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「これがゲームとインターネットの未来」ーー2000万ドルを獲得したThirdverse、國光宏尚氏がCEOに(2/2)

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会社を分けた理由 (前回からのつづき)國光氏は上場企業であるgumiがThirdverseの VR事業を子会社として続けることは、投資家の利益を考える上でもなかなか難しかったと振り返る。というのも、VR事業の成長には長い時間が必要なので、上場企業の投資家を気にせずにリスクを取ることができる、独立した民間企業として分離した方が何かとよいのだという。 「2015年からVRをやっていたのですがようやく今…

会社を分けた理由

(前回からのつづき)國光氏は上場企業であるgumiがThirdverseの VR事業を子会社として続けることは、投資家の利益を考える上でもなかなか難しかったと振り返る。というのも、VR事業の成長には長い時間が必要なので、上場企業の投資家を気にせずにリスクを取ることができる、独立した民間企業として分離した方が何かとよいのだという。

「2015年からVRをやっていたのですがようやく今、成長に手応えを感じています。この新しい挑戦に全力を注ぎたいと思いました」。

彼は2015年、2016年とひとつずつ年を数え、7年目にしてようやく事業成長しはじめたと語る。特に彼は昨年秋にデビューしたFacebookのワイヤレスVRヘッドセット「Oculus Quest 2」が300ドルという低価格でスタートしたことを高く評価している。その後『Sword of Gargantua』の売上が再び伸び始めたのだ。

NFTとブロックチェーン

Above: My Crypto Heroes
Image Credit: Gumi

國光氏はThirdverseに加えて、Gumi Cryptosというベンチャーファンドを通じてブロックチェーンゲームに投資している。Gumi Cryptosは暗号資産ゲームと、透明性が担保されたブロックチェーン台帳を利用し、デジタルアイテムの唯一無二を保証するノンファンジブル・トークン(NFT)事業への投資に特化したファンドだ。

NFTはゲームアイテムの希少性を認証することで、より高い価格での販売を可能にしてくれるため、ゲーム収益化の新たな手段となる。

またNFTはプレイヤーがアバターやその他のアイテムをあるゲームから別のゲームに移動させることを可能にしてくれる。これはメタバースの鍵となるものだ。國光氏はNFTがゲームの報酬として提供されることで、ゲームユーザーがゲームで稼ぐことができる(プレイ・トゥ・アーン)世界を期待しているのだ。

彼は度あるごとに「ゲームは時間の無駄だ」とプレイする親に言われ続けてきた。確かにゲームでお金を稼ぐ子供もいるにはいるが、eSportsの壁は高くて厚い。eSportゲームでお金を稼ぐチャンスは、野球選手やサッカー選手になるのと同じくらい難しいのだ。

しかし、だ。このNFTを使えば、ゲーム会社は仮想世界の中に現実の経済を作ることができる。より多くの人がゲームで生計を立てられるようになる可能性があるのだと彼は力説する。國光氏はブロックチェーンスタートアップ「Financie(フィナンシェ)」を立ち上げたほか、大ヒットしたブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」を制作したDouble Jump.Tokyoの主要な投資家であり、ボードメンバーでもある。

ビジョン

Above: Swords of Gargantua has expansions. Image Credit: Thirdverse

國光氏はThirdverseが現在、2つのVRゲームを開発中であり、今回の投資金を使ってゲームを市場に投入する計画だと語っていた。ゲームプレイでは、VR環境下でのマルチプレイを予定しているそうだ。

VRとNFTの組み合わせは、メタバースの未来だ。彼はそうビジョンを語る。

このThirdverseのビジョンは昔から変わっていないという。家庭や職場に加えてメタバース上に第三の居場所を作り、人々が楽しめるようにすることだ。そしてそれを実現するためにも、大ヒットするゲームを作らなければならない、彼はそう語っていた。

「これがゲームとインターネットの未来なんだ。この瞬間にものすごく興奮している」。

彼はモバイルゲームがようやく軌道に乗ってきたgumi立ち上げの頃にThirdverseの姿を重ねる。メタバースにはゲームとソーシャルネットワークが含まれると考えている。Facebookがメタバースに投資することに対して興奮を抑えられないとしつつ、そのビジョンのある部分は非常に異なっていると考えているようだ。というのも、Facebookは実在の人物を必要とするからだ。彼はメタバース上では自分自身ではなく、もう一人の自分を創造したいのだという。彼はこう未来を語った。

「私がなりたいのは自分ではない、別の何かなのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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上場企業からスタートアップへ戻るーー2000万ドルを獲得したThirdverse、國光宏尚氏がCEOに(1/2)

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Thirdverseは2,000万ドルを調達し、gumiの創業者である國光宏尚氏をCEOに指名した。彼はモバイルゲームを卒業し、バーチャルリアリティとメタバースの世界へと旅立つ。 モバイルゲームで一時代を築き、現在はVRに大きく賭けているシリアル・アントレプレナーにとってこれは大きな一手と言えるだろう。彼は日本の起業家であり、ゲームと共に人生を過ごしたCEOだ。 Thirdverse社は、『Swo…

Thirdverseは2,000万ドルを調達し、gumiの創業者である國光宏尚氏をCEOに指名した。彼はモバイルゲームを卒業し、バーチャルリアリティとメタバースの世界へと旅立つ。

モバイルゲームで一時代を築き、現在はVRに大きく賭けているシリアル・アントレプレナーにとってこれは大きな一手と言えるだろう。彼は日本の起業家であり、ゲームと共に人生を過ごしたCEOだ。

Thirdverse社は、『Sword of Gargantua(ソードオブガルガンチュア)』などのバーチャルリアリティゲームを開発する企業で、國光宏尚氏は、VRとメタバースを次の壮大なエンターテインメントプラットフォームとして確立することを目指している。

彼は2007年にgumiを設立し、日本におけるモバイルゲームの先駆者の1人となった。東京を拠点とするこのモバイルゲーム会社は「ブレイブ フロンティア」などのゲームを開発している。2014年には同社代表としてgumiを上場させ、2020年にはThirdverse(※訳者註:旧社名は「よむネコ」で設立は2013年、2020年に社名を変更している)を共同設立し、Virtual Reality Fund、gumi Cryptos Capital、そして東京、ソウル、ヘルシンキにあるいくつかのVRインキュベーターも立ち上げた。

國光氏は、gumiでのすべての役割(最近では会長)を後にし、共同設立者の新清士氏、伴哲氏、大野木勝氏らとともにThirdverseに専念することにした。VR、ゲーム、ブロックチェーンなどの技術が、『スノウ・クラッシュ』『レディ・プレイヤー・ワン』などの小説、『ソードアート・オンライン』といった日本のアニメに登場するような、仮想世界が相互に結びついたもう一つの世界「メタバース」へと誘うと確信したからだ。

彼はこれまでに培ったゲーム、VR、ブロックチェーン、グローバルビジネスへの展開などの経験を活かし、Thirdverseの成長を加速させるという。筆者は國光氏に本誌イベント「GamesBeat Summit」でインタビューを実施している。2021年1月のイベント「Into the Metaverse」では、アニメ『ソードアート・オンライン』のストーリーに触発され『レディ・プレイヤー・ワン』で想定されているようなメタバースを考えるようになったと振り返っていた。

Thirdverseへの投資

JAFCOグループがThirdverseへの投資ラウンドをリードし、Presence Capital、Sisu Ventures、Incubate Fund(インキュベイトファンド)、Animoca Brandsがこのラウンドに参加した。また、ゲームプロデューサーであり、inXile Entertainmentの創業者であるBrian Fargo氏がThirdverseのアドバイザリーボードに参加している。

かつて筆者のために『Swords of Gargantua』の初期バージョンをデモしてくれた大野木氏は、「グローバルなビジネスを拡大し、メタバースを創造するというミッションを達成するため、國光氏がCEOとして参加することを嬉しく思います」とコメントしている。

JAFCOグループのパートナーである北澤智武氏は、彼の経験とVRの未来に対する鋭いビジョンが、Thirdverseへの投資を決めた理由のひとつと語る。また、Animoca Brandsの会長であるYat Siu氏は、同社がゲーム配信やグローバル展開を拡大していく上で、國光氏の存在は非常に重要であるとコメントしている。

上場企業からスタートアップへ

Thirdverseは60人、一方のgumiは730人以上の規模だ。大手上場企業であるgumiからスタートアップに乗り換えるのはリスキーなことではないだろうか?

しかし、國光氏それを楽しみにしているという。

彼によるとThirdverseは、ゲーム、VR、ブロックチェーンにまたがるワールドクラスの技術開発・パブリッシャーチームを結成しているそうだ。今回のAnimoca Brandsからの追加出資により、同社はメタバースの複数年にわたるビジョンも推進していくという。國光氏は、昨年、Thirdverseの保有株式や商標権などをgumiの子会社から買い取ることで、CEO交代に備えたそうだ。交代について彼はこう説明する。

「gumiから完全に卒業し日常業務に関わることはありません。gumiに大きな問題はなくなったので、私はThridverseに集中することにしました。VRとブロックチェーンは私にとって新たなステージとなったのです」。

なお、同社のCEOにはこれまでCFOを務めてくれていた川本寛之氏が就任している。

次につづく:「これがゲームとインターネットの未来なんだ」ーー2000万ドルを獲得したThirdverse、國光宏尚氏がCEOに(2/2)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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モンスター起業家を育てる/Thirdverse 國光×本間対談(3/3)

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Thirdverseという新しいスタートラインに立った起業家と投資家。話の終盤、投資家は8年前に自身が語った「モンスター起業家」について口を開く。世界で突き抜ける名だたるアントレプレナーは何が違うのか。起業家のプライベート結果も語った対談の最終回。(聞き手は筆者、お話はThirdverse代表取締役の國光宏尚氏、インキュベイトファンドの本間真彦氏、敬称は略させていただきました) オールインでも届か…

Thirdverseという新しいスタートラインに立った起業家と投資家。話の終盤、投資家は8年前に自身が語った「モンスター起業家」について口を開く。世界で突き抜ける名だたるアントレプレナーは何が違うのか。起業家のプライベート結果も語った対談の最終回。(聞き手は筆者、お話はThirdverse代表取締役の國光宏尚氏、インキュベイトファンドの本間真彦氏、敬称は略させていただきました)

モンスター起業家

平野:そろそろ終盤ですが、前回の対談で本間さんは「起業家を育てるっていうより、モンスターを育てる感覚」と言われてました。國光さんは・・モンスターですか?

本間:これホントにホントにやらなきゃダメだなって強く思いました。っていうのはさっきの40倍、80倍の勝負はマグニチュードの勝負だって話をしたと思うんですけど、結局、やることとか題材とかタイミングとかって僕も國光さんもみんなそんなに間違ってないはずで、ただ、やる深さとか飛ぶ飛距離が違うんですよね。

そうするとやっぱり大谷翔平さんみたいなもんじゃないの?と。1人、ああいう人が生まれればやり方が概念的に全然違うのかも?と思うんですよ。日本の社会って、大谷さんみたいに何か大きな事例がドーンと出てきた時にみんなの意見がガラリと変わる気がします

1個の理想の実例をみて、あ、そうかも!って思うこと、よくあるじゃないですか。となると、法制度とか手法ももちろんあるんだけど、事例が1コだけあればいいのかなって。その事例の飛距離がまだ足りないっていうことなんだけど、そういうことをやれそうな人間がまさにモンスターなんだと思う。

國光さんと今回まだやらせてもらうのも、やっぱりシリアルはその可能性は常に高いから。

で、8年前と思ってることは変わんないんだけど、お前この8年間、本気で世界で勝てるようなモンスターの支援をやったんか?って言われると、頑張ってたけどまだまだだなって(苦笑。

國光:反省で言うとね、この8年間で思ったようなところまで行けなかった結果、日本が内向き、内向きに向かってほとんどが国内でしか勝負しない。VCもそこにしか投資しない。

本間:内向き感は若干、強まったかもしれないね。

國光:最初からグローバルで勝つことを前提にした体制やスタートアップを作らないと勝てない。ユニコーンが限界。向こうはそれこそユニコーンがポニー化してる。

本間:今年の前半で150匹生まれてる。

國光:VR FundとCryptosは投資先が向こうじゃない?ユニコーン、数えたら10匹いるのよ。

平野:すごい。

國光:VR FundもCryptosもシード・アーリー・ステージなんですね。それで出資先に俺が先輩起業家として偉そうに言うわけ「これはこうした方がいいよ」とか。海外の方も似たような感じで接してるのね。で、気づけばユニコーン、デカコーンに(笑。

今はもう、アドバイスするのが恥ずかしいよね・・・。

本間:出資先にどうやったらユニコーンになれるのって逆に聞いてみたら?

起業家のプライベート

國光:投資してて思うのが、起業家とかチームとか含めてそんなに差がない。差がないけど、でも気づいたら向こうの方はユニコーンとかデカコーンになってるじゃない?それはマーケットが世界で勝負するから。

世界で勝ち切るためには重要なのってタイミング。あとは最初から世界で勝ち切るための採用だったりとか組織、体制。あとはプラットフォームとの距離感。やっぱりね、最初から日本だけでやってると絶対世界では勝てない。

本間:そこがやっぱ難しかったっていうのがこの8年の学びだね。VC業界もむちゃくちゃ変化しているからね。LPの構成なんて10年前とガラっと変わってる。同じ仕事やってても。今は海外の機関投資家とも話すことが当たり前になっている。

だからスタートアップも、マネジメントが多様化すると、外国人とか始めからDay1にいたりすると、集められる投資家の層が東京だけから一気に広がるんだよね。プライベートとパブリックをクロスオーバーで動く投資家も増えてきているから、将来的に上場後に買うような投資家のプライベートの部門がスタートアップの投資を検討していたりして。

するとパブリックとプライベートの垣根も低くなってきてるし国内外の投資家ももっと機動的に集められるようになってきてるから、日本のスタートアップの作り方の多様性は前より全然ダイナミズムが増してる。

平野:じゃあ今度はNasdaqの方で上場考えるとかあるんですか?

國光:それは全然ありえるよね。

平野:海外の機関投資家クラスが国内案件に直接投資するケースも増えてきましたけど、そこまでは広がらないですよね。

國光:何の差なんだろうね?

本間:これはもうマーケットの差。例えば、向こうもインキュベイトファンドや投資先をダメだと見てるわけじゃなくて、成長しているインド市場なら、インキュベイトファンドの投資先に一緒に投資するわけ。

國光:なんでこっちに直接投資しないんだろうね?

本間:日本というマーケットになかなかイエスと言ってくれない。例えば、日本のスタートアップだけど実は北米の売上が8割あるんだよねって言ったら、もっと投資する可能性はあがると思う。

國光:プラットフォームというかエコシステムがグローバルでのエコシステムの中に入っていかないと、そこは次の課題ですね。

本間:海外の機関投資家やVCの期待値は、まさにアニメとかゲームとか宇宙とか、日本は技術があったりするので、日本特有の技術とかコンテンツも含めたサービスがもっとまだまだあるでしょうと。だって、なんだか分かんないけどアニメがこんなにいろいろ出てくるのって日本だけだし、ゲーム会社がこんなにあるのも日本だけだし、国の規模とは関係なく、産業やビジネスの機会としてそういうことをちゃんと作れる人がいるということは認識されてるよね。

日本の技術やスタートアップを放っとくとなかなかグローバルに出てこないもんだから、彼らもそれを探しにきています

平野:さて、対談も終わりの時間です。國光さん8年間を振り返って一言お願いします。

國光:起業家のプライベートについて、最後に。前回の時から、僕も、本間さんとこも山田さんも結婚して幸せな家庭を持つことができました (笑。

本間:よかったね(笑。

國光:なんだかんだで、起業と家庭は両立する。

平野:

國光:ということで8年前の俺に。國光家も本間家も山田家も、みんな幸せになりました。

一同:よかった(一同拍手)

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世界と戦うチーム/Thirdverse 國光×本間対談(2/3)

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Thirdverseという新しいスタートラインに立った起業家と投資家。8年前に対談した内容を振り返りつつ、二人はそこに何が足りなかったのかを語り合った。(聞き手は筆者、お話はThirdverse代表取締役の國光宏尚氏、インキュベイトファンドの本間真彦氏、敬称は略させていただきました) オールインでも届かなかった世界戦/Thirdverse 國光×本間対談(1/3) 世界と戦うチーム/Thirdve…

Thirdverseという新しいスタートラインに立った起業家と投資家。8年前に対談した内容を振り返りつつ、二人はそこに何が足りなかったのかを語り合った。(聞き手は筆者、お話はThirdverse代表取締役の國光宏尚氏、インキュベイトファンドの本間真彦氏、敬称は略させていただきました)

世界で勝てなかった理由

本間:オールインって、世界中、起業家がやってることってそんなに変わんないんだよね、みんな。ロケット飛ばしてるしクリプトもやってるし、ゲームもVRもやってるわけ。違うのは、事業の大きさのマグニチュードだけであって、そこが一番モヤモヤとするところだよね。お互い年齢も離れてない。

彼らは偉人ではあるけど、歴史上の人でもなく現世を生きていて。内容もみんなスマホ、クラウド、AIとか同じことをやってて。ただその結果が50倍100倍違うと言われちゃうと、なんかね・・・なんなんでしょうね?

國光:シンプルにグローバルで勝てるか勝てないかっていうのがデカいんだけど、なんで届かなかったのか。

当時からgumiの戦略ってシンプルで、一つめは日本で作って日本でヒットさせる。二つめは日本で作ったコンテンツを世界にいる「日本好き」に届ける。三つめが地産地消。海外で作って海外で売る。

最初の二つはそれなりに成果が残こせたんですけど、最後が全滅なんですね。なぜ海外で勝ちきれなかったのかと考えたときに、大きな理由が三つあると思う。一つめは、スマホシフトが遅れた。当時、グリーやモバゲーの売り上げがめちゃくちゃ多かったから、ネイティブに移行するのが遅れた。一時期、僕はHTML5の貴公子って呼ばれてましたからね。

本間:ザッカーバーグも10年前はHTML5が来るとカンファレンスで言ってたよ(笑。

國光:ザッカーバーグと俺だけがそう言ってた(笑。

本間:10年たっても、まだ来てないけどね!いつ貴公子の時代が来るの?

國光:ザックも俺も、間違いから学ぶのが早い。ザックはあの時ヤバいと思ってインスタを買ったじゃないですか。うちはエイリムを買った。ほぼ一緒。

本間:あぁ、なるほど。戦略が一緒。

國光:二つめに、すごく感じたのがやっぱりプラットフォーマーとの関係性が遠い。

本間:これはあるね。日本勢がキツいのは、デジタルのプラットフォームが全部アメリカの会社に変わっちゃって、非常にやりにくくなってるよね。

國光:プラットフォームとの距離感はけっこう大きな課題。三つめは、採用はめっちゃがんばったけど、本当の意味でS級人材を採用できなかった。この三つが大きな課題。Thirdverseではこの辺を大きく変えてみたいなと。

平野:今回はプラットフォーム自体も自分たちの近いところにいるし、海外も人材がいるし、絶対勝てる、と。

國光:6年間助走しましたからね!準備運動ももう万端、かなり温まってる。

コロナ禍で進んだ自律分散型のチームづくり

國光:世界に届こうと思うと「ここ」ってタイミングで参入せえへんかったらチャンスもないから。投資先の(NFTマーケットプレイスの)OpenSeaとかすごいよ。

だって日本がようやくちらほらと「NFTマーケットプレイス」と言ってる段階で、2月に20億円調達して今回さらに100億円追加調達。評価額は1600億円。こんなの日本が「今からやります」とか言っても、ね。しかも去年の10月まで従業員4人よ。

本間:グローバルとか世界ってなんだって話になったときに、これからのスタートアップは、従業員、マーケット、ユーザーはどこにいるか、投資家はどこにいるかって、幅広く柔軟に考える必要がある。組織設計に必要な要素を日本だけにこだわり始めるとその後の伸ばし方がよく分かんなくなるんで、今後ゼロベースで作る設計ってそういう組織が伸びていく可能性はある。

東京からスタートしても経営陣に外国人はぜんぜんいたほうがいいし、投資家も日本からばっかり集めるんじゃなくて海外から集めてもいいかもしんない。Thirdverseは確かに日本人は多いけど、構成員も初めからいわゆるスタートアップっぽい人材ばかりじゃない。作り方がだいぶ変わってるし、今後、もっと変わると思いますね。

コロナでリモートが発展するんで。うちのUSのファンドの責任者から見せてもらったんですけど、a16z(※Andreessen Horowitz)の投資先のアンケートで、今スタートアップを作るとしたら過半数の人がリモートベースでやるって言ってるんですね。

サンフランシスコやシリコンバレーでやるとエンジニアの給料が30万ドルとか40万ドルとかする。無理でしょって話になる。リモートで働く組織だったら別にアイルランドの優秀な人でもインド人でもいいわけ。そうすると採用能力も格段に上がる。

マネージメントにインド人がいれば、アメリカからだけじゃなくてインドの投資家も集められるし。「World Is Flat」って言ってたけど、まあ、それが出てから20年ぐらい経ってようやく本当にフラットな考え方が現実的になってきてる。

國光:Thirdverseも東京チームに加え、海外チームは、ビズデブ&マーケティングはサンフランシスコ。開発はLAとウクライナ。

平野:gumiはけっこう早い段階から海外に開発拠点をいろいろ作ってたじゃないですか。失敗も成功も含めて、そこから得た学びを次のThirdverseにどう生かします?

VRゲーム『ソード・オブ・ガルガンチュア』

國光:トップクラスの人材を取れたかっていうとそうではなかったと思う。gumiが海外展開したときは既にけっこうデカかったから、たぶんメルカリとかも苦労してると思うんだけど、トップクラスの人材を海外で採用しようと思うと、ストックオプションを含めた「魅力」がすごく重要になる。評価額が上がってからだとSOの魅力が落ちる。

二つめは『ソード・オブ・ガルガンチュア』の次のゲームを開発中だけど、ここで大ヒットを出せるかがけっこう勝負。サービス自体が大ヒットしてると「あのサービス作ってるところなんだ」って感じで一気に人が来るから、初期で大ヒットを出すっていうのがすごく重要。

本間:日本で当たっちゃったが故に、日本で当たったものをどういうふうに海外へ展開するかみたいな発想になるケースもあるけど、『ソード・オブ・ガルガンチュア』はアメリカでの売り上げの方が多いわけだし、僕がやってても、これ日本人向けのゲームとはとても思えない。テイストから何からしてもね。

Day1から本当に世界市場、北米市場を狙ってるっていうところは、昔からのスタートアップの考え方とは確かに違う。特にソフトウェアやインターネット関連のスタートアップの中ではそれをまともにやったケースが日本ではまだ少ないの。

國光:やっぱり日本っぽさ、日本「臭」がどうしても入っちゃう。

本間:これがなかなか。さっきのBTSじゃないけどそういう「匂い」は消してきてるというか、そういうグローバル化する強い意志があるじゃない?

國光:日本で成功してから海外へとなると、スピードも遅くなる。テイストも世界では通用しなくなってきちゃう。

平野:コロナ禍で海外人材や遠方の人材を取りやすくなってるっていうのはこれまでとは変わったじゃないですか。その辺は追い風を感じてますか?

國光:すごく追い風。海外メンバーは誰も直接会ってないからね。全部オンラインで面談してで出来てる感じやから。

平野:一方でNetflixみたいに完全にオフィスに戻れ!って、特にクリエイティブの人たちはけっこう戻るじゃないですか?その辺は難しさを感じてませんか?

國光:表現は難しいけど、メンバーのプロフェッショナリズムの高さが高ければオンラインだけで成立するし、そうじゃなかったりするとリアルっていうのは必要になる。

本間:8年後に向けての大胆予想ですが、今のNetflixとかのやり方ってロジック的には正しいと思うんですけど、でも、Appleみたいにでっかいキャンパスみたいなオフィス作って、っていうような会社は、古くなってるんじゃないかなと思う。

今、Day1で次のGAFA作ろうって人は全く違うアングルで勝負しに行かなきゃいけないから、本当にどこにあるか分からないみたいな会社かもしれないし、それが比較的自律分散的に動いてる可能性もゼロじゃないですよね。

そしたら人材だって全部アメリカから取る必要もないし、っていう状態になっていれば、オフィス代もCAPEX(設備投資)も低くなるし、人材のプールもグローバルから採用できる会社の方がイケてるかもしれない。

國光:特にスタートアップであればあるほど初期のメンバー集めって大変やから、最初からリモートベースの方が強いよね。本間:朝から晩まで一緒に過ごすスタートアップの熱量 vs 色んな組織設計の可能性があるリモートワークってところはあるよね。10年後どうなってるのかなというのは気になる。

國光:ま、アメリカとか海外勢の方が、やっぱ慣れてるよね。

本間:そう!僕もそこがけっこう怖くて、アメリカや海外勢がそういうことが当たり前にできちゃって同じパフォーマンス出されたら、東京でしか採用できない会社なんて絶対に世界で勝ち様がない。

次につづく:モンスター起業家を育てる/Thirdverse 國光×本間対談(3/3)

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オールインでも届かなかった世界戦/Thirdverse 國光×本間対談(1/3)

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8年前、私はある起業家と投資家の対談を収録させてもらった。シード期における両者の関係は興味深く、単なる出資者と事業執行者「以上」の関わりが生まれるのではと考えたからだ。 そしてそれは実際にそうだった。ーーその二人、國光宏尚氏と本間真彦氏は創業から倒産の危機、ヒット作、そして念願だった株式公開までの時間を共にすることになった。8年前の対談で二人がずっと口にしていた言葉がある。世界戦だ。あの時の二人は…

写真左から:國光宏尚氏と本間真彦氏

8年前、私はある起業家と投資家の対談を収録させてもらった。シード期における両者の関係は興味深く、単なる出資者と事業執行者「以上」の関わりが生まれるのではと考えたからだ。

そしてそれは実際にそうだった。ーーその二人、國光宏尚氏と本間真彦氏は創業から倒産の危機、ヒット作、そして念願だった株式公開までの時間を共にすることになった。8年前の対談で二人がずっと口にしていた言葉がある。世界戦だ。あの時の二人はオールインを何度も繰り返せば必ず勝てる、絶対に勝ちきると語っていた。

しかし現実は厳しかったようだ。

そして今、彼らはまた新しいスタートラインに立とうとしている。今日、本誌でもお伝えした通り、國光宏尚氏は創業したgumiを後に、新たにThirdverseの代表として次の世界戦に向かうことを公表した。パートナーは8年前、世界制覇を約束したインキュベイト・ファンドの本間氏だ。

新たな船出の詳細はこちらの記事に譲るとして、本稿では8年ぶりの対談を3回に渡りお送りしたい。オールインを繰り返した結果、何が起こり、何が足りなかったのか。

二人はまず、8年前の振り返りから話を始めた。

全部注ぎ込んだけど届かなかった世界戦

平野:今日はスペシャル対談です。テーマは「オールイン3回やったら世界に届いたのか?」ですね。前回記事はこちらです。上場の直前ですね。

國光:ようやくネイティブシフトが多少できてきて、こっから世界を獲るぜっていうので、調子がよかったタイミングやね。

平野:ものすっごい滑舌よかったです(笑。

本間:夢があったよね、あの頃。

國光:でもオールインはこれで終わると思ってたんだろうね、8年前の彼は・・・。この後で東証一部に直接行くっていうね。

平野:マザーズ選択が多い中、東証一部への上場は衝撃的でした。

本間:当時のネイティブゲームは、そのくらいの気概を持てる状況ではあったと思います。結果はああなってしまったけれど、チャレンジとしてはよかったと思いますよ。

平野:一部に行くと國光さんから聞いたときの心境は?

本間:当時直接その話はしていないんだけども、株主も納得しないといけないわけなんで、皆そのシナリオに乗ったっていうことだと思うんですよね。

平野:で、オールイン3回やって世界に届いたんですか?

國光:世界に届いたかって話になると、あの頃はピュアにオールインを3回やったら世界に届くかなって思ってたよ。僕が退任するに当たってgumiの管理部が創業から過去の歴史をまとめてくれてたんだけど、5回つぶれかけてたね。資金ショートが5回くらい。そういう意味で、あの頃の僕たちはまぁまぁ若かった(笑。

本間:そんなに若くもない(笑。

國光:8年前の自分に贈る言葉があるとすると「宣言通りがっつりとオールインを繰り返しました」と。「とはいえ、まったく世界には届かなかったです」と。ただ、僕も山田進太郎(メルカリ創業者)も幸せな家庭を持てた(笑。これが「8年前の君へ」という手紙です。

・・ただ実際はやっぱり届かなかったね。

平野:國光さんはどういう基準で「世界」を考えてます?

國光:理想でいくと、時価総額で世界一位が分かりやすいけど。少なくともZyngaは世界一になったと思うの。「世界行ったな」って感じってあるじゃない?少なくとも、自分らが作ったサービスとか自分らが作ったなんたらっていうのを、世界の多くの人が知ってる。FlickrとかDeliciousって買収金額で話したら小さいけど、でもあれは届いているよね?

平野:確かに。

國光:そういう感じ。世界の中でみんなが知ってるような会社だったり、サービスを作れるっていうイメージかな。

平野:本間さん的にはどうですか?

本間:投資家的にはもっと冷徹にみるとまさに時価総額で比べられるか。この8年で、僕らのファンドだけでもサイズが当時の10倍くらいになってます。ただ、GAFAとかのテックジャイアント企業の伸びがそれ以上に大きいから、よくVCの投資額が日米で40倍、50倍違うよねって言われるけど、当然作られている時価総額もトップ同士だと40倍、50倍違ってて、そこは比較的差がつきやすい状況になっているというのもある。

國光:8年前に名前出してた孫(正義)さんもそうやし、イーロン・マスクもジャック・ドーシーも、追いつくどころかビックリするほど差が開いちゃって・・・やばいよねぇ。

ポニーになったユニコーン

本間:2021年の半年間で、アメリカのユニコーンがどれだけ生まれてるか知ってます?250社ですよ。

2年前って、1年間で60とか70だったんだよ。だからこの2年でも、まぁユニコーン生成合戦じゃないとしても5、6倍になってるんだよね、このペースで行くと。動くスピードが物理的に、特に資金面ではもっと早すぎて、それを吸収できるようなGAFA予備軍みたいな会社が、SaaSも含めてバンバン金を使って成長していっちゃう。

國光:ユニコーンって伝説の生き物やったのに、その辺のポニーみたいになってる(笑。

平野:今の時点で900社以上です。ユニコーンが。

本間:だからアメリカの一部では、1,000億円(10億ドル)なんかそれこそポニーだから、5,000億円(50億ドル)くらいからをユニコーンと呼んだほうがいいんじゃないかって議論があるんだって。

これもVC起業家の間の議論でよくあるんだけど、最近確かにVCのエコシステムはすごくよくなってきてる。この頃よりも、ましてや國光さんが創業した頃に比べて100倍ぐらい環境がいいと思うんだけど、海外の機関投資家が日本に投資してるケースもあるし、資金調達のラウンドのサイズも上がってる。

でも本質的に議論が行き着いちゃっているところは、北米のVCやスタートアップが期待できる時価総額のアップサイドが結局、AppleやGoogle、Facebook、Microsoftって見れば、スタートアップから押し上げる時価総額のサイズも、一応届くかどうかは別として、ここまでは上がれるよねっていうところで、時価総額自体がもうすごく高くなってる。

國光:Appleが200兆円とか?日本でいうたらソフトバンクグループで11〜12兆円。その下で行くと、Zホールディングスで4〜5兆円。楽天が2兆円でメルカリが1兆円弱。

本間:東南アジアのSea(Garena)とかでも、(時価総額が)16兆円あるんだよね。

國光:Seaで16 兆円!?まじで?

本間:そうだよ。だから・・・何がおかしいんだろうね。

國光:シンプルにグローバルで勝てるか。

本間:時価総額の中で、グロースっていうところの評価が非常に高い。実績の評価とグロースの評価があったときに、グロースのウエイトが非常に高くなっているってことなんだと思う。

敗戦で内向きになった国内

平野:國光さんは最初からグローバルに行くのか、日本の市場から攻めるのかどういう風に考えてますか。

國光:たぶん同時にやらなくちゃいけないと思ってて、Thirdverseは東京に40人、海外拠点が合計で30人って感じやから、基本、日本で勝ってから世界で挑戦というのでは絶対遅いし、とはいえ、いきなり全部海外でいくのもって部分もあるから、結局は同時にやってくしかないと思う。

結局日本と海外の絶望的に開いた差の一番の原因って、やっぱりグローバルで日本の会社が全く勝てなかった。ゲーム業界ってね、グリーもDeNAも我々も、みんな凄まじくチャレンジしたけど一回討ち死にしてるのよね・・・。結果、グローバルを攻めない方がいいという空気感に。。。

本間:攻めた結果、一旦みな内向きになっちゃった気がする。

國光:その「内向き」が行ききった結果がB2B SaaS系のビジネスだけに起業家もVCも集中している現状があるじゃない。日本の時価総額が低いのも世界で勝った、世界で成功したという例がないから。

本間:すごい変化があるのは、BTSとピッコマ。韓国の会社のエンタメの会社の方が時価総額が高くなってきている。確かに韓国で成功して日本に来てアメリカに行けたっていうのが今までつながらなかったんだよね。

ここは日本のテック側もちょっと学ぶことがありそうというか、こんなことは、一朝一夕にはできないし、韓国のスタートアップも相当討ち死にしてると思うんだけど、(BTSとピッコマという)事例ができたことによる自信はけっこうあるんじゃないかな。

國光:野球でもサッカーでもそうだし、韓流とかもそうやろうけど、1コ成功が出れば、こうやりゃいいのかって感じで後が続いてくるから。

投資家としての顔

平野:ファンド(VR Fundとgumi Cryptos)はすごくいいパフォーマンスを発揮してるわけじゃないですか。グローバルに通用する成功事例としてVRとブロックチェーンに投資したことはどう評価してます?

國光:本当に大きな成功をしようと思うと、パラダイムが変わるタイミングにそこにいなきゃダメだと思うのね。僕らが起業した2007年は、ずっと言い続けてるんだけどすさまじく大きな年で、2007年にiPhoneが出て、そっからTwitterやFacebookが伸びてAWSが出た。スマホ・ソーシャル・クラウドっていう、それ以降の10数年間を牽引するパラダイムが生まれたのが2007年だったと思うの。

GAFAMの時価総額を見ても、すさまじく伸び始めたのは2010年くらいからなんだよね。スマホ・ソーシャル・クラウドの戦いに日本勢がボロ負けした。次の大きな波というと、デバイスは当然VR/AR。データはソーシャルからブロックチェーンになってくる。データをどう活用するかは、クラウドからAIになる。ここから次の10数年間の大きなウェーブは間違いなくXR、ブロックチェーン、AIだと思うからそこに全振していきたい。

平野:本間さん、投資家としての國光さんはいかがですか。

本間:國光さんはテーマを決めるのはけっこう投資家っぽい。起業家なんだけどなんか変なマクロの事業テーマを設定するところがもうVC(笑。仮説は当たってるところがありますよね。次に大きく世の中が動くのはここじゃないの、みたいな。

大局を見るところは得意かなと思う。どう実装するがを時間軸を考えて作っていくのは起業家だけど、投資家は張っていけばいいわけだから。そういう意味では実際これだけ当たってるわけだからいいんじゃないですかね。

平野:國光さんってちょっと早すぎ・・・(以下略

本間:だから投資家っぽいんですよ(笑。起業家はもうちょっと参入のタイミングを読むと思う。

國光:僕は気づいたんですよ。タイミングとかは重要じゃない。

成功するためには。たとえばそのタイミングって、遅すぎても早すぎても厳しいじゃないですか。っていうのでいくと、やっぱり一番いいのは勝つまでやる。要するに遅すぎるより早すぎる方がよくて、早く始めてくるまでやる。これが必勝法(笑。

だからVRも2015年から始めて16、17、18、19、20年と6年連続VR元年が続きそして7年目にしてついにVR2年目に突入した。6年間の助走期間はラッキーと考える。

本間:僕はそれ、ずっと見てるからね(笑。

國光:まあ、流石に6年連続VR元年は長かったけど(笑。

一同:

本間:ただ確かに、イーロン・マスクの助走期間、今回のブルー・オリジンとかヴァージン・ギャラクティックとかも、みんなけっこう長いんですよね(※)。急に打ち上がったわけでもなく、15年ぐらい一つのオポチュニティーを追いつづけるっていうのが、六本木とか赤坂界隈にいるとなかなか難しい。

※補足:イーロン・マスク氏のスペースXは2002年、テスラが2003年、ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンは2000年、リチャード・ブランソン氏のヴァージン・ギャラクティックは2004年創業

平野:國光さん、ずっと打席でバットを振りつづけられる元気はどこから?

國光:前回の対談を振り返ってという感じだけど・・・どうだろうね?まだ「21世紀、俺」は達成できてないからね。イーロンにしても孫さんにしてもジャックにしてもね・・・ただ背中は見えてます(笑。

本間:見えてるの?だいぶ目がいい(笑!

國光:いやいや、ぜんぜん背中は見えてます!

本間:僕も陸上競技、長いことやってるけど、周回遅れじゃないよね?

國光:最近、老眼が入ってきて近くは見えにくくなってきてるんやけど、遠くはよく見える(笑。完璧に背中は見えてる。そこ、っていう目標がまだね。そこに向けて行きたいというね。そこ自体は変わってないかな。

平野:悔しいとかそういう気持ちって薄れてきてます?幸せになって。

國光:本当に真面目な話、背中は見えてるんだよ。悔しいというよりどうやったら勝てるか?だよね。具体的な戦略の方が大きい感じがする。

イーロンは別格やからちょっと置いとくけど、ジャックもマーク(・ザッカーバーグ氏)も、まあ、波に乗っただけなのね。スマホ・ソーシャル・クラウドの波に乗っかっただけの話なの。あの時代に波を自ら生み出したのは、(スティーブ・)ジョブスだけなの。

ひょっとしたらgumiがFacebookになった可能性もあるもんね。

本間:実際、志としては狙ってたからね!

國光:何かが変わったらワンチャンあったかもしれないからね・・・(遠い目

次につづく:世界と戦うチーム/Thirdverse 國光×本間対談(2/3)

※本文中の敬称は略させていただきました。

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メタバース実現へ「Thirdverse」20億円調達、國光宏尚氏が代表取締役に就任

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「ソード・オブ・ガルガンチュア」などのVRゲームを手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brandsと國光宏尚氏個人。ラウンドはシリーズAおよびBラウンドで調達した資金は約20億円。評価額…

「ソード・オブ・ガルガンチュア」などのVRゲームを手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brandsと國光宏尚氏個人。ラウンドはシリーズAおよびBラウンドで調達した資金は約20億円。評価額や払込日などの詳細は非公開。

また、これに合わせてgumi創業者で7月末に同社を退任した國光宏尚氏が代表取締役に、Microsoftのゲーム開発統括組織「Xbox Game Studios」に所属するブライアン ファーゴ氏のアドバイザー就任も伝えている。調達した資金は日米スタジオで開発を進める新作VRタイトル2本に投じられる予定。

出資したAnimoca Brandsは香港拠点のブロックチェーンゲーム企業。「The Sandbox」などのオリジナルゲームを制作するほか、Axie Infinity の生みの親であるSky Mavisや、CryptoKittie、NBA Top Shotなどの開発で知られるDapper Labsなど、複数のブロックチェーンゲーム企業に投資・提携している。5月の資金調達ラウンドで8,880万米ドルを調達しユニコーンとなっている。

Thirdverseの設立は2013年4月。旧社名はよむネコで、ゲームジャーナリストとしても活躍していた新清士氏(現在は取締役)が創業した。2016年にVR脱出ゲーム「エニグマスフィア~透明球の謎~」をリリースし、その後、VR剣闘ゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の企画・開発・運営を手がける。2017年3月にはgumiが出資をして持分法適用会社となっている。

補足追記(12時):gumiは2020年3月に子会社、gumi X studioが保有するThirdverse(当時の社名はよむネコ)の株式(161株・議決権比率で19.8%)を全て國光宏尚氏に譲渡したと公表しており、これによりThirdverseはgumiの持分法適用会社から外れている(リンク先はPDF)。譲渡額は簿価として非公開で、合わせてgumiが保有する「ソード・オブ・ガルガンチュア」に係る特許権及び商標権等をThirdverseに500万円で譲渡したことも開示している。

補足ここまで。

2020年に社名をThirdverseに変更し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにて『どこでもいっしょ』シリーズのプロデューサーを務めた伴哲氏が取締役COOに就任している。

社名のThirdverseは自宅や学校・職場と異なる自分らしい時間を過ごすことができる第三の仮想世界を示す。國光氏はブログの中で、メタバースの実現に向け、まずはVRゲームにおいて世界的なヒットを目指すとしている。メタバースの開発はFacebookが開発を進める「Facebook Horizon」や、Epic Gamesが展開するフォートナイトなどがある。

本誌では今回、gumiに続いて國光氏とタッグを組むことになった本間氏との対談も掲載する。

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