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タグ Incubate Fund(インキュベイトファンド)

新進気鋭の起業家が大物キャピタリストとアイデアを磨きあげる合宿イベント「Incubate Camp 13th」が開催

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2〜3日の2日間、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家の合同合宿「Incubate Camp 13th」が 、千葉県内のホテルで開催された。今回はコロナ禍でのイベント開催となったため、登壇者・メンターをはじめとする参加者は、マスクやフェイスシールドの着用を求められた。 Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めてい…

2〜3日の2日間、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家の合同合宿「Incubate Camp 13th」が 、千葉県内のホテルで開催された。今回はコロナ禍でのイベント開催となったため、登壇者・メンターをはじめとする参加者は、マスクやフェイスシールドの着用を求められた。

Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわたって、スタートアップ16社をインキュベイトファンドの代表パートナー2名、14名のゲストベンチャーキャピタリストがメンタリング。2日目には、審査員8名を交えたプレゼンテーションが実施された。

入賞の是非とは別に、参加スタートアップはゲストベンチャーキャピタリストから投資を受けられる可能性があるほか、スポンサー各社からはウェブサービスの無料利用権など特典が進呈される。審査員らからは、いくつかのスタートアップに将来性を認められたとの声も上がっていたので、今回の Incubate Camp を経て、新たにいくつかの出資が実施されることになるだろう。

本稿においては、プレゼンテーションで披露されたサービスの概要についてお伝えしたい。個々のサービスの背景や詳細などについては、随時 BRIDGE で取材を進めていく予定だ。

Incubate Camp 13th のプレゼンテーションで審査員を務めたのは、

  • DBJ キャピタル 内山春彦氏
  • グロービス・キャピタル ・パートナーズ 仮屋薗聡一氏
  • 三井住友銀行 齋藤健太郎氏
  • W ventures 新和博氏
  • 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ 中野慎三氏
  • WiL 松本真尚氏
  • インキュベイトファンド 和田圭祐氏
  • インキュベイトファンド 村田祐介氏

…の皆さん。司会は、インキュベイトファンド アソシエイトの種市亮氏が務めた。

総合順位(2日目のピッチのみによる評価)

【総合順位1位】Loglass by Loglass(スポンサー賞も受賞)

(メンタリング担当:Spiral Capital 千葉貴史氏)

Loglass」は一般的に企業が経営管理として必要とする予算策定や予実管理などの業務を効率化してくれるクラウドサービス。従来、部署ごとに表計算ソフトや独自に開発したシステムなどで管理していた数値を一元管理し、関係者に必要な閲覧権限を与えて共有することができる。また、財務会計ソフトや販売管理、経費精算等の外部サービスとの連携も積極的に取り組むとしている。

今年4月にクローズドテストを開始し10社以上の有償利用が進んでいる。今回調達した資金で取り込み可能なデータ属性の拡張や分析機能の提供など、機能強化を進めるほか、開発・営業人員の獲得に充てる予定。

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【総合順位2位】KiteRa(ベストグロース賞1位タイも受賞)

(メンタリング担当:XTech Ventures 手嶋浩己氏)

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、企業は在宅勤務制度の整備や労働環境の変更を余儀なくされているが、これを実施するのに引いつようとなるのが就労規則の変更だ。就労規則の作成や変更は、労働基本法や過去の判例に基づく必要があるなど煩雑であるため、これまで社内外の社会保険労務士(社労士)に依頼するのが一般的。

社労士業務のうち社会保険手続をはじめとする1号業務は、SmartHR など SaaS を活用することで省力化が図れるようになったが、就業規則の作成や変更など2号業務にそのようなプレーヤーがおらず、社労士が自ら煩雑な作業をする必要がある。「KiteRa」は設問に答えるだけで就労規則を作成・編集管理できる社労士向け業務効率化 SaaS だ。半年で161社が導入、受注率66%と高成績を誇る。

【総合順位3位】Agently by TERASS(ベストグロース賞3位、審査員賞も受賞)

(メンタリング担当:グロービス・キャピタル・パートナーズ 今野穣氏)

日本には不動産業が32.1万社あり、1社あたりの平均社員数は3.3人。小規模多業社な業界であり、コストの平均半分以上を固定費が占めるため、労働生産性を低くしている要因となっている。「Agently」 は不動産売買仲介に関わるバックエンド業務をサポートし、不動産エージェントが〝一人会社〟であっても効率よく働けるようにするうバーチャル・ブローカレッジ・プラットフォームだ。

TERASS は自ら社員を抱えるのではなく、不動産エージェントとは個人事業主または副業で事業を営む人と業務委託で契約する。エージェントには仲介業務に集中してもらい、物件情報の抽出、広告作成や掲載、契約書の作成や捺印などを TERASS が代行。TERASS は雇用リスクを負わずスリムな経営が可能なので、不動産エージェントには仲介手数料の75%という高率でレベニューシェアする。

【総合順位4位タイ】 Sportip Pro & Sportip Meet by Sportip(ベストグロース賞1位タイも受賞)

(メンタリング担当:UTEC 郷治友孝氏)

Sportip は筑波大学発のスタートアップで、整体師・トレーナー向け AI 解析アプリ「Sportip Pro」を開発している。また、Sportip Pro で培った解析技術を応用し、一般ユーザ向けに個人の身体や姿勢の状態をチェックし、AI が最適なトレーニングメニューを提案してくれるサービス「Sportip Meet」を開発している。

ユーザは Sportip Pro を使う整体師やトレーナーからオフライン体験を、Sportip Meet を通じてオンライン体験を得られる。Sportip Pro は6月にリリース、事業者123社・エンドユーザ4,523人利用し、解析データは2万件を超えた。メニューとしては、トレーニング、ストレッチ、ヨガなどがあり、フィットネスジム大手、パーソナルトレーナー、整体師、理学療法士などを通じて提供。

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【総合順位4位タイ】KiZUKAI by KiZUKAI

(メンタリング担当:セプテーニ・ホールディングス 佐藤光紀氏)

KiZUKAI」は、主にサブスクリプションサービスを手掛けるサービス提供者向けにLTV(顧客生涯価値・ライフタイムバリュー)や解約率を改善させるための専用サービス。CSV で企業が持つ顧客情報を登録すると、独自のアルゴリズムにより解約の可能性が高い顧客を解析して割り出してくれる。従来、このような顧客解析にかかっていた時間を短縮できるのが特徴。

対象顧客に対して適切な対応をすることで解約率の改善に取り組むことができるとしており、2019年12月のサービス提供開始以来、大手など含む企業に導入を進めており解約率を15%以上改善した例もある。

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LexxHard by LexxPluss

(メンタリング担当:iSGS イベストメントワークス 五嶋一人氏)

物流センターにおける搬入ロボットには、従来からある磁気誘導型(AGV)と近年導入が増えつつある自動走行型(AMR)が存在する。AGV は現場の床面にテープを貼る必要があり、運用する中で剥がれたり損傷したりして貼り直す運用が発生する上、柔軟な運用には限界がある。また、AMR は高機能であるが、技術的な複雑性から現場導入のコストが高くなる傾向がある。

LexxPluss は、特殊なカメラを使って多種多様な情報をリアルタイムで測定しながらシナリオベース制御システムで運用できる「ビジュアルベース自動走行モード(次世代 AGV)」を開発。ロボットに AMR と共に実装することで、現場ニーズに合わせ30種類以上の多様な制御が可能になる。Robot as a Service として、3PL(third-party logistics)事業者への導入を目指す。

PORTAS CLOUD by park&port

(メンタリング担当:B Dash Ventures 西田隆一氏)

製品の商流、特にアパレル業界においては、対面での商談、カタログを使った商品の案内、紙ベースでの注文などアナログでのやり取りが多く、営業情報も属人的になりがち。一方で、B2B においてはデジタル化の流れは不可避であり、新型コロナウイルス感染拡大はこの波に拍車をかけている。

PORTAS CLOUD」は、展示会を起点とするアパレル B2B に特化した SaaS。メーカーが出展したい商品を展示会に紐付け、招待したいバイヤーを紐づけることで、簡単にオンライン展示会を開催できる。注文機能を備えており、通常のオフライン展示会との併用も可能で、注文集計もワンクリック。ローンチから5ヶ月間で、メーカー複数社がサービスを利用している。

YAGO by YAGO

(メンタリング担当:Incubate Fund 赤浦徹氏)

小規模事業者が EC を運営する場合、従来は EC プラットフォームに依存していたが、いわゆるノーコード・ローコードに対応したサービスの普及により、個性のある EC 店舗を自前で開設する傾向にある。オンライン集客や CRM などの施策も自前でできるようになったからだ。一方、ヨガやジムなど無形サービスの提供者は、予約などを依然としてプラットフォームに依存することが多い。

YAGO」は無形サービスの提供者に特化して、予約・決済に加え、動画配信や顧客などクロスセルやエンゲージメントを一気通貫で提供するサービスだ。まずは、ヨガのインストラクターにオンラインヨガを提供するためのメニューを用意し、専属のコンサルティングサービスを含めた導入支援・集客支援を行う。同社はこれまでに MVP をシェアスペースオーナーに提供しテストしたことがある。

Precal by Precal

(メンタリング担当:グローバル・ブレイン 立岡恵介氏)

全国に6万店舗ある処方箋薬局はの最大の事務作業が処方箋の入力業務だ。処方箋は複雑で入力項目が40以上。フォーマットが病院によってバラバラであるため、これが OCR による自動化が進まない原因の一つとなっている。また、服用方法などの入力方法は薬局によって異なり、300種類以上に上る。薬の変更(ジェネリック対応)、調剤方法の指定、加算算定ではデータの加工も必要になる。

処方箋の入力業務は薬剤師以外が行っても構わないが薬剤師が行っているのが現状で、これが薬剤師の労働負荷増・生産性低下を招く。「プレカル」を使えば、薬局では患者から受け取った処方箋をスキャンしプレカルに送信。プレカルでは OCR で入力内容を読み取り、さらに担当者がそれを補正しデータの形にして最短数十秒で薬局に戻す。将来は医療ビッグデータプラットフォーマーを目指す。

Smapo

(メンタリング担当:KVP 長野泰和氏)

オフライン運用型コミュニケーションプラットフォーム「Smapo」を開発。事業内容とピッチ内容は、ステルスのため非公開。

I’mbesideyou by I’mbesideyou

(メンタリング担当:Bonds Investment Group 野内敦氏)

コロナ禍で Zoom を使ったテレカンが状態化する中、画面共有をしながらプレゼンテーションしていると聞き手の顔がほとんど見えず、反応がわかりにくいのは、まさにコロナ時代の新たなペインと言える。I’mbesideyou は、Zoom 連携により、オンラインで参加している人々の集中度、喜怒哀楽、誹謗中傷の無い場を提供できているか、などを見える化できるマルチモーダル AI を開発。

一回のテレカンでの見える化のみならず、動画が蓄積することで参加者を顔単位でグルーピング(顔寄せ)ができるので、例えば、ある人物が時系列を追って、どのように反応が変化しているかのカルテを作成することができる。オンライン教育サービスで、運営者による品質向上努力や受講者の満足度確認の計測に役立てることができる。すでに特許を11件出願中で、年内に50件の出願を目指す。

FastLabel by N.Code

(メンタリング担当:ジェネシア・ベンチャーズ 田島聡一氏)

AI 市場は今後7年間で約10倍に成長すると言われ、AI に必要となる教師データも急増しているが、実際には多くの AI 実用化の失敗事例が報告され、その6割はデータの不足によるものと見られる。AI もまた、これまでの汎用的なものから、医療画像への応用など、より用途に特化した難易度の高いものへと変化しており、AI 開発は教師データ作成に多くのリソースが費やされるようになる。

N.Code が開発する「FastLabel」は、教師データをスピーディーに作成し、それをディプロイするだけで AI アプリが作成できる SaaS だ。まずは教師データ作成から着手、将来は、ディープラーニングなどのモデル選択、ディプロイ、フル自動化までを一気通貫で提供できる AI 開発 プラットフォームを目指す。

Pricing Sprint by Pricing Studio(旧社名:Best path Partners)

(メンタリング担当:YJ キャピタル 堀新一郎氏)

長期的に見て、有名企業がサービスやプロダクトを値上げしても顧客がそれを受け入れられているのは、プライシング戦略が成功しているためだ。この背景には、1. 原価とか競合ではなくバリューベースの価格設定ができていること、2. 適切なアンケート調査ができていること、3. 適切なタイミングで価格変更ができていることなどがある。

しかし、プライシング戦略にはその専門性から人材が不足しており、有名企業の3分の2以上はプライシングの専門ファームに分析を依頼している。「Pricing Sprint」は、データ収集から価格分析までできる SaaS だ。顧客の支払意欲を特定可能な分析モデルを採用しており、価格変更で大幅な需要変動が起こるポイントを計算でき、価格変更のシミュレーションで PDCA を回すことも可能だ、

Workyspace by Worky

(メンタリング担当:Incubate Fund 本間真彦氏)

Workyspace」は、コロナ禍でリモートワークが増える中、チームのパフォーマンス低下を防ぐプラットフォーム。リアルのオフィス環境では社員同士、仕事に直結する意識的なコミュニケーションと、仕事には直結しないもの無意識のコミュニケーションが存在するが、リモートワークでは後者が欠落しがち。気軽に質問できない、新しい人間関係を構築できないなどの弊害を生じる。

Workyspace は、この無意識なコミュニケーション(雑談・偶発的な会話など)をビデオチャットを使って補う。具体的には、その人のところへ行って話しかけられる、集中している時間は同僚にその状況を知らせ話しかけられることを避ける、などの機能を実装。今後、勤怠連携、作業レポートなどの機能を追加予定。来年に30社の有料利用を目指す。

Knowns by Knowns

(メンタリング担当:STRIVE 堤達生氏)

企業は日夜行うリサーチはコストが高く、時間がかかり、リサーチそのものが難しい。その理由は、リサーチデータの取得プロセスに多くの人件費が必要となり、しかもそのデータがリサーチ後に捨てられてしまっているからだ。互いに差し障りの無いリサーチデータを複数企業間で共有し、それを各社が共有しない自社独自のデータと組み合わせられれば、リサーチはより安価で効率的になる。

昨年、企業の複数部署間でリサーチを統合できるプラットフォームを運営する Qualtrics が SAP に80億米ドルで買収された。Knowns では Qualtrics をベンチマークしつつ、日本市場に合ったリサーチ統合プラットフォームを12月にローンチする予定。Knowns で取得したデータは 0 Party Data(ユーザが能動的に企業に対して意図的に提供するデータ)にも変換可能とのこと。

aiPass by CUICIN

(メンタリング担当:サイバーエージェント・キャピタル 近藤裕文氏)

宿泊施設ではオペレーションの効率化が課題だが、その足かせの一つとなっているのが利用されているシステムの多さだ。例えば、あるホテルではベンダー15社・14システムが利用されていたという。このシステムの多さが宿泊業界の非効率、コスト高、レガシーさを招いていると考えた CUICIN は、宿泊施設の一連のオペレーションを単一 SaaS「aiPass」で一気通貫に処理できる仕組みを目指す。

宿泊施設ではレセプションでのチェックインでは宿泊客が紙に記入することが多い。このため、従業員1人あたり5.6時間/日、宿泊客1組あたり15分がチェックインに費やされている。そこで、CUICIN ではスマートフォンで事前チェックイン→チェックアウトできる仕組みを開発した。aiPass の基礎機能とは別に、ホテル毎に求められる追加機能を他システムと連携する API としてカスタマイズ開発する。

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キャピタリスト賞(起業家がメンターのキャピタリストを評価)

キャピタリスト賞1位:グローバル・ブレイン 立岡恵介氏
キャピタリスト賞第2位:YJ キャピタル 堀新一郎氏
キャピタリスト賞第3位タイ:STRIVE 堤達生氏
キャピタリスト賞第3位タイ:Incubate Fund 赤浦徹氏
キャピタリスト賞第3位タイ:Bonds Investment Group 野内敦氏

Incubate Camp は2010年から通算で12回開催され(今回を入れ13回)、220名超を選出している。他のファンドからの調達も含めた、これまでの Incubate Camp 出身スタートアップの資金調達合計額は270億円以上に達していて、参加起業家のうち2社が IPO、18社が M&A によりイグジットしている。

インキュベイトFの250億円ファンドに年金基金が出資、シードから最大30億円まで投資可能

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  ニュースサマリ:一部で報道あったように、スタートアップへの投資を手掛ける独立系ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドは7月20日、新たなファンド設立を公表する。新たに設立するのはインキュベイトファンド5号投資事業有限責任組合で、予定しているファンド規模は250億円。7月10日時点で一次募集を終了しており、同社の説明によれば予定の半分以上が完了しているそうだ。 出資者の詳細につい…

 

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10周年を機にリブランディングしたインキュベイトファンドのロゴ

ニュースサマリ:一部で報道あったように、スタートアップへの投資を手掛ける独立系ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドは7月20日、新たなファンド設立を公表する。新たに設立するのはインキュベイトファンド5号投資事業有限責任組合で、予定しているファンド規模は250億円。7月10日時点で一次募集を終了しており、同社の説明によれば予定の半分以上が完了しているそうだ。

出資者の詳細については現時点で完全には明らかにされておらず、過去のファンド出資者、年金基金、金融機関、政府系機関が出資に応じているとしている。出資の対象となるのはこれまでのファンドポリシーと変わらず、創業期のスタートアップが対象で、ファンド規模の拡大に伴い、プレIPO期までフォローオンが可能となった。1社あたりの出資額は最大で30億円としている。

話題のポイント:国内スタートアップ投資のTop-Tier、インキュベイトファンドがフラッグシップのファンドを更新しました。4号まではファンド総額は100億円規模で事業会社が出資者(LP/リミテッド・パートナー)の中心でしたが、今回はその倍以上の規模で、LPについても機関投資家が参加するなど、ひとつ階段を上がった形になっています。

トップティア・ファンドたち

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一気通貫の支援体制(資料提供:インキュベイトファンド)

国内で200億円以上を集める単体でのスタートアップ(未公開株)向けファンドは数多くなく、ジャフコ(ジャフコSV6・800億円)、ANRI(200億円規模)、WiL(500億円規模)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP・400億円規模)、グローバル・ブレイン(6号・200億円)などの独立系や、コーポレートベンチャーキャピタルとしてグローバル・ブレインが運営する31VENTURES(三井不動産・300億円)、YJキャピタル(3号・200億円)などがあります。国内のスタートアップ投資が4000億円程度ということを考えるとこれらのTier1グループが果たす役割の大きさがよく分かります。

インキュベイトファンドはここに加わる形になったわけですが、やはり彼らの特徴はシード特化・共に事業を作るスタイルにあります。「First Round, Lead Position, Build Industories」というのは彼らの初号ファンドからのポリシーなのですが、とにかくシード期からリードを取り、一緒に事業を作るとという点にこだわりを持っているのが特徴です。出資先での主な実績としては大型買収が話題になったポケラボや、上場組としてSaaSの申し子Sansan(※)、GameWith、メドレーといった企業があります。※Sansanへの出資はインキュベイトファンドの前身ファンドによる投資

共同代表パートナー、村田祐介さんによれば、今回のファンドでは1社あたり最大で30億円程度の出資が可能で、これまで以上にシード期からリードインベスターとして後ろのラウンドまで対応が可能になったというお話です。シードからの支援を強調するANRIが20億円、ユニコーンファンドを標ぼうするGCPが50億円規模まで出資を可能にしているので、またひとつ選択肢が広がったと考えて良いのではないでしょうか。

3つの注目領域

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インキュベイトファンドの注目領域(資料提供:インキュベイトファンド)

ではどのような領域に投資をするのでしょうか。同じく村田さんの話では、デジタルトランスフォーメーション(DX)領域、パブリックセクターイノベーション、ディープテックの3つに注目をするそうです。DX領域はややバズワード化していますが、彼らが投資したSansanが分かりやすい事例でしょう。単なる業務のデジタル化というよりは、「名刺交換」という慣例をソーシャルに変換し、そもそも名刺のいらない世界観を目指す、といった業界構造そのものの変革を可能にするテクノロジーを指しています。

ディープテックは落合陽一氏が創業したピクシーダストテクノロジーズのように、テクロジーとサイエンスの交差点のようなテーマを取り扱う研究開発領域です。またパブリックセクターについては同じく出資先のグラファーが手掛けている行政効率化といった公共性の高いテーマを主に取り扱うそうです。

今後、こういった領域を手掛けるスタートアップを、インキュベイトファンドが運営するイベント(インキュベイトキャンプ等)や、FoF(ファンズ・オブ・ファンド)を通じて集めることになります。

年金基金が参加することの意味

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写真左から:代表パートナーの赤浦徹氏、本間真彦氏、和田圭祐氏、村田祐介氏(写真提供:インキュベイトファンド)

インキュベイトファンドは今年10周年を迎えます。10年前、ちょうど本誌がスタートアップ取材を開始した時と同じです。あの頃は忘れもしないリーマンショックや3.11などの大きな波乱があった時期です。2010年のスタートアップ投資額は700億円程度。アーリー期のスタートアップに数千万円が投じられたら大ニュースになっていた頃でした。

インキュベイトファンドはジャフコから独立した赤浦氏が立ち上げたインキュベイトキャピタルパートナーズ(1999年)をきっかけに本間氏、和田氏、村田氏という個性的なファンドパートナーを集める形で立ち上がった「合衆国」のようなファンドです。スタートアップを起業家と一緒に作り出す独特の手法は、138億円という巨額でグリーに買収されたポケラボを生み出し、赤浦氏が二人三脚で支援し続けたSansanは国内SaaSのお手本として上場を果たしています。

そんなインキュベイトファンドの新ファンド・トピックスとして今回、村田氏が感慨深く語ってくれたのが年金基金をはじめとする機関投資家のLP参加でした。

実は2015年ぐらいからGCPのファンドには年金基金をはじめとする機関投資家の参加があり、昨年大型調達を果たしたANRIについてもその傾向はありました。今回もその流れを受けたものなのですがやはり、私たちが納めている年金基金がスタートアップというハイリスク・ハイリターンの市場に流れ込んできたことの意味は大きいです。

もちろんなんとなく雰囲気で出資するほど公的機関の審査は甘くなく、この辺りの活動については、例えばJVCAとしてスタートアップ投資のパフォーマンスを評価する基準を作って公的機関とのコミュニケーションをスムーズにするなどの粘り強いやりとりが功を奏したという話です。

村田さんは国民生活にスタートアップ・エコシステムが組み込まれるきっかけになる、と表現していましたが、それだけこの分野の投資の科学が進み、公的機関におけるお墨付きをもらえた、というのは確かに感慨深いです。

コロナ「対応時」スタートアップはどう動く?インキュ、GB、Plug and Play支援先130社動向まとめ

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ニュースサマリ:パンデミックによる社会変化に対し、スタートアップも動きを活発化させている。本誌取材に対し、Plug and Play Japan、グローバル・ブレイン、インキュベイトファンドの各社は支援先の活動をまとめ、情報提供してくれた。 話題のポイント:緊急事態宣言前後、傷ついた支援先の救済に奔走していた投資サイドも徐々に落ち着きを取り戻しているようで、情報が少しずつ戻ってきています。私たちも…

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ニュースサマリ:パンデミックによる社会変化に対し、スタートアップも動きを活発化させている。本誌取材に対し、Plug and Play Japan、グローバル・ブレイン、インキュベイトファンドの各社は支援先の活動をまとめ、情報提供してくれた。

話題のポイント:緊急事態宣言前後、傷ついた支援先の救済に奔走していた投資サイドも徐々に落ち着きを取り戻しているようで、情報が少しずつ戻ってきています。私たちもこの後がどうなるのか、連日、海外含めて考察やニュースをお届けしているわけなのですが、情報を集めれば集めるほど、一筋縄ではいかないのだろうなという思いを強くしています。

例えば今、大きく打撃を受けているレストラン事業ですが、確かにデリバリーやキャッシュレスが躍進するようなシーンをイメージし、オンデマンド・ビジネスの新たな局面を期待する内容を伝えたりしています。

<参考記事>

しかし現実は厳しく、Uberは5月6日時点で全体の14%にあたる3700人のレイオフを発表しています。中核事業の配車サービスが移動自粛で激減したため、純粋に足下のコストカットが目的です。一方、同じくオンデマンド配車の中国Didi(滴滴)はコロナ収束をもって業績を回復させている、という報道もあります。

当然ですが、社会が元に戻るのであれば中核事業をこの規模でピボットするのはナンセンスです。また、韓国の事件にもありましたが、2次流行という恐怖とも背中合わせです。つまり今は、対コロナという緊急避難的な状況下で新たなアイデアを試しているフェーズ、とも言えます。社会が戻れば元に戻すかもしれないし、先に進む・変化すればそれに合わせたサービスにピボットするかもしれない。

私は4月の終わりにこのような記事を出しました。

当時は対コロナ真っ盛りであり、緊急対応的なリリースも多くありましたが、時間がやや進むと各社、テストとは言いませんが、実験的な動きを見せるところも出てきています。このタイミングで活動を前進させている企業の取り組みを観察すると、その先にある市場のニーズが透けて見えることがあります。そういう意味で下記のリストはこれからの市場動向を考えるヒントになるかもしれません。

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Plag and Play Japanが公開するe-book

詳細情報:Plug and Playは新型コロナに対峙する100社の支援先を分類したe-bookを公開している。テーマは(1)行動記録(2)顧客体験(3)医療機器(4)人流調査(5)在宅勤務(6)自己診断(7)遠隔医療の7項目。e-bookはこちらのページから簡単な情報登録で入手できるほか、ブログにてまとめも公開している。

独立系VCのグローバル・ブレインは、支援先の企業で取り組みを公表しているケースをまとめた。

エンブレース :医療・介護従事者間の連携及び医療・患者連携のプラットフォームであるメディカルケアステーションを運営

セーフィー:クラウド録画サービス。頻繁な患者の状態確認が必要な医療機関や、リモートワーク対策に追われる法人全般で導入事例多数。

CAMPFIRE:新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、イベント中止・自粛を発表したアーティストやイベント事業者、予約キャンセルが相次ぎ来店客数が著しく減少した飲食店舗・宿泊施設などをはじめ、経営に大幅な支障をきたした事業者を対象に、クラウドファンディングを通じたサポートプログラムを開始。影響を受けた事業者を対象に、クラウドファンディングを通じた支援を届けるとともに、オンラインでの収益機会を提供

Schoo:手軽な学びの場となるオンライン生放送授業配信プラットフォーム「Schoo」を提供

JX通信社:報道機関の大半が導入する情報SaaS「FASTALERT」の提供元。その情報力を活かし、コロナ関連情報も提供。統計情報や、感染確認場所などの情報を最速で配信。感染事例が報告された場所マップは不動産などにも活用されている

Patra:韓国アパレル&化粧品の発注から販売サポートサービス「OWNERS BY PATRA」を提供。コロナで仕入れ不可となった企業を優先して対応中

Idein:高度な認識・検知エンジンを備えたAIカメラを安価にする「Actcast」提供。新たにウイルス感染拡大防止エッジAIアプリケーションの開発に着手し、それらを当社が開発したエッジAIプラットフォームActcastで利用可能とすることで、有事の際に機動的に対応が可能な次世代AI/IoTシステムの構築を可能にすることを発表

ベースフード:完全栄養食(ヌードル、パン)の開発・販売。コロナによりコロナ太りが騒がられる中、ダイエットしながらしっかりと栄養が取れるベースフードセットをお得に購入できるプログラムを開始

CADDi:COVID-19対策医療物資支援室を立ち上げ、新型コロナウィルスに関連する物資および、製造装置の部品供給支援を開始。人工呼吸器や空気清浄機等の医療機器および、マスクや消毒液・防護服などの医療用製品の製造装置に関する、金属・樹脂加工部品の製作・品質保証・納品、(機械メーカーと連携した)組立・製造を支援

プレースホルダー:ファミリーや店舗・組織のチームメンバーなど、小規模なグループ内で体温を手軽に記録・共有したい方に向けて提供するアプリ「たいおんログ」を提供。スワイプ操作で体温を入力するとグラフで毎日の体温変化が表示されるほか、ひとりひとりの体温を一覧で確認することができる。検温忘れを防止するため、特定の時間でプッシュ通知を設定することも可能

JustinCase:少額短期保険業者としてテクノロジーで保険業を変革することを目指し、インシュアテック事業「わりかん保険」を展開

ユーフォリア:アスリートのコンディション管理、ケガ予防のためのSaaS型データマネジメントシステム「ONE TAP SPORTS」を開発・提供するスポーツテック企業。新型コロナの感染拡大を受けて、体調管理機能の一部を無償で開放する。家族など同居する人の発熱や症状も集約可能にした

一方のインキュベイトファンドは「COVID-19によって生じる社会課題と市場機会」と題したブログを公開し、現状の「コロナ対応期」から「コロナ共存期」、そして「コロナ終息期」においてどのような市場の変化があるか考察を公表している。また、彼らも支援先の対応リストを本誌に共有してくれている。

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インキュベイトファンドが支援するグラファーのプロジェクト

Carstay(クルマ版Airbnb)キャンピングカーを医療現場へ無償で貸出し、病床不足の解消や、医療関係者の方の休憩所設置を支援するクラウドファンディングを実施

ドクターメイト(介護施設スタッフ専用の医療質問チャットサービス)緊急事態宣言に伴いオンライン医療相談サービスを7都府県の介護施設を対象に無償提供(5/6まで)

リンクウェル(ネットを活用した次世代型医療機関の運用ソフトウェア開発及び経営支援事業)クリニックフォアグループの医師とともに、「新型コロナLINE相談アカウント」を開設

ベルフェイス(オンライン商談システム「bellFace」の提供)新型コロナ対策として2020年5月31日まで無償提供

BearTail(経費精算サービス「Dr.経費精算」の提供)新型コロナ対策として「Dr.経費精算」を2020年12月末まで無償提供

グラファー(クラウド行政サービス事業)企業の新型コロナ融資・助成金手続き支援として「脱・窓口混雑プロジェクト」を開始

フューチャースタンダード(クラウド映像解析プラットフォーム事業)新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた赤外線サーモグラフィカメラのレンタルサービスを開始

Creww(事業会社の課題をスタートアップとの協業で解決)「コロナ対策支援特別プラン」を4月23日から提供開始

リフカム(リファラル採用)ツナグ、リフカムが共同でリファラル採用支援サービスの無償提供を開始/コロナ禍で社会を支えるエッセンシャルワーカーの採用を支援

SQUEEZE(バケーションレンタルソリューション事業のSuitebookとアセットマネジメント事業のMinnを展開)新型コロナで苦しむ宿泊事業者にシステムを無料提供、6月30日までの3カ月間

センセイプレイス(独学にコーチをつける「オンライン独学コーチング」を提供)ネット自習室の企画。毎朝8時45分から11時の間にZoomを活用したネット自習室に集まり、1日の目標を定め学習を開始。学習終了後には1日の振り返りを行うという学習リズムを植え付ける

プレースホルダ(ARを活用したテーマパーク事業)休校期間も自宅で遊べる「ARぬりえ」全27種を無料公開

PoliPoli(『政治家に直接声を届けられる』政治プラットフォーム)国会議員の新型コロナウイルス対策の政策へ、直接意見を届けられる特設サイトをリリース

アイカサ(傘シェア)街中にある一部のアイカサスポットでアルコール手指消毒による感染予防が可能に。不要不急の外出自粛支援としてアイカサ利用2日目以降の追加料金0円に

メイクラフト(クラフトビール受発注)国内約350社の地ビールメーカーに販売するとともに、各メーカーが製造する様々な樽生クラフトビールを飲食店向けに受発注するプラットフォームの形成を目指す。ビールイベントでの約800杯分のクラフトビールを廃棄から救うためクラウドファンディング実施

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ClipLine(動画を用いたサービスマネジメントツール「ClipLine」の開発・運営事業)コロナに負けるな!フリーランス支援プロジェクト。映像クリエイター最大1,000名大募集

KOMPEITO(オフィス向け生鮮野菜定期配送サービス「OFFICE DE YASAI」運営事業)新型コロナウィルス感染拡大の影響により全国で外出自粛・在宅勤務が進められる中、個人宅での“手軽で健康的な食事”への需要の高まりを受け、この度個人宅向けにサラダの定期宅配サービスを開始

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新進気鋭の起業家が大物キャピタリストとアイデアを磨きあげる合宿イベント「Incubate Camp 12th」が開催

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13〜14日の2日間、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家の合同合宿「Incubate Camp 12th」が 、千葉県内のホテルで開催された。 Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわたって、…

13〜14日の2日間、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家の合同合宿「Incubate Camp 12th」が 、千葉県内のホテルで開催された。

Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわたって、スタートアップ16社をインキュベイトファンドの代表パートナー4名、13名のゲストベンチャーキャピタリストがメンタリング。2日目には、審査員10名を交えたプレゼンテーションが実施された。

入賞の是非とは別に、参加スタートアップはゲストベンチャーキャピタリストから投資を受けられる可能性があるほか、スポンサー各社からはウェブサービスの無料利用権など特典が進呈される。審査員らからは、いくつかのスタートアップに将来性を認められたとの声も上がっていたので、今回の Incubate Camp を経て、新たにいくつかの出資が実施されることになるだろう。

本稿においては、プレゼンテーションで披露されたサービスの概要についてお伝えしたい。個々のサービスの背景や詳細などについては、随時 THE BRIDGE で取材を進めていく予定だ。

Incubate Camp 12th のプレゼンテーションで審査員を務めたのは、

  • GameWith 今泉卓也氏
  • グロービス・キャピタル・パートナーズ 今野穣氏
  • DBJ キャピタル 内山春彦氏
  • ANRI 河野純一郎氏
  • ANRI 佐俣アンリ氏
  • INCJ 土田誠行氏
  • 三井住友銀行 松永圭司氏
  • ディー・エヌ・エー 守安功氏
  • B Dash Ventures 渡辺洋行氏
  • インキュベイトファンド  赤浦徹氏

…の皆さん。司会は、インキュベイトファンド アソシエイトの日下部竜氏が務めた。

総合順位(2日目のピッチのみによる評価)

【総合順位1位】Anyflow by Anyflow(審査員賞、スポンサー賞も受賞)

(メンタリング担当:WiL 松本真尚氏)

SaaS の普及・依存率は増えつつあり、日本企業の一社平均で20種類の SaaS を使っているという。SaaS の利用が増えると SaaS 間の連携が必要になるが、この API 連携の開発を社内エンジニアが個別対応するには、時間やコストを要してしまう。

Anyflow は、これら SaaS 間連携を半自動化する iPaaS 環境だ。海外にも同様の iPaaS プロバイダは存在するが、言語障壁の理由から日本市場では競合になりにくいとのこと。また、日本特有の市場環境として社内システムとの連携も必要になることなどから優位だという。

【総合順位2位】アグロデザイン・スタジオ

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 村田祐介氏)

無農薬野菜を求める声は多い中、野菜の全生産量に無農薬野菜が占める割合は0.2%に過ぎない。そこで使われている農薬を、身体へのリスクが低いものに変えようというのがアグロデザイン・スタジオのアプローチだ。これは世界的な流れでもあって、アメリカで除草剤が原因でガンになったと訴えた Dewayne Johnson 氏が農薬メーカーに勝訴したのを機に農薬メーカーの株価は下がり、また、ヨーロッパではミツバチに悪影響を与えるとされるネオニコチノイド系列農薬の禁止になるなど転換期にある。

特定の害虫などに対して、ピンポイントで効能のある農薬が求められており、医薬と同様に、農薬の創薬プロセスの一翼を担おうというものだ。創薬するには、ターゲットとする害虫特有の酵素をゲノム比較により発見し、バイオ実験による酵素のデータを取得。IT 創薬により、酵素の働きを止める薬剤をデザインするというプロセスを経る。アグロデザイン・スタジオは特にバイオ実験のプロセスに貢献したいとしている。これまでに、新規分子標的の殺虫剤、新規分子標的の硝化抑制剤などの創薬に成功している。

【総合順位3位】airRoom by Elaly

(メンタリング担当:DNX Ventures 倉林陽氏)

ElalyairRoom は月額500円から利用できるサブスクリプション制の家具サービスだ。家具のファストファッション化が進み、一方で中級ないし高級家具には関心を持ちにくい若年層を対象に、気軽に家具を利用できるユーザ体験を提供する。日本の人口は減っていながら世帯数は増えており、都心では賃貸不動産物件の新規契約数は増加傾向にある。比較的短期間で引越を経験するこの層に対し、airRoom はムダの無い最適な家具のデリバリを実現する。

高い MRR、低いチャーンレートを叩き出しているサービスだが、有料会員から解約に至るユーザを解析したところ、引越時に引越先のインテリアに合ったハイエンド家具が airRoom で見つからないことが理由と判明。既に1万点以上の家具を擁する同サービスだが、今後、ハイエンドのラインアップも増やすという。また、AI を使った 3D パース作成により、コーディネートサービス充実にも注力する。

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【総合順位4位】ドクターメイト医療相談 by ドクターメイト

(メンタリング担当:Genesia Ventures 田島聡一氏)

政府の指針により、高齢患者の多くが病院から介護施設へと移動させられるようになり、その結果、介護施設では医療対応が必要な患者が増えている。一方で介護施設の連携医の99%は非常勤であり、平均で1週間4時間しか介護施設に滞在しない。ケアスタッフ(介護士ら)が医師に質問・相談をする時間は十分ではない。

結果として、ケアスタッフが誤った判断によりケアしてしまったり、病気が重症化してしまったりするリスクがある。ドクターメイトが提供する「ドクターメイト医療相談」は、介護施設スタッフ専用の医療質問チャットサービスだ。介護スタッフが容易に医師に相談することができる。一人の連携医では自分の専門領域以外の症例はカバーしづらい問題も、ドクターメイトには複数医師が参加していることで解決しやすい。

収容人数に応じて介護施設から料金を徴収するモデル。過去1年間でサービス検証を続けながら、18施設からの有料契約を獲得した。2025年までに介護施設導入30%のシェアを目指す。介護施設入居者の QoL 向上、介護施設ケアスタッフの労働環境向上にも寄与が期待できる。

【総合順位5位】LOGILESS by ロジレス

(メンタリング担当:セプテーニ・ホールディングス 佐藤光紀氏)

ロジレスは、ネットショップが面倒な物流業務から解放され、戦略的にロジスティクスを設計できる世界を目指し、購買客からの受注を請け負う OMS(Order Management System)と、倉庫で実際の注文に在庫を引き充てる WMS(Warehouse Management System)の機能を統合した「LOGILESS」を提供。

物流倉庫とのマッチング、自動出荷を実現させる SaaS をセットで提供することで、最適な倉庫からの自動出荷を実現。また、ネットショップは手作業で行っていた作業を自動化できる(RPA 機能)。2019年6月時点で、有料ユーザ111社、累計280万件の出荷が LOGILESS を通して行われている。EC 出荷アウトソース事業者(5万社)を手始めに、その後、EC 事業者(40万社)、卸・小売企業(150万社)を攻める予定。

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ベストグロース賞(1日目→2日目の順位変動を評価)

【ベストグロース賞1位】HANOWA by HANOWA

(メンタリング担当: W ventures 新和博氏)

予防歯科の需要が高まる一方、歯科衛生士の人数が不足しており採用競争率は20.5倍と非常に高い。歯科衛生士の97%は女性であり、資格取得者は27万人いるものの就業しているのは13万人。資格を持ちながら就業人数が少ないのは、女性のライフスタイルに就業環境がマッチしていないと HANOWA は考えた。HANOWA は、この問題を解決するため、歯科医と歯科衛生士をマッチングするプラットフォームを運営する。

歯科衛生士が隙間時間を活用し、地元の複数歯科医の中から自分の都合にあった歯科医で勤務できる。歯科衛生士の就労環境を考慮し、プラットフォームに参加する歯科医を開拓する上で歯科医の経営リテラシーや人物評価を重視しているという。リファラルのみで歯科衛生士が29人が登録、歯科医6軒と契約した。医療人材の相互レビューサイト的位置付けを目指す。

【ベストグロース賞2位タイ】Gaudiy by Gaudiy

(メンタリング担当:STRIVE 堤達生氏)

企業のプロダクトやサービスのファンコミュニティマーケティングを支援する、 BaaS アプリケーション「Gaudiy」 を開発。ゲーミフィケーションと暗号資産によって、コミュニティマーケティングに参加してくれるユーザのモチベーション維持などを支援する。

ユーザの自主性を向上させ、ユーザがカスタマーサポートしたり関連事業を運営したりするケースも見られる。8月には、カードを売買できる TCG「クリプトスペルズ」に導入したところ反応も良かったといい、競合の DISCORD よりも良いパフォーマンスを弾き出している。現在、Dapp ゲームデベロッパ 8社でテストしており、今後2年間で世界のブロックチェーン企業利用率90%を目指す。

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【ベストグロース賞2位タイ】Sylt by ウェルネス

(メンタリング担当:Coral Capital James Riney 氏)

救急医でもある中田航太郎氏が創業したウェルネスは、予防医療を念頭に置いたパーソナルトレーニングサービス「Sylt(シルト)」を展開。健康の維持がクリティカルなエグゼクティブ層を中心に、ニーズに応じてパッケージされた医師による 1 on 1 トレーニングサービスを WeWork やホテルのロビーなどで提供している。

ベンチマークとしては、ニューヨークで同様のサービスを提供する THE WELL など。ターゲット層を主ユーザとするクレジットカード会社、高級人間ドック事業者との提携を模索。1 on 1 トレーニングから着手し、今後、サブスクリプションベースのオンラインかかりつけ医サービス、ウェルネスエコシステムへと成長させていく。

【ベストグロース賞4位】Catlog by RABO

(メンタリング担当:iSGS インベストメントワークス 五嶋一人氏)

RABO は、バイオロギング解析技術を応用した猫専用ウェアラブルデバイスとモバイルアプリからなる「Catlog」を開発。Catlog 首輪デバイスには BLE(Bluetooth Low-energy の通信チップ)と加速度センサーが、また、Catlog を充電するステーションには室温計が搭載されている。これらで得た情報がクラウドにアップロードされ、ユーザが外出先に居ても、あるいは、帰宅してから不在時の愛猫の行動の様子をスマートフォンで見られるしくみだ。

昨年10月に実施されたクラウドファンディングでは達成率1,500%超。今月24日には、プロダクトの初期版リリース予定で、ヤマト運輸との提携により専用パッケージで出荷が開始される予定だ。アニコム損害保険と協業し、Catlog を活用した専用のペット保険の開発にも着手した。2021年にはグローバル展開に着手し、アメリカに9,500万匹いる猫をはじめ、世界の猫の市場を視野に入れる。将来は、猫以外の伴侶動物全般にも横展開を計画している。

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アイカサ by Nature Innovation Group

(メンタリング担当:YJ Capital 堀新一郎氏)

雨が降った時に人はビニール傘を買うことが多いが、一雨降るごとに4億円、年間8,000万本のビニール傘が購入される市場がある。しかし、ビニール傘はほとんどリサイクルされず、環境的にも経済的にもエコロジーではない。アイカサは傘を借りたり返したりするスポットを開設し、ユーザが1時間70円でレンタルできるサービスだ。

当初はカラオケ店、飲食店、スマートフォン修理店などにスポットを開設し、レベニューシェアするモデルで着手したが、ローンチ後にサービスが反響を呼び、鉄道各社の支援を得て、鉄道各駅にスポットを開設することに成功した。これにより認知度が高まり、さらに駅周辺の事業体から導入に関する問い合わせが入るようになったという。

スポットの増加により直近3ヶ月でユーザは3倍増、リピート利用率も10〜50%と高い値となった。2022年までに、全国の全鉄道事業者30社773駅にスポットを開設し傘13万本の流通を狙う。将来は鉄道会社のハウスエージェンシーと提携し傘を使った鉄道広告の開発、雨が降ると売上が下がる小売業や飲食業向けの O2O サービスなども計画している。

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rite by rite

(メンタリング担当:XTech Ventures 西條晋一氏)

rite は、Instagram によるインフルエンサー販促支援プラットフォーム。ブランドが個別にインフルエンサーに案件をオーダーするのではなく、ブランドが予め一連の自社商品を並べておき、インフルエンサーが自分に合った商品を選んでマーケティングを実施できる。

インフルエンサーマーケティングでは事実上、ステマ(ステルスマーケティング)が横行する中、rite ではインフルエンサー側から案件を選べるので、ステマが発生しにくいのが特徴。rite はインフルエンサーを通じて販売した注文について、売上の20%を手数料として徴収する。

今後、インフルエンサー100名で流通額合計12億円を目標に設定。D2C ブランドの成功要因とされる、共感マーケティング、購買者からのフィードバックをブランドの製品開発に応用する体制作りなども支援する。

Genics by Genics

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 和田圭祐氏)

Genics は、口腔研究とロボティクス研究シーズをもとに、全自動歯ブラシを開発。CES 2019 で発表したところ、特に介護現場から注目を集めた。30秒間の利用で手による歯磨きと同等の効果があることが認められ、また、歯周病リスクが低減される可能性については評価中とのこと。

歯磨きは健康維持の上で重要なファクターとなるが、介護現場では人手不足のため歯磨きが提供できていない。全自動歯ブラシが導入されれば、介護現場では、介護士や看護婦は介助しなくても見守るだけで済むため、口腔ケアを簡素化できる。全国の介護事業会社や介護施設から引き合いが来ている。今後、保険適用で利用できる体制が整うことを期待しており、歯科クリニックとの提携による定期診断、パーソナライズなどにも進出を計画。

VAN SHARE by Carstay

(メンタリング担当:CyberAgent Capital 近藤裕文氏)

Carstay は、インバウンド観光客が増える中で大きな問題となっている宿不足の問題を、移動可能な宿としてバンを共有し、車中泊体験の提供で解決しようとするスタートアップ。日本国内には250万台〜300万台のバンがあり、その多くは稼働していない(駐車場に保管されていることがほとんど)とされる中、バンを利用したいユーザとのマッチングプラットフォームを提供する。

バンを貸し出したオーナーには、ユーザが支払った利用料金の80%程度が還元されるビジネスモデル。「VAN SHARE」として昨日ローンチしたところ、既に30台ほどの登録問い合わせが来ているという。将来は宿泊だけでなく、オフィスにしたり、避難場所にしたり、さまざまなユースケースを想定する。

EPOQ by EPOQ

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 本間真彦氏)

EPOQ については、ピッチ内容非公開のため省略。

AR エンターテイメント事業 by ENDROLL

(メンタリング担当:グローバル・ブレイン 立岡恵介氏)

ENDROLL は、ピッチ内容非公開のため省略。

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CG クラウド by TANOsim

(メンタリング担当:B Dash Ventures 西田隆一氏)

TANOsim の「CG クラウド」は、3DCG に特化したクラウドベースの制作スタジオだ。3DCG の制作には、モデリング → マテリアル → リギング → アニメーション → エフェクト → コンポジット といった制作プロセスを経るが、それぞれのプロセスは専門性が高くクリエイターを確保するのは難しい。

CG クラウドには各分野に特化したクリエイターが集まっており、スキル管理ツールによって、案件に応じた最適なクリエイターを探して仕事を発注することができる。独自のディレクションメソッドや、共有された 3D データパーツにより業務も効率化できる。低価格で世界中の最新技術が使えることも特徴。5G/XR 市場の拡大を受け、事業のスケールを狙う。

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キャピタリスト賞(起業家がメンターのキャピタリストを評価)

キャピタリスト賞1位:STRIVE 堤達生氏
キャピタリスト賞2位タイ:YJ Capital 堀新一郎氏
キャピタリスト賞2位タイ:WiL 松本真尚氏
キャピタリスト賞4位:インキュベイトファンド 本間真彦氏
キャピタリスト賞5位:CyberAgent Capital 近藤裕文氏

Incubate Camp は2010年から通算で11回開催され(今回を入れ12回)、1,640名超の応募者の中から200名超を選出している。他のファンドからの調達も含めた、これまでの Incubate Camp 出身スタートアップの資金調達合計額は200億円以上に達している。

米国市場向けシードファンドを運用する〝Xoogler〟野津一樹氏、〝Pay Forward〟を超えた精神で起業家やコミュニティの架け橋を目指す

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大手企業の OB や OG がスタートアップ界で活躍する流れを総じて、◯◯ マフィアと呼ぶのは珍しくなくなった。おそらく Founders Fund の創設に深く関与した PayPal マフィアに源を発するのだろうが、CAV マフィア、DeNA マフィア、ピクスタマフィアなどなど、この種の呼称を流布させた責任の一端は、弊誌にもあるのかもしれない。 さて、Google 出身者 ex-Googler …

野津一樹氏

大手企業の OB や OG がスタートアップ界で活躍する流れを総じて、◯◯ マフィアと呼ぶのは珍しくなくなった。おそらく Founders Fund の創設に深く関与した PayPal マフィアに源を発するのだろうが、CAV マフィア、DeNA マフィア、ピクスタマフィアなどなど、この種の呼称を流布させた責任の一端は、弊誌にもあるのかもしれない。

さて、Google 出身者 ex-Googler のことを縮めて〝Xoogler(ズーグラー)〟と呼ぶが、その Xoogler のコミュニティを活かしつつ、新たなファンドを運営する人物がいる。主にシリコンバレーを中心に活動する野津一樹氏だ。野津氏は京都大学を卒業後、電通や BCG などを経て、Google アメリカ本社で社内スタートアッププログラムなどに従事していた人物だ。

野津氏が投資家の道を志す上で大きな影響を与えたのは、D4V の創業メンバーの一人であり、個人投資家としても知られる谷家衛氏だ。パッションを持った人を支援するという谷家氏の生き方に影響を受け、シリコンバレーに活動の拠点を移すことを決意。そこで、小林清剛氏(Chomp 創業者)や内藤聡氏Anyplace 創業者)ら日本出身の起業家に会い、彼らのアドバイスを契機に少額のエンジェル投資を開始した。

当初は Google での本業に影響を及ぼさない範囲で、起業家とのネットワーク作りに主眼を置いていた活動だったが、次第に本業で費やす時間やエネルギーを起業家支援に向けられないかと考えるようになった野津氏。そこで、彼は大学時代の友人だったインキュベイトファンドの和田圭祐氏に相談、同 VC の中でも海外展開に深く従事する本間真彦氏を共同パートナーに迎え、ファンドを創設することになったという。

新ファンドは SaaS、HR、小売、マーケティング、マーケットプレイスなど「B2B × ソフトウェア」にフォーカスし、1ショットあたりのチケットサイズを50万〜100万米ドルに想定。アメリカを中心に、プレシード/シードステージのスタートアップへの出資を計画している。LP の名前は明らかになっていないが、元々はスタートアップで、近年上場を果たしたテック系の事業会社が多く含まれるようだ。

Xoogler コミュニティの存在

野津一樹氏

現在リードオーガナイザーを務める Chris Fong 氏らを中心に2015年に創設された Xoogler のコミュニティは、全世界で5,000人以上がアクティブに活動するネットワークで、年間300件以上のデモデイや勉強会を開催している。Google を卒業した Xoogler と現役 Googler との交流も盛んで、Xoogler が持つアイデアに Google の社内起業プログラム「Area 120」が Google 社内での実現を持ちかけるケースもあるのだとか。

野津氏はファンドを始めるにあたり、くだんの Fong 氏に連絡を取ったところ、次から次へとその後の活動に役立ちそうな人物を紹介してもらったという。そうした姿勢の根底には、もちろん Google というテック界をリードする組織に所属していた者同士という共通の価値観があるのだろうが、それに加え、いわゆる〝Pay Forward〟を超えた、「互いに惜しげも無く貢献できることは貢献していく、性善説に基づいた信頼と善意のサイクルが回っている(野津氏)」と感じたという。

野津氏もまた、Xoogler コミュニティと同じく、起業家やスタートアップコミュニティの架け橋になることを、ファンドを通じて実現したいことに掲げている。シリコンバレーにおいては、例えば、同じアジア勢だけで見ても、韓国系、中国系、インド系の投資家や起業家のコミュニティと比べ、日本系のそれはまだ影響力が弱い。今回、日本の企業主導ではなく、独立系でシリコンバレーにファンドが立ち上がることもまた、注目に値する理由の一つと言えるだろう。

インキュベイトファンドが投資先のクリエイティブ支援開始、ビズリーチCMなど手がけた北尾氏がCGO就任

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インキュベイトファンドは6月7日、6月1日付で元電通の北尾昌大氏がChief Growth Officerに就任したことを公表した。投資先の経営支援に伴う体制強化の一環で、マーケティング戦略などの成長戦略を担う。 北尾氏は2000年に慶應大学を卒業後、電通に入社。クリエイティブディレクターとして、国内外企業の広告キャンペーンなどを手がけた人物。主な仕事として任天堂「Nintendo DS」や「Wi…

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Chief Growth Officerに就任した北尾昌大氏

インキュベイトファンドは6月7日、6月1日付で元電通の北尾昌大氏がChief Growth Officerに就任したことを公表した。投資先の経営支援に伴う体制強化の一環で、マーケティング戦略などの成長戦略を担う。

北尾氏は2000年に慶應大学を卒業後、電通に入社。クリエイティブディレクターとして、国内外企業の広告キャンペーンなどを手がけた人物。主な仕事として任天堂「Nintendo DS」や「Wii」、スタートアップのクリエイティブでは「ビズリーチ」などがある。また、経営的な視点については、2018年に英国Leeds大学にてMBAを取得している。

インキュベイトファンドは出資先へのハンズオンだけでなく、シード期の起業家を発掘して投資機会を提供する「Incubate Camp」や、人材コミュニティ「IF Talent Network」を立ち上げるなど、独自のプログラムと支援体制を整える。今回の北尾氏の参画によって、特にマーケティングやブランディングなどの分野での支援体制が強化される見込み。

今後北尾氏は、マーケティング戦略や成長戦略をアップデートする時期を迎えた企業に対し、順次サポートに入ることになる。具体的なハンズオンの方法については次のようにコメントをくれた。

立案の際にはビズリーチ様の例と同様、経営者や事業部長その他関係者の「想い」の部分を重点的にヒアリングすることで、コミュニケーション・コンセプトのコアの部分を見つけだすという手法をこれまでよく採ってきました。今後も必要に応じて、様々な手法を駆使しながらハンズオンもしくは外注のディレクションを実行していきます。

日本でも、VCによる出資先スタートアップ向けダイレクトリクルーティングが増える兆し

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THE BRIDGE の読者には釈迦に説法かもしれないが、スタートアップが VC などから調達した資金は、人材確保やオフィス移転に使われることが多い。生産設備などよりも人材こそが資本と言えるスタートアップにとって、これは正しい動きだろう。その需要に呼応するかのように、HR テックを中心とするスタートアップが活気づいていることもまた事実だ。 一方、労働人口が減少する中においては、母数が減る以上、人材…

Image credit: 123RF / convisum

THE BRIDGE の読者には釈迦に説法かもしれないが、スタートアップが VC などから調達した資金は、人材確保やオフィス移転に使われることが多い。生産設備などよりも人材こそが資本と言えるスタートアップにとって、これは正しい動きだろう。その需要に呼応するかのように、HR テックを中心とするスタートアップが活気づいていることもまた事実だ。

一方、労働人口が減少する中においては、母数が減る以上、人材獲得が激化することは想像に難くない。資金は調達できても、その資金を使って欲しい人材が調達できないとなると、スタートアップの成長を阻害しかねない。一部の人材エージェントは、これまでも VC と組んで、その VC の出資先スタートアップ複数の人材調達を支援する活動を営んできたが、最近、VC 自らが出資先のリクルーティング買って出る動きが顕著化しつつある。

VC テラスのしくみ
Image credit: Amateras

2011年に創業、その後、スタートアップ CxO 転職サイト「amateras online」を運営してきたアマテラスは今月初め、VC 向けに出資先スタートアップのリクルーティングが可能となる新サービス「VC テラス」をローンチした。VC が出資先のリクルーティングを代行するというスキーム上、利用する VC が職業紹介事業免許を取得する必要は生じるが(情報閲覧のみの場合は免許不要)、HR 部門を持たないスタートアップや CRO の業務軽減が可能で、手数料も人材採用時・成功報酬型の100万円(一人当たり税別)と、業界水準よりは割安な価格帯を実現している。現在、国内 VC 12社の名前がユーザとして開示されている。

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IF Talent Network
Image credit: Incubate Fund

先週には、インキュベイトファンドが採用支援 SaaS「TalentCloud」を活用した「IF Talent Network」なるしくみを正式にローンチさせた。基本的にはインキュベイトファンドが出資するスタートアップに特化した採用支援サービスが中心で、スタートアップへの転職に興味を持つ潜在層を対象にイベントを行うなどして、オーガニックにユーザ(採用候補者)を集めていく計画。正式ローンチ段階でインキュベイトファンド出資先のうちスタートアップ40社、206件の案件情報が IF Talent Network 上に公開されているという。

インキュベイトファンドでは、2017年に VC 出身で人材紹介エージェント複数社での勤務経験を持つ壁谷俊則氏が入社。壁谷氏が HR 業務専任の形で、出資先スタートアップの人材採用を支援してきた。今年3月に VC としては初めて職業紹介事業免許を取得し、今月に入って、この人材採用支援制度を具体的なサービスとして打ち出した形だ。

シードファンドが増える中で内製の人材支援のしくみがあることは、スタートアップにとって相談相手を選ぶ上でのきっかけになり得る。また、出資先複数の中から適職ポジションを提案したり、あるスタートアップにいた人材が別のスタートアップに転職する流れでユーザ獲得コストを下げたり、スタートアップ失敗時に人材にとってのセーフネットとして働いたりするなど、副次的な効果も期待できるだろう。

VC が内製的に出資先スタートアップをダイレクトリクルーティングする動きは、アメリカにおいては珍しいものではなく、2009年頃から Andreesen Horowitz を筆頭に顕著化する動きがあった。近年では多くのシードアーリー VC が出資先スタートアップを支援する HR 担当者を社内に置いている。このような動きは今後、日本においてもシード VC 全般で加速するだろう。VC は出資先の HR テックスタートアップや人材エージェントなどの協力を得、スタートアップでの仕事を求む人材のコミュニティを、オフライン・オンラインで作り上げていくことになるだろう。

<参考文献>

【受賞全8ペア紹介】起業家と投資家が合宿で事業をつくる「Incubate Camp 11th」

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9月14日から15日にかけて、スタートアップへの投資および育成を事業とするインキュベイトファンド主催の「Incubate Camp 11th」が開催された。2日間にわたり、起業家と投資家が共同で事業アイデアをブラッシュアップする合宿スタイルの同イベント。第11回目の開催では、会場となる千葉県内のホテルに選考を勝ち抜いた16名のスタートアップ起業家とインキュベートファンドの代表パートナー4名、ゲスト…

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9月14日から15日にかけて、スタートアップへの投資および育成を事業とするインキュベイトファンド主催の「Incubate Camp 11th」が開催された。2日間にわたり、起業家と投資家が共同で事業アイデアをブラッシュアップする合宿スタイルの同イベント。第11回目の開催では、会場となる千葉県内のホテルに選考を勝ち抜いた16名のスタートアップ起業家とインキュベートファンドの代表パートナー4名、ゲストベンチャーキャピタリスト13名たちが集結した。

Incubate Campの参加対象は、シードラウンドでの資金調達を求めているスタートアップに加え、プロダクトをローンチ済みで追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップ。

1日目は書類選考を通過し、本戦出場に選ばれたスタートアップのピッチと投資家によるメンタリング、担当する投資家のペア決め。2日目には審査員を交えたプレゼンテーションが実施された。

本稿においては、15日の決勝プレゼンテーションで総合順位5位までに入賞したチームとベストベンチャー賞、審査員賞などを受賞したサービスの概要を中心に同イベントについてお伝えする。なお、全16社の情報に関して、個々のサービスの背景や詳細などについては、随時 THE BRIDGEで取材を進めていく予定だ。

Incubate Camp 11thのプレゼンテーションで審査員を務めたのは、

  • ディー・エヌ・エー執行役員CFOの浅子信太郎氏
  • GameWith代表取締役社長の今泉卓也氏
  • DBJキャピタル取締役役員部長の内山春彦氏
  • サイバーエージェント・ベンチャーズ取締役日本代表の近藤裕文氏
  • 産業革新機構専務取締役 共同投資責任者の土田誠行氏
  • 三井住友銀行 成長戦略推進プロジェクトチーム成長事業開発部副部長の松永圭司氏

の計6名。司会はインキュベートファンドの木村亮介氏が務めた。

【総合順位1位】【ベストグロース賞3位】IMCF

(メンタリング担当:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ 河野純一郎氏)

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デザイナーがブランドを立ち上げるには、クリエイティブの他にマーケティングや流通、販売といったビジネスの側面も必要になる。このビジネス面を支援するサービスを提供するのがIMCFだ。

同サービスでは、デザイナーと同社が共同でブランドを立ち上げ、同社がD2Cモデルでブランド商品を販売。Instagramなどでのマーケティングも支援する。既に4ブランドを展開しており、今後もブランドを設立したいデザイナーのクリエイティブに対して、マーケティング目処が見えれば、新規ブランドの立ち上げを進めていく。

販売データ部分の収集にも注力しており、今後も購買データなどを活用し、デザイナー支援を強化していく。現状Instagramでもメディアとして機能しているが、メンタリングでの意見としてあがったメディアの自社構築なども実施を検討するようだ。

【ベストグロース賞1位】SOÉJU personal

(メンタリング担当:ANRI 佐俣アンリ氏)

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モデラートが運営するSOÉJU personal (ソージュ パーソナル)は、プロのスタイリストのカウンセリング後、毎月もしくは3カ月に1回スタイリング提案を届けてもらえるサービス。カウンセリングは代官山にあるサロンもしくはオンラインにて、体型タイプ・ファッション志向診断といった内容を実施する。

アイテムの購入は、スタイリング提案の中からユーザーが希望する場合のみ実施。月額3000円を購入の有無に関わらず、ユーザーがサービス利用料として支払うモデルだ。提案するファッションアイテムは自社ブランドと他社の商品の両方を採用している。

顔の見える対面での接客による信頼関係を強みとし、同サービスの平均高倍率は64%。1人あたり年間で150万円分の購入をするユーザーもいるという。

中長期的には、データベースに蓄積している顧客プロファイルやコミュニケーション履歴に基づいて、制度の高いレコメンデーションの実現を目指す。また、短期的には自社ブランド「SOÉJU(ソージュ)」のローンチにより、マーケティングおよび事業利益率の向上を目指す。

直近ではサロンのモデルを検証し、年間売上2億円の規模への成長を目標とする。さらに、サロンとECを組み合わせたモデルで1店舗あたり7億円の売上を目指し、コスメなどの横展開も視野にいれている。

【総合順位2位】「HERP」

(メンタリング担当:Draper Nexus 倉林陽氏)

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HERPは自動連携型の採用管理システムだ。複数の採用向け媒体やエージェントなどに分散している情報を収集し、同プラットフォーム上で一元管理することができる。具体的には、連携媒体の求人票の一括管理や応募情報の確認といった機能で、企業の採用担当者が抱える作業部分の工数を削減する。

同社代表取締役の庄田一郎氏はエリクルートやエウレカにて採用業務や責任者を担当しており、自分自身が採用担当して経験した課題を解決するためHERPを創業した。

同社は採用に関連する企業向け各種APIの解放を促す「Open Recruiting API構想」を掲げており、求人媒体提供企業との交渉を続けている。2018年7月には、SCOUTERおよびFind Job!の2媒体と連携を開始した。また採用チャネルごとの効果の見える化も目指す。

今後は採用管理以外のダイレクトリクルーティングや求人票公開、候補者とのコミュニケーションが抱える課題解決に向けて、プロダクト開発を予定している。

【ベストグロース賞5位】高齢者向け住宅のマッチングメディア(名称未定)

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 村田祐介氏)

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高齢者向け住宅に住みたい人やその子供世代を対象にした高齢者向け住宅のマッチングメディア。代表はサムライト出身の大上諒氏。主に40歳以上をユーザーターゲットとしている。

同市場では、有料老人ホームでの入居が11年待ちというケースもあるようで、サービスローンチには政府の政策によるサービス付き高齢者の建設推進がある。直近では5年で20万戸が建設済み、2020年までに60万戸が建設予定となっている。一方、情報が少ないため自分に会った住宅を見つけられない高齢者やその家族も増えているそうだ。

同サービスでは、各種サービス付き高齢者向け住宅などの情報を整理し、コンテンツを制作。健康状態やこだわりなど30項目以上の賃貸条件に対して、適した物件が見つかるようなマッチングを目指す。さらに同事業領域で、採用管理システムや求人分野への展開も視野に入れている。

【総合順位3位】【ベストグロース賞4位】「クラウド健進」

(メンタリング担当:グロービス・キャピタル・パートナーズ 今野穣氏)

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クラウド健進は、高性能聴診器「超聴診器」と「遠隔聴診システム」を組み合わせた遠隔聴診が可能なビデオチャットシステム。遠隔聴診を受けるユーザーは電極シールや接触センサー、アシスト機能がついた超聴診器により、自身で健康データを取得し、医師が音声データと可視データを受け取って相談に乗る。

同サービスを開発したのは、日本内科学会認定内科医・産業医の小川晋平氏。離島僻地などで医療従事者が不足しているなどの課題解決を目指す。病院に行く前の相談、というポジショニングでメタボリックシンドロームなどの早期発見の仕組みづくりなども視野に入れているようだ。

今後は自治体単位での導入も検討しており、1自治体でのテストマーケティングが決定している。来年春には、全国展開を目指す。

【総合順位4位】【ベストグロース賞2位】【スポンサー賞】「BeLiving」

(メンタリング担当:セプテーニ・ホールディングス 佐藤光紀氏)

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「BeLiving」は、日本で賃貸物件を探す外国人と日本の空き家を繋げるマッチングプラットフォーム。オンラインでの入居審査や賃貸契約で最速2〜3時間程度で、住みたい部屋を見つけることができる。ターゲットは外国から日本への留学生や仕事の駐在で訪れる人々だ。

AirBnB物件の宿泊許認可がおりていない物件や集客が難しいシェアハウス物件など、空き物件になってしまっている物件を主に住居を探す外国人とマッチングする。家賃未払いなどのリスクは同社が保証する仕組みになっている。

現在の主なマーケティングツールはSNSということだ。実際に同サービス開始前に1棟18部屋の物件で募集を実施したところ、1600件の申し込みがあったそうだ。

【総合順位4位】「O:SLEEP」

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 本間真彦氏)

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企業に務める従業員向けに睡眠というアプローチで働き方改善を推進するクラウドシステム「O:SLEEP」。O:代表取締役の谷本潤哉氏が勤務での長時間労働で健康を損ない、「時計を持たない1週間の無人島生活」で回復した経験をきっかけに作られたサービスだ。

同サービスは、組織の従業員に睡眠コーチングアプリを利用してもらうことで、組織の生産性の分析、改善を見える化するクラウドシステム。コーチングアプリのデータは個人が特的できないような集合データとして活用する。

個人の睡眠を具体的に改善していくのではなく、睡眠のデータを活用し、組織の課題を解決することを目的としているのが同社の特徴。3月頃にローンチし、現在20社が導入している。

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同氏によれば、91%の確率でメンタル不調者を早期発見し、月間で平均1.5人の休退職者抑制をしているそうだ。

今後はローンチ済みのシステムと連携するデバイスをローンチする予定としている。

【審査員賞】【キャンプ卒業生賞】「VOX」

(メンタリング担当:アーキタイプ 中嶋淳氏)

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「VOX」はスマートフォン制御型の宅配ボックス。戸建や集合住宅、公共スペースへ設置し、不在時の荷物受取の課題を解決する。

サイズはS・M・Lの3種類展開になっており、現時点で冷蔵機能付きはないが、今後検討していく予定だ。屋内外で使用でき、盗難検出機能やマスターキー機能、荷物センサー機能を搭載。電源を内臓しており、電源コードがなくても利用ができる。

従来のダイヤル式のボックスなどでは3万円程度かかるそうだが、同サービスの利用料は月額390円。今後は公共スペースなどへの普及を目指し、宅配だけでなく自分専用ロッカーとしての利用なども促進する。

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なお、キャピタリスト賞には、1位にグロービス・キャピタル・パートナーズの今野穰氏、2位にインキュベイトファンド 本間真彦氏、3位にセプテーニ・ホールディングスの佐藤光紀氏、4位にはANRIの佐俣アンリ氏、インキュベイトファンドの赤浦徹氏、インキュベイトファンド の村田祐介氏が選ばれた。

今回11回目からはIncubate Camp 2nd出身で、2017年6月に東証マザーズに上場したGameWithの今泉卓也氏も審査員として参加。キャンプ卒業生賞が新設された。前回10回目までの開催で、累計参加起業家数190人、累計外部調達額は212億円でIPOおよびM&Aによるエグジットを果たした企業は14社となっている。

ARスポーツ「HADO」開発のmeleap、インキュベイトファンド・DBJキャピタル・SMBC-VCから3億円を調達——米とマレーシアに支社を開設

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拡張現実(AR、Augmented Reality)を使ったスポーツゲーム「HADO」の開発や、ゲームを楽しむことができる店舗をフランチャイズ展開する meleap(メリープ)は6日、インキュベイトファンド、DBJ キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタルから総額3億円を調達したと発表した。調達ラウンドは不明だが、シリーズ A ラウンドと推定される。これは meleap にとって、2016年1月…

左から:和田圭祐氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)、本木卓磨氏(meleap CCO)、福田浩士氏(meleap CEO)、新木仁士氏(meleap CTO)、冨田由紀治氏(meleap COO)、河合将文氏(DBJ キャピタル ディレクター)
Image credit: meleap

拡張現実(AR、Augmented Reality)を使ったスポーツゲーム「HADO」の開発や、ゲームを楽しむことができる店舗をフランチャイズ展開する meleap(メリープ)は6日、インキュベイトファンド、DBJ キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタルから総額3億円を調達したと発表した。調達ラウンドは不明だが、シリーズ A ラウンドと推定される。これは meleap にとって、2016年1月に実施したシードラウンドでの6,000万円の調達(調達先は非開示)に続くものだ。

meleap は今回調達した資金を使って、アメリカ・ロサンゼルスとマレーシア・クアラルンプールに支社を開設、店舗開拓と顧客サポートの体制を強化し、グローバル展開に拍車をかけるとしている。また、同社では HADO 以外の AR を使った新競技を開発中で、来年のリリースに向けて開発体制の強化を図るとしている。

HADO はエナジーボールを撃ち合って戦うスポーツ
Image credit: meleap

meleap は2014年、リクルート出身の福田浩士氏(現 CEO)や富士通出身の新木仁士氏(現 CTO)らにより設立。アニメの「かめはめ波」や「波動拳」にも似た技を、AR 上で放つことができるゲームを開発しており、そのゲームをスポーツとして体現できる店舗をフランチャイズ展開している。現在、常設店舗数は世界9カ国43カ所(アジア25、日本国内13)で、これまでにのべ60万人以上のユーザが HADO の AR スポーツシリーズを体験。世界的に見て、E スポーツの市場が成長の一途をたどっる中、積極的に自分の身体を使い没入感も得られるという点で、AR スポーツは E スポーツからさらにもう一歩進んだ分野と定義することもできるだろう。

meleap はインキュベイトファンドが毎年開催している合宿型のメンタリング機会である Incubate Camp に、第7回(2014年)と第10回(2017年)の二度にわたって参加している。第7回の際には、まだ AR スポーツを技術的にどのように実現しようかというフェーズだったが、今年の第10回登壇では、福田氏が HADO のサービス開発が軌道に乗っていることを示唆しており、体験店舗の世界展開加速に向けた資金調達を渇望し、晴れて投資家からは高い評価を得て総合順位1位の座を獲得した。このほか、同社は2015年に KDDI ∞ Labo の第7期に採択、HackOsaka 2016 のピッチコンテストにノミネート、SLUSH Asia 2016 では PR Times 賞を受賞している。

同社はまた、HADO をはじめとする AR スポーツの認知度向上に向けて、昨年に続き、今冬にも優勝賞金300万円の AR スポーツ祭典「HADO WORLD CUP 2017」を開催する予定。今年は最大6ヶ国からの選抜チームが集い、東京タワー横のスターライズタワーで対戦するとしている。

公開3カ月で案件の流通総額は累計8億円にーーリファラル営業プラットフォーム「Saleshub」がインキュベイトファンドから8000万円を調達

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リファラル営業プラットフォーム「Saleshub」は9月12日、引受先をインキュベートファンドとした総額8000万円の第三者割当増資を実施したことを発表した。株式比率および払込日は非公開。調達目的は登録企業やユーザー獲得のための人材採用とプラットフォームの機能開発に充当する。 2017年6月にリリースした同サービスはお客さんを紹介して欲しい企業と紹介先を持つ個人を繋ぐプラットフォーム。企業が投稿し…

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リファラル営業プラットフォーム「Saleshub」は9月12日、引受先をインキュベートファンドとした総額8000万円の第三者割当増資を実施したことを発表した。株式比率および払込日は非公開。調達目的は登録企業やユーザー獲得のための人材採用とプラットフォームの機能開発に充当する。

2017年6月にリリースした同サービスはお客さんを紹介して欲しい企業と紹介先を持つ個人を繋ぐプラットフォーム。企業が投稿した紹介依頼に対して、個人がサポーターとして応募し、紹介していく仕組みだ。

企業は初期費用がかからず、案件登録を無料で実施することが可能で依頼の成約時に設定した報酬を個人へ支払う。成約金はアポ成立と案件の成約の2種類で支払われる。なお案件の成約時に企業が35%を同社に支払うマネタイズモデルをとっている。

リリースより2カ月を経過した9月時点で340社、1000ユーザーの登録を獲得。企業に対してのサポーター応募の実績は350件で、案件の累計流通総額が8億円を突破している。(追記:12日 代表の江田氏の補足によると、この累計流通総額はSaleshubによって生まれたビジネス案件の累計金額ということだった)

累計総額に関して同社代表取締役の江田学氏は「B2Bのプラットフォームとして展開しており、規模や金額の大きな案件や大手案件を得意としていることが数字に繋がった」と話していた。

固定電話のテレアポはずっとIT化されないまま

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Saleshub代表取締役の江田学氏

代表の江田氏の辛いテレアポ経験からヒントを得た同サービス。ユーザーの主な獲得は口コミからで30代の営業職を仕事としている男性の登録が最も多い。登録ユーザーの最長年齢は75歳で人脈や経験のある高齢者がライフスタイルにあわせた働き方として活動するケースも出ている。

「すでにtwitterやFacebookでビジネスの流通網化している部分の仕組み化をSaleshubでは考えています。自社商材では補いきれない部分をSaleshubの案件を紹介することで補えるメリットを感じて利用する営業マンも多く、営業職を得意とする人が副業をするための場所として確立しつつあります」(江田氏)。

今回の調達により人材の採用で主にカスタマーサポート体制の強化を実施する。また、データ解析による機能改善を積極的に実施しており、企業側からユーザー側にアプローチできる仕組みなどプラットフォーム開発にも注力していく方針だ。