返品・交換対応をリピーターマーケティングに変える「Recustomer」、プレシリーズAで1.5億円を調達

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Image credit: Recustomer

カスタマリテンションプラットフォーム「Recustomer(リカスタマー)」を運営する Recustomer は28日、プレシリーズ A ラウンドで約1億5,000万円を調達したと発表した。このラウンドは Coral Capital がリードインベスターを務め、BEENEXT の ALL STAR SAAS FUND、グロービスの G-STARTUP が参加した。

Recustomer は2017年3月、代表取締役の柴田康弘氏により創業(創業当初の名前は Anvie)。創業以来、Web サービスの受託制作、人材採用の制作ツール、Shopify による EC サイト立ち上げ支援などを行ってきたが、グロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」への採択を経て、今年6月に Recustomer をβローンチした。

Recustomer は e コマース事業者向けの返品・交換業務の効率化を支援する SaaS だ。購入前に商品を試すことができない e コマースサイトでは返品や交換を受け付けていることが多いが、販売や出荷が半自動化されているのに対し、返品や交換は人海戦術に頼っていることが多く、直接的には売上に結びつかないのにオペレーションコストがかさむ。これを半自動化しようというものだ。

電話をかけたり、メールでやりとりしたり、購入者にとって返品手続は面倒。Recustomer を使えば、これをウェブで完結可能なセルフサーブな返品フローに変えることができる。購入者は店舗によって、商品交換か、同じ店舗で商品購入に使えるストアクレジットか(ポイント)、現金振込による返金かなどで対応を受けることができる。(柴田氏)

Recustomer は Shopify に代表される自前 EC 型のストアフロントとデータ連携でき、ストアフロントから得た注文情報や顧客情報をもとに、運送会社へ回収指示をするための返品伝票の発行も可能。また、ローソンに設置されている返品や返却のための専用ボックス「SUMARI」との連携をテスト中で、返金の振込のデータを全銀フォーマットでファイル出力する機能も開発中だ。

Recustomer では新たに顧客(e コマース事業者)が利用を開始するたび、オンボーディングの段階でカスタムインテグレーションを行っており、連携 API は Shopify を皮切りに、EC-CUBE、BASE、STORES などバリエーションを増やしていっている。自前 EC のストアフロントであれば、事実上、ほとんどのもので連携が可能になるようだ。

Recustomer を使う e コマース事業者はアパレルが中心だが、同社では、サービスの提供形態がより SaaS 化することが期待される総合小売を次なるターゲットに定めている。e コマース事業者の競争激化に伴い、新規のユーザ顧客単価(CAC)は上がる傾向にある中、返品・交換業務の効率化を契機に既存顧客をリテンションできれば、新たなマーケティングツールとしての機能も期待できる。

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