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最優秀賞は SIM 仮想化ソリューションの「Simgo」が獲得、B Dash Camp 2016 Fall ファイナル

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札幌で開催中の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo」のピッチアリーナには100社の応募から書類先行を通過した24社のスタートアップが選考をくぐり抜けて壇上に上がり、そこからファイナリストとして6社が選ばれた。彼らの最終プレゼンテーションおよび質疑応答の一部をご紹介する。(見出しはサービス名/社名) Gatebox/ウィンクル ※ウィンクルについては…

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札幌で開催中の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo」のピッチアリーナには100社の応募から書類先行を通過した24社のスタートアップが選考をくぐり抜けて壇上に上がり、そこからファイナリストとして6社が選ばれた。彼らの最終プレゼンテーションおよび質疑応答の一部をご紹介する。(見出しはサービス名/社名)

Gatebox/ウィンクル

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※ウィンクルについては現在開発中のプロダクトが非公開のため、プレゼンテーションの内容は非公開となっている。こちらにはこれまでの取材で公開されている情報を記載しておく。

2次元のキャラクターをホログラム状態でボックス内に表示し、コミュニケーションできるホログラム・コミュニケーション・ロボットが「Gatebox」だ。今年1月にはインキュベイトファンド、プライマルキャピタル、iSGインベストメントワークスの3社から資金を調達し、年内の製品化を目指して開発を続けてきた。また、配信された動画が海外でヒットするなど世界中から注目も集まっている。

Gateboxは見た目こそ2次元キャラのいわゆる「オタク」的要素の強いプロダクトに見えるが、その実態はこの大量に散らばるデータを活用して、日々の生活をスマートに変化させる生活コントローラーの色合いが強い。同社製品については過去にも取材して書いている。

2次元キャラのホログラムと生活ができるロボット「Gatebox」開発元のウィンクル、9000万円を調達

Refcome/Combinator(準優勝)

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Refcomeはリファラル採用の「活性化」に着目したサービスで、採用ページの掲載などの一般的なATS(アプリカント・トラッキング・システム)の機能提供に加えて、運用効果測定に重きを置いた点が特徴になっている。

refcome

人事担当でない一般の社員や友人が紹介する場合に役立つよう、社内の募集ポジションを可視化したり、Slackなどで社内に紹介依頼を通知したりするなどのアイデアを盛り込んでいる。今月にはBEENEXT、ANRI、Draper Nexuの3社を引受先とする第三者割当増資の実施も発表している。公開後、3カ月でネット大手を含む約30社が導入。

國光氏:ビジネスモデルは?どれぐらいのアップサイドか

システム利用料とアップセル。利用社員数で費用をいただく。将来的にはタレントマネジメントなどのサービス追加でアップセルを目指す。市場規模は年内100社、来年500社、再来年に1000社を目指す。大企業は300社程度。アルバイトなどは社員紹介は実施されているが、効率化がまだされていない。そこが3000社ほどある。

江幡氏:大企業は社員紹介はあまり使わないんじゃ(その理由はどう考えている?)

社員満足度がダイレクトに関わっている。紹介したいかどうか。社員の年齢が高ければ高いほど流動性の課題もある。なので大企業に対しては新卒社員を対象にした施策を提案している。

ALIVE/Maverick

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韓国の通信会社 KT の社内ベンチャーから生まれた Maverick が、2015年9月にローンチした動画編集アプリ「Alive」。iPhone のカメラロールからビデオを選び、範囲やタイミングを指定して特殊効果やテキストなどをオーバーラップでき、モバイルビデオでの AR(拡張現実)を実現できる。一般的に、スマートデバイスでは大容量の高画質動画合成を扱うのは難しいが、Alive ではレンダリング作業をクラウド側に設置したエンジンで処理することにより、これを実現している。

Alive はこれまでに全世界で300万ダウンロードを達成。月間アクティブユーザは58万人いて、月毎のユーザ成長率は30%ほど。ユーザの50%はアメリカのティーンネイジャーで、30%はアジア諸国からのアクセスだ。無料アプリであるが、世界に4,000万人いる動画アーティストを対象に有料サービスを展開、ハリウッドの映画会社などとも提携して、コンテンツを作成するクリエイターと映像を購入したいユーザをつなぐコネクターとしての地位を確立したいとしている。

mobingi/Mobingi

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Mobingi は AWS(Amazon Web Services)に代表されるクラウドサービスの、運用やメンテナンス作業(いわゆる DevOps)を自動化するプラットフォーム。運用に特化したエンジニアを配置確保しにくい中小企業を対象に展開し、エンジニアらが開発作業などに注力しやすい環境を提供する。

mobingi

Open Network Lab 第9期から輩出され、その後10月から開始された 500 Startups の第15期プログラムに参加しており、アーキタイプ・ベンチャーズと Draper Nexus Ventures からも数千万円の資金を調達している。

NURVE/ナーブ

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VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)向けの配信プラットフォーム「NURVEクラウド」を提供するのがナーブだ。2013年頃からVR研究開発を進め、360°コンテンツやライブ配信などに対応したクラウドプラットフォームを完成させた。今年6月からは賃貸物件の内覧を仮想的に実施できる「VR賃貸」を提供開始している。

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VR賃貸は賃貸物件を所有する不動産事業者が写真などの情報をNURVEクラウドに登録することで、GearVRなどのVRゴーグルで360°に対応した物件情報を閲覧できるサービス。発行されるQRコードを専用アプリで読み込むことでユーザーはいつでも仮想体験を楽しむことができてさらにかかる時間短縮もできる。また対応する営業担当側はその内覧客がどこを見ているか別の端末で確認しながらナビゲートすることが可能となっている。今年5月にはジャフコから2.5億円の資金調達を実施した。今後は旅行やウェディングなど他業種に拡大する。

國光氏:ビジネスモデルや販売戦略について

サブスクリプションモデルで月額1万8000円と配信ベースの課金。例えば旅行先に設置する場合であればその拠点数分だけ支払うモデル。営業に対しては代理店方式。

江幡氏:月額1万8000円で素材まで撮影しているのか

そこは不動産事業者の負担。撮影アプリを用意していて、シータなどで撮影した素材を使って、管理会社が見に行くタイミングなどで撮影していったりしている。弊社は撮り方を教えるところまで。初回教育すればあとは大丈夫。

青柳氏:導入してくれる会社があるのか。今後のグロース戦略について

単なる内覧だけでなく、ステージング家具といってサイズが分からない場合を解消するための実際の生活感を見せる方法がある。しかしこれを実施しようとすればコストがかかるので、これらを仮想化して提供することで高単価を実現できる。

simgo/Simgo

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Simgo は、スマートフォン、タブレット、IoTデバイスなどに挿入可能な eSIM カードと、それを統合管理できるクラウドサービスを提供している。異なる国や都市へ移動したときにも SIM カードを差し替えることなく、複数の SIM カードをクラウド上で管理し、条件に沿って予め設定されたモバイルキャリア・APN(アクセスポイントネーム)・料金プランを動的にに選択することができ、ユーザはローミング料金を支払う必要がなくなる。

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2014年8月にローンチ。複数の ODM 事業者と提携し現在100カ国以上でサービスが利用可能。eSIM を搭載した Wi-Fi ルーターは、50,000個分のデバイスの予約注文を受けており、向こう半年間の売上は400万ドルに達する見込み。今年2月には、ヤフー(Yahoo Japan)の社長を務めた井上雅博氏が、Simgo の役員に就任したことが発表されている。

Echelon Asia Summit 2016のピッチコンペティションで決勝ステージにも残っている。

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世界的な「住生活のイノベーション」を探求する本間毅氏がスタートアップに復帰、Mistletoe、B Dashなどからシードで410万ドルを調達

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世界的な課題に挑戦するため、かつての学生起業家が現場に戻ってきた。 1995年にウェブ制作・開発を手掛けるイエルネットを学生起業し、その後ソニーや楽天で活躍した本間毅氏が手掛ける新たなスタートアップについて本誌に語ってくれた。 「HOMMA」が取り組む課題は「家」。Redefining our standard of livingとサイトに記された通り、人生の中で最も重要な衣食住のひとつ…

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世界的な課題に挑戦するため、かつての学生起業家が現場に戻ってきた。

1995年にウェブ制作・開発を手掛けるイエルネットを学生起業し、その後ソニーや楽天で活躍した本間毅氏が手掛ける新たなスタートアップについて本誌に語ってくれた。

「HOMMA」が取り組む課題は「家」。Redefining our standard of livingとサイトに記された通り、人生の中で最も重要な衣食住のひとつの未来像を作るという意欲的なプロジェクトだ。再度の起業は一切考えてなかった本間氏をスタートアップの世界に戻したのはひとつのきっかけからだった。

「家を購入しようと考えたんですが、作るのに数年かかる。数年ですよ。日本でも数カ月でできるのに。しかもすごく高い。それでなんらかのソリューションがあると思って調べたんですがない。それで考え始めたのがきっかけです」

しかし本間氏は起業の世界に「再登板」を決断するまで2年近くの時間を費やすことになる。

「本当にこれは必要なのかどうか。ソリューションがないのか。急ぐ必要はなかったのでしっかり準備をしました。それと20代の起業はそうとは言ってなかったけど、やっぱりどこか自己実現のためっていう部分があったんじゃないかな。でも今回ははっきりとしたビジョンが自分の中で見つかって、それで世の中のために残りの人生をかけてやるんだという決心がついた。だから私はこれをやるんです」。

この自問自答する本間氏自身を納得させたビジョンというのが次のライフスタイル、特に住生活のイノベーションについてだった。

「電話が100年かかってiPhoneになった。車はフォードから100年かかってTeslaを生み出したんです。でも、家はどうでしょうか?100年かかって変わったでしょうか?」

本間氏が口にした「住宅版のTesla」という表現は私にも理解しやすいように、という意味で使われたんだろうが、たった7文字が達成しようとしている世界観は相当に果てしない。元々は家が高いから、購入するのに数年かかるからという理由で始まった本間氏の課題解決は結果として「家はもっと面白くなる」という結論に辿り着くこととなる。

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家をスマートに賢くする。まだ目指すビジョンが山頂にあるとするならまだ山の麓、1合目に差し掛かったところだろうか。

資金調達に関してはMistletoe、B Dash Ventures、Genuine Startups、500 Startups Japan、East Ventures、Draper Nexus、建築事務所のKMDWらがシードラウンドに参加。個人投資家としては、楽天の三木谷浩史氏をはじめ、元オプトの海老根智仁氏、メルカリの山田進太郎氏、m&s partners Pte. Ltd.代表の眞下弘和氏、元楽天CTOの安武弘晃氏、元コロプラの千葉功太郎氏、マシ・オカ氏という錚々たる顔ぶれが集まった。

出資金は410万ドル。シード段階でこの金額は国内のスタートアップであれば破格だが、彼らがこれから挑戦する世界戦のことを考えると相応だろう。さらに彼のビジョンに共感したメンバーがAppleやTesla、Amazon、ディズニーといった企業から彼の元に集まる。現在はシリコンバレー拠点でフルタイム7名の体制でプロダクトの準備を進めているそうだ。

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では、どういう未来像を描き、現在の状況はどのようなものになっているのだろうか。

まだステルス状態でもあり、また、彼の思い描く「新しい住宅」のビジョンに対して現在進めているプロダクトが最適解かどうか検証している段階ということもあって、明確な説明はもう少し先の様子だった。ただ、今あるいわゆる「スマートホーム」と言われるデバイス群に対する課題は明確に語っていた。

「いわゆるスマートホーム市場はGoogleやApple、Samsungといったビッグプレーヤーの覇権争いですよね。結果的にアプリも沢山あってデバイスも山ほどある。それで使ってみるんだけどスマートフォンを取り出して電源を入れてアプリを立ち上げ、ログイン画面が出てきて。『で、いつになったらこの電気を切れるんだい?』という状況」

本間氏に言わせれば現時点で使えるソリューションは全然便利ではなく、このスマートホーム市場で考えられる課題は大きく三つあるという。

「スマートホームでまず出てくるのがコントロール。でもこれって単なるオンオフや調整の話。全然面白くない。次にインテグレーションのレベルが低い。例えばサーモスタットを付けたとして、家そのものとの連携が低い。結果としてできることが少なくなってしまう。さらに三つ目が通信で、もし100個のスマート電球を付けたとしてルーターを交換すれば、一から設定をし直さないといけなくなる。汎用のWifiやBLEで通信すると安定性に問題が出てくるんです」

彼の話を紐解くと、どちらかといえばスマートホーム・プラットフォームを標榜し、Samsungが2億ドルで買収したSmartThingsのような水平展開の方向性というよりは、AppleやTeslaのようにデバイスからソフトウェアまで全て垂直に統合するモデルが想像される。しかし本間氏はものには順序があると遮る。

「時間軸の問題です。例えば家を作るとしてそれをイチからやっていたのでは時間がかかってしまう。スケーラビリティのある展開と合わせて考えることが必要で、例えばiPodだってまずはソフトウェアから生まれたわけだし、Teslaだって元々はバッテリーから開発が始まってるんです」

それでも話を聞きながら「2001年宇宙の旅」や手塚治虫作品で夢描いた未来の生活、ライフスタイルのイメージがどうしても目の前に広がってしまう。子供心ながらにはやくそれを見てみたい、そのための手段を本間氏たちは用意しようというのか、という気持ちの高鳴りが止まらなかった。

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もうちょっと予想すると本間氏もいわゆる家に集まるビッグデータ、つまりはセンサーから取れるデータの数々だが、これを基礎とした「人工知能的なもの」によるホームコントロールは意識しているようだった。この分野は古くは大手家電メーカーの音声認識コントロールや最近ではウィンクルの「Gatebox」に見られるコミュニケーション・ロボット領域で挑戦しているプレーヤーを散見する。

つまりは家に帰り、ただいまと言えばロボットが電気を点けて顔認証でユーザーを認識し、その人のソーシャルデータからお気に入りのテレビ番組をレコメンドしてくれるーーまあそういった世界観だ。これを更に高度に発達させた上で「家そのもの」と密接に統合する。

自動運転する家、かなーー本間氏の言葉を借りれば、私たちがこれから出会うことになる「かもしれない」プロダクトはそういうものになるらしい。

シリコンバレーを中心に世界戦に臨む理由を人口が増え続け、集まる人材レベルが高く、さらにここで勝ち残ったものが「世界標準」になりうるからと語る本間氏。日本でも人口減少が近い将来、住宅事情にも影響をさらに与えることになるだろう。

学生起業から約20年。

「本当はね、これを解決してくれる人は出てくると思ってた。でもいないから私がやるんです」ーーそう語る本間氏の目にはこれからやってくるであろう困難を楽しみにしているような、そんな力を感じた。

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「B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo」1日目のまとめ——LINE上場後の事業戦略から、小室哲哉氏が予見する音楽界の未来まで

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本稿は、B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo の取材の一部である。 10月17日〜18日、B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo が開かれている。長野から始まり、大阪・福岡など場所を変えながら今回で9回目を迎える B Dash Camp にとって、この北の地を舞台にするのは初の試みだ。B Dash Camp 開催前日まで、札幌市内では SXSW…

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本稿は、B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo の取材の一部である。

10月17日〜18日、B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo が開かれている。長野から始まり、大阪・福岡など場所を変えながら今回で9回目を迎える B Dash Camp にとって、この北の地を舞台にするのは初の試みだ。B Dash Camp 開催前日まで、札幌市内では SXSW にインスパイアされた新地方イベント「NoMaps」のパイロット版が開催されるなど、この北の地にもスタートアップの息吹がにわかに高まりつつあるようだ。

B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo での1日目の動きをまとめてみた。

LINE舛田氏が語る、日米同時上場後に目指すもの

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1日目の冒頭を飾った LINE 取締役 CSMO(Chief Strategy & Marketing Officer)の舛田淳氏を迎えてのセッションでは、LINE が7月に果たした、東京・ニューヨーク同時上場の際のエピソードから話が始まった。舛田氏は複数証取への同時上場を選択した理由として、現経営陣がいなくなっても組織が世界を意識して成長していくための布石と答え、Twitter や Facebook と並んで海外の投資家からの理解も高いことを指摘した。また、上場時の日米の反応の違いを尋ねられると、ニューヨークではまるで映画のように、取引所の掃除をする人や警備をする人まで、「今日はいい日になるね」と成功を賛美してくれたと明かし、起業文化を盛り上げるためにも、東証にも街ぐるみで成功した起業家をショーアップするような雰囲気づくりをしてほしい、と注文をつけた。

今回の上場で市場から集めた1,000億円を、舛田氏はLINE のさらなる成長に使うと強調。では、具体的に何をするのか? その答えは、LINE のこれまでの〝言動〟を見ることで推測することができる。スマートポータルを標榜してきた LINE だが、メッセージングサービスを軸に発展してきた生い立ちゆえ、ポータルサイトやバーティカルなコンテンツサービスはポートフォリオに存在しない。個人のための便利なサービスの開発に注力してきた分、皆が同じ情報や体験をシェアするしくみは希薄だったのかもしれない。舛田氏は、最近の出前館の買収、自撮りアプリ「B612」へのコミュニケーション機能への追加、画像加工アプリ「SNOW」への出資などは次なる展開への布石であるとし、ソーシャルネットワークサービス(SNS)も LINE が狙う「ネクストライン」の選択肢の一つになり得ると語った。

F1層を魅了する、インフルエンサーマーケティングの旗手たち

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日本のみならず、アジアを席巻するインフルエンサーマーケティングの波。その多くは、20代後半から30代前半の女性からの高い支持に人気の秘密があるようだ。このパネルセッションでは、3ミニッツの細川潤氏、UUUM の中尾充宏氏、BIJIN&Co. の田中慎也氏が登壇した。

3ミニッツは動画による商品プロモーションを軸に据え、ファッション動画マガジン「MINE」の運営、人気インフルエンサーの支援、プライベートブランドの創出支援を行なっている。

UUUM は日本を代表する MCN(マルチチャンネルネットワーク)で、HIKAKIN やはじめしゃちょーらをはじめ有名 YouTuber を擁する大手芸能事務所のような存在。同社所属の YouTuber らによる動画投稿の月間再生数は2016年に20億回を超え、VidstatsX の統計によれば、MCN トップ100中、YouTube チャンネル登録者数で33%、月間再生数で40%の国内シェアを持つという。

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BIJIN&Co. は「美人時計」で成功した田中慎也氏が仕掛ける、モデルとモデルを起用したい企業のマッチングサイトだ。テレビ局、一般企業、メディアなどが利用しており、マッチング数が今年に入って格段に伸びているという。興味深い事例として、田中氏はインフルエンサー自らが、インフルエンサーマーケティングの力を活用して、自分のファッションブランドやビューティーサロンを立ち上げるケースが出てきていることを紹介、BIJIN&Co. から2人のモデルが登壇した。

マスマーケティング全盛だった20世紀とは違い、現在は情報があふれている時代。ファッションを選ぶにも、ライフスタイルをデザインするにも、ユーザは昔のように一辺倒に東京を見るのではなく、身近な誰かが何を買っているか、どう行動しているかに注目し、情報の質の高さを求めている。東京ではない地方にこそ、インフルエンサーマーケティングの真髄を知るヒントが隠されているようだ。

グリー田中氏と一問一答:2016年秋、旬な若手起業家4人

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年に春秋2回開催される B Dash Camp、その時々の最も旬な若手起業家にスポットを当てるこのコーナーには、dely の堀江裕介氏、Candle の金靖征氏、ココンの倉富佑也氏、ゴローの花房弘也氏が登壇した。一見すると成功者に見える彼らも、一筋縄では行かない起業家人生に苦労を強いられつつ、そんな毎日をまた楽しんでいるようだ。

2014年4月に dely を創業した堀江氏は、7月にフードデリバリをローンチするも2015年1月に同サービスをクローズ。今年に入って、料理レシピ動画の分散型メディア「KURASHIRU」で再起を図り、4月にはシリーズAラウンドで数億円の資金調達を成功させている。スタートアップに必要な不可欠なチームビルディングにおいて、堀江氏は将来が成功するか失敗するかもわからない事業に友人を誘うのはあえて避け、Facebook から一緒に仕事してくれそうなエンジニアなどに、片っ端から連絡をしまくったそうだ。「起業したいが、まわりに人がいない」という言葉は、そう簡単に吐いてはいけない、と堀江氏は語る。課金できるコンテンツは「経済」か「食」という信念のもと、現在は、時間が経過しても鮮度が失われない料理コンテンツに照準を絞っているそうだ。

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時期を同じく、2014年4月に Candle を設立した金氏は、当初は iQON にも似たファッションコーディネートサービスを運営していたが、その後、ファッションの「MARBLE」などを核とする、キュレーションメディア事業にピボット。先週、ネットサービス大手のクルーズ(東証:2138)で総額12.5億円で買収された。金氏は、グノシーCEO の福島良典氏らも在籍していたことで知られる、東大の起業サークル「TNK」の出身で、TNK の内部やツイッターで「エンジニアをやりたい」とつぶやいていた人たちに連絡をとり、創業チームを組成したのだそうだ。学生ベンチャーにとっての優位性は「死ぬほど働いて、死ぬほど考えることで勝てるビジネスを創ること」と捉え、現在は親会社となったクルーズの事業価値向上にどれだけ寄与できるかを考えていると語った。

日本人3人と上海拠点の中国人2人で共同創業したココンは、21世紀はインターネットと資本主義が変化する、との考えから、事業拡大に向け、さまざまなスタートアップの買収にも余念が無いようだ。

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ゴローの花房氏は2年半前に10代女性向けのコマースアプリ「melo(メロ)」を立ち上げ、事業拡大を図るにもうまくいかず、その後、薄毛対策に特化した話題を扱う「ハゲラボ」などコンプレックス・メディアの運営事業にピボット。昨年9月、ユナイテッドに株式60%を8.1億円で買い取られる形で子会社化された。ヒットさせるサービスの作り方を問われると、花房氏は、既存のメディアによる情報では、人が意思決定しづらくなっている領域がどこかを見つけることが重要だと指摘。ゴローの場合はそれがコンプレックスだったが、それ以外にも「まだまだ空いているバーティカルがあると思っている」のだという。

セッションの終わりには、セッション登壇者はそれぞれ誰を超えたいか、目標に掲げる先輩起業家の名前を挙げた。堀江氏は國光宏尚氏率いる gumi の時価総額300億円を3年でキャッチアップすると豪語、金氏は同じサークル出身のグノシーを時価総額で抜きたいと語り、また、倉富氏は食事したこともあるソフトバンクの孫正義氏に、出資話の提案を受けられるくらい可能性のある企業に成長させたいと目標を掲げた。花房氏は、出資者でもあるサイバーエージェントの藤田晋氏のほか、同年代の Evan Spiegel 氏(Sapchat CEO)や Ritesh Agarwal 氏(OYO Rooms CEO)らと肩を並べられるくらいの存在になりたいと抱負を述べた。

小室哲哉氏:業界の発展のためには、業界を超えて、人をつなぎ、まとめる人が必要

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ヤフー上級執行役員の宮澤弦氏のモデレートによる小室哲哉氏のセッションで、小室氏は Spotify の日本市場に上陸を引き合いに出し、音楽文化がコピーからシェアの文化に変化してきていることを指摘した。レコード会社は以前のように一人勝ちはできなくなっているとし、音楽プロデューサーの視点から、アーティストの姿勢の変化についても、次のように洞察を披露した。

「アーティストはファンを大切にしないとやっていけないが、最近は、媚びていたり、気を遣い過ぎていたりするのではないか? アーティストが冒険できなくなっている。ヤフーを含め、データは皆たくさん持っているが、データは過去の情報、新しいことはやってみないとわからないのに。」

一人や一グループのアーティストのライブには観客が動員されなくなり、音楽イベントの多くは、複数のアーティストが参加するフェスや EDM(Electronic Music Dance)になってきている。アーティストをマネージメントするレーベル担当者も、まずは観客にアーティストの名前を知ってもらうことが第一義で、特にフェスの場合は、誰かのヒット曲が聞けてうれしいというよりは、アンセム、つまり、みんなが歌える曲を聞いて帰りたい、というのが観客の大きなモチベーションになってきているそうだ。

小室氏は先ごろ、オーストリア・リンスで開催された ArsElectronica に参加したことだが、そこで映像をプロジェクションするドローンが一気に飛び立つような、コンテンポラリーアートの集団に魅せられたのだそうだ。エンターテイメントとして完成はしていなかったもの、その幻想的なイメージに未来を感じたとのこと。ただ、音楽がついていなかったことが残念だったそうだ。

技術は技術、ドローンはドローン、音楽は音楽で人が分かれてしまっており、それらをつないでまとめる必要だと思う。(中略)例えば、ハリウッドにはパブリシストという人たちがいた。ヨーロッパにも。日本にも、アーティストをプロデュースするようなパブリシストがいない。そういう人が出てきてほしい。

Spotify が日本でサービスを開始したことで、日本の音楽シーンも世界のトレンド標準にまで追いついたという印象。プロデューサーよりも、アーティストとしての活動に注力したいとしつつも、「小林克也氏みたいな最高のキュレーターになりたい」と〝プレイリスト共有時代〟のスター DJ としての顔をのぞかせた。

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