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診療クリニック運営支援のCAPS、Coral Capitalと500 Startups Japanの投資先経営者向けに人間ドックの割引適用を開始

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地域に根ざしたかかりつけ医療機関(プライマリケアクリニック)の多店舗運営を支援するスタートアップ  CAPS は、 Coral Capital と 500 Startups Japan の投資先経営者向けに、人間ドックの割引プログラムの適用を開始すると発表した。両ファンドの出資を受けているスタートアップの経営者は、CAPS と提携関係にある医療法人ナイズ運営のクリニック提供の人間ドックを、通常より…

キャップス健診クリニックの受付。ヤフーの入居する東京ガーデンテラス紀尾井町 3F にあり、ヤフーのコワーキングスペース「LODGE」を拠点に仕事する起業家にもアクセスしやすい。

地域に根ざしたかかりつけ医療機関(プライマリケアクリニック)の多店舗運営を支援するスタートアップ  CAPS は、 Coral Capital と 500 Startups Japan の投資先経営者向けに、人間ドックの割引プログラムの適用を開始すると発表した。両ファンドの出資を受けているスタートアップの経営者は、CAPS と提携関係にある医療法人ナイズ運営のクリニック提供の人間ドックを、通常より2〜3割程度安く受けることができるようになる。

現時点では、人間ドックのサービスが受けられるのは、健診のための設備上の制約から、東京・紀尾井町のキャップス健診クリニック紀尾井町のみとなる。

労働安全衛生法上、一般企業においては、従業員50人以上では嘱託産業医の設置、常時1,000人以上になると専属産業医の設置が求められる(法律が定める一部特定業務環境を除く)。また、従業員が一人でも入れば、経営者は従業員に健康診断を実施することが義務化されている。

しかし、これらのルールは全て従業員にのみ適用されるもので、役員など経営者には適用されない。創業まもないスタートアップは、創業者をはじめとする経営者は、自分の健康をないがしろにしても事業推進に注力する傾向が見られるため、CAPS では今回、割引プログラムを提供する考えに至ったという。

仕事のパフォーマンスを上げるためには健康は必要不可欠であり、それをフィジカルだけでなく、メンタルも含めて支えていけるものとして提供できることを考えた。

経営層が自分の健康管理に気を遣わないと、その結果、従業員の健康への配慮をもおろそかにし、働く人を不幸にしてしまいかねない。経営層の健康に対する意識を高めてもらいたい。(医師で、CAPS 最高医療責任者の白岡亮平氏)

CAPS では、健診受診後の生活習慣の改善支援を狙いとして、同社が運営する会員制24時間制フィットネスクラブ「データフィットネス六本木」も特別料金で利用できるようにする。健診を結果確認だけに終わらせることなく、予防医療のきっかけにすることが狙いだという。CAPS では現在、データフィットネス六本木を厚生労働省が定める「運動型健康増進施設」の指定を受けられるよう準備しており、これが認められれば、データフィットネス六本木の利用費用を、年末調整における医療費控除の対象とできるようになる。

今回、割引プログラムが適用されるのは、CAPS が出資を受ける Coral Capital と 500 Startups Japan の投資先経営者(言わば、同じ釜の飯を食う起業家仲間ということになる)に限定されるが、CAPS では状況に応じて、その対象を拡大する可能性も検討したいとしている。

なお、CAPS が運営支援するクリニックの特徴の一つが年中無休診療だが、ゴールデンウィーク中も無休で診療をすることを改めて発表している。亀有・北葛西・代官山 T-SITE・西葛西・柏の葉・錦糸町の全キャップスクリニックが対象となる(人間ドックが実施される、キャップス健診クリニック紀尾井町は平日のみ)。

CAPS は2018年12月、500 Startups Japan からシード資金を調達しており、この際、同社が運営支援するクリニックを2年後までに15拠点まで増やしたいとしていた。最近、錦糸町拠点がオープンし、近日中には武蔵小杉にも新クリニックがオープンする予定。今年度中の10拠点確保を目指し、2年後の拠点数目標達成は十分に視野に入ったとしている。

年中無休診療クリニックの多拠点運営を支援するCAPS、500 Startups Japanからシード資金を調達

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東京に拠点を置く CAPS は19日、シードラウンドで 500 Startups Japan から資金調達を実施したことを発表した。調達金額は開示されていないが、関係者の情報を集約すると、数千万円台の後半とみられる。 CAPS は、地域に根ざしたかかりつけ医療機関(同社ではプライマリケアクリニックと呼んでいる)の多店舗運営を支援するスタートアップだ。法律の制約からクリニックの運営は医療法人が担って…

前列左から:金谷義久氏(取締役最高執行責任者)、白岡亮平氏(医師、最高医療責任者)、鶴谷武親氏(代表取締役)
後列左から:澤山陽平氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)、James Riney 氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)、吉澤美弥子氏(500 Startups Japan シニアアソシエイト)
Image credit: CAPS

東京に拠点を置く CAPS は19日、シードラウンドで 500 Startups Japan から資金調達を実施したことを発表した。調達金額は開示されていないが、関係者の情報を集約すると、数千万円台の後半とみられる。

CAPS は、地域に根ざしたかかりつけ医療機関(同社ではプライマリケアクリニックと呼んでいる)の多店舗運営を支援するスタートアップだ。法律の制約からクリニックの運営は医療法人が担っているが、CAPS はクリニックの運営に関わる事務作業を効率化することで、代官山、西葛西、北葛西、亀有、紀尾井町、柏の葉の、首都圏6拠点で365日営業のクリニック運営を支援している(リンク先 web サイトは医療法人の開設によるもの)。

POS レジに代表されるデジタルソリューションが導入されることで、コンビニエンスストアの24時間営業が可能になった。我々は医療の世界に電子カルテを取り込み、業務を効率化することでクリニックの365日営業・多拠点運営を可能にしていく。

そのための一つの仕組みとしているのが事前問診。患者は来診前に家で、またはクリニックの待合室でタブレット入力すると、その内容が電子カルテに自動的に反映される。医師や看護師は転記する必要がなく業務の効率化が図られ、結果的に時間あたりで診られる患者の人数は多くなる(CAPS 最高医療責任者 白岡亮平氏

CAPS が運営支援するクリニックは、病床を持たず往診は積極的に行わないものの、内科や小児科診療などを提供できる「町医者の現代版」と言えるだろう。原則として365日営業で、拠点にもよるが朝9時から夜9時まで営業しているところが多い。これまで、休日や夜間に医療を受けるには、救急外来や自治体などの運営する急病診療所に頼らざるを得なかったことを考えると、これらのクリニックが社会にもたらすインパクトは小さくない。

医師や看護師は医療法人によって雇用される必要があるが、会計・カルテ管理・レセプト(診療報酬請求明細書)を作成する医療クラーク(医師事務作業補助者)はこの限りではない。デジタルの仕組みと、複数拠点の業務の集約により、CAPS は医療事務の効率化を図っている。クリニックの多拠点展開においても CAPS が経営分析、拠点開発、医療機器の確保を行い、各拠点の運営を医療法人に委ねる体制をとっている。

キャップスクリニック代官山 T-SITE
Image credit: 代官山 T-SITE

ところで、365日営業をする上で最も気になるのは、ただでさえ不足していると言われる医師や看護師をどのように確保しているかだ。一定規模以上の病院では勤務医は医局が中心となって募集されることが多いし、市中の開業医は出身大学や医師会のつながりなどからバックアップしてくれる医師を探してくることが多いだろう。

CAPS が運営支援するクリニックの場合、複数拠点を展開していることから医師の勤務体系に柔軟性が生まれるようだ。各種メディアでの情報発信を通じて、これまで無かったサービスモデルに関心を抱く医療関係者も多く、口コミで応募が来るケースも多いとのこと。代表取締役社長の鶴谷武親氏は既存の医療機関との違いとして、「常勤医師と非常勤医師の割合が、勤務時間ベースで半々くらいになっているのは特徴的かもしれない」と語った。業務効率化が功を奏し、診察業務以外に時間を取られないことも、医師の働くモチベーションを上げているようだ。

現在の日本ではプライマリケアにシフトが起きていて、一方でそれをしっかりと担えるクリニックチェーンが存在しないので、それを確立していきたい。CAPS だけでなく、他にもやりたいというプレーヤーが現れ、市場全体が活性化するのが楽しみだ。

クリニックの365日運営はなかなか難しいサービスだが、それを実現できるノウハウとパッケージを持っているところが CAPS の最大の強み。

CAPS では今後、システムや体制の充実を図り、2年後にはクリニックを15拠点、2030年には全国に150拠点を展開したいとしている。500 Startups Japan からの今回の調達は、資金的な需要よりむしろ、同 VC が持つネットワークを通じた事業開発の可能性拡大に期待したもの、とのことだった。

規制緩和の影響もあり、最近では医療の世界にも面白いスタートアップが生まれつつある。〝QB ハウスの歯医者版〟の異名を持つ、10分1000円の予防歯科診療を提供する Hakara は、先ごろ開催された Tokyo Startup Gateway 第5期のデモデイで優秀賞を獲得している。