続的な成長と拡大の支援にはならないということが判明した。
  • ナイジェリアでは、中小企業は金融機関や信用機関から非常にリスクが高いと認識されているため、融資には非常に消極的でそもそも中小企業やスタートアップ向けの金融商品を持っていない金融機関も多い。一方ナイジェリアの中小企業の約79%は事業成長の主な制約として、資金不足と資金調達へのアクセスを挙げている(ナイジェリアでは雇用者が200人以下の企業を中小企業と定義する)。
  • 今年5月、Owoafaraは新たにRouzoというサービスをローンチ。これは、Owoafaraのクレジットスコアリングアルゴリズムを使用して中小企業の信用情報を検証し、個人や企業がプラットフォーム上に投資した資金から融資を受ける、中小企業の資金調達を目的とするクラウドファンディングプラットフォームだ。また、併せてSuppotrという資金調達の前段階にある企業を支援するサービスも展開している。
  • 同社HPによるとRouzoプラットフォーム上では既に24カ国15万回以上の取引によって、50億ナイラ(約1,300万ドル)を上回る資金が取引されている。
  • 同社はナイジェリアのラゴスでサービスを展開しているが、今後12カ月以内にナイジェリア内の5つの主要都市にサービス提供範囲を拡大する予定で、その後はアフリカ他国への展開も視野に入れている。また、創業者の性別によって資金調達の額や難易度に大きな差があるという問題は東南アジア同様ナイジェリアを含む西アフリカにもあり、Rouzoでは女性起業家の資金調達の支援も積極的にサポートしている。

背景:ナイジェリアの中小企業の金融サービスへのアクセスに関する問題点は、Owoafara共同創業者の一人Sally Ann氏自身が、運営していた消費者向けファッションブランドの生産と流通を拡大するための融資が受けられずに事業を失ったことがきっかけ。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

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