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クラウドで酪農・畜産を効率化するファームノート、4億円を調達——リアルテックファンド、リバネス、北海道・九州の地銀系VCなどから

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北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートホールディングス(以下、ファームノート)は30日、都内で開催したイベント「Farmnote Summit Annex 2018」で4億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、リアルテックファンド、北洋銀行、FFG ベンチャービジネスパートナーズ(福岡銀行系 VC)、鹿児島銀行、DG …

Farmnote Summit Annex 2018 で資金調達を発表する Farmnote の小林晋也氏
Image credit: Masaru Ikeda

北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートホールディングス(以下、ファームノート)は30日、都内で開催したイベント「Farmnote Summit Annex 2018」で4億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、リアルテックファンド、北洋銀行、FFG ベンチャービジネスパートナーズ(福岡銀行系 VC)、鹿児島銀行、DG インキュベーション、D2 Garage、リバネス、小泉文明氏(メルカリ取締役社長 兼 COO)、長沼真太郎氏(BAKE 創業者)、千葉功太郎氏。千葉氏は、シードラウンドに続くフォローオンでの参加となる。今回の調達を受けて、創業からこれまでの累計調達額は約17億円に達した。

ファームノートは2013年11月に設立、経済産業省の助成制度「サポーティングインダストリー (ものづくり基盤技術) 」を活用し、2014年6月から酪農・畜産を効率化するセンサーデバイスやクラウドシステムの開発の取り組んできた。2014年9月にに札幌で開催された「全国 Startup Day」では、開発着手からまもないにもかかわらずグランプリを取得、2014年12月には京都で開催された Infinity Ventures Summit 2014 Fall の LaunchPad で3位を獲得している。

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2013年11月28日に設立されたファームノートは一昨日、創業から5周年を迎えた。ローンチから3年を経て、Farmnote のユーザは2,700農家、契約頭数は27万頭に上るという。日本の飼養頭数が390万頭であることを考慮すると、その6%がファームノートにつながっている計算になる。2016年8月に牛用のウエアラブル端末「Farmnote Color」をリリースしてからは、これまでに売上ベースおよび社員数ベースでほぼ2倍に成長している。住友商事や兼松と組んで海外展開にも着手しており、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアでテストマーケティング中だ。

今回の調達を受けて、ファームノートは今後、特にカスタマーサクセスに注力するという。ファームノートはもともと、小林氏が経営していたシステム会社 SKYARC の社内プロジェクトとして発足した由来もあり、農家のカスタマーサクセスよりも、酪農を IT を使って自動化・省力化・効率化するためのソリューションという色合いが強かった。

最近βリリースされた「疾病疑い検知機能」の画面。

経営の軸を変える。これまでは IT を軸においていたが、すべては経済動物のために、「Anilmal Lifecare」という言葉のもとに活動していく。経済動物に関わる人の進化によって、経済動物の快適性を向上すれば、それは農家の満足にもつながる。そのためには、現在のサービスのラインアップだけでは足りず、生産者(=農家)と技術の間のラストワンマイルを埋める必要がある。(小林氏)

今後、ファームノートはリアルテックファンドやリバネスの協力を得て、研究開発体制を強化する。獣医学を中心とした研究部門である「Farmnote Lab」についても、現在4名いる社内の臨床獣医師を10名体制にまで拡張したいとしている。牛や酪農に対する知見を深めるため、自社牧場も開設する計画だ。北海道と九州の地銀 VC からの資金調達を受けて、これらの地域への ICT 導入推進と農業基盤強化で連携する。

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クラウドで酪農を効率化するファームノート、人工知能を活用した牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」の発売を開始

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北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートは本日、人工知能を活用した牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」の発売を開始することを発表した。また、同社は牛に限らず農業分野全体での人工知能・IoT技術の活用を研究する「Farmnote Lab」を設立することも併せて発表した。 ウェアラブル端末「Farmnote Color」を牛の首…

上:牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」 Credit:ファームノート
上:牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」
Credit:ファームノート

北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートは本日、人工知能を活用した牛向けウェアラブル端末「Farmnote Color」の発売を開始することを発表した。また、同社は牛に限らず農業分野全体での人工知能・IoT技術の活用を研究する「Farmnote Lab」を設立することも併せて発表した。

ウェアラブル端末「Farmnote Color」を牛の首に装着すると、牛の行動に関するリアルタイムデータが自動的に取れ、クラウド上で人工知能が解析した結果がユーザーのスマートフォンに通知される仕組みになっている。それによって、牛の管理者がより簡単かつスマートに牛を管理できるようになることを目指している。

特にユーザーにとっては牛の発情時期と疾病兆候を的確に知ることが、牛の管理の上では重要であるという。発情時期を的確に把握することで、排卵と人工授精をするべきタイミングが特定できるようになるからだ。

発情行動が見られたら、ユーザーのスマートフォンに通知がいく仕組みになっています。動く、寝る、反芻するといった様々な牛の行動データをFarmnote Colorから集め、活動量の変化をアルゴリズムが検知することで発情行動が特定できるようになります。

ファームノートの創業者、小林晋也氏はこのように説明する。

ファームノートが開発するアプリFarmnoteは、牛の行動状況をログに残し牛の状態をより正確に理解するためのアプリであるが、ウェアラブル端末「Farmnote Color」を使えばさらにリアルタイムな牛の活動情報を取得することができる。

人間が牛の行動状態を確定させる必要があるので、スマートフォン上でログをつける必要は今後もあるが、センサーデバイスが補完的な役割を担うことになる。

Farmnote Colorのバッテリーは3年持ち、3年間牛につけたままにしておくだけでよいという。

Farmnote Colorは2万9800円であるが「特にこれまで牛の管理がゆるかった牧場であれば売り上げ効果が2、3割増しになります」と小林氏は説明する。「牛一頭から年間100万円の売り上げがたち、10ー15万の純利益が出る」とのことなので、Colorへの投資で収益増加や高収益の維持が実現できるのであれば投資価値が高いと考える農家も少なくなさそうだ。

「Farmnote Lab」の設立ーー大量のデータを農業に役立てるために

現在は牛に特化してサービス開発を行っているが、最終的に同社が目指すのは「農業のグーグル」であると小林氏は言う。

「センサーから得たデータをクラウドに集約し、人工知能で解析してユーザーのスマートフォンに通知」するという仕組みを牛以外にも横展開し、また農業用のドローンや各種センサーなどの様々なチャネルから吸い上げた大量のデータをクラウドに集約し、解析することで農家にとってどういうデータが価値が高いのかを分析していきたいという。

そのために今回、グループ会社であり、法人向けにシステム開発を行うスカイアーク内部に農業分野での人工知能・IoT技術の活用を研究する「Farmnote Lab」を設立し、今後も研究開発を進めていく予定であるという。

なお同社は今回、帯広信用金庫と日本政策金融公庫の協調融資によって3億円を借入で調達した。これまで合計で6億円弱を調達している。帯広、札幌、東京のオフィスに19名のスタッフがいる。

関連記事:クラウドで酪農・畜産を効率化するファームノートが兼松やグリーなどから2.1億円を調達、〝家畜のウエアラブル〟開発を強化へ

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クラウドで酪農・畜産を効率化するファームノートが兼松やグリーなどから2.1億円を調達、〝家畜のウエアラブル〟開発を強化へ

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北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートは27日、総額2.1億円の資金調達を実施したと発表した。このラウンドでの出資には、兼松(東証:8020)、兼松アグリテック、グリー、コロプラ副社長の千葉功太郎氏、シックス・アパートCTOの平田大治氏のほか、非開示の国内事業会社1社が参加している。今回の調達資金により、ファームノートは牛の個体情報を収集で…

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北海道・帯広を拠点にクラウドを使った牛群管理システム「Farmnote」を開発するファームノートは27日、総額2.1億円の資金調達を実施したと発表した。このラウンドでの出資には、兼松(東証:8020)、兼松アグリテック、グリー、コロプラ副社長の千葉功太郎氏、シックス・アパートCTOの平田大治氏のほか、非開示の国内事業会社1社が参加している。今回の調達資金により、ファームノートは牛の個体情報を収集できる家畜用ウエアラブルデバイスや周辺機器の開発を強化するとしている。

ファームノートは2013年11月に設立、経済産業省の助成制度「サポーティングインダストリー (ものづくり基盤技術) 」を活用し、2014年6月から酪農・畜産を効率化するセンサーデバイスやクラウドシステムの開発の取り組んできた。2014年9月に札幌で開催された「全国 Startup Day」では、開発着手からまもないにもかかわらずグランプリを取得している。

ファームノートを設立した小林晋也氏は、ブログ・プラットフォーム Movable Type の導入支援を提供するスカイアークの経営者としても知られている。小林氏は日本の牧場の93%が100頭以下の小規模経営であることに着目、小規模酪農家・畜産家に牛の個体管理をスマートフォンから完結できる Farmnote を無料で提供してきた。101頭以上を飼う中規模以上の酪農家・畜産家には有料メニューで提供しているが、この戦略が功を奏し、現在では日本全体の3%の酪農家・畜産家が Farmnote を使っているそうだ。

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「全国 Startup Day」in 札幌でピッチする小林晋也氏

現在は、牛の活動量をクラウドに収集できるセンサーデバイスを開発している。牛が身につけるため人間向けのウエアラブルと違って耐障害性が求められ、頻繁に着脱できるわけではないのでバッテリーも長持ちしなければならない。このデバイスの開発と牧場でのフィールドテストに時間とコストがかかっている。

今後の戦略としては、すでにクラウドサービスの Farmnote を使ってくれている酪農家・畜産家に、このセンサーデバイスを 使ってもらう。売り切り型か、月額課金のモデルになるかは未定だが、いずれにせよ、オーナーが自分で牛に着装し設置できる仕組みにする予定だ。(小林晋也氏)

牛のウエアラブルデバイスからはデータが電波で発せられるが(通信仕様については未定)、開発中のしくみでは、この信号を受信するゲートウェイを牧場の各所に設置することになる。牧場では電源の確保が難しかったり、インターネットへのアクセスが確保しづらかったりするが、ファームノートでは、そのような課題の解決も念頭に置いているようだ。牧場でセンサーからの情報収集が安価で現実的なものになれば、酪農や畜産のみならず、田畑を含む農業全般のデータドリブン化への応用も視野に入ってくる。ファームノートでは来春の発売を目標に、センサーデバイスや周辺機器の開発に注力している。

日本の畜産業は2.3兆円と米の農業よりも規模が大きい。家畜の餌や流通など、すべてを含めれば、その3〜4倍の規模になるだろう。畜産から攻めて、ゆくゆくは世界中の牛群や畑の農作物のデータを集められるようなりたい。

世界では人口増加に伴い、いずれ農地が不足し食糧危機が起きる。この問題を未然に防ぐには、食糧生産の効率化が必要だ。遺伝改良でのアプローチは既に世界随所で進められているので、ファームノートでは、家畜や農作物の管理ができるしくみを提供し、勘だけに頼らない畜産業・農業を実現し、食糧生産の効率化に貢献したい。(小林氏)

ファームノートではこれまでクラウドシステムの開発に注力してきたが、センサーデバイス開発の先行きに目処が立ったことから、今後はソフトウェア・エンジニアに加え、データ・サイエンティストなども積極的に採用していきたいとのことだ。東京に加え、札幌や帯広の拠点での勤務も可能だということなので、北海道が好きで、IT × 畜産業・農業に関わりたい技術者は、ぜひ同社の扉を叩いてみるとよいだろう。

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