酪農DXのファームノートHD、14.4億円を調達——累計調達額は44億円に

SHARE:
牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」
Image credit: Farmnote Holdings

酪農・畜産向け DX ソリューションを提供するファームノートホールディングス(ファームノート HD)は29日、直近のラウンドで14.4億円を調達したと明らかにした。このラウンドに参加したのは、スパークス・グループ、マイナビ、丸紅(東証:8002)、前田工繊キャピタル、千葉道場、中部飼料(東証:2053)、SMBC ベンチャーキャピタル、KOBASHI HOLDINGS、萩原建設工業、イノベーション・エンジン。今回の調達を受けて、同社の累計調達合計は約44億円となる。これは同社にとって、昨年1月に実施したオイシックス・ラ・大地(東証:3182)の CVC「Future Food Fund」からのの調達に続くものだ。

ファームノートは2013年11月に設立、経済産業省の助成制度「サポーティングインダストリー (ものづくり基盤技術) 」を活用し、2014年6月から酪農・畜産を効率化するセンサーデバイスやクラウドシステムの開発の取り組んできた。2014年9月にに札幌で開催された「全国 Startup Day」では、開発着手からまもないにもかかわらずグランプリを取得、2014年12月には京都で開催された Infinity Ventures Summit 2014 Fall の LaunchPad で3位を獲得した。

2017年3月に組織再編に伴い純粋持株会社ファームノート HD が設立され、ファームノートはその完全子会社となった。ファームノート HD はファームノートを通じて、クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」、「Internet of Animals」を実現する牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を開発・事業展開を行なってきた。Farmnote 製品の有償ユーザー数は約1,600生産者、契約頭数約32万頭(日本全体の飼養頭数の8.4%に相当)。

また、子会社のファームノートデーリィプラットフォームは、2020年8月に自社牧場による生乳生産を開始した。牛舎設計やロボット搾乳といったリアル技術と Farmnote 製品等のデジタル技術を統合し、労働生産性は国内平均の2倍以上を実現、設立8ヶ月でEBITDA 黒字を達成した。

今回の資金調達は、酪農DXを実現するための製品群強化と拡大に向けたシステム開発投資、顧客基盤拡大ならびに既存顧客の継続課金収入(ARR)の増加に向けた営業体制強化とマーケティング投資、酪農生産事業の拡大と酪農DXプラットフォーム構築(設備・開発投資)に充当する予定としている。

via PR TIMES

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する