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「オフィスに集まる必要性」はあったのか?ーー著名投資家が語る“コロナ前後”で変化する世界観

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ピックアップ:Mary Meeker’s coronavirus trends report ニュースサマリー:元kleiner perkinsで、著名投資家のMary Meeker女史をパートナーとするVC「Bond Capital」が4月後半、同社投資先へ向けて「ポストCOVID-19市場」を分析したレポートを公開している。同レポートは全28ページで構成され、5つの重要なアウトライ…

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ピックアップMary Meeker’s coronavirus trends report

ニュースサマリー:元kleiner perkinsで、著名投資家のMary Meeker女史をパートナーとするVC「Bond Capital」が4月後半、同社投資先へ向けて「ポストCOVID-19市場」を分析したレポートを公開している。同レポートは全28ページで構成され、5つの重要なアウトラインに分かれている。

話題のポイント:Mary氏が毎年発行している「Internet Trend Report」は多くの起業家、投資家にとって指針のような存在になっているレポートです。読者のみなさんも一度は目にされたり読み解いたりされたりしたことがあるのではないでしょうか。

今回、同氏を中心に執筆されたレポート「ポストCOVID-19」は、「Our New World」と称しコロナ後(もしくは共存)の世界概念が一変する前提を元に描かれています。概要は大きく5つのトピックに分類されており、最初のトピックでは、COVID-19による経済的影響がどこまで長引くかに関する分析をしています。

経済回復の面ではできるだけ早く「人々が安全に外出できる指標」を示し、共通理解を広めることが大切で、それまでは政府資金を効率的に利用すべきだと主張しています。

(1)COVID-19 = Shock + Aftershocks
(2)Viruses + Microbes = Consistent + Periodic Agents of Disaster
(3)Creative Innovators (Globally + Together) Will Rise Above the Virus
(4)Rapid Changes Drive Growth in Both Directions
(5)The World Just Doesn’t End That Often = We Will Get Through This…
But Life Will be Different

2・3つ目のトピックでは、過去に私たちが対峙していた「ウイルス」と情報社会に生きる現代の私たちが対峙する「ウイルス」は全く別物であるという指摘をしていました。同レポートによれば、COVID-19に関する研究論文は既に3000件も発表されており、前例時と比較しても20倍のスピードでソリューションの発見へ動いているとしています。要は過去のパンデミックと比較して比べ物にならないぐらい動きが早い、ということですね。

さて、私たちにとって特に重要なのが4つめの「世界観の比較」です。3つの題材に分けてCOVID-19前後の世界観を比較しているのでもう少し詳しくみてみたいと思います。

GAFAは正しかったか

情報社会をリードするテクノロジー企業の代表格Microsoft、Amazon、Apple、Alphabet(Google)、Facebookに焦点が当てられています。各企業を率いてきたリーダーたちが短・長期的(10〜20年単位)ビジョンに基づいてリードしてきたのが「データの有効活用」です。

テクノロジー企業はデータを取り扱うという性質上、プライバシーの観点で近年問題視され始めていました。一方、このデータがなければ例えばAppleとGoogleの大規模な協業のような動きは不可能です。

参考記事:GoogleとAppleがCOVID-19対策でタッグ、まずは公衆衛生当局アプリから

同氏はCOVID-19はこうしたデータドリブンな長期的計画を持つことの重要性を顕在化させたと指摘しています。これは、決してテクノロジー企業のみの話でなく、全ての業界・業種に共通点だったということを気づかせてくれます。また同時に今後、「彼らとサイエンティスト、エンジニア、各業界のエキスパート」がヘルスケアの観点で協業することが重要であるとも言及していますが、これらは実際に進むのではないでしょうか。

ワークライフは分散型へ

大きく変わるのがワークスタイルです。Mary氏は「Shelter-in-place」によってワークライフは分散型へと移行するのはほぼ確実、と指摘しています。ベイエリアのテック企業は3月2日以降、Work From Homeを実践してきましたが、そもそもそれ以前から「オフィスに集まる必要性」はあったのか?と疑問を呈しています。

We have often been in large open spaces at technology companies filled with people using laptops at standing desks while wearing headphones to tune out background noise… is there a better win-win arrangement?(テクノロジー企業の多くはオープンスペースで、スタンディングデスクを使って、ノートパソコンにずっと目を向け、周りの雑音を取り除くためヘッドフォンを取り付け黙々と作業する人で埋め尽くされるだけです…なぜそうした状況が生まれてしまったのでしょう?)。

BONDはリモートワークを始めた投資先企業に、以下のような質問をしているそうです(一例)。

  • あなたの会社は効率的になりましたか?
  • チームはハッピーになりましたか?
  • コミュニケーションツールには、ビデオカンファレンス・メッセンジャーのどちらを使うようになりましたか?

これらの回答を結論付けるのはまだ早いとしながらも、ほとんどの企業で効率性が同様もしくは向上されたとしているのです。また、家族との時間が増えたことやあらゆるフレキシビリティーが生まれたことで、幸福度も上がっているとしています。

興味深かったのは、ビデオ会議をすることで多くの人が集合時間を守り(中には5分前行動のように早く登場する人も!)、かつ予定される終了時刻に合わせテキパキと議論を進めるようになったと報告しています。

DXはもう止めたくても止められない

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、テクノロジー企業であろうがなかろうが関係なく導入を余儀なくされることになるだろうとしていました。DXの動きがCOVID-19によって明確に可視化されたことの影響は、日本国内でも「ハンコ廃止」や「EC・オンラインデリバリー」の加速などで実感している方も多いのではないでしょうか。

以下は、DXが急速に進むであろうと同レポートで指摘される一例です。

  • ローカルの古びたレストラン:店内からピックアップへシフト
  • ローカルスーパー:完全ECへシフト
  • ローカルのコミュニティー:リアルミートアップからデジタルへシフト
  • ブランドビジネス:完全ECへシフト、しかしブランドはデジタルでも強い
  • 学校:オンデマンド&バーチャルクラスへシフト
  • 家族の娯楽:移動からデジタルへシフト
  • 日用品:買い出しからオンデマンドデリバリーへシフト
  • 外食:イートインから、持ち帰りへシフト
  • 医療:対面型から、オンライン診断へシフト
  • 企業情報管理:紙からクラウドへシフト

オンデマンドP2Pに明暗

オンデマンドP2Pプラットフォームといえば、Airbnb、Uber、Lyftが挙げられます。現在、COVID-19により人の移動が制限されてしまい、フィジカルな移動が伴うAirbnb、Uber、Lyftのオンデマンドモデルの需要低下は避けられない状況になっています。一方、デリバリー面ではInstacart・DoorDashが需要拡大化してきており、オンデマンドP2Pの需要シフトが大きく始まっていると指摘しています。

今、この時点で判明していることを現在進行形で以下の4点です。

  1. 働き方が確実に変わってきている
  2. 多くの人が働く機会を失っている
  3. 多くの人が資金的に追い込まれている
  4. 3カ月、そして24カ月後のいずれも「予想は不可能」

同氏はこうした状況が、さらにオンデマンド型の働き方(需要が増える分)が新たなスタンダードになる可能性を指摘しており、それによる社会構成が再定義されることまで言及していました。

The World Just Doesn’t End That Often.(世界はそんな簡単に終わると思うか?)

さて、同レポートの結論部分で引用されるこの言葉は、2008年の金融危機の際T. Rowe Priceの会長・CIOであったBrian Rogers氏のものです。この発言を引き合いにMary氏は「…だけど、私たちの”生き方”は変わってしまう」と、COVID-19以降の世界観を最後に6つのポイントでまとめています。以下がその要約です。

  1. 主体性のある政府機関の発展と共に、ヘルスケア、教育分野がローコストかつ効率的に変化を遂げる
  2. 国民の「幸福度」が重要視され、政府・企業間の連携がさらに強まる
  3. 個人のライフバランスやスキルに準じた働き方が当たり前とされ、そうした体制がきちんと整えられていく
  4. いたずらな「消費」を良しとしない風潮になる
  5. 家族と時間を共にすることや、本当の幸せとは何かを追い求める社会となる
  6. 家族間の絆、人生で成し遂げたいこと、コミュニティー、信仰心などにより大きな意味が課せられていく

今回取り上げたMary Meeker氏(BOND)によるレポートは、なんとなく思い描いていた「COVID-19以降の世界観」を明確に統計的数値と共に言語化してくれていました。原文では、ここには載せていないような数値や企業からのコメントなどを用いて、さらに詳しく分析をしているので、一読ゆっくり目を通してみてはいかがでしょうか。コロナ後(もしくは共存)の世界観をより明瞭に思い描くことができるかもしれません。

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Mary Meeker氏の「インターネットトレンドレポート2019」が伝える「中国の革新的なオンラインビジネスモデル」とは?

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中国のインターネット企業は、オンラインのビジネスモデルを変革することで成長を加速させているー ベンチャーキャピタリストの Mary Meeker 氏 は今年のインターネットトレンドレポートの中でそう述べている。 中国は世界のネット人口の21%を占めており、世界最大のオンライン大国としての地位を固めつつあるが、ネット普及率では欧米諸国に遅れをとっている。インドが追い上げつつあり、世界のネット人口の1…

中国のインターネット企業は、オンラインのビジネスモデルを変革することで成長を加速させているー ベンチャーキャピタリストの Mary Meeker 氏 は今年のインターネットトレンドレポートの中でそう述べている。

中国は世界のネット人口の21%を占めており、世界最大のオンライン大国としての地位を固めつつあるが、ネット普及率では欧米諸国に遅れをとっている。インドが追い上げつつあり、世界のネット人口の12%を占めるほどになった。 この国もネット普及率が低いことから、有望な成長市場となっている。

世界の時価総額ランキングの上位10社には、Alibaba(阿里巴巴)と Tencent(騰訊)が入っている。続いて Meituan Dianping(美団-大衆点評)、Baidu(百度)、JD.com(京東)、 NetEase(網易)、Xiaomi(小米)が上位30社以内にいる。しかし時価総額の年間増加率をみると、中国企業は他国の上位企業と比較して低かった。中国企業のトップは Alibaba で106%増加したが、Netflix の366%や Microsoft の146%には及ばない。

とはいえ、中国のオンラインビジネスモデルは進化し続けている。アメリカの大手銀行 Citibank は12日、将来に向けたデジタル戦略の構築で、アジアとりわけ Ant Financial(螞蟻金融)を注視していくとコメントした

<関連記事>

「スーパーアプリ」がオンラインの消費を統合

「インターネットトレンドレポート2019」

中国では、インターネットのビジネスモデルが消費を変革させている。生活サービスプラットフォーム Meituan(美団)にみられるように、単一の機能として始まったプラットフォームがワンストップの「スーパーアプリ」に進化している。提供されるサービスにはフードデリバリー、映画チケット、ホテルや旅行の予約、決済など30種類あり、いわばアメリカの Yelp、OpenTable、Fandango、 Booking.com、Airbnb を組み合わせたような内容だ。

Ant Financial の Alipay(支付宝)は、決済アプリからフードデリバリー、ヘルスケア、公共輸送料金、公共料金支払いなど20万以上の機能を利用できる生活サービスプラットフォームへと進化した。Alipay のスーパーアプリへの変革をもたらしたのは、中国の新興ネットセクターを事実上全てカバーしている Alibaba のエコシステムだ。

エンターテインメントの要素が成長を加速

「インターネットトレンドレポート2019」

エンターテインメント的な要素を e コマース、メッセージング、決済サービス、オンライン教育プラットフォームに取り入れる点で、中国は先頭を行っている。

eコマースプラットフォームの成長は、ゲーム的なショッピング機能や、よりインタラクティブなアプリ内ライブストリーミング機能によってももたらされている。ゲーミフィケーションがオンライン販売の促進に果たしている役割を示す代表例が Pinduoduo(拼多多)だ。ユーザは友達とシェアすることで割引を受けられ、友達はゲームをすることで割引を受けられる。バーチャルな果物の木を植えると、「収穫時期」が来れば本物の果物が送られてくる。ソーシャルなショッピングとゲーム的な割引を組み合わせることで、同社はこの2年で急速な成長を遂げた。

中国のeコマースセクターにおける主要な成長ドライバーには、ライブストリーミングもある。メガマーケットプレイスTaobaoのライブストリーミング部門である Taobao Live(淘宝直播)は昨年、ライブストリーミングから140億米ドルの総流通総額(GMV)を生み出した。同様に、Kuaishou(快手)やDouyin(抖音)などの短編動画アプリもeコマース機能を追加している。

WeChat(微信)のミニプログラムゲーム「Jump Jump(跳一跳)」は、WeChat のミニプログラムエコシステム構築に役立っており、これによりブランド企業はユーザとより良い関係を持つことができる。他方、Alipay はゲーム体験を顧客エンゲージメントの向上に活用している。Alipay Ant Forest(螞蟻森林)では、フィランソロピーをゲーム的なシステムに取り込んだ。ユーザは散歩をしたり公共交通機関を利用したりして二酸化炭素の排出を抑制するタスクを完遂すると、グリーンエネルギーポイントを貯められる。ポイントは友達から集めることも、リアルな植樹をするために寄付することもできる。

「インターネットトレンドレポート2019」

ゲームの果たす役割は、教育にも広がっている。多くの教育アプリがゲームやクラスメイトとの競争を取り入れ、生徒が数学やコーディングを学習する動機を与えている。

ネット利用の増加をもたらす短編動画

「インターネットトレンドレポート2019」

2018年、中国の携帯電話からのネット利用は前年比189%増となり、1日のネット利用時間は全体で2018年4月の3億時間から今年4月には6億時間へと倍増した。2大短編動画プラットフォームの Douyin と Kuaishou のデイリーアクティブユーザ数は共に2億5,000万人に近付いている(Douyin の方が多い)。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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中国の人工知能開発が躍進、ギグ・ワーカーは680万人に増加ーーメアリーミーカー「インターネットトレンド2018」公開

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メアリー・ミーカー女史の毎年恒例、インターネットトレンドが発表された。人工知能の普及から2017年に登場以来初めてのフラットな成長となったスマートフォンの話題まで、次世代技術の進化に関する膨大な報告書になっている。 彼女の報告書は今年の3月に発表されたエイミー・ウェブ女史の2018年テック・トレンド・レポートと同じく、複雑な人工知能システム開発における中国の勢いと、政府による人工知能イノベーション…

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Above: New smartphone unit shipments

メアリー・ミーカー女史の毎年恒例、インターネットトレンドが発表された。人工知能の普及から2017年に登場以来初めてのフラットな成長となったスマートフォンの話題まで、次世代技術の進化に関する膨大な報告書になっている。

彼女の報告書は今年の3月に発表されたエイミー・ウェブ女史の2018年テック・トレンド・レポートと同じく、複雑な人工知能システム開発における中国の勢いと、政府による人工知能イノベーションシステムへの前向きな計画、民間との共同による軍事AI計画の増加を指摘していた。

米国が依然として先行しているものの、中国は「集中的に組織化され強化が進んでいる」と指摘。元GoogleのCEO、エリック・シュミット氏は「今後5年間で中国と米国がAIの優位性が同等となる」と予測している。

ミーカー女史は世界が雇用市場に及ぼす影響を熟考している。例えばテクノロジーというのは歴史的に見ても、常に雇用を創出する側と奪うという両面を持っており、列車に関連する仕事の数が減った場合に航空産業の従事者が増加していたり、農業雇用の減少に伴ってサービス雇用が増加したりするなど、その相関を指摘している。

しかし新しいテクノロジーはそうではなく新しい仕事や効率化、成長を生み出しているので、「歴史と矛盾する」ことになるだろうと考察していた。

また、Googleの音声アプリケーションの単語誤認率の低下や、Alexaのスキルが3万を超えたことを指摘するなど、会話コンピューティングが人々の生活の中に入り込んでいる点も強調している。さらにエンタープライズ顧客間のAI活用もまた増加すると予想している。

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報告書ではその他の優れた統計情報を共有している。以下にいくつか紹介する。

  • グローバルインターネットの利用率は2012年の24%から49%に上昇し、グローバルソーシャルメディアの普及率は14%から33%に増加した。ソーシャルメディアの平均利用時間は、2012年の90分から2017年には135分に増加した。
  • TencentやAlibabaなどの中国の巨人だけでなく、Google、Amazon、Microsoftなどのテクノロジー大手の時価総額も引き続き上昇している。
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  • UberやAirbnbなどのオンデマンドプラットフォームを活用している「ギグ・ワーカー」は、2015年の240万人から2018年の680万人に増加している。
  • デジタルメディアの1日の使用時間は、2008年の2.7時間から2017年の5.9時間に増加している。
  • Fortnite Battle RoyaleはストリーミングサービスTwitch内で最も注目されているゲームで、利用者は2012年の500万人から2017年の約1,500万人に増加している。
  • 検索エンジンの動向として、商品検索の85%がAmazonやGoogleから始まるため、消費者の購買意思決定を促進する上で重要な役割を果たしている。
  • InstagramやPinterestのようなソーシャルメディアも、18〜34歳の米国の消費者の間では商品検索をする上で不可欠になっている。
  • WhatsAppやWeChatのようなメッセージングアプリは引き続き急成長を続けている。

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膨大な294ページの文書で取り上げられている他のテーマの中でも、ヘルスケア、食糧、交通、住居などに高額の費用を支払っている状況に触れ、それらの市場でどのようにAirbnbやUberのようなテクノロジープラットフォームがホテルのような既存産業を破壊しているかを紹介していた。

またレポートでは、SlackやDropbox、Intercom、Zoomなどのエンタープライズソフトウェアが、オフィスでの仕事の仕方を変革させている状況を説明したり、介護・医療保険のような政府プログラムに起因する米国の債務や支出をどう変えるべきかについても解説していた。

Kleiner Perkins Caufield&Byers(KPCB)のレポートは、eMarketer、World Bank、およびIntuitのようなさまざまなソースからの考察をまとめたものだ。なお、中国の動向の一部は、Hillhouse Capitalが調査にあたっている。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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