世界50カ国での人材獲得を支えるHR管理サービス「Remote」、新たなユニコーン企業として急成長中/GB Tech Trend

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1億ドルの調達とユニコーン企業へと成長した「Remote」。Image Credit: Remote。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

コロナ禍において働き方は大きく変わり、オンラインでの人材獲得が一般的となりました。特に採用する地域についてはリモートワークが普及したおかげで、国内においても選択の幅が広がっていると思います。

一方、国をまたいでで従業員やフリーランスを獲得するとなると、税金や契約書類、給与計算に至るまであらゆる項目がバラバラで、多国籍企業になればなるほど管理の難易度が高まります。それゆえに管理コストをまかなえる大企業でしか世界中から人材を獲得できずにいました。そこで登場したのが「Remote」です。

Remoteは社員の属性を問わず(正社員や契約社員)、リモートで働く人の入社手続き、給与計算、福利厚生などを管理するツールを提供しています。7月には1億5000万ドルの調達に成功し、10億ドルの企業評価と共にユニコーン企業入りも果たしています。

Remoteは現在、世界50カ国でのサービスを展開しています。今回の調達で福利厚生やエクイティ、ビザサポート、従業員のリロケーションなどの分野も強化およびカバーする予定で、リモート人材を獲得するためのフルスタックサービスとして市場でのさらなる成長を目指します。

新しい人材を世界中から採用するとなると、現地法人の立ち上げや、現地の法律・税務に精通した人を雇う必要がありました。こうしたグローバル人材獲得のバックエンドコストをSaaSのアプローチから解決しようというわけです。同社は元々、世界各国のエンジニアを採用するプラットフォームに重きを置いていましたが、今では職種を問わずグローバルチーム組成を手軽に行える採用インフラになっています。

スポットで依頼するクラウドソーシングなどと異なり、長期コミットが求められる開発仕事はやはりある程度のチームビルディングが必要になります。用意される予算も桁が違ってきますし、B2B事業として成立させやすい領域です。

類似するプラットフォームとして、アプリの外注開発を請け負う「Engineer.ai」や「Gigster」らに代表されるサービスは、世界中から集められたリモート・エンジニアチームによって開発チームを構築できるようになっています。

企業が個人のエンジニアを探し出して採用するような形ではなく、プロジェクトを丸ごと開発企業に投げてしまい、その裏側ではオンデマンドに組成されたリモートワーカー達によって開発されるといった流れができつつあるのです。

今週(7月12日〜7月18日)の主要ニュース

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