BRIDGE

タグ Remote

変化するエンジニア採用、グローバル化で広がる「チーム開発」の可能性

SHARE:

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。 他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスター…

Screen Shot 2020-07-04 at 1.37.44

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。

他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスタートアップおよび中小企業にとって対応コストが高すぎて、海外人材へのアクセスは容易にできません。

一方、米国ではクラウドソーシングおよびフリーランス人材採用プラットフォームとして「Upwork」や「Fiverr」があります。しかしながら、プラットフォーム側の人材精査が甘いために企業が一人一人細かく面接する必要があったり、本格採用をするには別途手続きを自社で手配する必要があります。プラットフォーム事業として成長していながらも未熟な印象です。

こうした問題を解決し、どの国からでも・どの国に住む人でも雇用できるようにしたのが、4月22日に1,100万ドルの調達を果たした「Remote」です。

Remoteは世界中のどこにいても、誰でも数分で採用活動を開始できるHRプラットフォームを運営しています。さらに採用だけでなく、先述したような給与計算・福利厚生・コンプライアンス・税金など、海外人材を“正しく”雇用する際に必要なリーガル/アドミン業務を、1つのプラットフォームで処理してくれます。ヘルプが必要な場合には、Remoteの専属弁護士が対応に当たり、適切な処理を支援します。

パンデミック禍、リモートワークの成長傾向が高まる中で、他国での契約社員や正社員の雇用を簡素化できるニーズは刺さるはずでしょう。なにより、海外へ直接赴けない環境下、手軽にバーチャルな意味で現地法人を立ち上げられるプラットフォーム開発は非常に価値を発揮するはずだと感じています。

pexels-photo-4560189
Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

Remoteの提供価値はその名の通り「海外リモート人材採用」にあります。SmartHRが提供しているような労務管理の機能をグローバルに拡大させ、さらに人材採用プラットフォームとしての機能も持ち合わせ持ち、一気通貫でチームを作るサービスを提供しています。

現在は個人開発者を採用するプラットフォームですが、注目すべきは“Hire your own team in any country”とあるように、グローバルチーム組成を行えるメッセージ性に重きを置いている点です。

昨今、従来のスポット開発依頼の仕事とは違い、チームプロジェクト単位の開発仕事に対応するプラットフォームに対するニーズが上がっています。個人ではなく「開発チームおよびプロジェクト」を丸ごと外注するクラウドソーシングプラットフォームに注目が集まりつつあります。

例えばウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」は「アプリ開発のコンビニ」を作っています。

UberやInstacart、Snapchatと言った代表的なプラットフォームとそっくりのテンプレートをマーケットプレイスで選ぶと、そのままの機能を備えたサービス開発を外注できます。諸機能を取捨選択してオリジナルアプリの開発も可能です。

一方のEngineer.aiは事前に用意したテンプから「選んで買ってもらう」流れを採用しているため、自社でユニークな機能を毎回構築する必要がありません。工数のかかる機能開発注文がくる可能性を潰しており、自分たちの開発しやすい・利益率の高いサービス開発に誘導しているのです。

Enginner.aiは自社で世界中のエンジニアを囲い、依頼のあったテンプレートから即座にチーム組成を実施し、過去の記録からコンポーネントを渡して開発効率化を図っているわけですが、こうしたグローバルチーム組成を誰もができる可能性を秘めるのがRemote、というわけです。

彼らが仮に企業と個人を結びつける採用プラットフォームから、企業と開発チーム(組成)を支援するサービスへと成長すれば、より多額の取引を発生させるはずです。国内ではランサーズがチーム単位で発注できるサービスを提供していますが、これのより発展的な拡大・グローバル版です。

採用市場は「チーム採用」へと変わりつつあり、これからは「グローバル・チームプラットフォーム」が台頭してくる時代になると感じます。こうした背景を踏まえ、「アジア版Remote」のような企業が日本から登場しないか、期待をしながら市場を見ています。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

----------[AD]----------

始まるチームのSaaS化、世界のフリーランス採用3業態から見えた「チーム拡張」の手法

SHARE:

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載 リモートワーク社会になって1〜2か月ほど経ちました。「直接会わないと仕事しづらい」といったオフラインワークを尊重する人も、昨今の影響からZoomやSkypeを通じたオンラインワークを主体に仕事をする必要が出てきました。 物理的な距離の制約を受けなくなったことから、リモートワーカーを雇う心理的な障…

pexels-photo-3636822
Photo by Verschoren Maurits on Pexels.com

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載

リモートワーク社会になって1〜2か月ほど経ちました。「直接会わないと仕事しづらい」といったオフラインワークを尊重する人も、昨今の影響からZoomやSkypeを通じたオンラインワークを主体に仕事をする必要が出てきました。

物理的な距離の制約を受けなくなったことから、リモートワーカーを雇う心理的な障壁が下がった印象もあります。これを機に開発を外部のエンジニアに外注してみようと試みている企業さんも少なくないでしょう。

フリーランス採用プラットフォームとして利用される企業に、日本の「ランサーズ」や「クラウドワークス」、米国の「Upwork」や「Fiverr」が代表的なものとして挙げられます。彼らはいずれも企業と個人を繋ぐサービスです。

ただ、従来のフリーランス採用市場は徐々に変わりつつあります。現在までに登場した業態は大きく3つあります。

リモートで現地法人立ち上げ

Screen Shot 2020-04-24 at 10.59.02 AM

Remote」は世界中の優秀な開発者を正社員や契約社員として採用できるグローバルプラットフォームを提供。同社は2019年にサンフランシスコで創業し、4月22日には1,100万ドルを調達しています。

従来、企業が海外人材を雇用するプロセスは面倒なものでした。給与計算、福利厚生の提供、現地の雇用法や規制への準拠は、ほとんどの新興企業や組織にとってリスクが高すぎたり、負担が大きすぎたりします。この問題をグローバルに解決し、どの国でも誰でも雇用できるようにしたのがRemoteです。同社は給与計算、福利厚生、コンプライアンス、税金などの業務を1つのパッケージソリューションとして提供しています。

他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成しなければなりません。こうしたプロセスは、リソースのある大企業しか出来ませんでしたが、リモートワークが当たり前になった今、スタートアップも手軽に仮想的な意味で現地法人を立ち上げられるプラットフォーム開発を目指しています。

グローバル人材採用市場をベースに「チーム拡張」を行えるメリットは非常に大きい印象です。Remoteは海外法人立ち上げのSaaS化に取り組んでいるとも言えるでしょう。

代理店ネットワーク

Screen Shot 2020-04-24 at 10.58.22 AM

2018年にY Combinatorのアクセラレータプログラムを卒業した「YouTeam」は、オフショア人材のマーケットプレイスを提供。同社プラットフォームは、代理店に登録している個人の開発者(および開発者に余力のある大企業)と、アウトソーシングによって自社の開発チームを追加したい企業をマッチングさせます。

YouTeamマーケットプレイスでは、代理店の開発者のプロフィールを掲載。単に代理店を通して、誰が外注チームの一員になるかという点で勝負に出るのではなく、代理店の名前のある個人と契約し、一定の期間、またはより長期のプロジェクトを契約する流れです。

代理店に登録する開発者にとっては、わざわざ次の仕事を探しながら毎回価格設定をする手間をかけずに、信頼性の高い、より面白い仕事の流れを手に入れることができます。開発業務をアウトソースしようとしている企業にとっては、評判の良いエージェンシーが提供する審査や支払い、揉め事仲介処理サービスを受けられ、極力採用リスクを減らせるようになります。

競合他社は広く2に分類されます。Upworkのようなフリーランスプラットフォームは、主に短期のプロジェクトを対象。サプライヤー推薦のプラットフォームは、エージェンシーとのマッチングを支援してくれますが、適切なチームを見つける必要がある場合には効果がありません。この点、YouTeamは長期プロジェクトを志向する開発者を見つけ、リファレンスがしっかりあるオフショアチームを素早く組める点に提供価値を置いています。

サービス開発丸投げ

Screen Shot 2020-04-24 at 10.58.43 AM

2013年にサンフランシスコで創業し、累計3260万ドルの資金調達に成功している「Gigster」。同社は世界中からフリーランスのエンジニアを雇い、プロジェクトマネージャーを付けて開発チームを自社で複数所有。顧客企業はGigsterが組成した開発チームにアプリ・ウェブサイト開発を丸投げでき、進捗管理をPMから随時報告を受けるだけの外注開発サービスを提供。世界トップクラスのオフショア開発資源に、最小コミュニケーションおよび採用コストでリーチできるのがメリットとなっています。

顧客企業の期待値に添えるように品質管理を徹底。AIがプロジェクト進捗スピードおよびマイルストーン作成をサポートし、無理・無駄のない開発進行スケジュールを引きます。従来、プロジェクト開始時に決めていた工数見積もりを、顧客からの注文情報に応じて即座にFixできるのが強みです。

従来、企業の担当者は面接をする手間や、納品物を細かくチェックするプロセスする必要があり、問題があれば発注元の責任でした。あくまで監督責任者は発注元であったからです。一方、Gigsterのモデルはこうした課題を含めて全て外注することができます。利用企業はクリエイティブな意思決定に時間を投入することができるようになりました。

話をまとめます。

Remoteは採用プロセスの簡易化と法律準拠を徹底させた新たなプラットフォームとして誕生し、YouTeamは代理店を挟むことで信頼性と評判の高いチーム組成を促進させるマッチングプラットフォームを展開しています。代理店ネットワークを構築するモデルであるため、一社代理店が加入すれば多くの開発者を同時に釣り上げることができます。Gigsterは完全開発外注プラットフォームとして機能。一切の採用ストレスをかけることなく、グローバル対応したサービス開発が可能となりました。

いずれのケースにおいて、ソフトウェアを通じて限りなくグローバル採用プロセスのハードルを下げようとしているのがポイントです。タイトルにもある通り、SaaSを通じたチーム組成に注目が集まっている印象です。

これからの時代は個人ではなく、いかに手軽に世界中の開発人材を集め、“チーム”を作れるのかが提供価値になります。冒頭でご紹介した「ランサーズ」「クラウドワークス」「Upwork」「Fiverr」のような大手プラットフォームは個人と企業とのマッチングに特化しています。が、本記事で紹介したような「チームと企業のマッチング」にサービス形態を振ったスタートアップに、おそらく数年以内にディスラプトされる可能性が高いと感じています。

今回は開発エンジニアサービスに焦点を合わせてご紹介してきましたが、マーケティングやファイナンスチームにも同様のことが言えます。近い将来、会社の組織作り・チーム構成を丸ごと完全外注するサービスも登場するかもしれません。誰もがグローバル人材の集まったスタートアップやプロジェクト部門を持てる時代もやってくるはずです。未来の働き方は「仕事探し」というよりは「チーム探し」になるかもしれません。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

----------[AD]----------