不動産仲介DX「CANARY(カナリー)」運営、シリーズBで12億円を調達——アプリ累計DL数は100万件を突破

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Image credit: BluAge

<29日午前9時更新>

ビジネスモデルの変更により、BluAge では現在、内見以降の業務についてはクライアント仲介会社に依頼しており、BluAge で実施していない。また、物件情報についてはキュレーションは現在行っておらず、クライアント仲介会社や管理会社から提供してもらう形を取っている。本変更に関連する部分を訂正線で削除した。

不動産仲介業者の業務オンライン化と部屋探しアプリ「CANARY(カナリー)」を運営する BluAge(ブルーエイジ) は29日、シリーズ B ラウンドで約12億円を調達したことを明らかにした。このラウンドは、エンジェル投資家グループの Angel Bridge がリードインベスターを務め、NTT ファイナンス、ABC ドリームベンチャーズなど。昨年7月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものとなる。Angel Bridge は前回シリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの参加。

CANARY が提供するのは、賃貸不動産の仲介における内見業務や契約業務の一部代行サービス。賃貸不動産のオンラインポータルなどには、不動産業者が多くの物件情報を掲載しているが、物件の写真撮影や必要情報の集約など、掲載に関わる一連の業務に担当者が1日あたり数時間以上要することもザラ。また、消費者サイドから見れば、おとり物件が含まれるという問題もある。

CANARY では Web 上に公開された物件情報をキュレーションし公開。CANARY を訪れたユーザが希望する物件について内見を求めると、CANARY のスタッフが内見業務を代行する。賃貸不動産に住んだことのある人なら分かる通り、契約にあたっては客付の不動産屋(借主側)と元付の不動産屋(貸主)側が仲介してくれるわけだが、この際の客付の業務を CANARY が代行するわけだ。

2019年6月にリリースされたアプリは今年8月現在で月間10万件、これまでに累計100万件のダウンロードを達成。昨年7月からは、それまでの賃貸版に加え売買版を正式リリースし、不動産ポータル「Yahoo!不動産」が扱う物件情報30万件の CANARY への掲載を開始した。また、今年2月からは LIFULL の賃貸物件情報300万件の CANARY への掲載を開始した。日経によれば、同社は今後、不動産仲介会社向けのクラウドサービスを開始、利用者の検索状況をもとにエリアごとに人気のある物件タイプを分析できる機能を追加する模様だ。

BlueAge は現在 CANARY で実施している内見依頼数を明らかにしてないが、過去の実績から推測する限り、月間1万件程度に達している可能性がある。以前のインタビューで、代表取締役の佐々木拓輝氏は事業が単月黒字を達成したことを明らかにしていて、PMF(プロダクトマーケットフィット)はすでに終わっているようだ。こうした実績を背景に、同社ではこの1年間で従業員数を2.5倍の60名にまで増やした。今回調達した資金を使って、人材採用やマーケティングを強化するとしている。

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