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グランプリは医療、福祉業界のものづくり、足漕ぎ車いすのTESS:全国Startup Dayファイナル

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。今年1年間、大阪、札幌、中部、関東、九州、中四国、東北と、全国各地の会場でイベントを開催してきた。ここに、各地のイベントの様子のレポートをアーカイブしている。 3月26日に開催された「全国Startup Day 2014ファイナル」では、各地のプレゼンでグランプリを受賞した…

全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。今年1年間、大阪、札幌、中部、関東、九州、中四国、東北と、全国各地の会場でイベントを開催してきた。ここに、各地のイベントの様子のレポートをアーカイブしている。

3月26日に開催された「全国Startup Day 2014ファイナル」では、各地のプレゼンでグランプリを受賞したスタートアップたちによるプレゼンや、これまで全国各地をまわりながらイベントを開催してきたベンチャーキャピタルらによるパネルセッションが行われた。

全国Startup Day、ファイナルグランプリは、東北発足漕ぎ車いすのTESS

まずはじめに、全国7地域でグランプリを受賞したスタートアップたちによるプレゼンを実施。プレゼン審査の結果、グランプリに選ばれたのは、東北地区代表の、ペダル付き車いす「Profhand」を開発したTESSだ。

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以下、各地のプレゼンでグランプリを獲得したスタートアップを紹介する。

アロマジョイン:Aroma Shooter(関西地区グランプリ)

AromaShooter

商品や投影されている映像をより立体的に表現する手段として用いられる香りシューター。しかし、従来の霧状の香りは、デバイスに香りが付着し、さらに映像が切り替わっても前の香りが残るなどの課題があった。そこで、これまでの拡散方式ではなく、組み合わせたカートリッジをコントロールし、気体噴射方式で指向性のある香りを0.1秒で切り替えて届けることができるサービスを開発した。

2022年には、世界初の香りを届けるテレビを開発するという。他にも、さまざまなデバイスやメディアと組み合わせる、嗅覚メディア事業をもとに成長させていく。そのためにも、小型化やPCやデバイスなどにビルドインできる開発を進めていきたいと語った。

ファームノート:酪農・畜産クラウドFarmnote(北海道地区グランプリ)

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牛の個体管理を行うアプリサービス。従来の紙やメモではなく、牛の発情や種付けなどをデジタル上に記録し、一日の活動記録のログを蓄積させていく、データに基づく牧場経営を推し進めていきたいという。個々の牛の生産性などもデータで管理することができ、将来的にはビックデータ解析による経営の見える化と予測を図る。

今後は、牛だけではなく鶏や豚などさまざまな経済動物(注:飼育が畜主の経済行為として行われる動物、家畜や家禽など)に適応し、グローバルに展開していく予定だ。

ユニファ:るくみー(中部地区グランプリ)

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写真を保育士が撮影し、全自動でサーバーに送り、画像認識によって自動で整理される写真サービスの「るくみー」。園児の成長の記録をもれなく撮影していく。現在は、保育園内にロボットを小型のロボットを置き、自動で撮影したものをもとに自然な園内の様子を撮影し、保護者へ写真を提供することも考えている。

将来的には、写真をきっかけとした家族が楽しむための家族ポータルメディアを目指す。

テコ:電動バイクTeco(関東地区グランプリ)

teco

オリジナル開発の専用リチウムバッテリーをもとに、電動式の業務用バイクの販売を行っているTECO。EVASIONとガソリンのハイブリッド者で、さらに企業の使用用途に応じて車両設計を行うサービスを行っている。導入のランニングコストが低く、日本国内だけでなく、海外、とくにアジア圏を中心として展開を行っている。

プリンシプル:SMART ROOM SECURITY(九州地区グランプリ)

SMARTROOMSECURITY

月額500円から980円で、家庭のホームセキュリティサービスを提供するSMART ROOM SECURITY。センサーとデバイスを家庭内に設置し、センサーに反応したらスマートフォンなどにアラートが鳴る仕組みだ。ホームセキュリティの普及は3%程度と低く、導入のハードルの多くがコスト面であることから、月額の導入コストを低くし、警備員が駆けつける毎に都度課金を行う。同社では警備員は配置せず、提携している警備会社の遊休警備員を活用することで、低価格を実現している。今後は、月額導入をよりゼロ円にまで近づけながら、普及率を高めていく。

将来的には、屋内だけでなく屋外にも対応し、緊急時にスマートフォンアプリなどでアラートを鳴らすことで、屋外でも警備員を駆けつけることができる、SMART CITY SECURITYを目指す。

エス:Laxus(中四国地区グランプリ)

Laxus

月額6800円で、1000以上ものブランドバックを無制限で使えるファッションシェアリングサービスLaxus。先日サービスをローンチし、平均MAU66%以上というアクティブ率を誇る。物流管理も、これまでECで培ってきた技術とノウハウ、ネットワークをもとに低価格の配送料や自社開発のICタグなどで商品管理を行う。仕入先との提携も広げており、抱えている在庫数も増加しているという。

ユーザからは、レンタルしたバックを購入したいという要望も多いことから、今後はレンタルしたバックを購入できるための仕組みづくりも確立していくという。あわせて、海外へのレンタルも構築し、ファッションシェアリング市場をつくりあげていく。

TESS:足漕ぎ車いす「Profhand」(東北地区グランプリ)

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人間本来の反射の作用である原始歩行をもとに、これまで動かなかった足がペダルをまわして車いすを操作することができる。歩行が困難になることで、運動量が低下し、その後寝たきりになる課題があるなかで、Profhandによって足を動かすことで身体機能を向上させ、それまで足が動かなかった患者が走られるようになった事例もある。

医療機関やスポーツ、福祉などさまざまな分野に足漕ぎ車いすを普及させていく。反射という人が本来持っている機能を活かし、健康に暮らせるためのものづくりをしていくという。

2014年度の一年間かけて、各地をまわりながらスタートアップを発掘してきた全国Startup Day。2015年度は、より一層投資家と事業家との接点や機会を増やし、同時に各地にスタートアップコミュニティを醸成するための取り組みを行う。また、トーマツベンチャーサポートやサムライインキュベートだけでなく、活動に賛同する企業やVCなどの協力を積極的に募るという。

2015年、地方からの起業がより加速するために必要なこと

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同イベントでは、「地方発ベンチャーの過去・現在・未来」と題したパネルディスカッションが行われた。ゲストにさくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏、大和企業投資取締役の平野清久氏、一般社団法人MAKOTO代表理事の竹井智宏氏、モデレーターにDraper Nexus Venture Partners, LLC Managing Directorの中垣徹二郎氏が登壇した。

パネルでは、かつてのネットバブルと、2010年代のIT業界の盛り上がりの違いについて話された。IT業界が盛り上がれば盛りあがるほど、優秀な人材が集中し、短期間で成長するためにも都市部が活性化し、地方との差が大きくなる傾向があるのでは、と議論。

「都市部と地方とで盛り上がりが違うが、今回の全国Startup Dayを通じて、地方の面白い起業家を見つけることができた。地方にいてグローバルに展開することで、都市部だけでないチャンスが広がるのではないか。2010年代のIT業界の盛り上がりは、裾のの広がりを感じる」(平野氏)

地方をまわってきた竹井氏や田中氏から、地方の起業の様子について話された。

「地方それぞれに、面白い発見があった。特に、市場規模はトレンドをいい意味で気にしない人が多く、自分がつくりたいものを顧客に提供し、そこからブレイクするような人が多い印象だった」(竹井氏)

「地方では、東京からIターンやUターンなど、都市部での働き方を経験している人が多い印象。都市部でスマートさを経験し、そこから自分の意思ややりたいことを行うためにあえて東京から離れたところで個性を発揮してものづくりをする人もいる。そうした働き方は、周りに振り回されずに愚直に前に進むことができるかもしれない」(田中氏)

自身のつくりたいものをつくるだけでなく、事業として成長していき、さらにもっている可能性をより広げるためにも、グローバル思考を地方だからこそ持つべきと語る平野氏。

「現在、日本でグローバルに活躍している大企業の多くは地方発だった。最初から世界へ挑戦する気持ちをもってものづくりをしてほしい」(平野氏)

目線を高くするためにも、やはりその地域だけでなく、都市部や海外の地域などさまざまな場所の経験をすることが大事だという。外の経験をしてきた起業家だからこそ、世界へ広げるチャンスがある、と田中氏は語る。

「ベンチャーが成功するためには、欲望が必要。地元だと、なにかやればすぐに目立って満足しがち。けれども、外を見ればもっと頑張っている人と出会い、刺激をもらう。刺激をもらうためのコミュニティにいることが重要」(竹井氏)

外からの刺激を与える意味でも、地方におけるアクセラレーターの重要性を指摘する竹井氏。「起業家と同じ目線で考えつつ、外のさまざまな情報を伝えるハブになる存在があることで、より地方は盛りあがる」とコメントした。

大阪のイノベーションハブなどのように、公的な動きが起業を後押しする動きも今回のイベントを通して発見できた。補助金だけでなく、場所をつくり投資を促し、産官学が連携することでさまざまな起業を促進する大きな要因になるのでは、と地方として今後起業を推し進めていくためのヒントも見えてきた。

「市の職員の中にも、熱意をもって活動している人も多い。想いをもった人と人とがつながり、人を巻き込んでいくことで大きな流れをつくることもできる」(田中氏)

2015年は地方創生の大きな年と言われているなかで、従来の企業の地方誘致ではなく地方発の起業にシフトしていると語る竹井氏。事実、東北では個々数年での起業開業率が急激に伸びているという。起業家支援を全国各地がこれまで以上に行っていくことに対して、各地から独自の技術や研究開発を片手に新しいイノベーションを起こす起業家たちが、多く輩出することを期待したい。

2015年も、パワーアップして全国Startup Dayが開催されることも決定した。これまで以上に、地方からの起業が生まれるよう、THE BRIDGEも引き続き地方都市を周りながら、起業家を応援していく。ぜひ、何かあればいつでもTHE BRIDGEに連絡してほしい。

 

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社会性の高い事業や独自の新技術をもとに、世界へ発信を。M&A経験者による地方ベンチャーの生き方も語られた、全国Startup Day in東北

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部、関東、九州、中四国と、これまでに全国各地の会場でイベントを開催してきた。イベントの内容は、VCらによるトークセッションと、各地域から選ばれたスタートアップたちによるピッチが行われる。3月には、各地域でグランプリを獲得したスタートアップたちによるファイナルプ…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部、関東、九州、中四国と、これまでに全国各地の会場でイベントを開催してきた。イベントの内容は、VCらによるトークセッションと、各地域から選ばれたスタートアップたちによるピッチが行われる。3月には、各地域でグランプリを獲得したスタートアップたちによるファイナルプレゼンが行われる。

今回は、全7都市の最終地域である東北の様子をレポートする。2月14日に開催された同イベントは、大雪の中熱い議論やプレゼンが交わされた。まずは、「成長ベンチャーを生み出す秘訣とは?」と題したパネルディスカッションの様子を伝える。

会津をシリコンバレーに、という夢を追いかけて

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会津ラボの久田氏。

パネルディスカッションは、オプトVC事業部菅原康之氏、MAKOTO 代表理事竹井智宏氏、会津ラボ代表取締役久田雅之氏、モデレーターにサムライインキュベート玉木諒氏が登壇した。パネルディスカッションは、当初の予定を変更し、2014年11月19日に日本エンタープライズにM&Aを行った、スマートフォンアプリ開発の会津ラボの久田氏の話を軸に会津でベンチャーを始めること、地方でベンチャーを経営することの意味について話が行われた。

会津ラボは、コンピュータ理工学を専門とする会津大学発のベンチャー企業として、2007年1月に設立。同大学との連携を活かし、コンピュータ科学・技術を活用したスマートフォン向けアプリを中心としたソフトウェア開発を行っている。1993年に設立された会津大学だが、会津にはそれまで四年制大学がなかったことから、会津の人たちにとっても悲願の大学でもあったという。久田氏は、その一期生として卒業。もともと教員として大学に就職が決まっていたが、学長で恩師である國井利泰氏から「会津をシリコンバレーに」という思いをもとに、教員を辞退し、ベンチャーを設立したという経緯がある。

コンピュータサイエンスを専攻する大学なのか、技術をもとに学生起業をする割合の高い会津大学。しかし、研究開発を行うベンチャーはあまりおらず、どちらかというと受託や制作メインな企業体が多かったという。そこで、ベンチャーとして新サービスやプロダクトづくりをしようと考えた久田氏。。しかし、会津ではVCなどはほとんどおらず、資金調達の難しさに直面した。

「東京に頻繁に足を運びながら、VCと話をしていたが、当時はネットバブルが崩れたあとでなかなか難しかった。また、当時は事業計画などもよく理解していなかったので、VCの人たちに一蹴された。さらに、アイデアベースでプロダクトもまだ作りきれてなかったことなど、今振り返ると反省点ばかりだった。会津にはそうしたファイナンスまわりが見れる人材がいない。これは、会津だけでなく地方が抱える問題かもしれない」(久田氏)

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菅原氏は、「VCにも色々な立場の人がいる。特に事業系VCの人たちは、モノがきちんとあるか、事業計画ができているかで見極める。個人や独立系VCはビジョンや起業家個人の資質を見極めようとする。一括りにVCといっても、色んな種類がいることを知ってほしい」と述べた。

その後、政策金融公庫などから融資をいただくも、当時はまだマネタイズできていなかったことあり、そこから受託のスパイラルにはまっていった、と久田氏。特に地方は受託スパイラルにハマったらなかなか抜け出せない、と自身の経験から苦言を呈した。

求められる起業家としての本質とビジョン

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MAKOTOの竹井氏。

久田氏は、恩師の國井氏の考えをもとに、ネットが発達した将来に向けて、地域や国を越えてどこでも仕事できる環境はできる時代のために、会津で成功事例を作ることに意味がある、と考え拠点を会津から動かさずに事業を展開していた。菅原氏がサポートする京都を拠点に活動し、スクショサービスGyazoを展開するNOTAを事例に出しながら地方でも世界に通用するサービスやブランディングを行うことの重要性について指摘した。

竹井氏は、支援者側のマインドセットとして、Skypeやテレビ電話など、遠隔でコミュニケーションが取れる方法を積極的に活用することが大事だと語る。もちろん、はじめの信頼関係を築くためには対面は必要かもしれないが、ある程度の信頼関係を築くことができれば、遠隔コミュニケーションを通じて地方と東京とった地理的な問題を解消することができる、と語る。

さらに、地方が考えるべき問題として、人材がある。人材獲得の一つに、海外人材を地方に連れてくる、という考えもあるのではと竹井氏。「海外企業で働いた経験のある人材は、東京に行くよりも地方都市にいることで、さまざまな価値を生み出すことができる。そうした人材が働ける場所を用意することも重要ではないだろうか」(竹井氏)

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会津ラボでも、スリランカなどのIT企業で働いていた人材を雇用しているという。会津大学は、コンピュータサイエンス専攻の大学と同時に教員の半数近くが外国人というグローバルさがあり、かつ英語も学士から必須ということからグローバルへの壁は低い。その外国人スタッフは、現地では月給数万円で働いていたということからも、技術をもった人材を獲得し成長を促すためにも海外に目を向けることの必要性はあるのでは、と久田氏。その後、紆余曲折ありながらも日本エンタープライズの社長とコミュニケーションし、ただの開発で終わるんのではなく、会津をシリコンバレーにしたい、という久田氏の考えから、支援する形でM&Aへと至ったという。

「起業当時の何もわかっていない頃から5年以上がたち、色々な経験を積んできた。今回のM&Aは一つのきっかけにすぎない。最初の起業を通じて、創造することの意味もわかった。これまでの経験をもとに、新しいチャレンジをしていきながら、会津を盛り上げていきたい」(久田氏)

よく、ベンチャーを成長させるときに、人脈が大切友いわれるが、その人脈を作るためにも、起業家自身が持っている資質や目指しているビジョンが重要になってくると竹井氏。「久田氏のように、会津をシリコンバレーに、という思いが人を惹きつける何かをもっている。人脈をつくるためにも本質的な問題としてその人個人が考えるべきものが大きい。東北は奥ゆかしさがあるが、ベンチャーの世界ではもっとアグレッシブに、積み上げで計算するんじゃなく、大きな目標を掲げて、その大きな目標にむかって突き進む人であってほしい。地方からもそうした大きなビジョンを持って行動する人を支援していきたい」と語る。

菅原氏も、成長するかどうかの一つの判断軸として、誠実さや日々のコミュニケーションが重要と語る。「表現が自分勝手だったり、日々の所作ややりとりにおける細部がなおざりな人は、ユーザやクライアントのこと、ひいては事業全体のことを丁寧になりきれない可能性がある。事業計画もそうだが、起業家としての資質として、人を大事にしたりといった、気配りや細部にまでこだわる人は地方からでも生まれてくるはず」とコメントした。

東北地方発のスタートアップたち

パネルディスカッション後は、東北を拠点に活動するスタートアップ8社のプレゼンが行われた。ここでは、注目のスタートアップをいくつか紹介する。

TESS:足こぎ車いすで障害者に新しい機会を(グランプリ)

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従来、車いすは身体に障害のある人の移動手段として捉えられていた。しかし、車いすに乗るということは足を使う機会が減り、結果として身体機能の低下を促し、寝たきりになってしまう可能性もある。さらに、障害のある人へのリハビリテーションの歩行訓練は、手すりに使ったりという通常歩行を目指そうとするが、なかなか回復の目処が立ちづらい。

そうした課題を解決するために取り組んでいるのがTESSの足こぎ車いす「profhand」だ。人間の脊髄が持っている歩行中枢による反射機能をもとに、片方の足を動かせば、もう片方の足が仮に麻痺したりして動けなくなっても、反射を通じて足を動かすことができる。これは、生まれたての赤ちゃんでももっている原子歩行と呼ばれるものを通じた機構となっており、東北大でこれまで20年間研究されてきた。その研究をもとに、脊髄反射が生まれやすい足やペダルの角度を調整してるという。また、車椅子はパラリンピックの競技用車いすを開発している企業からの協力で作られている。

この足こぎ車いすを使ったことで、それまでまったく足が動かせなかった人が足が動くようになり、自然と筋力を使う機会が増え身体機能が回復するようになった。例えば、脳梗塞を患っていた人が回復したり、足が不自由だった人が歩けるようになったりという事例もある。

すでに、学会などでも発表されており、反射を利用したさまざまな介護製品を開発していきたいという。今後は、リースや少額で月単位でレンタルできるような仕組みを作る予定だ。

東北マイクロテック:3次元LSIの開発(トーマツ賞)

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LSIは、メモリ、演算回路、制御回路、入出力回路、センス回路、増幅回路等の回路ブロックから構成されている。一つのチップの中に多くの回路ブロックを入れたマイクロプロセッサチップは、多機能化や高速化を目指して開発されてきた。回路規模が大きくなるほどチップ面積は増加し、回路ブロック間の数mmの配線によるデータの遅延、電力消費が問題になってきた。

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そこで、三次元LSIは回路ブロックを構成する部分を別々に切り離し、重ねて、チップ間をチップを貫通させた配線で接続する構造をもったLSI。これによって、データ処理速度を向上させ、消費電力も抑えることができる。しかし、問題は製造コストだ。チップを重ねるために、細かな調整や、それこそ手作業をする必要がある。そこで、東北マイクロテックでは自己集積化技術を開発し、製造コストを抑えるための技術を確立したという。

2018年には、その新しい生産技術を使った三次元センサLSIを生産開始し、イメージセンサに活用していきたいという。

ファウディオ:ポケットにおさまるDJシステム(サムライ賞)

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一般的に、DJやるのにアナログターンテーブルとアナログミキサーや、CDJとデジミキサー、パソコンとコントローラーといった機材を用意して演奏しなければいけない。そそのため、セッティングなどに時間がかかたり、機材の調達や配線で苦労することもある。

そこで、ファウディオが開発したのが、ポケットに収まるDJシステムのGODJだ。ガジェットながら、ソフトウェアをアップデートしながら、プロのDJからの意見を取り入れて改良を続けながら、さまざまな機能を追加している。一部には、既存のDJ機器を超えた性能があるのでは、と言われているほどだ。

すでに大手量販店で販売されており、また世界12カ国でも販売の実績がある。世界のDJやガジェットユーザに愛用されている。ターゲットとして、DJをやってみたい層から本格的なDJプレイをやりたい人の中間層を狙っている。
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最近では、銀座で素人向けのDJ教室や、飲食店向けに簡易的なDJシステムを導入する事業などを展開している。今後は、現行のスタンドアロン型ではなく、デバイスをネットワークにつなぎながら、自身のDJプレイをYouTubeにアップしたり、世界のDJと繋がれる仕組みづくりをしていけたら、と考えている。

社会性の高い事業や独自の開発技術、ガジェットなど独特の文化を形成している東北のベンチャーたち。今後は、ものづくりだけでなくいかに国内や世界に展開していくか、そのためのマーケティングやビジネスモデルを考える必要があるが、今後の展開が期待できるスタートアップたちだ。

以上で、全国7地域で開催してきた全国Startup Dayは終了した。そして、各地域でグランプリを獲得したスタートアップたちによるファイナルプレゼンを、3月26日(木)に、東京の国際フォーラムで開催することが決定した。全国から集まってきたスタートアップたちの姿を、ぜひ観てもらいたい。

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「起業家たるもの、ハードワーカーたれ」−ファッションシェアリングや見守りサービスなどがプレゼンを行った全国Startup Day in 中四国

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部、九州と、これまでに全国各地の会場でイベントを開催してきた。イベントの内容は、VCらによるトークセッションと、各地域から選ばれたスタートアップたちによるピッチが行われる。3月には、各地域でグランプリを獲得したスタートアップたちによるファイナルプレゼンが行われ…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部、九州と、これまでに全国各地の会場でイベントを開催してきた。イベントの内容は、VCらによるトークセッションと、各地域から選ばれたスタートアップたちによるピッチが行われる。3月には、各地域でグランプリを獲得したスタートアップたちによるファイナルプレゼンが行われる。

今回は、先日行われた中四国エリアによるイベントの内容をお届けする。

起業家たるもの、ハードワーカーであれ

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まず始めに行われたパネルディスカッションでは、地方ベンチャーが成功するためには何が必要か、といったテーマで議論された。ゲストには、さくらインターネット田中邦裕氏、フューチャーベンチャーキャピタル愛媛事務所長の宮川博之氏、Draper Nexus Venture Partners,LCCの中垣徹二郎氏、司会にトーマツベンチャーサポートの権哲基氏が登壇した。

これまでに、いくつもの企業のIPOを達成し、企業の成長をサポートしてきた宮川氏。「起業家たるもの、ハードワーカーたれ」というキーワードこそが、投資において最も重要な点だという。

「事業について24時間考えて、熱い思いをもって行動できる人。さらに、サービス改善のためのPDCAをしっかりと回し、投資後もサービスについて色々と議論できる人。きちんと事業に誠実に向き合っている人かどうかが大切」(宮川氏)

サンフランシスコと日本を往復している中垣氏は、「中長期のビジョンを持っている人」と語る。投資家は、大雑把に言えば事業計画書と起業家との対話を担保に投資する存在だと語る同氏によって、短期の利益だけではなく、長期の目線で何をみているのか、そこに向けて人を巻き込んでいける人に投資をしたい、と語る。

投資は、資本政策が最も重要

宮川氏(左)と田中氏(右)
宮川氏(左)と田中氏(右)

学生起業で現在までネット業界の最前線で活動している田中氏。経営者にとって必要なものとして、「ハードワークだけではなく、そのサービスやモノゴトが好きかどうか」が大切だとし、「自分はいまだにサーバーが好き」と田中氏は語るほどだ。そんな田中氏に、投資を受けるメリットについて伺った。

「投資を受けることのメリットをよく聞かれるが、基本的に投資はうけないに越したことはない。株式会社は株式ものでしかありえない。増資を受けると、株主は簡単に変えられない。大株主が売りたいって話が出てくると、事業に対してモチベーションが下がったりとさまざまなところに影響を及ぼす。きちんとした資本戦略を組んでおかないとあとで後悔する」(田中氏)

しかし、投資を受けたことによるメリットもある。「増資を受けることで、経営に携わってくれる人が増え、更に優秀な人がサポートしてくれる」と田中氏。どんなに優秀なベンチャーでも、創業直後に優秀な人を雇うために必要なお金は用意できないからこそ、増資をもとにさまざまな人たちの力を借りながら、事業を成長させることができる、と語る。

独自の課題を設定し、視野を海外にまで向けて行動すること

たびたび議論される、地方と東京の違いについても議論された。中垣氏は、地方でスタートアップすることで、目立ちやすい、ということが大きなメリットだという。

「できたてのスタートアップは、何も実績がないが、地方だと起業していることが一つのアドバンテージになる。まだまだ東京に多くの起業家が集まっているが、逆に言えば地方は人が少ないからこそ、一歩抜きん出ればそこに人もモノもお金も集まりやすくなる。地方から一つでも多くの成功を作るためには、起業家を増やすことも大切だが、成功事例をすぐにつくり上げること。そのためにも、抜きん出て目立つスタートアップになれば、大きく周囲が動く可能性は高い」(中垣氏)

中垣氏
中垣氏

同時に、地方にいることのデメリットとして、情報の格差はあるという。どんなにネットが浸透しても、やはり情報として伝わってくるものは、実際のリアルの現場や直接見聞きした情報量には劣る。だからこそ、地方にいる人こそ渇望感をもって能動的に情報を取りに行ったり、積極的に東京や都市部、シリコンバレーなどの場所に行き、さまざまな人と会って話すようにしなければいけない、とアドバイスを行った。

宮川氏は、地方の起業家は目立つことで行政や金融機関からの集中支援で成長することができる、と話をつなげた。それを踏まえつつ、地方ならでは課題を見出し、その課題解決のためのビジネスを行うことでチャンスがあるという。

田中氏は、地方ならではなビジネスのあり方があるのでは、と提案する。例えばさくらインターネットでは、北海道にデータセンターを配置し、雇用を生んでいる。それは、給料が安いという人件費の問題ではなく、コンピュータを冷やすために北海道にあることに利点があるからだ。もちろん、北海道のデータセンターの社員も、東京となんらかわらない給与体系であり、給料や賃金の格差という問題は、あまり考えるべきではない、と語る。

「その土地の優位性を生かしたり、潜在的な強みで地方で活動すれば、東京以外でも十分にビジネスは成り立つ」(田中氏)

さらに、長い間一箇所にとどまって仕事をしている人よりも、地方都市や海外も含むさまざまな地域を経験してきている人のほうが、アイデアの発想や行動力が違う、とも田中氏は語る。さらに、事業はその地域だけではなく、広く多くの人に届けるものだからこそ、事業に郷土愛を持ち込むべきではなく、地方に固執しない柔軟な人のほうが、地方で成長しやすいのでは、と語った。

最後に、中四国からベンチャーが生まれるために必要なことや期待することは、という質問がなされた。中垣氏は、「成功のイメージを持つこと」とアドバイスする。そのためにも、成功した人のところに行き、五感を通して成功に必要な所作や考え方を学ぶことの大切さを説いた。さらに、近年では海外のスタートアップの多言語化のスピードを指摘。日本において、日本だけを市場にしている間に、世界では急速に事業を成長させてきているスタートアップがいる、と中垣氏。

「500 Startupsは、日本のスタートアップに15社程度出資しているが、実はブラジルのスタートアップにはすでに25社も投資をしていると聞いている。始めから、視点をグローバルにもつことで、世界のVCからも注目してもらいやすくなる。地方や日本、といったスコープだけではなく、もっと世界を視野に入れていかないと、気がついたら海外のスタートアップに日本市場自体もシェアを取られてしまう可能性がある。ビジョンを大きくもって事業にとりくんでもらいたい」(中垣氏)

 

中四国出身スタートアップによるピッチ

パネルディスカッションが行われた後は、中四国地方のスタートアップ6社によるピッチが行われた。登壇したなかから、注目のスタートアップをいくつか紹介する。

ファッションシェアリングプラットフォーム「Laxus」(グランプリ)

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Laxusは、月々6800円で、1000以上ものブランドバックを無制限で使えるファッションシェアリングサービスだ。多くの女性のファッションキーアイテムの一つであるバック。ここぞ、というシーンにおいて色々な種類のバックを使い分けたいが、全部を自分が持つには部屋のスペースの問題やコストの問題がのしかかってくる。そこで、Laxusが運営元となり、数十万円もする高級ブランドバックをレンタルビデオ店舗のようにユーザに自由にレンタルしてもらう仕組みを提供する。

もちろん、それぞれのバックにはRFIDタグが仕込まれており、盗まれたり偽物との交換による偽造を防ぐことができる。バックは利用シーンがある程度限定されているため、衣服のように幅広い個人の好みに対応する必要もない。さらに、メンテナンスの手間も容易のため、回転率を高めることで利益を保つことができる。

エスは、英会話教材「エブリデイイングリッシュ」を長い間提供している企業で、通販経験豊富な企業だ。そのため、Laxusにおける配送コストも独自のルートによって安く抑えることができるという。2月から3月でテストマーケティングを行い、4月から5月に正式リリースを行う予定だ。さらに、正式リリースに合わせて資金調達も視野にいれており、数年規模でユーザ数を一気に拡大していくという。

beaconを使った見守りサービス「OTTA」(トーマツ賞)

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見守りサービスの「OTTA(オッタ)」は、スマートフォンのBluetoothとbeaconタグを使い、子供の見守りを助けるサービスだ。

小型の端末を、見守りをしたい子供やペットに持たせるだけで、OTTAのアプリをインストールしている人が見守り人となり、小型端末から発信されるデータをもとに居場所を感知することができる。つまり、アプリをインストールしている人が増えれば増えるほど、見守りの精度が高くなり、普段に生活の中で異変が起きた時に察知しやすくなる。

端末料金は0円だが、月々の利用に際して300円の課金を行っている。beaconを活用したサービス自体がまだまだ少なく、さらに子供の見守り向けの市場自体は今後成長の見込みがある市場といえる。大手のコンビニやモールなど、子どもやファミリーが行き交う場所にbeaconを読み取る端末などがあることで、見守りしやすくなるかもしれない。

現在、複数の自治体で実証実験を行っている。さらに、事業会社との提携なども視野にいれており、OEM提携などテクノロジーを活用したサービスの普及を目指している。

otta PV from otta on Vimeo.

企業内英語保育園運営サービス「リノヴェ」(サムライ賞)

子育て問題を解消するために、企業内に保育園を設置し、運営しているリノヴェ。さらに、この保育園はインターナショナルスクールとして、英語教育ができる保育園でもある。外国人講師を保育園に呼び、保育士に対して英語研修を行うことで、バイリンガルの保育士を常駐させることができる。保育士をバイリンガルに育成することで、保育士自体の単価を向上させ、優秀な保育士を育てながら、企業内保育施設を充実させていくのが狙いだ。

保育施設は、クライアントの企業の遊休設備を間借りするため、施設費用も安く抑えることができる。さらに、クライアントからウエイ委託費も請け負うことでき、リノヴェ自体のコストも下げている。もちろん、クライアント側は国からの補助金や助成金などを活用することができ、国の施策としての子育て支援にも一役買っている。保育と英語教育を合わせ、かつ施設運営を担う新しいビジネスと言えるだろう。

オンライン合コンサービス「合コン戦国時代」(サムライ賞)
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リノヴェと同率でサムライ賞を受賞した、斬が提供するには、オンライン合コンサービスの「合コン戦国時代」だ。オンラインゲームにログインするのと同じように合コン相手を全国から探し、マッチングを行う。利用時には、ウェブカメラなどを通じて遠隔で映像と音声を互いに送信しあう。会場として、カラオケ店で実施することで、身分確認を行い実名制や不正利用を防止対策も行っている。

特徴的なのは、映しだされた画面上に、いいね!ゲージや話題に困ったときのための情報を調べる項目がある。また、いいね!ゲージが増えたり減ったりすることで、相手のいまの気持ちの状態を把握することができる。また、ゲージがある一定上下がると、強制的に終了となる。

さらに、合コン終了後にはいいね数や相手に対するフィードバックを行うことができ、次回の反省点として活かすことができる。「恋愛におけるPDCAを回すことで、効果的な合コンを開催することができる」と、斬代表の小田氏は語る。

他にもも、イメージコンサルタントのノウハウをスキーム化し、その人個人に似合った洋服をアテンドする外見診断システムの「パルブライト」や、パノラマ画像を撮影し、パノラマ画像の上にエアタグのように写真や動画、テキストなどの新しい情報レイヤーを乗せて、バーチャルツアーを行うことができる「めでぃパノ」がプレゼンを行った。

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「全国Startup Day in 九州」が開催。グランプリは、ホームセキュリティの低価格を実現したスタートアップ

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部などの全国で各地域で開催する同イベント。今回は九州エリアによるスタートアップたちのピッチが、先日オープンしたスタートアップカフェで行われた。 まず始めに、「IPO起業家・著名ベンチャーキャピタリストが語る、成長ベンチャーを生み出す秘訣とは?」と題しパネルディ…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部などの全国で各地域で開催する同イベント。今回は九州エリアによるスタートアップたちのピッチが、先日オープンしたスタートアップカフェで行われた。

まず始めに、「IPO起業家・著名ベンチャーキャピタリストが語る、成長ベンチャーを生み出す秘訣とは?」と題しパネルディスカッションが行われ、さくらインターネット代表取締役の田中邦裕氏、SMBCベンチャーキャピタルVC投資第一部長の太田洋哉氏、ドーガン取締役副社長の林龍平氏が登壇した。太田氏や林氏など、実際に投資に携わっている人たちの視点から、ベンチャーとしての必要な素質や投資に対する心構えなどの議論がなされた。

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起業家と投資家は、対等な目線で互いを理解しあうことから始まる

太田氏は、起業家にとって必要な素質として「愚直にものごとをやり切る力」と「優秀な仲間を巻き込めるか」が大切だという。いかに個として優秀であっても、チームで結果を出すためにさまざまな取り組みやチーム構成を考えないといけないと指摘する。

林氏は、自身の原体験や挫折した経験を投資家などに共有できる人が重要だとし、「なぜそのビジネスをやるのか、何を変えたいのか、という強い思いが最後の一歩を踏むかどうかの決め手になる」と主張した。そのためには、自身が解決したい問題の設定と、そのための解決方法を見出すことが必要だという。

モデレーターの、サムライインキュベートの玉木氏(左)と、さくらインターネットの田中氏(右)
モデレーターの、サムライインキュベートの玉木氏(左)と、さくらインターネットの田中氏(右)

投資を受けてさくらインターネットを成長させてきた田中氏。VCからの投資のメリットデメリットについて若手起業家たちへのアドバイスを行った。

「外部の投資が入ることで、投資家というブレーンによって有益な事業を進めることができる。2001年のネットバブルのときの苦労をした時期に、銀行との交渉や資金繰り、事業戦略などのさまざまな面でその存在価値を実感した。VCのアドバイスや人的なリソースは、スタートアップにとって大きい。逆に、資本政策をきちんと考えて運営していくことが求められる。株式会社は株主のもの。人材や組織は経営者がなんとかできるが、株の配分は変えにくいからこそ、意思決定においてスムーズに進めるためにも、どういった人が株主になっているのかを始めから考えることをおすすめする」

契約書の一つ一つにも意味があると林氏。「細かな条項一つ一つにも、その条項の背景があるからこそ、投資契約について投資家は説明する義務があるし、起業家も理解する必要がある。契約に関するやりとりをきちんと学んでおいたほうがいい」(林氏)

投資部門で長らく活動してきた太田氏は、「最初のファイナンスが重要」と語る。最初である投資家は、一蓮托生の仲間であるからこそ、信頼をおける人物を見極めることが大切だ。そのためにも、VCが起業家の素質を見るように、起業家もVCをきちんと見極めなければいけない。

「起業家とVCは対等な立場。投資はいわばお見合いや結婚のようなもの。長期間一緒に苦楽をともにするからこそ、互いに始めからすべてをさらけ出し、考え方や不足していることなどを理解した上で投資を検討すべき」

ドーガン林氏(左)とSMBCベンチャーキャピタル太田氏(右)
ドーガン林氏(左)とSMBCベンチャーキャピタル太田氏(右)

情報の後ろのあるストーリーや思想を知るための努力をすること

話は九州から起業家が増えるためには、といった話題に移る。アントレプレナーの土壌があるとする林氏だが、「会社がそこそこに成長すると、一定の推移で踊り場になって、そこに満足して成長が止まってしまう企業も多い」と指摘する。20人30人規模で、売上がそこそこ見込めてしまうことに満足することなく、新しい挑戦をするための前のめりな姿勢を取ることが必要、と九州の起業家の人たちにエールを送った。

地方だから、という意識はしなくていい、と語る太田氏。しかし、地方は流れている時間の早さが違うかも、ということを意識すべきという。表面的な情報だけだと、東京と地方が大差ないが、その情報の裏側にある人の思想や出回っていない情報を知ることが大切だと語る。田中氏も、本社を関西に置きつつも定期的に東京に足を運び、コミュニケーションを取っている。その理由は、情報だけではない人と人とが直接対話することによるエネルギーが、次へのチャレンジの源泉になると考えているからだ。

「情報量が増した現代において、情報だけで満足するのではなく、他者との真の関係性を築くためにも、顔を突き合わせることの大切さが増してきている」(田中氏)

人間関係づくりや、起業家と投資家との関係性といった話に終始したパネルディスカッション。人と人が出会い、議論し、相手の考えを理解すること、そのための時間と労力を惜しまないことが、スタートアップにとって必要な要素なのではないだろうか。

九州のスタートアップ8社のピッチ

パネルディスカッション後は、8社のスタートアップによるピッチが行われた。登壇したスタートアップのなかから、注目の企業をいくつか紹介する。

SMART ROOM SECURITY(グランプリ)

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月額500円から980円で、家庭のホームセキュリティサービスを提供するSMART ROOM SECURITY。一般的に、ホームセキュリティの普及率は3%程度で、多くの家庭で導入が進んでいない。その原因として価格面などが大きい、と同社代表取締役の原田宏人氏は指摘する。

そこで、同社はセンサーとデバイスを家庭に設置し、センサーに反応したらスマートフォンなどにアラートが鳴る仕組みとなっている。一般家庭だけでなく、一人暮らしの高齢者などの孤独死などに対応するために、一定時間ドアが開かないとアラートが飛ぶ、という仕様も可能だ。

アラートだけでなく、提携している警備会社のスタッフによる駆けつけ対応も可能で、駆けつけた場合に数千円の都度課金が発生する。すでに九州全体をカバーしているにしけいと提携している。提携している警備会社は、抱えている警備スタッフの空き時間にSMART ROOM SECURITYの対応を行い、それによって収益を得られるなどの空きリソースの活用もできる。空きリソースの活用によって、SMART ROOM SECURITY自体のサービスの低コストを実現しており、一般家庭の防犯・警備普及率を高めていきたいという。

テラスマイル(トーマツ賞)

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テラスマイルは、農業における予測とシミュレーションによって農業経営を改善するレコメンド型の農業ERPを提供するサービスだ。データベースを蓄積し、予測と分析によって、効率的な農業戦略を構築させ、売上向上の支援を行っていく。農業×ITの分野において、経営的視点をもって農家経営を行うことで、農業の活性化を図っていきたいという。

YAMAP(サムライ賞)

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登山地図アプリのYAMAPは、電波が届かないところでも、現在地が確認できる地図アプリだ。登山だけでなくスキーやスノボなど、さまざまなアウトドアシーンにおいて活躍することができる。2013年3月にリリースし、8万以上のDLがされている。全国3000件以上の山情報なども掲載されており、誰でも情報を投稿できるプラットフォームにもなっている。フリーミアムモデルを採用しており、有料プランなどのサービスの拡充を墓っていく。また、ベータ版では登山用のアウトドア用品の比較評価サイトも収益化の柱となっている。今後は、外国語対応や地域の滞在型観光を推進する地図アプリとして、自治体らとの連携も図っていくという。

他にも、タッチセンサー技術を搭載した新しい製品づくりを行う痛すぽ、ドラマなどで使用された衣装を検索、購入できるECサイトのガイダー、電子書籍店頭販売システムのキャンディ、ウェブ制作プロジェクトのコラボレーションツールのUniversions、オリジナルギフトカードなどが作成できるブレッサ、などがピッチを行った。

今後は、1月の中四国、2月の東北を踏まえて、3月に東京で開催されるファイナルが予定されている。

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地方独自の課題解決や研究開発で世界に発信を!全国Startup Day in 関東

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部と開催してきた同イベントは、今回は関東(東京除く)エリアによるスタートアップたちのピッチが、埼玉・大宮で行われた。 ここでは、まずは賞を受賞したサービスを紹介する。 テコ:電動バイクTeco オリジナル開発の専用リチウムバッテリーをもとに、電動式の業務用バイ…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌、中部と開催してきた同イベントは、今回は関東(東京除く)エリアによるスタートアップたちのピッチが、埼玉・大宮で行われた。

ここでは、まずは賞を受賞したサービスを紹介する。

テコ:電動バイクTeco

オリジナル開発の専用リチウムバッテリーをもとに、電動式の業務用バイクの販売を行っている。現在、多くのビジネスバイクがスーパーカブなどのものを利用しており、オプション品などによる装着でハイブリッド化ができ、電動にスイッチすることもできる。企業の利用用途にあわせて車両設計を行うなど、ニーズにあわせた車両の提案を実施。

海外製品の体制を確立し、販売網の充実を図る。

C&T:緊急通報アプリ、スマート医療通訳

代表の瀧澤氏自身が、かつて心筋梗塞で倒れ、九死に一生を得たことから、医療の実際の現場においていかに人の命を救うことができるのか、を自問自答したという。もともとインベーダーゲームなどの開発やシステムエンジニアとして働いていた経験からサービスを開発した。

遠隔医療通訳の仕組みをサービス化したのが、「スマート医療通訳」だ。スマホで通訳のコールサービスを使い、海外などでも自身の病態を伝えることができる。あわせて、医療通訳育成セミナー教育なども行い、医学の基礎知識を学ぶ場を提供。難解な医療に関する単語や知識などを勉強した人が、自宅でテレビ電話などで通訳ができるような仕組みを作っていくという。

現在、開発に取り組んでいる途中で、年内にはリリース予定。多言語対応など誰もが利用できるサービスを目指す。

インゲージ:Re:lation

企業のクレーム対応によるコストが増大している。クレーム対応による機会損失を防ぐため、既存のメールシステムだけではなく、顧客とのリレーションをうまく行う方法として開発したのが、Re:lationだ。

Re:lationは、複数のメンバーがそれぞれのIDでメールにアクセスでき、担当者の振り分け機能によって対応漏れを防ぐことができる。また、各送信者とのやりとりをすべてタイムライン表示化することで、特定のトピックのみならず過去にまでさかのぼってやりとりを確認することができる。また、TwitterなどのSNS上のアクティブサポートも行い、炎上対策にも対応することができるという。問い合わせやクレーム対応に取ったしたメールサービスだ。

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また、今回受賞は逃したが、登壇したスタートアップは、以下のとおりだ。

みんなの思い出.com
普段の園児たちの様子をプロのカメラマンや保育士が撮影した写真を即日購入ができるサイト。保育士がアップしたものを現像・仕分けを社内で内製化し、サイト掲載を行う。すでに2年間で400箇所の保育園と契約しており、保育園の要望に対して一件毎にカスタマイズを行い、サービスの質を向上させている。

everevo、EventCreate
イベント管理のeverevoを運営しており、everevoはすで登録ユーザ10万件を超えている。そこからビジネス向けに特化した、参加フォームサービスがEventCreateだ。名簿管理やVIP来場確認など、ビジネスイベントの現場におけるホスピタリティを向上させるための機能が備わっている。

fukule
服作りのパターンのデータ提供や裁縫用の資材販売、ミシン・洋裁道具のレンタルなどを販売するサイト。パターンを必要としている人たちに対してさまざまなパターンを提供し、そのパターンで作ったものをfukule内にアップロード。外部SNSによる拡散などから実際の服が購入されたときには、ポイントの付与を行うなど作り手をサポートする仕組みを用意している。

Leddy 
元ブロガーが立ち上げたウェブメディア。日本のブランドやメーカー、工場の価値を伝えるライフスタイル情報を発信する。

pococa! 
スタンプ、ポイント、グループスタンプ設定を導入できるO2Oプラットフォームサービス。O2Oによって売上があがって初めて広告費が発生する成功保証型のサービス。

インフォキューブLAFLA
O2Oの位置情報解析エンジン。GPSとiBeaconなどを使い、リアルにマップに位置をプロットする。まずは工場や商業施設におけるスタッフ導線の最適化を図るためのサービスを提供するなど、クライアント毎にカスタマイズを行ってサービスを提供する。

iPhone Trick Cover、くるみる 
金型メーカーで、2年前にヌンチャク型iPhoneケースの開発資金調達をCAMPFIREにプロジェクトを掲載したところ、100万円以上を集めた実績をもつ。現在は、iPhoneを使った3D-360°フォトスタイルサービス「くるみる」などを開発している。

全国Startup Dayのこれまでを振り返って

これまで、大阪や札幌、中部などさまざまな起業家のプレゼンを見てきたサムライインキュベートやトーマツベンチャーサポート、さらに審査員やパネルディスカッションに登壇したVCの方々に、これまでの全国Startup Dayについて話を伺った。

彼らがまず答えたのは、地方でも面白いサービス開発に取り組んでいる人は多い、という点だ。

独自の研究開発やその地域ならではの課題解決のために取り組んだサービスをきっかけに、新しい事業の可能性へと展開できるというものだ。特に、地方の大学の研究室や高専などは優秀な人材の宝庫でもある。そうした人たちとの距離が近いことは、優位性を保つひとつのきっかけとなる。また、福岡市のように行政が率先して支援を行う自治体など、産官学がうまく連動しあうことができれば、起業家に対してさまざまなチャンスを与えることができるのではないだろうか。

地方都市において中規模な市場がある分野では、競合優位性がなかったり東京のプチタイムマシン経営で利益を上げることができてしまうことが、急成長を妨げたりサービス開発のリサーチ不足にもつながったりすると指摘する。東京や都市部、世界で起きている出来事や情報に触れ、徹底的にリサーチするクセを付けながら、自分たちの優位性を確立することを常に考えておく必要がある。

東京は、人の多さが生み出す多様性とスピード感が特徴といえる。反対に、地方は密度の濃いネットワークと独自のアイデアを醸成し、かつ、短期ではなく長期的な視点で取り組むことに向いているのでは、という。そのためにも、普段から起業家やエンジニア、デザイナーなどが集いコミュニティを作り上げ、互いにサポートしあう関係を作ることが必要だ。東京は、普段からベンチャーコミュニティ内におけるやりとりが活発で、かつスピード感があることによってブラッシュアップを図ったり事業の創発、コラボレーションを生んだりする機会を作り出している。東京に限らず、地方でも起業家コミュニティ、スタートアップコミュニティを作り上げていくことが重要なのだ。

全国Startup Dayは、残り九州、中四国、東北、そして3月には全国でグランプリに輝いた起業家たちによるファイナルプレゼンが行われる。全国のさまざまなスタートアップたちが互いに切磋琢磨しあい、成長していく様子を引き続き追いかけていきたい。

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中部からTOYOTAに続く会社を目指せ!サムライ榊原氏による出資先のぶっこみもあった「全国Startup Day in 中部」

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌と開催してきた同イベントは今回愛知県の名古屋で開催された。 「全国Startup Day in 中部」では、中部地方発の起業家やベンチャーキャピタリストらによる「成長ベンチャーを生み出す秘訣」をテーマにしたパネルディスカッション。その後、中部地方を拠点に活動してい…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。大阪、札幌と開催してきた同イベントは今回愛知県の名古屋で開催された。

「全国Startup Day in 中部」では、中部地方発の起業家やベンチャーキャピタリストらによる「成長ベンチャーを生み出す秘訣」をテーマにしたパネルディスカッション。その後、中部地方を拠点に活動しているベンチャー企業7社によるピッチが行われた。

パネルディスカッションのモデレーターには帰国中の榊原健太郎氏が登場。47都道府県のすべてを巡り、各地のスタートアップに投資を行い、東京を含めて約200社に投資をする予定であること、イスラエルでは2年間で約50社であることを冒頭で述べ、パネルディスカッションがスタートした。

パネルディスカッションでは、オプトのCVCキャピタリストを務める菅原康之氏、ジャフコのシニアアソシエイトを務める高原瑞紀氏、トーキョーストーム代表取締役の大沢香織氏の3名がゲストとして登壇した。(トーキョーストームが提供している「おてつだいマジック」は以前本誌でも取り上げている)

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榊原氏「投資したいと思わせる起業家はどんな人ですか?投資をする際に一番重要視してる点は?」

高原氏「事業はもちろん、社長のひととなりを見ますね。事業は社長の人生に大きく左右されると考えています。自分はこの社長と仕事をしたら面白そうかなと思えるかどうかを見ています。」

オプトの菅原康之氏
オプトの菅原康之氏

菅原氏「私達はCVCという特徴があります。人と事業を見るという面は多くのVCと変わらず、嘘をつかない、約束を守るなどの面を見ています。事業を見る際は市場は十分大きいかどうか、参入のタイミングは今が正しいのか、KPIはこれでいいのかなど、細かくチェックしています。これは自分たちも事業を手がけているCVCの特徴なのではと思っています。」

榊原氏「人となりという面で思い出したのが、イスラエルで最初のベンチャーキャピタリストだという人。その人が投資判断の際にリーダーシップの有無をチェックしているそうです。ホームパーティをするときなどでもよくて、生活の様々なシーンでリーダーシップを発揮しているかどうか。これはみんなが嫌がることを率先してできるかだと思っていて、こうした力は起業家には大切なのではと思いますね。」

左:榊原氏 右:大沢氏
左:榊原氏 右:大沢氏

榊原氏「ぶっちゃけ、VCから投資を受けてよかった点は何ですか?」

大沢氏「うちは受託で開発をしていたので、資金は自分たちで稼げる状態でした。なので、資金を集めるというのは投資を受ける一番の理由にはなっていませんでした。なので、出資を受ける際はこの人と一緒に会社をやってみたいと思えるかどうかを考えるようにしました。

あとは、そのベンチャーキャピタルのエコシステムに入ることによるメリットもあります。同じVCから出資を受けている他の起業家の人にアドバイスをしてもらえたり、どこかがキャッシュがなくなりそうだったら仕事を発注してもらえたり、といったことがあります。」

榊原氏「逆に困ったことは何かありました?」

大沢氏「投資家はパートナーなので、本来はどちらが上で、どちらが下といった関係ではありません。ただ、受託の仕事をしていたせいか、クライアントのように接してしまうなど、過剰に反応してしまうこともありました。もっと自分のやりたいことに注力すべきだったな、と今では思います。」

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榊原氏「投資家の視点から投資を受けるメリットをお話していただいてもいいですか?」

高原氏「ジャフコはこれまでに様々な会社に投資をしてきており、その分失敗のノウハウが溜まってきています。そのノウハウに触れられることはメリットかなと思います。また、コミットする投資、たとえば採用から一緒にやるなど、会社に常駐するような投資の仕方も行っている点も特徴かなと思いますね。」

菅原氏「北米でも起こっているように、事業投資が増えています。出資を受ける以上、イグジットを考えないといけない。イグジットのあり方がIPOだけではなく、事業会社への売却も増えてきています。オプトはイグジット先としても窓口を開けていますし、また幅広いオプションの中でオプトのアセットを活用できることもメリットではないかな、と思います。」

榊原氏「大沢さんは岐阜に開発拠点を置かれてますよね。そうすることのメリットはなんですか?」

大沢氏「東京はエンジニアがいません。IT業界全体でもそうで、スタートアップだとなおさらです。地方にはエンジニアがいます。しかも、能力はあるけれど、東京には興味がないという人。地方のほうは人が採用しやすいと考えています。それは、地方のエンジニアは適正に評価されていないから。彼らを正当な評価で働けるようにしたいと思い、東京のエンジニアの単価で雇っています。」

地方におけるエンジニアの状況や採用に関する点は興味深い。開発の拠点を日本の地方に持つという発想が活かせるスタートアップは他にもいるのではないだろうか。

中部地方のスタートアップによるピッチ

パネルディスカッションが行われた後は、中部地方のスタートアップ7社によるピッチが行われた。ピッチの評価は以下の4つの視点から行われた。

  • アイデアの新規性、着眼点のユニークネス
  • 実現可能性、戦略
  • 市場成長性
  • ピッチのわかりやすさ、アピール力

登壇したスタートアップは、

  • カーリル – 日本最大の図書館蔵書検索サイト
  • ソラビト – 世界中の建設機械の売り手と買い手をつなぐマッチングサービス「Mikata」
  • タイムカプセルソリューション – プロスポーツチームのファン向けスマホアプリで地域活性
  • ドットネット – デジタルテレビのデータ放送を活用したテレビコマース
  • FunPlace – CRMなどにも注力する犬のトリミングショップ
  • ユニファ – 保育士が撮影した我が子の写真を保護者が確認できる写真サービス「るくみー」
  • ワングルーブ – 人力レコメンデーションとコミュニティ構築を目指す音楽アプリ「Livees!」

の7社。ここでは賞を受賞した3つのスタートアップを紹介する。

3位 カーリル(トーマツ賞)

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3位に入賞し、トーマツ賞を獲得したのは日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営するカーリルだ。どこの図書館でどの本が貸し出されているのかをリアルタイムに把握することができる。

複数の図書館の蔵書をまとめて検索でき、現在全国6400感以上の図書館に対応している。これは公共図書館の約93%を網羅していることになるそうだ。さらに、大学図書館も8割以上対応しているという。

現在では、どこにどの本が置いてあるのかを探すことができるような書架のナビゲーション機能も開発しており、実証実験を名古屋大学で開始しているという。

このように最初は想定していなかったことも動き始めているという。同社は蔵書の検索に留まらず、図書館に関わるあらゆることに対応していく新しい公共サービスを作る会社だと自分たちを捉えている。

2位 ソラビト(サムライ賞)

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ソラビトは世界中の建設機械の売り手と買い手をつなぐマッチングサービス「Mikata」を運営している。

建設機械のマーケットは、買取会社側も売りたい側もなかなか相手を見つけることができないという課題があった。また、これまで建設機械はオークションなども開催されていたが頻度は2ヶ月に1度であるなど、売りたいときに売れなかったという。

「Mikata」はそうした人々にいつでも売れる環境を提供するサービスだ。同サービスはレンタル会社向けとなっており、スマホ、タブレット、PCに対応しており、いつでもどこでも利用可能となっている。ユーザは項目にしたがって情報を入力していき、買取会社を選択すると出品が可能となる。

ソラビト代表の青木 隆幸氏は、BtoBマッチングの領域に可能性を感じており、「働く機械の阿里巴巴(アリババ)を目指したい」とコメントした。なおソラビトは、榊原氏によるぶっこみの対象となり、出資のオファーを受けていた。

グランプリ ユニファ

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グランプリを獲得したのは、「るくみー」という写真サービスを運営するユニファだ。子どもの写真を撮影したり、家族を対象とした写真サービスはいくつか登場しているが、「るくみー」の特徴は、写真を保育士が撮影し、全自動でサーバーへ送られ、画像認識の技術を活用して整理されるという点だ。

「るくみー」は保護者は自分の子どもの写真を保育士に撮影してもらい、保護者もアプリをダウンロードすることで写真を閲覧することが可能になる。これは園児の成長の記録への活用ができ、保育園だよりとしての機能も果たす他、保育園からの連絡も受けられる保護者との連絡ツールとなっているという。

現在、「るくみー」は114の保育園が利用しており、約3万人のユーザがいるという。全国に保育園は5万箇所存在しており、ユニファは約1000億円の市場規模があると見込んでいる。それだけではなく、今後は母親が撮影した写真を両親に見せられるようにするなど、家族ポータルメディアを目指してサービス領域を広げ、さらに海外での展開も視野に入れているという。

グランプリを獲得したユニファは、2015年3月に開催される各地域から選抜されたスタートアップが集う「全国Startup Day」への出場権を獲得した。

入賞したスタートアップたちはどこもひとつのニーズを抽出し、そのソリューションを提供することに注力しながらも、周辺領域への展開を見据え、スケールを大きくしていく印象があった。

日本全国で開催されている「全国Startup Day」は、次回11月さいたま市で開催される予定だ。さいたまからはどのようなスタートアップが登場するのだろうか。

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北海道から世界へ−−全国Startup Day in 札幌が開催。グランプリはクラウドによる酪農・畜産業のIT化のFarmnote

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。前回の大阪に続き「全国Startup Day in 北海道」が開催された。三連休の中日である9月14日開催にも関わらず、100人以上もの参加者が集まった。今回は、共催として小樽商科大学ビジネス創造センターが務めた。 まずはじめに、北海道発の起業家やVCらによるパネルディスカ…

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全国各地の起業を促進するため、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが企画している「全国Startup Day」。前回の大阪に続き「全国Startup Day in 北海道」が開催された。三連休の中日である9月14日開催にも関わらず、100人以上もの参加者が集まった。今回は、共催として小樽商科大学ビジネス創造センターが務めた。

まずはじめに、北海道発の起業家やVCらによるパネルディスカッション、その後北海道を拠点に活動しているベンチャー企業8社によるピッチが行われた。

ビジョンに人をワクワクさせられるか

左から、玉木氏、岡氏、渡辺氏、中垣氏、村田氏によるパネルディスカッション。
左から、玉木氏、岡氏、渡辺氏、中垣氏、村田氏によるパネルディスカッション。

「IPO起業家・著名ベンチャー・キャピタリストが語る、成長ベンチャーを生み出す秘訣とは?」と題したパネルディスカッションには、ムラタオフィス代表取締役の村田利文氏、Drpater Nexus Venture Partnersマネージングディレクターの中垣徹二郎氏、ジャフコ北海道支社長の渡辺正人氏、IMJ Investment partners Japan Office Managerの岡洋氏、モデレーターにサムライインキュベートの玉木諒氏が登壇した。

シリコンバレーと日本で投資を行っている中垣氏。現在投資対象として見据えているのは日本から世界に活躍するベンチャーを育てたいという意識だ。グローバルの時代では、コピーやタイムマシン経営ではなく、世の中のニーズを汲み取り、それに対してのソリューションかどうか。長期的な視点と目先の具体性をもった人であってほしい、と起業家たちに話をした。

おもにシードやアーリーステージのスタートアップに投資を行っている岡氏。まだまだユーザがつき始めてきたサービスであるからこそ、起業家は目をキラキラさせてサービスやビジョンについて語ってほしい、という。「ビジョンなきは社員も、ユーザも、VCも付いてこない」と語り、アウトプットそのものよりも思いをいかに熱く伝え、VCたちがワクワクするかが重要だと語る。

こうしたポジティブな投資判断がある一方、失敗する投資の数多く存在する。実際に、北海道から起業し、IPOを達成した経験がある村田氏。90年代に起業したスタートアップの先駆けとして存在する同士は、道内では偉大な先輩起業家として、若い世代の起業家にとって参考になる存在だという。その村田氏は、「投資がなかったら事業を続けることはできなかった」と語る。R&Dに力を入れていたプロダクトであり、そうした技術力で勝負するためには、長い時間とお金が必要で、その思いを理解してくれた投資家たちの存在は大きいと語る。

投資は結婚と同じ。いい人間関係を築くことが大切

ジャフコの渡辺氏は、長年地方の投資案件に携わった人物だ。村田氏のような成功事例だけではなく、多くの失敗を経験してきた。その経験の中で「投資は結婚と同じ。結婚したての入り口では盛りあがるが、それが5年10年といったスパンで良い関係を構築し、二人三脚で突き進めるかどうかが重要だ」と指摘する。中垣氏も99%は投資を断るケースもあるという。

また、投資後も事業が起動に乗らず別れを強いることもありうる。そうした時にも、悪い関係で別れてしまえばその後の起業活動にも影響を及ぼす。「起業に失敗はつきもの。だからこそ、粋な別れをしてもらいたい。投資が解消しても関係性は消えないのだから」と、投資以前、投資中、投資後といったさまざまなフェーズにおいて、人間関係の重要性を指摘した。

それぞれのVCたちからは、「道内、ということを忘れること」(岡氏)、「北海道の人たちは、飢餓感が足りない、もっとガツガツしなければいけない」(中垣氏)、「一流の人達と付き合い、常に高みを目指そう」(渡辺氏)といった応援のコメントも寄せられた。

起業志望の学生からどうしたら一歩を踏み出せばいいか、といった質問に対しても、村田氏は「自信とスキルは関係無い。何かが足りないから起業できないわけはない。まずは行動すること、やりながら考えていけば道は見えてくるし、熱い思いを持っていれば、北海道含めて起業家をさまざまな人達が支えてくれる」と、激励のコメントを寄せた。

自社の悩みや、北海道が抱える課題を解決しようと挑戦するスタートアップ

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ここでは、ピッチを行った8社のうち、評価の高かった3社を紹介する。グランプリを獲得したスタートアップは、2015年3月に東京で開催予定の、各地の全国Startup Dayでグランプリを獲得した企業たちによるファイナルピッチへの出場することができる。

酪農・畜産クラウドFarmnote(ファームノート)(グランプリ)
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酪農・畜産クラウドFarmnote」は、牛の活動履歴をクラウドに記録し、牧場の状態をいつでもどこでも確認できる酪農・畜産業×ITの分野のサービスだ。これまで、牛の個体管理(出産や発情期、種付けの日付など)はデジタルではなく紙やホワイトボードなどのアナログで管理を行っており、データを活用した経営ができていなかった。そこで、それまでのノートをデジタル化し、見える化を図ることが狙いだ。これにより、病気の早期発見や適切なタイミングでの繁殖の予定を組むことができる。

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全国の90%以上の酪農家は100頭以下だということから、100頭以下の牧場は無料で利用してもらう予フリーミアムモデルを進めていく。今後は、センサーデバイスを活用したデータ活用や、世界14億以上もの酪農の牛のデータを集め、それらをもとに適切な酪農経営を行うためのサポートを行う。7月からトライアルをはじめ、アンバサダーとしての酪農家と協力しながら進めていく。

ファームノートを運営する小林晋也氏は、北海道を拠点にCMSソリューションサービスを提供するスカイアークを10年ほど経営しているベンチャー経営者で、今回の新サービスをもとに二社目の経営と、新しい事業として事業展開をしていきたいと語った。

クラウド勤怠管理アプリシュキーン(インフィニットループ)(サムライ賞)
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クラウド勤怠管理アプリシュキーン」は、NFCを使ってSuicaやPASMOといった交通系カードなどを用いて出退勤といった勤怠記録をスムーズにするアプリだ。使い方は、読み込みが可能なAndroidなどのタブレットやスマートフォンを用いて、カードをかざすだけだ。データをクラウド化することで、リアルタイムに情報を管理し、煩わしい月末処理も容易となる。運営するインフィニットループは、『ブラウザ三国志』などのブラウザーゲーム、スマートフォンアプリを開発する100名を超えるベンチャーで、自社の悩みからクラウド勤怠管理アプリの開発に着想したという。今後は、残業の確認などのオフィス機能だけでなく、多様な働き方にあった勤怠機能や、出勤をより楽しくするためのゲーミフィケーションなどの要素を用いて機能をアップデートすることも予定しているという。

IKEMEN -いつものお店選びにちょっとしたときめきを(ときめきサプリ)(トーマツ賞)
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IKEMEN―いつものお店選びにちょっとしたトキメキを」は、飲食店などのイケメンオーナーや店員マップ、インタビューなどを掲載した店舗情報アプリだ。掲載されているお店に行くと、アプリ内で「キュン投票」を行うことができ、部屋に閉じこもりがちな女性を外に連れだすO2Oサービスと言える。オーナーや店員個人に紐付いたファンを形成することが狙いだ。今後は、さまざまな企業とのタイアップなどを行ったり、さまざまな視点からイケメン飲食店情報を提供するメディアを立ち上げていきたいという。

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東京も地方も起業には関係ない−やるかやらないか、それだけだ【全国StartupDay in 関西レポート】

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7月11日、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートによる地方スタートアップ支援プログラム「全国StartupDay in 関西」がグランフロント大阪で開催された。 同イベントは、2012年12月から2014年4月までの間まで全国47都道府県で開催した「全国47都道府県ベンチャーサミット」の発展版としての位置づけとし、起業のみならずその後の成長や事業提携などを視野にいれたスタートアップの…

7月11日、トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートによる地方スタートアップ支援プログラム「全国StartupDay in 関西」がグランフロント大阪で開催された。

同イベントは、2012年12月から2014年4月までの間まで全国47都道府県で開催した「全国47都道府県ベンチャーサミット」の発展版としての位置づけとし、起業のみならずその後の成長や事業提携などを視野にいれたスタートアップのエコシステムを作るのが目的だ。関西を皮切りに全国各地をエリアに分け、ファイナンス講座とピッチイベントを開催していく。関西で行わた様子をレポートする。

VCと起業家は、互いの関係性を築くことが大切

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まず始めに、「VCの実態」「東京と地方のギャップとその解消法」と題したパネルディスカッションが行われ、Draper Venture partners, LLC マネージングパートナーの中垣徹二郎氏、ジャフコ 関西支社プリンシパルの山口康典氏、オプト インキュベーション本部の菅原康之氏、さくらインターネット 代表取締役社長の田中邦裕氏らが登壇した。

登壇した三社のVCは、グローバル志向として世界一のサービスを目指す事業への投資を考えていたり、日本中に拠点をもち総合的な産学連携を進める投資、ネット広告代理店として純投資として事業連携を見据えた投資など、VC一つとってもそれぞれの視点があることが話された。特にシード期においては、事業そのものよりも経営者の資質などを投資家として重視しているという。

「小さいステージほど、経営者の人間性を見ている。投資家にとってその起業家と関係性を築けるか、自分と能力の違うメンバーをチームとして組める人なのか、ということは大きな投資の要因」(山口氏)

さらに、見据えている視点の高さ、嘘をつかない、締め切りを守るといった人としての誠実さなど、事業だけに限らず日々のコミュニケーションの一つ一つから、人となりを投資家は読み取っていると菅原氏は語る。

中垣氏は、業務の改善点の洗い出しだけでなく、時には世界を視野に入れた目線を持つために年に1回シリコンバレーの企業が集まる場に連れて行き、世界の起業家たちの空気を感じてもらう場を提供することが、投資家にとって必要な役割だという。山口氏は、投資家は起業家に対してよき理解者であることが重要だと語る。

「企業のVCは、担当者レベルで持っている能力やネットワークも変わってくる。もちろん企業VCとしてのサポートもあるが、担当者との相性なども重視したほうがいい。最終的には個と個。人と人とがどう関係性を作れるかが大切」(菅原氏)

東京も地方も起業には関係ない−やるかやらないか、それだけだ

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「東京と地方のギャップとその解消法」というテーマでは、京都で起業したさくらインターネットの田中氏の話からスタートした。先の投資家が起業家の人間性を重視するという話題から、関西の人口規模感だからこその濃厚な付き合いにこそ、大きな価値があるという。東京はあまりに人が多いため、イベントなどをしても互いに素性や本音をぶつける関係を築くための手間がかかることがある。投資家も起業家も、互いに知る関係性を築くためには、関西はちょうどよい規模感では、と田中氏は指摘する。

「家賃が安いなどは、企業の成長ストーリーにはほとんど関係ない。東京との距離をデメリットと感じる人もいるが、今は交通網が発達しているから、東京にすぐ行ける。情報もある程度ネットで収集することができる。関西にいるからといって、デメリットを感じる必要もない」(田中氏)

山口氏は、東京で起業して東京だけで付き合いを終わらせるのではなく、日本全国の企業との関係づくり、さらにシリコンバレーや上海、東南アジアなどの世界の都市を行き来することで、グローバルな視野や経験も持つことができると語る。

「東京に行かない優秀な人も地方にはたくさんいる。地元ネットワークや大学関係というネットワークが活きやすいという意味では、地方都市から世界を視野にいれたスタートアップを輩出できる可能性も高い」(菅原氏)

中垣氏は、ベトナムに小会社を設立し開発規模をアジアにいち早く目を向けて動き出しているロックオン岩田氏のように、グローバルの視座を持てれば大阪も東京も関係なく、ビジネスチャンスをどう掴みとり、行動するかこそが起業家すべてに言えることだと語る。

「起業のエコシステムは、成功しているところに次の成功者が出てくること。地方からでも、多くの成功した起業家を輩出していくことで、新しい価値や経済圏、エコシステムができてくる可能性は高い。そのチャンスをどう掴むかが重要だ」(中垣氏)

最後に、起業家を目指す人たちにメッセージが語られた。

「日本は世界の田舎だと言われている。世界で見れば大阪も東京も変わらない。最終的には人、モノ、カネが大事。優秀なエンジニアやクリエーターは関西にもたくさんいる。東京ではなく始めから世界を目指してやろうとする気概を持つことが大事。いまやクラウドを活用すればいつでもどこでも仕事ができる。あとは、やるかやらないか。それだけだ」(田中氏)

研究開発を活かした事業やニッチな分野を攻める、多様な関西発スタートアップ

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全国StartupDayでは、各地域のスタートアップたちによる5分間のピッチも行われる。ここでは、登壇したスタートアップピッチ10社のうち、会場から評価の高かったスタートアップを中心に紹介する。

アロマジョイン:アロマシューター
大学院で嗅覚ディスプレイの研究をしていた金氏。組み合わせたカートリッジをコントロールし、気体噴射方式で指向性のある香りを0.1秒で切り替えて届けることができるサービスを開発した。これにより、映像に合わせた香りを提供することができ、これまでの視覚や聴覚だけでなく、嗅覚による情報提供を行うことができるという。実際に、匂いをコントロールすることで売上に大きな影響を及ぼすともされており、まずはコンビニやデジタルサイネージを通じた実証実験を行っていくという。

ハート・オーガナイゼーション:e-casebook.com
医師同士が、症例を学んだり医療技術を共有したりするためのプラットフォームサービス。オンラインで可視化や共有化がされてこなかった症例情報をすぐさま共有することで、医師の情報収集コストを下げることができるという。まずは循環器や心臓血管外科などからスタートし、外科や放射線科、脳神経外科、歯科などさまざまな分野の医療現場に提供していきたいと語る。

XS:みちグル
道の駅の口コミサイトとECコマース。全国1300箇所ある道の駅は、2013年には3500億円という市場規模にまで広がっているが、道の駅の情報がネットに共有されていないという。これらの課題を解決し、ユーザは気に入った道の駅の野菜などを定期購入したりするサポートなど、道の駅の新しい可能性を見出すという。

だんきち:スポとも
スポーツのオンラインレッスンサービス。フォームチェックを動画を通じてプロのコーチによる指導や専属コーチとしてのコミュニケーションもとれる。都市と地方におけるスポーツの環境格差や指導者不足をなくし、引退したスポーツ選手の収入源にしていきたいという。今後は、映像や始動データを集約、分析し、体系的な指導方法を提供していく。

ギャラクシーエージェンシー:あきっぱ!
全国の開いている月極駐車場や家の駐車場を貸し出すことができるシェアリングサービス。スペースオーナーは遊休スペース活用ができ、借り手は現在地から近くの場所をスムーズに借りれるCtoCサービス。現在、4万台の場所の確保しており、まずは10万台を目指す。UberやAirbnbのように、シェア文化を根付かせるサービスにしていきたいと語る。

ニューワールド:Guider
芸能人などのドラマで使われた衣装検索ができるファッションEコマース。プレス情報から配信し、ユーザに対して効果的な情報を提供する。100万人ユーザを目指す。

REAL SAMURAI:MAKE5
Flashで作成されたSWFファイルをHTML5形式のファイルに変換。Flashをサポートしていないスマートフォンでも既存コンテンツを再生できる。教育コンテンツ政策を行ない、EdTechの浸透を目指す。

ボーダレス:DOLK STATION
ドール専用の通販サイト。他言語化対応で、日本のクリエイティブを世界に発信する。

職人さんドットコム:職人さん.com
建設現場の情報やプロショップ情報を届けるメディア事業。全国各地のプロショップ情報をマッピングし、が全国を網羅を目指す。建設現場の見える化を図りたいと語る。

Tean OZ:manaboz
家庭と家庭コーチのマッチング 動機付け教育という教育市場の創出を目指す。個人コーチによる目標設定とマイルストーンを設定し、達成感や自己肯定感を高め教育の底上げを目指す。

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トーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートによる地方スタートアップ支援プログラム「全国Startup Day」が5月から開始

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トーマツベンチャーサポートは5月1日、地方のスタートアップ支援プログラムである「スタートアップファイナンス講座」とサムライインキュベートと協力して「全国Startup Day」を全国で開催し、地方の起業促進や事業提携の機会の創出を目指すことを発表した。 トーマツベンチャーサポート(TVS)とサムライインキュベートは、2012年12月から2014年4月までの間、起業を促し、ベンチャー企業が成長できる…

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トーマツベンチャーサポートは5月1日、地方のスタートアップ支援プログラムである「スタートアップファイナンス講座」とサムライインキュベートと協力して「全国Startup Day」を全国で開催し、地方の起業促進や事業提携の機会の創出を目指すことを発表した。

トーマツベンチャーサポート(TVS)とサムライインキュベートは、2012年12月から2014年4月までの間、起業を促し、ベンチャー企業が成長できる環境づくりを支援することを目的に、日本全国47都道府県でスタートアップイベントを開催する「全国47都道府県ベンチャーサミット」を開催してきた。

「起業コストが下がっているなか、いまだ起業環境は東京に集まっており、地方における起業の機会が限られています。TVSはベンチャー企業支援、大企業とベンチャーの協業などをサポートしており、そのための場として、全国のベンチャー起業の支援を行うために47都道府県でのイベント開催を行ってきました」(トーマツベンチャーサポートの佐藤史章氏)

トーマツグループは全国約40都市に拠点を持っており、その強みを活かして地方にいるスタッフがメインとなって全国のイベントを作り上げてきた。これまでのイベント参加者は、累計5000人を超えており、地方の起業によるネットワーク、地方で起業することの課題も見えてきたという。

47都道府県ベンチャーサミットでは、VCであるサムライインキュベートも一緒に作り上げてきた。

「これまで80社以上に投資をしてきましたが、そのうち10社くらいは首都圏以外の企業に投資を行なっています。地方はなかなか情報が少なく、起業自体が少ない。スキルを持っていてもそれを活かす環境になっていません。だからこそ、知識を共有したり切磋琢磨する人たちがいることで、スタートアップ全体が盛り上がっていく可能性は高いと考えています」(サムライインキュベート玉木諒氏)

事業のアイデアも含めて、地方だからということのマイナス要素は少ない。福岡のヌーラボや京都のゆめみはてなといった企業だけでなく、最近では3月に行われたドコモ・イノベーションビレッジ二期生のプレゼンで優勝した、一週間の献立が作れるレシピサービスのme:newは岡山発のスタートアップだったり、先日ベータ版をリリースした駐車場の空きスペースのシェアリングサービスのあきっぱ!も大阪発だったりする。

地方からも1社でも多くのスタートアップが生まれることで、よりスタートアップのエコシステムが生まれてくるといえるだろう。

起業家の卵を支援し、地方のスタートアップコミュニティを醸成する

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佐藤氏や玉木氏は、約1年半で47都道府県すべてを回り終えた中で感じた課題として

1.資金調達をするということに対する起業家の意識不足
2.ベンチャー企業の事業に対するフォーカスの高さやサービス改善の必要性
3.ベンチャー企業を支援する環境と接点の不足

があると考えたという。

「資金調達という行為自体が、まだ良いイメージを持っておらず、銀行から融資を受けたり自前で稼いでからやろうとする考えが多い。もちろんそうした考えもあっていいが、短期間で急成長するという起業への意識を変えたり、目標を世界へと向けたりするマインドシフトがもっと起きてほしいと考えています」(佐藤氏)

全国47都道府県ベンチャーサミットは、場合によって一過性のイベントになるという課題もあった。そうした課題を解決するために、中長期的な視点をもって継続的にスタートアップを支援していくことを目的にしたのが、ピッチイベントである「全国Startup Day」を含めた一連のプログラムだ。

プログラムに募集し、審査を踏まえて選ばれた起業家の卵たちは、メンターなどのサポートをもとにして約一ヶ月間のビジネスモデルのブラッシュアップや本番のピッチに向けたプレゼンの落とし込みを行う。プログラム最終日にVCや事業家、オーディエンスの前でピッチをし、優秀者には賞が贈られる。

「ビジネスモデルも含めたアイデアのブラッシュアップを通じて、投資に耐えうる形づくりを支援していきます。起業のきっかけを生み出し、そこから見込みがあるチームはシードラウンドの投資や、シードアクセラレータープログラムの参加への道も作っていきます。

こうしたプログラムを通じてサムライインキュベートとしては、47都道府県すべての地域のスタートアップに投資ができると嬉しいです」(玉木氏)

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Startup Dayへの参加を促すために、Startup Dayの約二ヶ月前頃にTVSによる「スタートアップファイナンス講座」を実施し、起業と投資の関係やビジネスモデルの構築などに関しての知識を共有する。この講座を呼び水に、Startup Dayへの参加へとつなげることが目的だ。

「TVSが持っているネットワークや知見を活かし、投資などの知識を積極的に提供して、融資ではなく出資を受けるというマインドシフトが起きてきます。その先にチーム集め、起業、そこから出資による事業展開、IPOやM&Aへと少しでもつながってくると考えています。

このプログラムを一緒に作って入れるパートナーもいつでも募集しています。地方の起業を一緒に盛り上げていく企業や団体とのコラボを通じて、みんなでスタートアップを応援していければ」(佐藤氏)

VCや大企業の新規事業担当者とのマッチングや地方のスタートアップコミュニティを作っていき、地方の起業に対するマインドを変え、目線をより高く見据える若い次の世代の誕生を期待しているという。

まず始めに、5月24日に大阪と京都、31日に神戸と奈良で「スタートアップファイナンス講座」をスタートし、その後7月からStartup Dayはスタート。7月12日に関西、9月に北海道、10月に中部地方の開催が予定している。

地方の起業環境含めて、さまざまな取り組みが生まれ始めている。今回のプログラムは、ある程度アイデアを持っている、もしくはアイデアを形にして起業したいと考えている人たちが対象になるかもしれない。次は、アイデアを一から考える場があるといいかもしれない、とも2人は語った。

筆者も、全国Startup Dayの様子などを、引き続き取材していきたいと思う。
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写真:47都道府県ベンチャーサミット

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