AIのミスを見つけトレーニングを繰り返すAI「Tidalflow」、製品版公開を前にGoogle系VCらから170万米ドルをプレシード調達

Image credit: Tidalflow

ジェネレーティブ AI の利点を否定する人はいないだろうが、企業が導入するのは容易ではない。最大の問題は、AI が生成したコンテンツの精度をモニタリングすることの難しさだ。

オランダのスタートアップ Tidalflow は、エンタープライズ向けソフトウェアと新技術を素早く組み合わせ、テストやデータモニタリングなどの機能を提供するプラットフォームを立ち上げることで、この問題を解決しようとしている。

「Tidalflow」プラットフォームはまだベータテスト中だが、すでに Google 傘下の Gradient Ventures や Dig Ventures といったベンチャーキャピタルから支援を受け、総額170万米ドルを調達している。

企業の AI 導入のハードルを下げ、システム変革プロセスを理解しやすく

Tidalflow の共同創業者 Sebastian Jorna 氏は、自身の公式ブログで「2007年に iPhone がアプリの時代を切り開いたが、我々はソフトウェアと LLM(大規模言語モデル)の融合という転換点にいる」と言及している。

ChatGPT の登場以来、多くの企業が自社製品と LLM の連携に投資し、ジェネレーティブ AI が企業にとって最高の助けになることを望んでいる。例えば、オンライン予約プラットフォームは、AI を導入して予約プロセスを変えたいと考えている。これまでは、ユーザが部屋のタイプを1つ1つ選択し、システムがフィルタリングする必要があったが、AI を導入すれば、今後は「東京の駅から5分の、洗濯機付きのホテル」といったフレーズを入力するだけで検索が完了するようになる。

しかし、ジェネレーティブ AI は存在しないホテルを何もないところから作り出す可能性があり(AI の幻覚問題)、深刻な問題につながる可能性がある。

AI のミスを回避する唯一の方法は、常にテストして修正することだが、これは一般的企業にとっては決して小さなコストでは済まない。Coen Stevens 氏、Sebastian Jorna 氏、Henry Wynaendts 氏の3人は、AI ツールによって LLM のトレーニングを自動化するプラットフォーム「Tidalflow」を構築した。

シミュレーションプラットフォームを提供し、組織のシステム変革を支援

Tidalflowの共同設立者の3人。左から、Coen Stevens 氏、Sebastian Jorna 氏、Henry Wynaendts 氏。
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組織がジェネレーティブ AI を導入したい場合、最終的な結果がどうなるかを知る前に、誠実なトレーニングプロセスを経なければならない。結果が期待通りでないことが判明すれば、この期間に費やしたコスト、時間、人手は無駄になる。

Tidalflow の AI は自動的にリハーサル用の仮想問題を多数生成し、テスト結果をサンドボックス化し、テスト結果に応じてミスがなくなるまで再トレーニングを行う。これにより、企業がトレーニングに費やす時間と人件費を削減することができる。Tidalflow は各 LLM テストの過程と結果も表示し、企業はその結果に基づいて、自社の運用に合った LLM を選択することができる。

Tidalflow の AI は、テスト用の多数の仮想問題を自動的に生成し、サンドボックス内でテストの複合結果を推論し、テスト結果にミスがなくなるまで再トレーニングを行う。これにより、企業が AI のトレーニングに費やす時間と人件費を削減することができる。
Image credit: Tidalflow

Tidalflow は基本サービスの無料版に加え、プラットフォーム上でオープンしているサービスやチームメンバーの数に応じて、月額29米ドルの Pro プランと、月額99米ドルの Business プランの2種類の料金オプションを提供している。

OpenAI が今年3月に API の新バージョンのローンチを発表し、より多くのサードパーティプラグインパートナーシップを開放したことで、Microsoft や Google も LLM エコシステムの研究開発を引き継いでおり、ジェネレーティブ AI 技術の開発を加速させるだけでなく、企業やソフトウェア開発者にもより多くの開発機会を提供している。

Tidalflow はベータ版にもかかわらず、創業から1年足らずで、Google 傘下の VC である Gradient Ventures や Dig Ventures などから出資を受けた。伝統的なソフトウェアサービスはプログラムとルールで構築されているが、ChatGPT のような LLM は新たな課題をもたらしている。つまり、ミスの確率は予測不可能になるわけだが、Tidalflow は組織のニーズに応えることができるという。

Tidalflow は、急成長する市場において足場を築くため、170万米ドルの投資を受け、フロントエンドおよびバックエンドのエンジニアを増員すると発表した。プラットフォームの準備はすでに完了しており、年末までに商用版のローンチを予定している。

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