AI活用の創薬支援プラットフォーム提供MOLCURE、シリーズCで8億円を調達——グローバルでの営業展開を強化

SHARE:
Image credit: Molcure

AI を活用した新薬開発支援プラットフォームを開発・提供する MOLCURE は18日、シリーズ C ラウンドで8億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターはジャフコグループ(東証:8595)が務め、STRIVE 、SBI インベストメント、日本郵政キャピタル、GMO ベンチャーパートナーズ、日本ケミファ(東証:4539)が参加した。GMO ベンチャーパートナーズと日本ケミファは、同社が2018年3月に実施したシリーズ B ラウンドに続くフォローオン。

MOLCURE は2013年、慶応義塾大学で科学者になるべく学んでいた小川隆氏が、がんによる父の他界をきっかけに、新薬創製のためのプラットフォーム構築を目指して創業。次世代シーケンシング、バイオインフォマティクス、抗体工学を駆使した高機能抗体医薬品開発プラットフォーム「Abtracer」を開発した。従来法が持つ固有バイアスを排除し、これまで得る事が難しかった高機能抗体を創出し、革新的な抗体の医薬品開発を支援する。

以前 BRIDGE が開催協力した社会起業をテーマにしたスタートアップイベントで、小川氏は MOLCURE 設立の背景を次のように語っていた。

世界的な製薬会社でも、成功するのは20件に1件程度。残りの赤字を成功プロジェクトで回収しなければならない。MOLCURE は、成功するはずだったプロジェクトの取りこぼしを見つけ、成功率を上げるお手伝いをしている。(小川氏)

実際のところ、世界的医薬大手イーライリリーが発表したデータによれば、創薬に着手して、実際に薬として販売に漕ぎ着けれた事例は、24件に1件の割合だ。

Image credit: Molcure

MOLCURE が強みとする分子設計医薬品技術は、創薬プロセス全体における最初のフェーズで、〝アタリ〟をつけるのに肝となる部分であり、ここの精度如何で創薬成功の可能性は大きく左右される。今回出資参加した日本ケミファ、アメリカの Twist Bioscience(NASDAQ:TWST)を含め7社の10プロジェクト(つなり、10の創薬ライン)に採用されているが、同社ではこの数を50〜100社以上の製薬会社やバイオテック企業に使ってもらいと考えている。

MOLCURE のチームは役員を含め25名程度で構成されているが、小川氏を筆頭にほぼ全員がサイエンティストだ。これまでは役員を中心としたトップ営業で契約を獲得してきたが、今回調達した資金を使って営業体制を拡大する計画だ。製薬会社でベンチャーなどとの協業を担当した経験者(大企業の社内力学が理解できる人)、スタートアップの感覚を理解できる経験者などが理想的だという。とかく情報が開示されにくい創薬業界だが、今後は共同開発に力を入れ、マーケティングも積極的に展開していきたいとした。

創薬業界で、パソコンでいう「インテル、入ってる」のような存在になりたい。つまり、MOLCURE の AI を使った分子設計もとに創薬を始めると、最終的にその創薬成功するよね、と。「MOLCURE、入ってる」で、本当に成功率が高くなるんです、と。(小川氏)

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録