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ちょうど1年前、私はAI Beatのコラムを掲載し、2023年に私が取り上げたいと考えている5つのAIストーリーを書いた。
そしてOpenAIが2022年11月にChatGPTをリリースしたのをきっかけに、AIニュースの絶え間ない「津波」に晒されたことで、それらの話題は間もなくやってくることとなった。GPT-4やEUのAI法、AI検索の戦い、オープンなAIとクローズドなAI、トレーニングデータとコンピューティング・パワーへの渇望まで、私はこれらすべてのトピックについて何度も書いた。
さて、新年を数日後に控えた今、改めて2024年のトレンドの中心になると思われるAIのストーリーについて展望してみたい。
1.OpenAI vs Anthropic
2023年初頭、OpenAIはChatGPTの波に乗っていたが、OpenAIの元幹部であるDaniela(ダニエラ)氏とDario Amodei(ダリオ・アモデイ)氏の兄妹が2021年に設立したスタートアップ、Anthropicはすでにその後塵を拝していた。AnthropicはChatGPTのライバルであるClaudeを2023年3月14日にリリースした。それは奇しくもOpenAIがGPT-4をサプライズ発表したのと同じ日だった。AnthropicはMenlo Venturesから7億5,000万ドル、OpenAIは1,000億ドルの評価額で新たな資金調達の交渉中と報じられている。
2.オープンソースAIがGPT-4に追いつく
フランスのスタートアップ、Mistral AIが12月初旬にトレントリンクのみを備えた新しいオープンソースのLLM、Mixtral8x7Bをサプライズで公開した。これによりオープンソースのAIコミュニティが最新情報に追いつく努力を減速するつもりはないことが明らかになった。実際、MistralのCEOであるArthur Mensch(アーサー・メンシュ)氏は、フランスの国営ラジオで、Mistralは2024年にGPT-4レベルのオープンソースモデルをリリースすると宣言している。
そしてオープンソースAI予測の中心にいるのがMetaで、2024年前半にGPT-4と同等と推測されるLlama 3のリリースを準備していると噂されている。この秋、META FAIRのリサーチャーであるAngela Fan(アンジェラ・ファン)氏は、Metaは開発者コミュニティや、Llamaを様々な用途に使用しているスタートアップのエコシステムからのフィードバックを求めていると私に語っている。
私たちは、Llama 2についてどう思うか知りたいのです。Llama 3には何を入れるべきでしょうか?(Fan氏)。
3.AIが2024年の選挙に与える影響
The Hillは昨日、AIが2024年の大統領選挙に与える影響への懸念が高まっていると報じた。同紙は、シカゴ大学ハリス公共政策大学院のEthan Bueno de Mesquita(イーサン・ブエノ・デ・メスキータ)学長の言葉を次のように引用している。
2016年や2020年がソーシャルメディア選挙であったように、2024年はAI選挙になるだろう。私たちは皆、AIが私たちの政治をどのように変えていくのか、社会として学んでいくことになる(Mesquita氏)。
また、Allen AI研究所の機械学習研究者であるNathan Lambert(ネイサン・ランバート)氏は最近私に、生成AIがチャットボットやディープフェイクによるものであれ、2024年の米国選挙を大混乱に陥れ、同時に政治がAI規制の取り組みを遅らせるだろう、と語っている。
米国の選挙はさまざまな候補者がどのような立場をとり、人々がAI製品をどのように悪用し、その結果がどのように与えられ、それがメディアによってどのように扱われるかを見るための最大のストーリーになると思います(Lambert氏)。
4.AIの中核をなすトレーニングデータ
私は2023年、今日のAIモデルを訓練するデータに関する問題を幅広く取り上げた。LLMや普及モデルについて私たちが知っていること、そして知らないことの核心だからだ。著作権、バイアス、ディープフェイク、偽情報、労働問題、オープンモデルとクローズドモデル、リスクをめぐる問題はすべて、これらのモデルを訓練するデータ(それが何年も前に作成されたデータセットであれ、新たに開発されるデータセットであれ)を中心に回っている。LAIONの撤去やOpenAIの新たなデータセット構築のための交渉など、AIのトレーニングデータセットにまつわるニュースがここ数週間で急増している。まだまだ掘り下げるべきことはたくさんあり、2024年にはますます重要なテーマになると思う。
5.効果的な利他主義と加速主義
AIの将来が依然として不透明な中、AIのリスクと機会をめぐる信念体系(その中には宗教的なものに近いものもある)は影響力を増し続けている。私は(遅ればせながら)効果的利他主義(EA)運動がAI政策界、特にAIセキュリティなどの分野で影響力を構築するための、複雑なロジックを完全に理解し始めたところだ。また、Marc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏が注目し、私が「AIドゥーマー・コインの裏側」と呼んでいる効果的加速主義(e/acc)の台頭も目の当たりにしてきた。
私は、AIの短期的・長期的な進化に役立つと思われるAIのプラグマティストを増やしたいと思っているが、EAやe/accの信念体系をカバーし続けることは不可欠だと思う。なぜなら、億万長者の資金提供者や創設者たちは、AI政策や投資が私たちのためにどのように展開されるかに、今後も大きな影響力を持ち続けるからだ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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