「AI+テンプレ」でソフトウェア開発の完全外注を実現する「Engineer.ai」、2950万ドルの資金調達

by Takashi Fuke Takashi Fuke on 2018.11.27

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ピックアップ : Engineer.ai raises $29.5 Million Series A so Everyone can Build Bespoke Software via PR News Wire

ニュースサマリー : ウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」が2950万ドルの資金調達に成功。顧客企業は実装したい自社ソフトウェア機能パッケージをマーケットプレイスから選択、購入。Engineer.aiが持つソースコードをAIとクラウドソーシングで募ったエンジニアチームが駆使して開発および実装する。ターゲット企業はエンジニア採用コストをかけられない中小企業。

市場から評価されているポイントは半自動化開発プロセス。顧客は一切エンジニアの知識がなくとも、分かりやすく機能別パッケージをマーケットプレイスで購入できる。Enginner.aiは各社注文に応じたパーソナライズ開発を請け負い、注文後AIが自動でコンポーネントを組み立て、エンジニアチームが実装をサポート。また、AIは顧客から指定された開発スピードの緊急性を加味しながらプロジェクト進捗管理も行う。

ソフトウェア納品後の継続的なメンテナンスも請け負うため、エンジニア採用の必要性を限りなくなくすAIと人的リソースの両方を駆使した開発外注サービスサービス。

話題のポイント : Enginner.aiの大きな競合優位性は案件をこなせばこなすほど、コンポーネントのテンプレートが溜まっていく点でしょう。たとえばモバイルアプリを制作する際、トレンドのアニメーションを使うことが決まったとすると、テンプレートとなるコードが存在すれば即座に実装が可能となります。こうした素材コードを案件を数多くこなしながら蓄積させることで、新たな案件が来た時に高速で対応できるようになります。

案件の経験値をもとにAIがより賢くなればクラウドソーシングするエンジニアリングコスト比率が低くなり収益率が高まる可能性も考えられます。サービスを維持すればするほど提供価値が向上し、かつスケール性および収益効率化も図れる秀逸なサービス拡大戦略と言えます。

類似企業に「Gigster」が挙げられます。2013年にサンフランシスコで創業し、累計3260万ドルの資金調達に成功しています。同社はフリーランスのエンジニアを雇い、プロジェクトマネージャーを付けて顧客企業の期待値に添えるように品質管理を徹底。

顧客企業とアプリもしくはウェブ制作時に利用したコードを2次利用できるように契約書を交わし、新たな案件時に再利用できる仕組みを構築。Enginner.aiはGisterの戦略を模倣しつつ、AIをサービスの中枢に据えることで「AI時代のソフトウェア開発外注サービス」を確立したモデルです。

日本でも地方在住、もしくは東南アジア圏に住むエンジニア囲いつつ、AIを取り入れることで同様のサービスをアジア向けに展開できる可能性があるかもしれません。Engineer.aiの仕組みは他分野でも応用できるはずなので、ぜひとも参考にしたいスタートアップ戦略の1つです。

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