BRIDGE

タグ campfire

街とクラウドファンディングの関係、渋谷はなぜ4,2989(シブヤク)万円を集めたのか Vol.2

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 渋谷がクラウドファンディングをしていたのをご存知だろうか。7月に4,289(シブヤク)万円を集めることを目標にプロジェクトが開始し、1,300人以上から4,500万円近くを集めて無事、成功している。 でも一体なぜ。 確かにコロナ禍は渋谷の街を直撃した。外出自粛が続いた49日間、人でごった返していた渋谷…

CAMPFIRE代表取締役 家入一真氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

渋谷がクラウドファンディングをしていたのをご存知だろうか。7月に4,289(シブヤク)万円を集めることを目標にプロジェクトが開始し、1,300人以上から4,500万円近くを集めて無事、成功している。

でも一体なぜ。

確かにコロナ禍は渋谷の街を直撃した。外出自粛が続いた49日間、人でごった返していた渋谷スクランブル交差点は、いつの間にか「人がいない」ことを伝えるシンボルに変化した。それでも、だ。渋谷は日本を代表する街であり、若者を中心とするカルチャーの震源地になっている。これは変わらない事実だ。その街がなぜ人々から支援を集めなければならなかったのだろう?

街とクラウドファンディングの関係

国内における街とクラウドファンディングの関係は意外と古い。きっかけは2011年の東日本大震災だ。どうしようもないほど甚大な被害をもたらした震災は、互助の仕組みを必要とした。まだ産声を上げたばかりのクラウドファンディングや寄付のサービス事業者たちはこの事態に向き合い、持てる力を振り絞った。あれから約10年。それ以降も巻き起こる数々の災害に対し、クラウドファンディングは支援の輪を広げる手助けをした。

地域の経済活動にも一役買っている。思い出すのは2017年に始まった別府市の「湯〜園地」プロジェクトだ。“遊べる温泉都市構想”として配信されたYouTube動画が「100万再生を突破したらこの計画を実行に移す」と市長が宣言したところ、あっという間にその目標を達成。一方で、税金を投入するかどうかは判断が分かれる。そこで生まれたアイデアがクラウドファンディングの活用だった。結果、このプロジェクトは目標金額1,000万円を大きく超える3,400万円を3,600人以上から集めることとなった。

災害も街の活性化も共通しているのは街やそこにいる人たちが課題を抱えている、という事実だ。では、渋谷は何が問題だったのだろう。

渋谷が抱えていた課題

YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング

「元々、地方の課題に対してクラウドファンディングで何かできないかと考えていて、47都道府県回りましたし、しっかりと考えてきました。ただ、東京はというともちろん軽視したことはなかったのだけど、目を向けることが出来ていなかった。そもそも地域活性化って、どこかの土地の成功事例をコピペだけしても決して上手くいかない、その地域地域で地に足をつけて生きる方々の足下にこそ、宝の原石があるのだと思っています。そう思っている僕たちが、オフィスのある渋谷に目を向けられてなかった」(家入氏)。

渋谷でクラウドファンディングのプロジェクトが立ち上がった背景を訊かれ、こう振り返るのはCAMPFIRE代表取締役の家入一真氏だ。今回の話は何も感染症拡大だけが要因だったわけではない。

実は渋谷には元々「人が集まりすぎる」という問題があった。ビジネスや観光でこの街を訪れる人たちの数は1日約300万人。もちろんやってきた人たちはここで買い物をしたり楽しんだりしてお金を落とす。これが税金となって渋谷の街に還元される・・・となればよいのだが、実際はそうではない。大きな割合を占める法人税は区の歳入に含まれないため、いわゆる区民の税金によってこの巨大な街を運営しなければならないのだ。1日300万人が訪れる街を23万人の区民が支える。あきらかにアンバランスだ。

そしてそこにコロナ禍が直撃した。ライブハウスには人が入れなくなり、ファッションを買い求める客で賑わったショップからは人気が消えた。周辺の飲食店には人が回遊しなくなった。渋谷を形作っていたカルチャーが壊れれば、戻すのはそう簡単ではない。

「渋谷区長の長谷部(健)さんにお会いして。やはり民間からいらっしゃってる方なので、民間の知恵というのかな、それをお持ちでした。スタートアップや大企業が集まることでこの問題に立ち向かえる。クラウドファンディングを使ってストーリーを生み出す、それが狙いでした。渋谷って日本のカルチャーを牽引してきた存在だったので、そこがもう一回カッコ良くなるって仰っていて。すごくいいなと」(家入氏)。

資金はもちろん使い道があるのだが、やはりそれ以上にこのキャンペーンを通じて渋谷の課題を知り、一緒にアクションを起こしてくれる企業やアーティスト、スタートアップたちが集まったことの意味の方が大きいだろう。実際、渋谷区や渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインが協力して立ち上げた「YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング 実行委員会」にはKDDIをはじめ、多くの企業が参加することとなった。

一見すると健康そうな都市も課題を抱える。クラウドファンディングという仕組みはこういった課題を見つけ出し、人や企業に伝え、共創の環境を生み出してくれる。今、渋谷の街は人出が戻りつつあるが、もしまた新たな課題にぶつかっても、一緒に課題を解決してくれる仲間がいれば必ず道は見つかるだろう。

裸になってみる

家入氏がこれまでやってきたこと、それは小さな力をインターネットで集めて、新しい繋がりと幸せを生み出すことだ。時にサーバーだったり、手のひらのコマースだったり、場合によってはリアルなカフェだったりした。カタチは違えど、根っこにあるのは同じ匂いがする。そして彼はいつも誰かと共に何かを創り出す。インタビューの最後、家入氏はその理由についてこう話してくれた。

「一人だとアイデアも何もでてこないんですよね。一人でいると本当に天井のシミをみて1日終わるんですよ。アイデアも自分の中から湧き出てくる、なんてことは全くなくて、人と対話する中で生まれてくる。違う業界の人と話をするのが好きで、昨年も少年院の視察をしてきたり。そういう「自分と違う課題」を目の前にたくさん並べて、そこに自分がやってきたことを切り口にしてみるとアイデアが出るんですよね。よく「身近な人の顔を思い浮かべて、手紙を書くようにサービスを作ろう」というお話を社内でするんですが、その人の顔を思い浮かべて、ああ、こういうことに困ってる人がいるんだなと思って作ると、答えって見えてくるんじゃないでしょうか。

大企業とスタートアップのコラボによる共創、オープンイノベーションなども近い話だと思っています。それぞれが見えている課題や、出来ること、得意なことがあって、それを共創する形で解決する。新しいプロダクトを生み出す。ただ、大企業の場合、どうしても看板を背負ってやってきてしまう場合が多いじゃないですか。そういう状況で、オープンイノベーションだ協業だと言ってもなかなか新しいものは生まれづらい。一度、裸になってみること、そこから始めることが必要なのではないでしょうか」(家入氏)。

共創で実現した「手数料無料化」、クラウドファンディングCAMPFIREはどう動いた Vol.1

SHARE:

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 コロナ禍にあって多数の人たちの助けとなった共創がひとつある。クラウドファンディングだ。 この未曽有の災害は小さな事業者たちを直撃した。政府による支援で一時的な補填は実現したものの、継続的な支援となると別の方法を模索しなければいつかは財源が底を尽きてしまう。 この課題に立ち向かった仕組み、それがクラウド…

CAMPFIRE代表取締役、家入一真氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載

コロナ禍にあって多数の人たちの助けとなった共創がひとつある。クラウドファンディングだ。

この未曽有の災害は小さな事業者たちを直撃した。政府による支援で一時的な補填は実現したものの、継続的な支援となると別の方法を模索しなければいつかは財源が底を尽きてしまう。

この課題に立ち向かった仕組み、それがクラウドファンディングだった。小さな支援の輪をインターネットで広げ、困っている人たちの助けとなる。2月28日から開始されたコロナウィルスサポートプログラムは幾度かの終了・再開を経て、現在までに約4,000件の事業者をサポートした。結果、支援の輪に加わった人たちは延べ77万人、金額にして89億円もの資金を困っている事業者の手元へと送ることに成功している。

現在なお進行中のこの事態に企業は何ができるのか。CAMPFIRE代表取締役の家入氏を直撃した。

どうしても必要な「手数料」という葛藤

手数料を無料にするコロナウィルスサポートプログラムは、感染症拡大が顕著になった2月末から実施しました。イベントの中止や自粛が増えてきて、アーティストやイベント事業者は悲鳴を上げていました。予約キャンセルの声も多くなって、飲食店や宿泊施設の経営に大きな支障が出始めた頃です(CAMPFIRE代表取締役、家入一真氏)。

クラウドファンディング「CAMPFIRE」を展開する家入一真氏は当時の様子をこう振り返る。年始から勃発した感染症拡大は2月末にイベントの中止または規模縮小の要請へと発展。3月にWHOがパンデミックであると公表してから約1カ月後の4月7日、49日間にも渡る全国的な緊急事態宣言へと繋がっていった。

困っている人を助けたい、けれどもこの状況でビジネスをやっていると勘違いされたくもない。一方で、自分たちにも体力の限界がある。ーー支援側に回ることのできる仕組みを持った多くのスタートアップ、事業者は同じような葛藤を抱えたのではないだろうか。

家入氏たちCAMPFIREのチームもその葛藤を抱えたひとつだった。そもそも家入氏はクラウドファンディングで手数料の高さを伝えてきた経緯がある。支援する人と支援を受ける人が直接繋がれば無駄がない。今回のサポートプログラムで彼らはまず、最初に自分たちが手にするはずの手数料12%をカットした。

問題は決済手数料だ。これは彼らにとっても持ち出しとなってしまう。結果、2月28日に開始した第一弾のサポートプログラムでは、クラウドファンディングを利用した起案者はこの決済手数料を負担しなければならなかった。平均して230万円ほどの支援金が集まったというから、5%とは言え、12万円ほどの手数料が必要になってしまう。決済インフラを維持するための必要なコストであることは理解しつつも、1円でも多く手渡したい側からするとなんとかならないかという思いも出てくる。

当時は完全に無料というわけではなく、サービス手数料の12%を免除する形でどうしても決済手数料の5%は負担をお願いしないといけなかったんです。そんな時、KDDIとして何かできることはないかというお話があって。決済手数料をKDDI側で負担してもらえれば完全に無料で直接、支援者と困ってる人が繋がることができます(CAMPFIRE、家入氏)。

取り組みの反響は予想を遥かに超えていた。2月末に開始したサポートプログラムは期間延長を発表した4月24日時点で10万人が利用、10億円を送金するまでに拡大していた。4月単月の流通総額も昨年同月の4倍となる22億円に跳ね上がった。全て、声を上げた人たちとそれを助けたいと考えた人たちの行動の結果だった。

「77万人と数字で言うとそうなんですが、これってひとつひとつのプロジェクトで困っている人たちの集まりなんですよね。飲食店や宿泊施設、一軒一軒は金額はそこまで多くないです。10万円とか30万円の悲痛な叫びの積み上げなんです」ーー家入氏はこう振り返る。

そして7月、KDDIとCAMPFIRE両社の準備が整い、サポートプログラムの手数料は完全な無料化が発表された。KDDIが決済手数料分の5%を負担することで「支援者と困った人が直接繋がる」仕組みが完成したのだ。10月9日にこのプログラムは再開が決定され、今も両社の支援活動は継続している。

いつかやってくる未来

BASEも分かりやすい成長をしたんですが、これっていつかやってくる未来だったんじゃないかなと思うんです。まさか感染症拡大という形で来るとは思っていなかったけど、日本中の飲食店さんや宿泊施設さん、お土産屋さん、作家さんと言った方々の、これまでオンライン化されてなかった物語や魅力が、一気にデジタル化されてしまった。そもそもスタートアップって構造を変えて、行動・態度変容を起こそうっていうものじゃないですか。でもやっぱり大きな出来事がないと変化は起こせないんじゃないかっていう反省もあります(CAMPFIRE、家入氏)。

CAMPFIREにとって忘れられない出来事がある。

2011年3月の東日本大震災だ。実は彼らのデビューはその直後の6月だった。海外で広がるクラウドファンディングという仕組みをいち早く日本に持ってこよう、そう考えた若かりし頃の家入氏ら数名がこのサービスを立ち上げた。震災のインパクトはあらゆるものの価値観を変えた。日本にもし寄付や互助の文化、デジタル化が始まった起点を示せというならば、間違いなくこの年が選ばれるだろう。しかし、当時のCAMPFIREはまだ無力だった。

いつか必ず互助を必要とする時代がやってくる。実際、その後に国内で発生する自然災害や地域の問題、子供たちの未来、こういった社会課題にクラウドファンディングは活躍してきた。そして今回の感染症拡大だ。家入氏はあの日から約10年の時をかけてこのプラットフォームをどう成長させたかったのか。

大きな視点では、金融包摂を実現する、ということを言い続けています。包摂、つまり包み込む。落ちこぼれさせない。実はKDDIさんから出資をいただく際、最初のアイデアって共に新しい奨学金の仕組みを作ろうというものだったんです。学生や声を上げることが難しい、そういう人たちのために何かできることはないか、と。今回はKDDIさんが大きな支援をしてくれて無料化が実現しました。けど、本当に必要なのは持続可能な仕組みの方です。一部の人がお金をばら撒いても続かないじゃないですか。

クラウドファンディングって新しい再分配の仕組みなんだと思ってるんです。これまでは社会全体が右肩上がりで出版もそう、芸能もそう、例えばヒットした楽曲があって、その垂直に吸い上げたお金を使って新たなタマゴを育成したり、周辺でサポートする方々を支えることができた。各業界でそれぞれ再分配の仕組みができていたんです。けど、少子高齢化による人口減少などで経済が小さくならざるを得ない中で、この再分配の仕組みが崩壊しはじめている。結果的に、従来の金融システムからこぼれ落ちる人がたくさんではじめているんです(CAMPFIRE、家入氏)。

家入氏はそのためにも、CAMPFIREは新しい役割を見つける必要があると語っていた。インタビューの続き、次回はKDDIと共創して渋谷を舞台に展開したクラウドファンディングの話題をお届けする。

関連リンク:MUGENLABO Magazine

CAMPFIRE Angels初号案件「さきめし」提供のGigi、1日で目標の2000万円出資を集める

SHARE:

クラウドファンディングを手がけるCAMPFIREの子会社で、株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」を提供するDANベンチャーキャピタルは8月28日、初号案件の募集が目標金額の2000万円に到達したことを伝えている。27日から開始したもので、24時間での達成となった(31日朝時点で約2500万円が集まっている)。今後、上限となる3000万円を目標に出資者を募る。 初号案件…

Capture

クラウドファンディングを手がけるCAMPFIREの子会社で、株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」を提供するDANベンチャーキャピタルは8月28日、初号案件の募集が目標金額の2000万円に到達したことを伝えている。27日から開始したもので、24時間での達成となった(31日朝時点で約2500万円が集まっている)。今後、上限となる3000万円を目標に出資者を募る。

初号案件として出資者を募ったのはGigiで、飲食店の提供する食事をギフトとして友人に贈ることができるギフトサービス「ごちめし」や、コロナ禍で経営に苦しむ飲食店を支援する自分宛ての先払い「さきめし」などを提供する。食事を贈る側が手数料として10%を負担することで、飲食店側は普段のメニューをそのままギフトにできるほか、企業が手数料を負担する協賛モデルなどもある。2019年10月末のサービス提供開始から約9カ月で流通総額は累計で2億円、通算利用回数は7万5000食、登録店舗数は1万店となっている。10月には社食事業を開始するほか、2020年内に3億円の資金調達も目指す。

CAMPFIRE Angelsは非上場の企業が自社の株式の募集をオンライン上で実施できるクラウドファンディングサービス。8月にサービス開始となり、投資家登録数は10日で1,000人を突破した。9月中旬には2号案件以降を公開する予定。

 

via PR TIMES

フレンドファンディング「polca(ポルカ)」サービス終了へ

SHARE:

クラウドファンディング事業を展開するCAMPFIREは1月27日、同社が運営してきた少額のクラウドファンディング「polca(ポルカ)」の終了予定を公表している。終了時期は2020年10月1日で、下記の通り段階的にサービスを終了する予定。 2020年3月2日:企画作成機能・応援機能の停止 2020年4月1日:企画に対する支援受付の停止・新規会員登録の停止 2020年10月1日:全ての機能を停止 p…

Screenshot 2020-01-27 at 14.59.59

クラウドファンディング事業を展開するCAMPFIREは1月27日、同社が運営してきた少額のクラウドファンディング「polca(ポルカ)」の終了予定を公表している。終了時期は2020年10月1日で、下記の通り段階的にサービスを終了する予定。

  • 2020年3月2日:企画作成機能・応援機能の停止
  • 2020年4月1日:企画に対する支援受付の停止・新規会員登録の停止
  • 2020年10月1日:全ての機能を停止

polcaの開始は2017年8月。当時から国内で主流だった購入型(※)クラウドファンディングでハードルとなっていた事前審査を取り払い、集める金額もプロジェクトで500円から30万円、支援する金額も一人あたり3万円までと少額だったのが特徴だった。結果、オープン当初は手数料が無料だったことも手伝い、開始半日で5000人が利用するなど話題となった。

※購入型:発案するプロジェクトの支援をする代わりに生まれる製品やサービスを事前予約する集金方法。その他、寄付型、投資型、融資型などが発生している

<参考記事>

撤退の理由として収益性に課題があったことを挙げていたので、同社にコメントを求めたところ次のような回答を送ってきてくれた。

「より大きな世界を狙えるプロダクトに全リソースを集中することを優先した結果の判断です。『儲かるか・儲からないか』だけであれば、CAMPFIREがそもそも取り組む意味はないと考えていますし、以前も今後もそこは変わりありません。これからも大きな市場やインパクトを狙える可能性があるプロダクトはスピーディーに立ち上げ、またスピーディーにピボットや撤退の意思決定ができる文化づくりを推進してまいります」(同社広報)。

なお、今回のpolca撤退に先立って同社は2019年1月に事業譲受しているコミュニティウォレット事業「Gojo」の撤退も決めている。

資金調達の民主化は「投資型クラウドファンディング」が完成させる

SHARE:

「株式会社」は、会社法で株主の権利と経営者の責任が明確に規定されている素晴らしい仕組みです。 事業目的に共感し参加する株主に支えられることによって、社会性の高い事業を推進する。株主の投資目的は本来、配当やキャピタルゲインではなく、社会に役立つ事業を共同で成し遂げることにあるのです。 その一方、マネーゲームに代表される「お金儲け」が本来の価値とは異なる視点を与えている、というのも事実です。 株式会社…

hands people friends communication
Photo by Pixabay on Pexels.com

「株式会社」は、会社法で株主の権利と経営者の責任が明確に規定されている素晴らしい仕組みです。

事業目的に共感し参加する株主に支えられることによって、社会性の高い事業を推進する。株主の投資目的は本来、配当やキャピタルゲインではなく、社会に役立つ事業を共同で成し遂げることにあるのです。

その一方、マネーゲームに代表される「お金儲け」が本来の価値とは異なる視点を与えている、というのも事実です。

株式会社という仕組みを本来あるべき共同事業の形に最適化し、多くの人たちが夢を叶えるための手段としてもっと活用できるようにする。私たちが手掛ける株式型クラウドファンディングはその答えになるものと信じています。

私たちは今日、2019年11月6日、「株式型クラウドファンディングサービスを展開するDANベンチャーキャピタルの株式取得(グループ会社化)に関するお知らせ」を発表しました。CAMPFIREグループに参画することを決意した最大のポイントは、「資金調達の民主化」を掲げる同社の理念にあります。

私が20年に渡り理念に掲げてきた「中小企業のための資本調達のインフラづくり」。そのインフラは中小企業の事業に共感する多くの株主に応援いただく「資本市場の民主化」とも言えます。

上場会社だけに限られてきた資本市場の裾野を大きく広げ、皆が挑戦できる社会を築き上げる。

それが私たちの目指す世界です。

おカネではなく「ファン」を生み出す株式型クラウドファンディング

CAMPFIRE_002.png
CAMPFIRE・コーポレートページ

では、具体的にどのようにやるのか。それについて少し言及させてください。

中小企業の多くは創業者が株主であり経営者です。創業者と理念を共にする株主がみなの共同事業として出資をして、その経営を経営者に託する仕組みとして機能することが何より重要です。

日本国内に存在していると言われる法人数は260万社超、会社を組織形態別にみると、株式会社が約213万社(全体の94.3%)といわれます。その内、上場会社の数は約3,600社と、全体の0.2%未満。「公開会社」として株式を通じて広く遍く資金調達が実施できる権利を持つ企業は極わずかとも言えます。

この出資の仕組みをオンラインで効率化したのが株式型クラウドファンディングでした。

日本証券業協会によると「非上場株式の発行により、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組み」と定義、2014年に中小やベンチャー企業の資金調達を支援する目的とした改正金融商品取引法が成立、2015年に解禁された歴史浅い制度です。

しかしこの株式型は1社あたりの出資額が年間で1億円までと厳しく、かつ、投資家あたりの出資額も50万円までと大きく制限されています。また、上場を目指すいわゆる「スタートアップ投資」を手掛ける投資家には、不特定多数の個人投資家が含まれることに警戒感を示す方がいるのも事実です。

CAMPFIRE_001.png
CAMPFIREのミッション

そこで私たちは改めて株式会社の原点に立ち返り、株式に関心を持つ投資家ではなく、その企業や事業、経営者に関心を持つ方に株主として出資いただく「拡大縁故募集」というアプローチを取ることにしました。これは縁をいただいた友人知人、お取引先、地域でお世話になっている方が株主として事業を応援できる「永続的なファンをつくる仕組み」のことです。

つまり、株式市場やベンチャーキャピタルからの資金調達は上場を前提したものが大半ですが、それとは異なるものが「株式型クラウドファンディング」であると考えているわけです。

近年は、企業の意義や社会的責任が以前よりも注視され、投資家、株主も単に金銭的リターンだけではない、事業に対する社会的評価を今まで以上に重視されています。社会の公器たる株式会社は「公開会社」と呼ばれます。中小企業の多くが上場しなくても「公開会社」となれるのが「株式型クラウドファンディング」制度なのです。

これでCAMPFIREには購入型、寄付型、融資型、そして株式型の全ての手法が揃いました。目指す金融包摂の世界は目の前にまでやってきています。

「資金調達の民主化」が本当に起こった世界はどうなるのか、ぜひご期待いただければと思います。

<参考情報>

本稿は投資型クラウドファンディング「GoAngel」を手掛ける出縄良人氏によるもの。Twitterアカウントは@CAMPFIREjp。CAMPFIREの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

CAMPFIREが株式型クラウドファンディングに参入ーー「GoAngel」を買収

SHARE:

クラウドファンディング「CAMPFIRE」は11月6日、株式型クラウドファンディングを手掛けるDANベンチャーキャピタルの株式を取得し、グループ会社化したことを公表した。取得にあたった金額や取得株数などの詳細は非公開。DANベンチャーキャピタルが運営する「GoAngel(ゴーエンジェル)」は今後、CAMPFIREグループ内で継続される。 CAMPFIREではこれまで購入型、寄付型、融資型のクラウド…

GOANGEL

クラウドファンディングCAMPFIREは11月6日、株式型クラウドファンディングを手掛けるDANベンチャーキャピタルの株式を取得し、グループ会社化したことを公表した。取得にあたった金額や取得株数などの詳細は非公開。DANベンチャーキャピタルが運営する「GoAngel(ゴーエンジェル)」は今後、CAMPFIREグループ内で継続される。

CAMPFIREではこれまで購入型、寄付型、融資型のクラウドファンディングを提供してきたが、株式型を加えることで、一般的に知られる「クラウドファンディング」の形式全てをカバーすることになる。

GoAngelは未公開企業の株式をオンラインで取得できるサービス。2015年に成立した改正金融商品取引法によって解禁となった株式型クラウドファンディングは、国内でも2017年頃からサービスを提供する企業が出てきている。しかし、投資家に許される1社あたりの投資額は50万円で、かつ、集める側の企業も年間で1億円未満しか出資を許されないなど制限が厳しい。

またリファレンスの観点で、不特定多数の個人投資家が含まれることから、その後の投資ラウンドなどに影響があるとされてきた。

そこでGoAngelは不特定多数ではなく、その企業に関連性の高い人物に参加してもらう「拡大縁故募集」というアプローチを取る。これにより、配当やキャピタルゲインのみを追求する従来の株式型クラウドファンディングと異なり、より株式会社本来の目的に沿った企業のファンづくりに貢献できるとしている。

運営する出縄良人氏は非上場企業向け市場のグリーンシートで株式公開主幹事を手掛けていた人物。1997年に創業したディーブレイン証券では、2010年までに同市場で141社に対し、112億円のエクイティ・ファイナンスを支援した。また、札幌証券取引所アンビシャスや福岡証券取引所Q-Boardなどでも主幹事業務を手掛け、14社を上場させている。なお、2017年9月に開始したGoAngelでは12社が株式による引受先募集を実施しており、8社が1.2億円の資金調達に成功している。

<参考記事>

CM効果でCAMPFIREの累計流通額が150億円突破、100億円突破から8カ月で達成

SHARE:

クラウドファンディング「CAMPFIRE」は10月28日、累計流通額が150億円を突破したことを公表している。2011年6月にサービスインしてから8年6カ月での達成で、100億円を突破した今年2月から8カ月で50億円をさらに積み上げたことになる。今年4月から開始したテレビCMや手数料キャンペーンなどの効果が結果に結びついた。 また、今年7月から9月までの四半期流通額は18億6000万円と昨年同時期…

camp_001

クラウドファンディングCAMPFIREは10月28日、累計流通額が150億円を突破したことを公表している。2011年6月にサービスインしてから8年6カ月での達成で、100億円を突破した今年2月から8カ月で50億円をさらに積み上げたことになる。今年4月から開始したテレビCMや手数料キャンペーンなどの効果が結果に結びついた。

スクリーンショット 0001-10-28 14.23.38.png
今年4月から開始したCMキャンペーン

また、今年7月から9月までの四半期流通額は18億6000万円と昨年同時期比較で145%増、支援者数(同四半期)は23万9000人とこちらも昨年比で177%と躍進した。同社は2020年末に累計流通額300億円到達を見込む。

なお、同社が公表するこれまでのプロジェクト掲載数は2万7000件、支援者数は延べで166万人。先月頭には融資型クラウドファンディングも開始し、すべての案件で達成を果たしている。

via PR TIMES

障がい者技術育成やコスメ研究のファンドもーー融資型クラファン「CAMPFIRE Owners」が投資家の登録受付を開始

SHARE:

クラウドファンディング「CAMPFIRE」の100%子会社、CAMPFIRE SOCIAL CAPITALは9月11日、融資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)」の投資家登録受付を開始している。登録には投資家適格性の審査があり、完了までに数日を要するとしている。ファンド自体の募集開始は9月下旬を予定。会員登録や口座開設、口座維持に関する手数料は発…

Screen Shot 0001-09-11 at 14.12.25.png

クラウドファンディング「CAMPFIRE」の100%子会社、CAMPFIRE SOCIAL CAPITALは9月11日、融資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)」の投資家登録受付を開始している。登録には投資家適格性の審査があり、完了までに数日を要するとしている。ファンド自体の募集開始は9月下旬を予定。会員登録や口座開設、口座維持に関する手数料は発生しない。

融資型のクラウドファンディングは借り手となるプロジェクト実施者と、それを資金面で支援する個人を中心とした投資家を繋ぐプラットフォーム。今年2月にサービスが公開され、春頃にサービスインが予定されていたもの。

<関連記事>

サービスの発表当時からより詳細なファンドの仕組みが公表されている。投資するユーザー(組合員となる)はファンドの営業者であるCAMPFIRE社とファンドの匿名組合契約を結ぶ。CAMPFIREは集まった資金をプロジェクト実施者に融資し、そこで発生する融資事業の分配を組合員に対して実施する。以前取材した際に未定だったスキームが確定したことから、同社ではファンド投資に関するリスクを整理したページを用意している。

Screen Shot 0001-09-11 at 14.48.44.png

今回、投資家から出資した資金を預かるのはCAMPFIRE SOCIAL CAPITAL社となる。代表取締役の加藤義隆氏は日本銀行にてキャリアを積んだのち、フィンテックグローバルにて地域活性をテーマにファイナンススキームの構築や自治体の産業支援を手がけた人物。今年7月からCAMPFIREに参加している。

さらにプロジェクト立ち上げについて同社に確認したところ、融資型プロジェクトを希望する場合は直接CAMPFIREに問い合わせる必要があり、審査の基準などについては対外的には公表していない、という回答だった。現在、9月下旬を目処に以下の4つのファンドが募集を開始する予定。

1.障がい者技術育成プロジェクトファンド
借入人:特定非営利活動法人テイラーズ・ギルド
目標募集金額:300万円
予定利回り:3.0%(年率、税引き前)
予定運用期間:12ヶ月
償還方法:元利一括返済

2.コスメブランド研究開発ファンド
借入人:日東電化工業株式会社
目標募集金額:1,500万円
予定利回り:5.0%(年率、税引き前)
予定運用期間:12ヶ月
償還方法:元利一括返済

3.エチオピア環境リサイクルファンド
借入人:株式会社フクナガエンジニアリング
目標募集金額:300万円
予定利回り:3.0%(年率、税引き前)
予定運用期間:12ヶ月
償還方法:元利一括返済

4.ADHDサポート教育事業ファンド
借入人:日本教育設計株式会社
目標募集金額:300万円
予定利回り:3.0%(年率、税引き前)
予定運用期間:12ヶ月
償還方法:元利一括返済

 

 

 

22億円調達のCAMPFIRE、クラウドファンディングを「超える」次の何かへ

SHARE:

クラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」は5月6日、シリーズCラウンドとなる資金調達の全容を公表した。第三者割当増資の実施によるもので、引受先になったのはKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)、グローバル・ブレイン、伊藤忠商事、大垣共立銀行の4社で、調達した資金は総額11億5000万円。 KOIFの出資については3月に公表済みのもので、KDD…

スクリーンショット 0031-05-06 8.07.26.png

クラウドファンディング・プラットフォームCAMPFIREは5月6日、シリーズCラウンドとなる資金調達の全容を公表した。第三者割当増資の実施によるもので、引受先になったのはKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)、グローバル・ブレイン、伊藤忠商事、大垣共立銀行の4社で、調達した資金は総額11億5000万円。

KOIFの出資については3月に公表済みのもので、KDDIとauフィナンシャルグループとの間でポイント連携等を検討する。また、伊藤忠商事による出資も4月10日に公表済みで、両社は日本未上陸のブランドの需要予測にクラウドファンディングをはじめとするプラットフォームを積極利用するとしている。

時期を前後して同出資ラウンドには上記4社以外にもSBプレイヤーズ、アライアンスパートナー、サーチフィールド、セゾン・ベンチャーズ、セレス、パルコ、フリークアウト・ホールディングス、ワールドの8社が参加している。これらすべてを合わせたシリーズCラウンドにおける出資総額は22億円。それぞれの出資比率などの詳細は公開されていない。同社の累計出資額は33億6000万円、CAMPFIRE単体でのプロジェクト掲載数は2万1000件、支援者数は117万人、累計流通総額は112億円に拡大している。

調達した資金でアジア中心の海外展開、融資型クラウドファンディング事業の立ち上げなどを進め、2021年の累計流通総額1300億円およびフィナンシャルインクルージョン(金融包摂)の実現を目指す。

2011年、震災と共にクラウドファンディングの文化が立ち上がる

IMGP1252
CAMPFIREとGROWのお披露目パーティー(2011年)

日本国内でのクラウドファンディングを取材して8年になる。

中でもこのCAMPFIREは思い入れが強いサービスだ。当時、東日本大震災が発生したばかりということもあり、寄付とよく似たクラウドファンディングという仕組みには開始当初から大きな注目が集まっていた。

小さな力を集めて大きな動きを作る。

理想的なインターネットの活用方法ではあるものの、寄付文化の薄い日本でこれを実現するのは非常に困難だったように思う。現在もグローバルで躍進しているモビリティの「WHILLやツクルバのco-baなど、界隈で身近なプロジェクトが資金集めに成功するなど、話題には事欠かない一方、流通総額自体はそこまで大きく跳ね上がらない。

実際、2012年時点で米kickstarterが公表した「1万8000件プロジェクト成功、約224万人から3億2000万米ドルの成約(※)」の実績からは遠い結果だった。それから5年。いつしか成功プロジェクトの話題も途絶え始め、CAMPFIREの火は一度消えかかることになる。

IMGP1208
オープン当時のCAMPFIRE共同創業者、家入一真氏(2011年)

キャンプファイアにもう一度薪をくべる

家入一真氏が共同創業者としてだけではなく、代表として同社に深くコミットしたのは今から3年前のこと。

「CAMPFIREの代表に戻ることになり、今回改めてクラウドファンディングの本質とは何か、僕が実現したい世界は何か、ということを考えました。インターネットが浸透したからこそ出来ること。それは、かつての引きこもりだった僕のような人間が声を上げられるということ、そんな小さな声を拾い上げることができるということではないでしょうか。

大きな案件が話題になることも多いクラウドファンディングですが、僕はもっと小さな個人の活動を支援したい、そして一円でも多くそういった方々に渡したい、そう思い、手数料5%へと舵を切ることにしました。

クラウドファンディングという仕組みに惚れ込んでCAMPFIREを立ち上げてから5年が経ちますが、正直このままだとCAMPFIRE自体も、そしてクラウドファンディングという仕組みも浸透しないまま、縮小していくのではないかと個人的に危惧しています。

そのためにCAMPFIREとしてできることはなにかを考えたい。そのための第一弾が今回のリリースになります。

個人が活動をはじめるきっかけになりたい。背中を後押ししたい。そして、継続的に支援していける仕組みにしていきたい」(クラウドファンディングの原点に戻るーーCAMPFIREが手数料を5%に引下げ、代表は家入一真氏が復帰)。

当時の様子を家入氏に聞いたことがあるが、経営環境は非常に厳しく、オフィスや人員は最小限にまで縮小していたらしい。それでも当時のチームは諦めず、クラウドファンディングという可能性を追求した。

手数料と仕組みの最適化にはじまり、地域特化型、融資型、ファンクラブ、音楽などのテーマ特化などなど、ここをきっかけに従来の「クラウドファンディング」に囚われない、支援の仕組みを拡大させていくことになる。不安定だった経営体制も家入氏を中心に再構築し、資金調達も再開した。

結果的にそれから3年で「CAMPFIRE」を中心に、融資型の「CAMPFIRE Owners」や地域特化の「FAAVO」、少額支援の「polca」、継続課金の「CAMPFIREファンクラブ」、評価型与信モデル融資「CAMPFIRE Bank」、コミュニティウォレット「Gojo」、仲間集めの「tomoshibi」など、多種多様なケースに対して「資金とファンのつながりを作る仕組み」を網の目のように配置することになった。

ギアチェンジの時

IMGP8417
取締役COOとして新任した大東洋克氏

今日、彼らは22億円にも及ぶ大型の調達を公表した。気になるのは彼らは今後もずっと「クラウドファンディング」という枠の中で事業を続けるのか、という点だ。

3年前に家入氏が戻ってきたことで、目指した世界観の輪郭はぼんやりと見えてきた。家入氏もそもそもクラウドファンディングのプラットフォーム自体、手数料が必要な時点で改善の余地がまだまだあると話している。

実はこの1年ほどで、CAMPFIREの経営体制は大きく変化している。中でも今年3月から取締役COOとして新任した大東洋克氏は今後のキーマンとして注目の人物だ。音楽家であり、エンジニアであり、何よりGMOグループ時代に彼が手がけた.shopなどのgLTDのレジストリ事業は国内インターネットの事業利用を大きく促進させた。

2013年に約10年間在籍したGMOグループを離れ、当時から交流のあった家入氏の要請で昨年からCAMPFIREに参画し、事業現場の執行を中心に活動している。3月は大きな話題となった「のん」出演のCMや出資、事業提携など10本以上のプレス向けリリースなど、これら仕掛けは大東氏の采配によるところが大きい。

大東氏に次のCAMPFIREの一手を聞くと、提携や海外展開による拡大戦略もさることながら、組織の視座を上げることを強調していた。CAMPFIREには優秀なタレントが多い一方、マルチに活躍できる「マネジメント層」が不足しているそうだ。

他のスタートアップでもよく聞く話ではあるが、事業が多種多様に渡りそれぞれに金融などの専門知識が必要な状況なだけに、全てを俯瞰するのは確かに難しい。さらに家入氏のビジョンを理解し、具体化するとなると相当に技術も必要になる。

家入氏が戻ってきてからの3年間、CAMPFIREは大きな変化を遂げた。組織も数名だった頃から100名規模のチームに成長し、これに伴う成長痛も聞こえてきている。大東氏の手腕が試されると同時に、家入氏色の強かったCAMPFIREが「社会の公器」の法人としてギアチェンジするチャンスなのかもしれない。

クラウドファンディングを超える「何か」へ

米kickstarterが生まれて今年で10年が経過した。これまでに16万件のクリエイティブプロジェクトを1600万人が支援、その総額は40億ドルに到達したそうだ。一方のCAMPFIREは前述した通り、全く異なる進化を遂げた。小さな力をインターネットの力を使って集めるという考え方はそのままに、より細かい選択肢を用意した。

大東氏や家入氏も口を揃えてCAMPFIREはクラウドファンディングでは語りきれない、という主旨のことを話している。パブリシティ的な要素としてクラウドファンディングのキーワードは使うが、彼らの持っているビジョンはもっと上位の概念に移っている。

ではそれが何なのか、と言われると説明は難しい。会話の中で、家入氏はCASHを引き合いにこんなことを言っていた。

「CASHって売れる・売れないはあなた次第ではなく、一旦買い取るじゃないですか。個人間(C2C)はどうしてもさやを抜くことになってしまう。クラウドファンディングの存在意義とは何なのか」(家入氏)。

金融包摂が言葉として正しいかもしれないが、どうしても営利活動とこの活動は相反する箇所が出てきてしまう。なぜ手数料を取るのだ、と。家入氏も悩んでいる。

答えが出ていないのだから彼らは挑戦し続けると思う。家入氏は失敗のプロだ。失敗を積み重ね、打席に立ち続けることで、クラウドファンディングの向こうに見える何かを発見してくれると思う。

何かが見えたその時、できれば真っ先にそのことをお伝えしたいと思う。

※:現在kickstarterは過去の実績を公表していないので当時記事の情報として掲載

フレンドファンディングアプリpolca、月額課金ができる「polca Life」を4月17日から開始、50円からの月額支援を可能に

SHARE:

CAMPFIREが運営するフレンドファンディングアプリ「polca」は8日、個人や団体に対して月額課金ができる「polca Life」を2019年4月17日より提供開始すると発表した。 polcaは、従来のクラウドファンディングよりも気軽に支援金集めができるアプリ。2017年8月のサービス開始から現在まで約6万件の企画が掲載され、累計アプリダウンロード数は約20万件となっている。 polca Li…

CAMPFIREが運営するフレンドファンディングアプリ「polca」は8日、個人や団体に対して月額課金ができる「polca Life」を2019年4月17日より提供開始すると発表した。

polcaは、従来のクラウドファンディングよりも気軽に支援金集めができるアプリ。2017年8月のサービス開始から現在まで約6万件の企画が掲載され、累計アプリダウンロード数は約20万件となっている。

polca Lifeでは単発の企画に限らず、継続的に支援したいといった要望に対応し、企画者である個人や団体への「月額課金」とメッセージなどの「応援」を継続的に企画者に送ることができる。例えば「京都の民家の運営を月500円で支える」や「大学生の活動をOBが月1000円で支援する」などの用途にも対応ができる。

4月17日以降は、polca内の全てのユーザーが利用可能となる。polcaは、2019年内に累計流通額8億5000万円を目標に、機能追加や拡充を実施していくという。

via PR TIMES