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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載
PathosLogos(パトスロゴス)は、人事やバックオフィス関連のソフトウェアベンダーであるワークスアプリケーションズの創業者である牧野さんが、2019年に立ち上げたスタートアップです。PathosLogosには、ワークスアプリケーションズの元社員が多数在籍しており、40〜60代の人事領域の経験が豊富なメンバーが揃っています。
同社が取り組むのは、大手企業の人事部門が抱える差し迫った課題の解決です。団塊の世代の退職や人材の枯渇により、新しい人事制度や戦略の構築が急務となっています。加えて、コロナ禍による働き方の変化や人材の取り合いなど、人事を取り巻く環境は大きく変化しており、モチベーション向上施策や報酬マネジメントなどの対応が求められています。
しかし、多くの大手企業が導入している人事システムは、20〜30年前に導入された統合型ERP(Enterprise Resource Planning)であり、変化への対応が難しい状況にあります。長年の運用の中で、顧客要望に応じたカスタマイズが繰り返され、ガラパゴス化したシステムになってしまったことで、新しい施策へのチャレンジが困難になっているのです。(板倉さん)
近年、こうした課題を解決するために、クラウドベースのHRSaaSが1000以上も登場し、大手企業でもこれらを組み合わせて活用する動きが出てきました。HRSaaSはシンプルな作りで変化に強いというメリットがありますが、各サービスを連携させるには開発工数がかかり、データが分散化してしまうというデメリットもあります。
PathosLogosは、この課題を解決するために「HR共創プラットフォーム」を開発しました。これは、人事に必要な標準的なマスターを内蔵したソフトウェアで、各種HRSaaSがこのマスターを利用することで、データの一元化と履歴管理を実現します。HR共創プラットフォームとHRSaaSの連携は、PathosLogosのパートナー企業が担当するため、導入企業側で開発する必要はありません。
「HR共創プラットフォーム」はホリゾンタルなサービスであり、大手企業の人事課題解決に広く貢献できます。人事データの一元化とHRSaaSの統合による柔軟な課題解決を実現するもので、変化の激しい時代に対応できる人事システムとして、さまざまな共創パートナーと協力しながら事業を展開しているところです。(板倉さん)
現在、日本の主要なHRSaaSベンダーのほとんどがPathosLogosのパートナーとなっており、同社のプラットフォームに合わせたコネクター(API)を開発しています。PathosLogosは、スマートフォンのAndroidやiOSのようなOSを提供するように、人事システムのプラットフォームを提供することで、企業のデータ一元化とスピーディな変化対応を支援していく方針です。
人事領域でのDXが加速する中、HR共創プラットフォームは、大手企業の人事課題解決に大きく貢献することが期待されます。同社の取り組みは、人事システムの未来像を示すものとして業界の注目を集めており、代表・牧野さんの豊富な経験と、シニアメンバーの知見を結集したPathosLogosの挑戦は、今後も要注目です。
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