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スマートロック「Akerun」開発のフォトシンス、東証マザーズ上場へ

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 スマートロック「Akerun」を開発・展開する Photosynth(フォトシンス)は30日、東京証券取引所に提出した上場申請が承認されたと発表した。同社は11月5日、東証マザーズ市場に上場する予定で、大和証券とクレディ・スイス証券が主幹事を務める。証券コードは4379。70万株を公募し、561万3,300株を売り出…

Photosynth 創業者で代表取締役の河瀬航大氏

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

スマートロック「Akerun」を開発・展開する Photosynth(フォトシンス)は30日、東京証券取引所に提出した上場申請が承認されたと発表した。同社は11月5日、東証マザーズ市場に上場する予定で、大和証券とクレディ・スイス証券が主幹事を務める。証券コードは4379。70万株を公募し、561万3,300株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは94万6,900株。

想定発行価格は1,500円で、時価総額はおよそ228億5,300万円になる。価格の仮条件は10月19日に決定し、ブックビルディング期間は10月20日から10月26日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は10月27日。有価証券報告書によると、同社の2020年12月期における売上高は11億7,593万円で、経常損失は6億8,353万円、当期純損失は11億8,481万円。

Photosynth は2014年9月、河瀬航大氏により設立された。世の中の物理鍵とそれに伴うさまざまな制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会」の実現を目指す。スマートロックなど IoT 機器及びクラウド型認証プラットフォームを活用したサービスを開発し、サブスクリプションモデルにより提供している。

昨年には、ビジネスからプライベートまで全ての鍵をクラウド化する構想「Akerun Access Intelligence」を発表。この構想では、ユーザが普段利用している交通系 IC カードやスマートフォン、社員証・入館証といった固有のIDをメールアドレスや電話番号などに組み合わせ「Akerun ユーザーID」として登録、オフィス・ビル・自宅などさまざまな空間へのアクセスを可能にする。

昨年12月には、JR 東日本スタートアップのインキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」で、Suica ID と Akerun ID の連携を可能にし、Suica でオフィスビルの入退室管理ができる仕組みでスタートアップ大賞を獲得(優勝)。今年1月には、美和ロックとの合弁会社 MIWA Akerun Technologies を設立した。

株式の保有比率は、CEO の河瀬氏(18.35%)を筆頭に、グロービス・キャピタル・パートナーズ(9.81%)、農林中金(7.45%)、ジャフコ(5.47%)、Fidelity Funds(4.34%)、Globis Fund(4.19%)、大和企業投資(4.18%)、ガイアックス(3.82%)、東京都(3.48%)、Fidelity Japan Trust(3.10%)、取締役副社長の上坂宏明氏(2.65%)などが続いている(信託分は当該順位から除外)。

<Photosynth のこれまでの軌跡>

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バーチャル空間「oVice」運営、シリーズAで18億円を調達【日経報道】

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日経の14日の報道によると、バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供する oVice は15日、シリーズ A ラウンドで18億円を調達した模様だ。このラウンドは、Eight Roads Ventures Japan がリードインベスターを務め、One Capital、MIRAISE、ジャフコ グループ(東証:8595)、DG インキュベーション、DG ベンチャーズが参加した。 One …

Image credit: oVice

日経の14日の報道によると、バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供する oVice は15日、シリーズ A ラウンドで18億円を調達した模様だ。このラウンドは、Eight Roads Ventures Japan がリードインベスターを務め、One Capital、MIRAISE、ジャフコ グループ(東証:8595)、DG インキュベーション、DG ベンチャーズが参加した。

One Capital と MIRAISE は、oVice が2020年12月に実施したシードラウンド(1億円を調達)と、2021年5月に実施したプレシリーズ A ラウンド(1.5億円を調達)に続くフォローオン。また、DG ベンチャーズはプレシリーズ A ラウンドに参加していた。

oVice は2020年2月、韓国出身でオーストラリア育ちの連続起業家 Sae Hyung Jung(정세형)氏により設立(設立時の社名は Nimaru Technology)。Jung 氏が2020年チュニジアに出張中、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウンに巻き込まれ、しばらくリモートワークを行わざるを得なくなった。そこでぶつかった仲間とのコミュニケーションの壁を打破すべく、「リモートワーク中でも仲間と簡単に話せる方法として開発されたのが oVice だ。

日本企業の多くがテレワークを導入しているが、Slack、Teams、Zoom といったツールで社員同士がやりとしていても、そのうちの75%はコミュニケーションが不足していると答えている。その背景には、会議、商談、営業報告といった目的意識のあるコミュニケーションは従来ツールを使って実施できているものの、リアルでの立ち話、喫煙所での会話、世間話に相当する偶発的なコミュニケーションをオンラインでは体験として提供しにくいからだ。

oVice はリアルのような空間をオンライン上に開設し偶発的なコミュニケーションを支援。ユーザはこの空間を動き回ることができ、誰かに近づくとその人の声が大きく聞こえ、遠ざかると聞こえなくなる体験を得られる。面白い話が聞こえたら飛び入り参加することもでき、周りに聞かれたくない話は個室に移動し会話を続けることも可能。2021年8月末現在、約1,200社の企業で使われており、これまでに8,000件以上のスペースが発行されるなど、これらの数は直近の4ヶ月で倍増している。

oVice は2020年8月のサービス開始から8ヶ月で ARR が1億円、また、サービス開始から1年となる今年8月末時点で ARR が2.4億円を超えたことも明らかにしている。同社では、今回調達した資金を使って、韓国をはじめとする海外市場への積極的な展開、ハイブリッド勤務に対応するための技術開発や他社との提携(360度カメラとの連携など)、ビデオ会議システムやチャットツールなど他ツールとの連携を強化するとしている。

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カスタマサクセスプラットフォーム「commmune」、シリーズBで19.3億円を調達——市場奪取に向け、マーケティング強化

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カスタマサクセスプラットフォーム「commmune(コミューン)」を開発・運営するコミューンは15日、シリーズ B ラウンドで19.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DNX Ventures、UB Ventures(UBV)、Z Venture Capital、ジャフコ グループ(東証:8595)。UBV はシードラウンドとシリーズ A ラウンドに続くフォローオン、DNX V…

前列左から:都虎吉氏(Z Venture Capital パートナー)、高田優哉氏(コミューン創業者兼 CEO)
後列左から:北澤知丈氏(ジャフコ グループ パートナー)、倉林陽氏(DNX Ventures マネージングパートナー)、岩澤脩氏(UB Ventures 代表取締役社長 マネージングパートナー)
Image credit: Commmune

カスタマサクセスプラットフォーム「commmune(コミューン)」を開発・運営するコミューンは15日、シリーズ B ラウンドで19.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DNX Ventures、UB Ventures(UBV)、Z Venture Capital、ジャフコ グループ(東証:8595)。UBV はシードラウンドシリーズ A ラウンドに続くフォローオン、DNX Ventures はシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの参加。本ラウンドを受けて、コミューンの累計調達金額は24.3億円に達した。同社では、今回調達した資金を使って、開発・販売体制の強化を目的とした人材採用、認知度向上を目的としたマスマーケティングを強化する方針だ。

commmune は、企業向けにユーザエンゲージメントを向上させるためのコミュニティ環境を提供。オウンドメディアや note など一方的な情報発信では対応できない、自らの情報発信とユーザとのインタラクションを一元的に可能にする。会員アカウントを発行している企業では、自社の会員データベースと commmune を連携し、シングルサインオン(SSO)を実現することも可能だ。コロナ禍においては、さまざまな企業が顧客接点をデジタル化する必要(テックタッチ)に迫られ、commmune のエンタープライズユーザは着実に増えつつある。

Image credit: Commmune

創業者で CEO の高田優哉氏は、海外の市場と比べ日本は生産年齢人口が減少していることから、B2B のみならず B2C においても一人当たり LTV(ライフタイムバリュー)を最大化する必要に迫られていると指摘、その観点からカスタマサクセス、中でもテックタッチ需要は、巨大市場であるアメリカや中国よりも大きいはずだと鼻息は荒い。また、commmune の認知度が上がったことで、潜在顧客の裾野の広がり、具体的には「カスタマサクセスにはすでに取り組んでいて、テックタッチを向上したい」よりも、その前段の「コミュニティ施策検討しはじめた」や「カスタマサクセス部門が組成された」といった顧客からの問い合わせが増えているという。

高田氏は今回の調達の理由について、カスタマサクセスやコミュニティ分野で圧倒的なドミナントなプレゼンスを取ることを主軸においたものだと語った。CRM や SFA の世界的覇者が日本でも圧倒的なユーザ数を誇っていることから、カスタマサクセスやコミュニティ分野で同じようなことが起こる可能性は否定できない。幸い、それらの分野でグローバルなドミナントプレーヤーはまだ存在しないが、今の間にさらに認知度を高め、まずは国内のテックタッチ市場を奪取しようという戦略だ。将来は海外展開への戦略も見出せるだろう。

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製造業の受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」運営、シリーズBで国内外VCから80.3億円を調達

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製造業の受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」を運営するキャディは24日、シリーズ B ラウンドで80.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DST Global のパートナー陣、Arena Holdings、Minerva Growth Partners、Tybourne Capital Management、ジャフコ グループ、SBI インベストメントと、既存投資家…

製造業の受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」を運営するキャディは24日、シリーズ B ラウンドで80.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DST Global のパートナー陣、Arena Holdings、Minerva Growth Partners、Tybourne Capital Management、ジャフコ グループ、SBI インベストメントと、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、DCM Ventures、グローバル・ブレイン。

これはキャディにとって、2018年12月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。今回の増資により、同社の累計調達額は99.3億円に達した。また、今回の調達に合わせ、同社は三井住友銀行、三菱 UFJ 銀行、みずほ銀行から25億円の追加融資枠も確保したことを明らかにした。なお、今冬には製造業系の企業を対象にしたエクステンションラウンドも予定しているという。

同社は2017年11月の創業。CADDi は、独自開発の原価計算アルゴリズムに則った自動見積システムで、品質・納期・価格が最も適合する会社とのマッチングを可能にする製造業の受発注プラットフォームだ。3D CAD データをアップロードし、数量や材質、塗装などのパラメータを指定すると、価格と納期が約7秒で算出・表示される。発注側には、低価格で高品質な加工品の安定発注を可能にし、受注側(加工会社)には、相見積での失注を減らし安定的に案件を提供する。

直近の受注高は昨対比約6倍に成長し、7月には急激な案件増加に対応するため東西の品質管理センターの増床(関東は2.8倍、関西は6.6倍)も完了した。今回調達した資金は、グローバルも含めた人材採用や CADDi の開発、新規事業に投資する計画。2030年までに1兆円規模のグローバルプラットフォームになることを目指すとしている。

via PR TIMES

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AI活用の創薬支援プラットフォーム提供MOLCURE、シリーズCで8億円を調達——グローバルでの営業展開を強化

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AI を活用した新薬開発支援プラットフォームを開発・提供する MOLCURE は18日、シリーズ C ラウンドで8億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターはジャフコグループ(東証:8595)が務め、STRIVE 、SBI インベストメント、日本郵政キャピタル、GMO ベンチャーパートナーズ、日本ケミファ(東証:4539)が参加した。GMO ベンチャーパートナーズと日本ケミ…

Image credit: Molcure

AI を活用した新薬開発支援プラットフォームを開発・提供する MOLCURE は18日、シリーズ C ラウンドで8億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターはジャフコグループ(東証:8595)が務め、STRIVE 、SBI インベストメント、日本郵政キャピタル、GMO ベンチャーパートナーズ、日本ケミファ(東証:4539)が参加した。GMO ベンチャーパートナーズと日本ケミファは、同社が2018年3月に実施したシリーズ B ラウンドに続くフォローオン。

MOLCURE は2013年、慶応義塾大学で科学者になるべく学んでいた小川隆氏が、がんによる父の他界をきっかけに、新薬創製のためのプラットフォーム構築を目指して創業。次世代シーケンシング、バイオインフォマティクス、抗体工学を駆使した高機能抗体医薬品開発プラットフォーム「Abtracer」を開発した。従来法が持つ固有バイアスを排除し、これまで得る事が難しかった高機能抗体を創出し、革新的な抗体の医薬品開発を支援する。

以前 BRIDGE が開催協力した社会起業をテーマにしたスタートアップイベントで、小川氏は MOLCURE 設立の背景を次のように語っていた。

世界的な製薬会社でも、成功するのは20件に1件程度。残りの赤字を成功プロジェクトで回収しなければならない。MOLCURE は、成功するはずだったプロジェクトの取りこぼしを見つけ、成功率を上げるお手伝いをしている。(小川氏)

実際のところ、世界的医薬大手イーライリリーが発表したデータによれば、創薬に着手して、実際に薬として販売に漕ぎ着けれた事例は、24件に1件の割合だ。

Image credit: Molcure

MOLCURE が強みとする分子設計医薬品技術は、創薬プロセス全体における最初のフェーズで、〝アタリ〟をつけるのに肝となる部分であり、ここの精度如何で創薬成功の可能性は大きく左右される。今回出資参加した日本ケミファ、アメリカの Twist Bioscience(NASDAQ:TWST)を含め7社の10プロジェクト(つなり、10の創薬ライン)に採用されているが、同社ではこの数を50〜100社以上の製薬会社やバイオテック企業に使ってもらいと考えている。

MOLCURE のチームは役員を含め25名程度で構成されているが、小川氏を筆頭にほぼ全員がサイエンティストだ。これまでは役員を中心としたトップ営業で契約を獲得してきたが、今回調達した資金を使って営業体制を拡大する計画だ。製薬会社でベンチャーなどとの協業を担当した経験者(大企業の社内力学が理解できる人)、スタートアップの感覚を理解できる経験者などが理想的だという。とかく情報が開示されにくい創薬業界だが、今後は共同開発に力を入れ、マーケティングも積極的に展開していきたいとした。

創薬業界で、パソコンでいう「インテル、入ってる」のような存在になりたい。つまり、MOLCURE の AI を使った分子設計もとに創薬を始めると、最終的にその創薬成功するよね、と。「MOLCURE、入ってる」で、本当に成功率が高くなるんです、と。(小川氏)

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自社キッチン調理で1週間分のおかずを届けてくれる「つくりおき.jp」運営、シリーズBで15億円を調達

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家庭料理配達サービス「つくりおき.jp」を運営する Antway は10日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ニッセイ・キャピタル、DIMENSION、ジャフコ グループ(東証:8595)、グローバル・ブレイン、SMBC ベンチャーキャピタル。調達金額には金融機関からのデットファイナンスが含まれる。ニッセイ・キャピタルは2019年10月、「…

「つくりおき.jp」
Image credit: Antway

家庭料理配達サービス「つくりおき.jp」を運営する Antway は10日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ニッセイ・キャピタル、DIMENSION、ジャフコ グループ(東証:8595)、グローバル・ブレイン、SMBC ベンチャーキャピタル。調達金額には金融機関からのデットファイナンスが含まれる。ニッセイ・キャピタルは2019年10月、「50M アクセラレーションプログラム」に採択された Antway に5,000万円を出資しており、今回はそれに続くフォローオン参加となる。

Antway は2018年11月、リクルートでエンジニアやプロジェクトマネージャーをしていた前島恵氏による創業。「あらゆる家庭から義務を無くす」をミッションに掲げ、手作りの料理や惣菜を届けるサービスを昨年2月にローンチした。フードデリバリサービスは数多くあるが、食感や味の観点から冷凍ではなく冷蔵方式を採用しているのが特徴の一つだ。冷蔵することにより調理方法の制約が少なくなるため、メニューの幅も広いものとなる。コンセプトとしては、「デパ地下の惣菜が自宅にそのまま届く」感覚に近いという。

管理栄養士が栄養計算した一週間分のメニューが半自動的に届くので、ユーザはメニューを選ぶ手間さえない。現在は共働きがいて子供がいる世帯、つまり、仕事に忙しいが食事の手間は避けられない都内23区のユーザを中心にサービスを提供している。現在、調理をするキッチンは池尻大橋(東京・目黒)、文京、赤坂見附(東京・港)の3拠点だが、同社は近く清澄(東京・江東)にも大型キッチン設備をオープンし、隣接する千葉県市川市や浦安市にもサービスエリアを広げる計画だ。

via PR TIMES

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引き出物宅配から生まれた新サービス、従業員同士でギフトを送り合う新体験「SELECTS for Business」とは

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元々は「Gift Kitchen」、一昨年には「POSTAL」という新形式のギフト EC サービスを発表していた LEMO だが、今月10日、新たなサービスを立ち上げた。カタログギフトの法人向けソリューション「SELECTS for Business」がそれだ。主に、企業の従業員同士のコミュニケーションに主眼を置いた、福利厚生サービスをターゲットにしている。 POSTAL は平均前月比1.5倍とい…

「SELECTS for Business」
Image credit: Lemo

元々は「Gift Kitchen」一昨年には「POSTAL」という新形式のギフト EC サービスを発表していた LEMO だが、今月10日、新たなサービスを立ち上げた。カタログギフトの法人向けソリューション「SELECTS for Business」がそれだ。主に、企業の従業員同士のコミュニケーションに主眼を置いた、福利厚生サービスをターゲットにしている。

POSTAL は平均前月比1.5倍というペースで好成長を続けていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により需要激減。引き出物需要を狙った POSTAL は、理論上、ウェディングが無くなってもオンラインで完結できるサービスなのだが、そこはやはり、ウェディングそのものの需要減の影響を避けることはできず、売上が従来の95%にまで減少したという。

最近では新型コロナ対策の浸透と共に、ウェディングの開催頻度は昨年の最悪の時期を脱して以前の半分程度にまで回復しているが、感染対策のための少人数化で招待人数が半分程度に抑えられており、引き出物市場の経済も半分程度に落ち込んだままだ。そんな中、LEMO の元には個人向けに設計した POSTAL に対し、法人でも利用できないか、という問い合わせが寄せられるようになった。

企業では社員同士のコミュニケーション円滑化のため、福利厚生の一環として社員旅行やイベントを開催するための予算を計上しているが、新型コロナ対策でキャンセルまたは延期を余儀なくされるようになった。代わりの企画として、贈り物を送り合うことで、テレワークに疲れた社員らの会社や社員同士のエンゲージメントを高められないか、と考えるようになったわけだ。

このような企業では以前、予算を使って図書カードを送るアイデアもあったようだが、図書カードは自由度が高いものの、会社や社員同士のエンゲージメントを高めることには寄与しづらい。オリジナルのカタログギフトを使うことができれば、社員らは自分のいいと思うもの、出身地の名産品などを送り合うことで、互いを知るためのきっかけ作りに良いキッカケ、話題の糸口になるかもしれない。

コロナ禍にもかかわらず、昨年はギフトモールがジャフコから15億円調達、「TANP」を運営する Gracia が11億円を調達するなど、業界全体への期待は現在も大きい。自由に会えなくなったことを補完する仕組みとして、人のつながりを豊かにするためのツールとしてギフト EC への需要の高まりが期待される。

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メタバース実現へ「Thirdverse」20億円調達、國光宏尚氏が代表取締役に就任

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「ソード・オブ・ガルガンチュア」などのVRゲームを手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brandsと國光宏尚氏個人。ラウンドはシリーズAおよびBラウンドで調達した資金は約20億円。評価額…

「ソード・オブ・ガルガンチュア」などのVRゲームを手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brandsと國光宏尚氏個人。ラウンドはシリーズAおよびBラウンドで調達した資金は約20億円。評価額や払込日などの詳細は非公開。

また、これに合わせてgumi創業者で7月末に同社を退任した國光宏尚氏が代表取締役に、Microsoftのゲーム開発統括組織「Xbox Game Studios」に所属するブライアン ファーゴ氏のアドバイザー就任も伝えている。調達した資金は日米スタジオで開発を進める新作VRタイトル2本に投じられる予定。

出資したAnimoca Brandsは香港拠点のブロックチェーンゲーム企業。「The Sandbox」などのオリジナルゲームを制作するほか、Axie Infinity の生みの親であるSky Mavisや、CryptoKittie、NBA Top Shotなどの開発で知られるDapper Labsなど、複数のブロックチェーンゲーム企業に投資・提携している。5月の資金調達ラウンドで8,880万米ドルを調達しユニコーンとなっている。

Thirdverseの設立は2013年4月。旧社名はよむネコで、ゲームジャーナリストとしても活躍していた新清士氏(現在は取締役)が創業した。2016年にVR脱出ゲーム「エニグマスフィア~透明球の謎~」をリリースし、その後、VR剣闘ゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の企画・開発・運営を手がける。2017年3月にはgumiが出資をして持分法適用会社となっている。

補足追記(12時):gumiは2020年3月に子会社、gumi X studioが保有するThirdverse(当時の社名はよむネコ)の株式(161株・議決権比率で19.8%)を全て國光宏尚氏に譲渡したと公表しており、これによりThirdverseはgumiの持分法適用会社から外れている(リンク先はPDF)。譲渡額は簿価として非公開で、合わせてgumiが保有する「ソード・オブ・ガルガンチュア」に係る特許権及び商標権等をThirdverseに500万円で譲渡したことも開示している。

補足ここまで。

2020年に社名をThirdverseに変更し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにて『どこでもいっしょ』シリーズのプロデューサーを務めた伴哲氏が取締役COOに就任している。

社名のThirdverseは自宅や学校・職場と異なる自分らしい時間を過ごすことができる第三の仮想世界を示す。國光氏はブログの中で、メタバースの実現に向け、まずはVRゲームにおいて世界的なヒットを目指すとしている。メタバースの開発はFacebookが開発を進める「Facebook Horizon」や、Epic Gamesが展開するフォートナイトなどがある。

本誌では今回、gumiに続いて國光氏とタッグを組むことになった本間氏との対談も掲載する。

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AI先生「atama plus」51億円調達の衝撃、世界戦に向けグローバル機関投資家が出資

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ニュースサマリ:学習塾向けAI教材「atama+(アタマプラス)」を展開するatama plusは21日、シリーズBラウンドでの増資を公表する。調達した資金は約51億円で、出資したのは既存投資家のDCMベンチャーズ、ジャフコ グループ、新規投資家としてテマセク・ホール ディングス傘下のPavilion Capital、米資産運用のT. Rowe Priceなどが参加した。評価額などの詳細は非公開で…

atama plusチームは250名体制を目指す

ニュースサマリ:学習塾向けAI教材「atama+(アタマプラス)」を展開するatama plusは21日、シリーズBラウンドでの増資を公表する。調達した資金は約51億円で、出資したのは既存投資家のDCMベンチャーズ、ジャフコ グループ、新規投資家としてテマセク・ホール ディングス傘下のPavilion Capital、米資産運用のT. Rowe Priceなどが参加した。評価額などの詳細は非公開で、同社の増資額は2017年4月の創業から累計で82億円となる。

atama+はAIを活用した教材で、基礎学力の習得にかかる時間を大幅に短縮できる。学習時につまづきの元となる箇所を個別に発見してくれるティーチング部分をシステムに任せ、つまづくタイミングを先生に教えることで的確なコーチングも実現しているのが特徴。高い学習効果が見込めることから導入が相次ぎ、駿台グループやZ会グループなど2500以上の教室で利用されている。

また、昨年7月からはオンライン模試の提供や、12月には立命館と共同でatama+の学習データを入試に繋げる研究会も発足させるなど、応用の幅を広げている。調達した資金で現在、160名ほどの体制を250名規模にまで引き上げ、事業拡大を狙う。

話題のポイント:創業からたった4年でここまで大きく景色を変えてしまったスタートアップはどうでしょう、メルカリ以来じゃないでしょうか。ポイントは投資家の顔ぶれと、彼らがこれから戦うであろう、ものすごく強いプレーヤーのインパクトです。AI先生の凄さや彼らを最強のチームにしたカルチャー投資については過去記事をぜひご覧ください。

海外機関投資家が投資するワケ

さて、まず今回投資をした顔ぶれから。シンガポールの政府系ファンドのテマセクや米資産運用のT. Rowe Priceですが、まず、日本国内のプライベート企業(上場前)に出資するケースはレアで、これまでにあったのはスタディストやSUPERSTUDIO(共にPavilion Capital )、freeeやSansan(こちらはT. Rowe Price)など数件が記録されています。

2021年の海外(主に米国中心)投資はこちらの記事にある通り、上半期だけで2,880億ドル(約31.7兆円)が投資されており、前年同時期の1,100億ドルを大きく更新するモンスター市場です。テマセク(今回出資したPavilion Capitalはこのグループ)はこの中にあって2021年上半期だけで47社に投資しており(トップはTigar Global Managementの144社)、T. Rowe Priceの出資額は50億ドル(5,500億円)に上ります。

繰り返します、2021年上半期だけです。

では、彼らはなぜこれまで日本のスタートアップにあまり目を向けなかったのでしょうか。これは別件で別の国内投資家と意見交換した際の話ですが、やはりどうしても国内案件については市場規模に引っ張られる部分があるそうです。彼らの評価はシンプルに時価総額なので、アップサイドはApple(今日時点の時価総額が2.4兆ドル)になります。

一方、世界でユニコーンと呼ばれる10億ドル規模のプライベート・カンパニーは900社を超えており(半数は米国)、その予備軍が次のAppleを目指して投資家と二人三脚しているわけです。世界戦を戦えない限り彼らが出資することは考えにくく、逆に言えば稲田さんたちは「世界戦を戦い抜ける」と判断されたとも言えます。実際、稲田さんも今回の出資の顔ぶれに海外機関投資家を入れた理由として、海外におけるIPOを視野に入れたものとしていました。

世界トッププレーヤーとの戦い

インドBYJU’sの評価額は1.8兆円

ではこれから稲田さんたちはどのようにステップし、世界戦で誰と戦うことになるのでしょうか。

稲田さんによると世界の教育市場は420兆円の試算があり、国内は25兆円、そこから塾・予備校のところまで落とし込むと1兆円程度になるそうです。矢野経済研究所の調査結果(2019年予測)にも塾や予備校に加え、語学学習や社会人資格などを入れた市場で約2.8兆円という試算があり、売上規模で約4,500億円ほどのベネッセがこの業界トップで、その他はおおよそ数百億円規模の売上事業者が全国に散らばっている、という状況になっています。

一方の世界戦で教育市場のユニコーンはこちらのリストにある通り、アジア勢の躍進が目立っています。特にトップを走るインドBYJU’s(評価額165億ドル・1.8兆円)と、中国のYuanfudao(評価額155億ドル・1.7兆円)は明確にatama plusが世界戦で戦う相手になります(2017年創業でatama plusと同級生)。ちなみに国内最大手のベネッセの評価額は2700億円(記事執筆時点)ほどです。

稲田さんたちの考えるファーストステップはまず、国内の塾・予備校(約5万教室ほど)を中心に導入を進め、確実なトッププレーヤーの位置を取りつつ、並行して現在進めているオンライン模試や立命館との共同事業など、塾・予備校の教材以外にも事業を拡大していくというものです。元々、atama+にはオンボーディングに時間がかかるという課題がありましたが、現在はスリム化が進み、塾・予備校への導入は以前に比べてスムーズになっているという話でした。

稲田さんの分析では中国やインドの教育市場はまだ途上にあり、教材の質というよりは、そもそも教育自体を提供することに課題があるそうです。大きく膨れ上がっている評価額もマーケティング中心に成長を加速させるパワープレイが要因で、プロダクトの質という点では十分に勝てるとお話されていました。

青柳さん参加の意味

左=メルペイ代表取締役CEO 青柳直樹氏、右=atama plus代表取締役CEO 稲田大輔氏

今回の調達に先立って、atama plusではメルペイ代表取締役の青柳直樹氏がアドバイザーに就任しています。この意図について稲田さんは、世界規模でスタートアップする際の戦い方を教えてもらうため、としていました。ここ10年、日本からテック・スタートアップで世界に挑んだ起業家はそこまで多くありません。

年齢も近く、かつグリーや現在のメルペイなど、大きな組織に成長させる経験を持った青柳さんの知見は、確かに今の稲田さんたちにとって非常にプラスに働くと思います。同社は今回の調達で250名規模に組織を拡大させるそうですが、稲田さんも三井物産での教育事業経験があるとは言え、スタートアップは初めてです。そのあたりは素直にこれから起こるであろう成長痛を事前に知って対応したいとされていました。

atama plusが実施した海外機関投資家からの増資は金額もさることながら、日本からグローバルへという国内スタートアップの悲願に近いケーススタディになる可能性を秘めています。そういった視点からも彼らの展開には注目していきたいと思います。

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スマホで買える海外旅行D2C「令和トラベル」、シードで22.5億円の大型調達

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ニュースサマリ:デジタル旅行代理店の令和トラベルは6月28日、ジャフコおよびANRIをリードとする第三者割当増資の実施を公表した。ラウンドはシードで、調達した金額は22億5,000万円。ラウンドに参加したのはリード2社の他にグローバル・ブレイン、千葉道場ファンド、アカツキ、個人投資家として重松路威氏、竹内真氏、本田圭佑氏、西川順氏、高橋祥子氏、染原友博氏の6名(※)。サービスの夏公開に向けて体制の…

ニュースサマリ:デジタル旅行代理店の令和トラベルは6月28日、ジャフコおよびANRIをリードとする第三者割当増資の実施を公表した。ラウンドはシードで、調達した金額は22億5,000万円。ラウンドに参加したのはリード2社の他にグローバル・ブレイン、千葉道場ファンド、アカツキ、個人投資家として重松路威氏、竹内真氏、本田圭佑氏、西川順氏、高橋祥子氏、染原友博氏の6名(※)。サービスの夏公開に向けて体制の強化を進める。同社は同時にティザーサイトをオープンし、優先登録の受付も開始している。

※補足:記事初出時に染原氏の氏名が抜けておりましたので追記させていただきました。

令和トラベルの創業は2021年4月。海外旅行のデジタル旅行代理店として第一種旅行業免許を取得し、自社サービス開始に先駆けてLINEコンシェルジュによる航空券・ホテルの手配を開始している。創業者の篠塚孝哉氏はリクルート出身の37歳。2013年に創業したLoco Partnersで宿泊予約サイト「Relux」を立ち上げ、2017年にKDDIへ売却、連結子会社化した連続起業家。2020年に同社代表取締役を退任した後、個人投資活動やご当地グルメのコマース「TASTE LOCAL」などを運営していた。

令和トラベルでは今回の発表に合わせ、ニューラルポケットの重松路威氏を社外取締役、染原友博氏を非常勤の監査役、ビジョナル取締役CTOの竹内真氏を技術顧問に招聘したことも伝えている。

話題のポイント:Reluxの篠塚さんが令和トラベルを創業したのが今年頭。リクルート時代のじゃらん、宿泊予約のReluxときて今回はデジタル時代の旅行代理店なので旅行業界ど真ん中といったところでしょうか。連続起業家ということもありますが、22.5億円をシードで集めたのは少なくとも非ハード系のテック・スタートアップとしてはここ10年で聞いたことがありません。篠塚さんは当初から10億円規模で集める予定だったそうで、主な目的は向こう3、4年の間、代表として資本政策ではなくプロダクトに集中したいからという説明でした。篠塚さんの考え方はYouTubeでも発信されています。

出資した投資陣も国内トップクラスが並びました。きっかけは今年2月頃にジャフコの三好啓介さんから何気なく連絡があったからという流れだったそうですが、ANRIやグローバル・ブレイン、千葉道場など過去に篠塚さんと出資などの関係があった投資家陣がここに集結していったようです。

プロダクトなしのシードでこのハイバリューですから理屈というよりは信頼関係によるところもあるとは思いますが、篠塚さんがnoteに書いている通り向こう10年での旅行業界・市場の戻り方が奇跡的であろうことは間違いなさそうで、やはり機を見たということなのでしょう。大きなパラダイムのシフトに賭けるのが起業家と投資家の仕事であることを考えると必然です。サイトで示している通り同社は5年で1,000億円規模の評価額での上場を目指すそうです。

スマホで買える海外旅行D2C

さて、大切なのは何をやるのか、です。

篠塚さんのお話から想像すると、イメージに一番近いのはスマホで買えるオリジナル海外旅行、という感じでしょうか。今回、残念ながら現在開発中のサービスについては、まだ詳細は非公開ということになりましたが、彼らが狙っているのは海外ツアーパッケージの市場です。旅行業界は現在大打撃を受けていますが、海外旅行の市場は全体で4.4兆円と試算しており、その内、半数がBooking.comに代表されるOTA(オンライントラベルエージェンシー)、残り半分がツアーパッケージになるそうです。

いや、スマホでパッケージツアーとか今でも買えるしと思われた方は、確かにそうかもしれませんが「買える」と「気持ちよく買える」には大きな違いがあります。過去にもフリマアプリが出てきた時「いや、ヤフオクあるし!」と一蹴した人がいたのは記憶にありますが、体験をどのようにデザインしてくるかには注目しています。また彼らがデジタル旅行代理店として自社でパッケージツアーを企画し、自社アプリを使って直接ユーザーにデリバリするという意味ではD2Cとも言えます。同じく旅行業界でもある「NOT A HOTEL」はスマホで買える家、だったのでイメージは近いかもしれません。

令和トラベルは新しい旅行体験を提供する

ツアーパッケージはJTBやHISでお馴染みの旅券やホテル、現地でのツアーがセットになったものです。旅行代理店の店頭にチラシのラックがずらりと並んでいるのを見たことがあると思いますが、確かにお世辞にもデジタル化は進んでいるとは言いづらい状況のようです。特に篠塚さんが指摘していたのはそのサプライ・バリューチェーンに潜んでいる非効率性です。通常、代理店側で組んだ旅行企画には、それらを実際に手配するランドオペレーターやホールセラーという「仲卸」的なプレーヤーがいるのですが、ホテルなどとのやり取りにはPDFや場合によってFAXなどがまだまだ残っている業界になるそうです。

令和トラベルは自身が旅行代理店として海外ツアーを企画、こういったホールセラーなどの事業者と連携してパッケージを組みますから、その非効率が自分ゴトとしてわかります。顧客に対してデリバリするスマホアプリやウェブの使い勝手は当然ながら、この裏側をデジタル化することでもう一つのビジネスを仕掛けようとしているのがポイントになるわけです。ちなみに自社で事業として業界デジタル化に取り組む例はLayerXのスタイルがあります。彼らはアセットマネジメントの会社を合弁で作り、そこの業務を実際に回すことで現在、請求書受取の効率化SaaS「LayerXインボイス」をサービスとして展開するようになりました。

篠塚さんの当面の戦略はとにかくプロダクトを磨き込んでカスタマーバリューを高める作戦だそうです。開発中のアプリ画面を見せてもらった印象では、どうしてもエクスペディアなどのOTAと被って見える部分もあるのですが、実際に使ってみないと体験はなかなか分かりません。例えばこれから予想されるワクチンの接種証明などはアプリひとつで提示できた方が当然ラクです。スマホひとつで海外ツアーが気軽にできるかどうかは、アプリだけでなく前述のバリューチェーンにも関わる部分で、全ての工程をどこまでデジタル化できるかどうかが大きな鍵になりそうです。

旅行業界に精通した連続起業家がどのような体験を提供してくれるのか、大いに期待してプロダクトの公開を待ちたいと思います。

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