CB Insights、2024年のIPO候補257社を発表——米国が6割でインドが1割、中国はわずか6社に

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Image credit: CB Insights

2023年を振り返ってみると、世界の IPO 市場が9月に雪解けし、Arm、Klaviyo、Instacart といった有力テック企業が IPO を果たした。しかし、残念ながら IPO 後の各社の株価は横ばいか下落基調だった。

これに対し、調査会社の CB Insights は、これらの企業の業績が他のテック企業の IPO 計画を遅らせる可能性はあるものの、まだ多くの潜在的 IPO 候補が順番を待っていると述べた。特にレイターステージ向けのベンチャーキャピタル資金が不足しているため、目に見えない圧力によって、2024年は関連計画を打ち出す企業がますます増えるだろう。

CB Insights は、各企業のエクイティファイナンス総額、評価額、従業員数、Mosaic Score(IPO や買収などエグジットにおけるチームの成功度を示す指標)、投資ステージ、創業年などの要素に加え、各企業の人材採用状況の調査に基づいて、最近 IPO 経験のある CFO を採用した257社を特定した。その結果、IPO の可能性があるスタートアップ257社のリストが出来上がった

2024年の IPO 候補257社(クリックして拡大)
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業種別資金調達額では、工業カテゴリが1位

業種別では、工業、消費/小売の資金調達額が最も多く、合計調達額の中央値はそれぞれ8億1,000万米ドル(工業)、6億300万ドル(消費/小売)だった。CB Insights によれば、これらの業種はいずれも、工場、倉庫、店舗、車両群など物理的インフラを拡大するための大規模な設備投資に通常依存している、という事実によって正当化される現象だ。

対照的に、エンタープライズテクノロジー企業がエクイティファイナンスで調達した資金はわずか3億5,000万米ドルで、これは主にソフトウェア事業であり、間接費が少ないという特徴がある。

業種別資金調達総額の中央値。
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アメリカと中国の IPO 状況は対照的になると予想

地域別のパフォーマンスでは、世界的なベンチャーキャピタルと数十億ドル規模のユニコーンのリーダーであるアメリカが、リストに掲載された潜在的 IPO スタートアップのうち153社、つまり全体の60%をを占めた。

Barclays のデータに基づいて CB Insights が明らかにしたところでは、インドには IPO が31社いて、インドのベンチャーキャピタル環境は比較的落ち着いたままだが、今後数年間で経済は6%以上の成長が見込まれ、テクノロジー業界は好調だという。

2024年のIPO 候補の国別分布。主にアメリカ、インドなど。
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中国のスタートアップは6社のみ

CB Insights は、中国のスタートアップは一般的に、テック業界に対する政府の厳しい規制や他の主要経済国との緊張関係により、ここ最近は強い逆風に直面していると評価している。

特に、世界で最も高く評価されているスタートアップの一つ、ファストファッションのアパレルブランド「SHEIN」(評価額660億米ドル)は、IPO を控えリスクを回避するためか、最近本社を中国からシンガポールに移転した。海外メディアの報道によると、SHEIN はすでに米国証券取引委員会(SEC)に対して極秘裏にの IPO 申請を行っており、評価額は800〜900億米ドルの間で、2024年の IPO が見込まれている。

ただし、これらはあくまで目安であり、CB Insights は、「これら257社の多くは IPO に至らない可能性があり、また、 IPO に至った企業でも業績不振に陥るリスクがある」と強調している。このリストは、株式市場の勝者を選ぶことを意図したものではなく、投資アドバイスとして見るべきものでもない。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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