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変化するエンジニア採用、グローバル化で広がる「チーム開発」の可能性

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。 他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスター…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。

他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスタートアップおよび中小企業にとって対応コストが高すぎて、海外人材へのアクセスは容易にできません。

一方、米国ではクラウドソーシングおよびフリーランス人材採用プラットフォームとして「Upwork」や「Fiverr」があります。しかしながら、プラットフォーム側の人材精査が甘いために企業が一人一人細かく面接する必要があったり、本格採用をするには別途手続きを自社で手配する必要があります。プラットフォーム事業として成長していながらも未熟な印象です。

こうした問題を解決し、どの国からでも・どの国に住む人でも雇用できるようにしたのが、4月22日に1,100万ドルの調達を果たした「Remote」です。

Remoteは世界中のどこにいても、誰でも数分で採用活動を開始できるHRプラットフォームを運営しています。さらに採用だけでなく、先述したような給与計算・福利厚生・コンプライアンス・税金など、海外人材を“正しく”雇用する際に必要なリーガル/アドミン業務を、1つのプラットフォームで処理してくれます。ヘルプが必要な場合には、Remoteの専属弁護士が対応に当たり、適切な処理を支援します。

パンデミック禍、リモートワークの成長傾向が高まる中で、他国での契約社員や正社員の雇用を簡素化できるニーズは刺さるはずでしょう。なにより、海外へ直接赴けない環境下、手軽にバーチャルな意味で現地法人を立ち上げられるプラットフォーム開発は非常に価値を発揮するはずだと感じています。

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Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

Remoteの提供価値はその名の通り「海外リモート人材採用」にあります。SmartHRが提供しているような労務管理の機能をグローバルに拡大させ、さらに人材採用プラットフォームとしての機能も持ち合わせ持ち、一気通貫でチームを作るサービスを提供しています。

現在は個人開発者を採用するプラットフォームですが、注目すべきは“Hire your own team in any country”とあるように、グローバルチーム組成を行えるメッセージ性に重きを置いている点です。

昨今、従来のスポット開発依頼の仕事とは違い、チームプロジェクト単位の開発仕事に対応するプラットフォームに対するニーズが上がっています。個人ではなく「開発チームおよびプロジェクト」を丸ごと外注するクラウドソーシングプラットフォームに注目が集まりつつあります。

例えばウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」は「アプリ開発のコンビニ」を作っています。

UberやInstacart、Snapchatと言った代表的なプラットフォームとそっくりのテンプレートをマーケットプレイスで選ぶと、そのままの機能を備えたサービス開発を外注できます。諸機能を取捨選択してオリジナルアプリの開発も可能です。

一方のEngineer.aiは事前に用意したテンプから「選んで買ってもらう」流れを採用しているため、自社でユニークな機能を毎回構築する必要がありません。工数のかかる機能開発注文がくる可能性を潰しており、自分たちの開発しやすい・利益率の高いサービス開発に誘導しているのです。

Enginner.aiは自社で世界中のエンジニアを囲い、依頼のあったテンプレートから即座にチーム組成を実施し、過去の記録からコンポーネントを渡して開発効率化を図っているわけですが、こうしたグローバルチーム組成を誰もができる可能性を秘めるのがRemote、というわけです。

彼らが仮に企業と個人を結びつける採用プラットフォームから、企業と開発チーム(組成)を支援するサービスへと成長すれば、より多額の取引を発生させるはずです。国内ではランサーズがチーム単位で発注できるサービスを提供していますが、これのより発展的な拡大・グローバル版です。

採用市場は「チーム採用」へと変わりつつあり、これからは「グローバル・チームプラットフォーム」が台頭してくる時代になると感じます。こうした背景を踏まえ、「アジア版Remote」のような企業が日本から登場しないか、期待をしながら市場を見ています。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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「AI+テンプレ」でソフトウェア開発の完全外注を実現する「Engineer.ai」、2950万ドルの資金調達

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ピックアップ : Engineer.ai raises $29.5 Million Series A so Everyone can Build Bespoke Software via PR News Wire ニュースサマリー : ウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」が2950万ドルの資金調達に成功。顧客企業は実装したい自社ソフトウェア機能パッケージをマーケットプレ…

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ピックアップ : Engineer.ai raises $29.5 Million Series A so Everyone can Build Bespoke Software via PR News Wire

ニュースサマリー : ウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」が2950万ドルの資金調達に成功。顧客企業は実装したい自社ソフトウェア機能パッケージをマーケットプレイスから選択、購入。Engineer.aiが持つソースコードをAIとクラウドソーシングで募ったエンジニアチームが駆使して開発および実装する。ターゲット企業はエンジニア採用コストをかけられない中小企業。

市場から評価されているポイントは半自動化開発プロセス。顧客は一切エンジニアの知識がなくとも、分かりやすく機能別パッケージをマーケットプレイスで購入できる。Enginner.aiは各社注文に応じたパーソナライズ開発を請け負い、注文後AIが自動でコンポーネントを組み立て、エンジニアチームが実装をサポート。また、AIは顧客から指定された開発スピードの緊急性を加味しながらプロジェクト進捗管理も行う。

ソフトウェア納品後の継続的なメンテナンスも請け負うため、エンジニア採用の必要性を限りなくなくすAIと人的リソースの両方を駆使した開発外注サービスサービス。

話題のポイント : Enginner.aiの大きな競合優位性は案件をこなせばこなすほど、コンポーネントのテンプレートが溜まっていく点でしょう。たとえばモバイルアプリを制作する際、トレンドのアニメーションを使うことが決まったとすると、テンプレートとなるコードが存在すれば即座に実装が可能となります。こうした素材コードを案件を数多くこなしながら蓄積させることで、新たな案件が来た時に高速で対応できるようになります。

案件の経験値をもとにAIがより賢くなればクラウドソーシングするエンジニアリングコスト比率が低くなり収益率が高まる可能性も考えられます。サービスを維持すればするほど提供価値が向上し、かつスケール性および収益効率化も図れる秀逸なサービス拡大戦略と言えます。

類似企業に「Gigster」が挙げられます。2013年にサンフランシスコで創業し、累計3260万ドルの資金調達に成功しています。同社はフリーランスのエンジニアを雇い、プロジェクトマネージャーを付けて顧客企業の期待値に添えるように品質管理を徹底。

顧客企業とアプリもしくはウェブ制作時に利用したコードを2次利用できるように契約書を交わし、新たな案件時に再利用できる仕組みを構築。Enginner.aiはGisterの戦略を模倣しつつ、AIをサービスの中枢に据えることで「AI時代のソフトウェア開発外注サービス」を確立したモデルです。

日本でも地方在住、もしくは東南アジア圏に住むエンジニア囲いつつ、AIを取り入れることで同様のサービスをアジア向けに展開できる可能性があるかもしれません。Engineer.aiの仕組みは他分野でも応用できるはずなので、ぜひとも参考にしたいスタートアップ戦略の1つです。

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