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ロボティクスプラットフォーム開発のRapyuta Robotics、シリーズBラウンドで推定6.5億円を調達——モノフル、安川電機らと資本業務提携

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東京、バンガロール、チューリッヒに拠点を置き、クラウドロボティクス・プラットフォームを開発する Rapyuta Robotics は17日、シリーズ B ラウンドで資金調達したことを明らかにした。このラウンドは世界的物流施設大手 GLP の日本法人傘下の物流 DX 企業モノフルがリードし、産業用ロボット世界最大手の安川電機(東証:6506)が参加した。この2社以外にも投資家はいるが、現時点で明らか…

協働型ピッキングアシスタントロボット
Image credit: Rapyuta Robotics

東京、バンガロール、チューリッヒに拠点を置き、クラウドロボティクス・プラットフォームを開発する Rapyuta Robotics は17日、シリーズ B ラウンドで資金調達したことを明らかにした。このラウンドは世界的物流施設大手 GLP の日本法人傘下の物流 DX 企業モノフルがリードし、産業用ロボット世界最大手の安川電機(東証:6506)が参加した。この2社以外にも投資家はいるが、現時点で明らかになっていない。

本ラウンドでの調達金額についても公表されていないが、前回ラウンドまでの累積調達額と、今回ラウンドまでの累積調達額から、本ラウンドでの調達額は6.5億円と推定される。今回の調達は、同社が2015年1月に実施したシードラウンド)、2016年9月に実施したシリーズ A ラウンド、2018年7月に実施したシリーズ A+ ラウンドに続くものだ。創業からの累積調達額は31.5億円に達した。

Rapyuta Robotics は、チューリッヒ工科大学からスピンオフしたスタートアップだ。CEO の Gajan Mohanarajah 氏は東京工業大学で修士号を取得、チューリッヒ工科大学で博士号を取得し、2014年に東京で起業した。現在はチューリッヒとバンガロールに開発拠点を持ち、社員はエンジニアが中心。

同社が開発・提供する「rapyuta.io」は、さまざまなロボットを統合的に運用・管理できるクラウド型のロボティクスプラットフォームで、複数メーカーの異なるロボット横断で個別動作のためのプログラミング作業が簡略化できるのが特徴。前回のインタビューで、Mohanarajah 氏は物流やロボットアームの分野にフォーカスすることを明らかにしていたが、モノフルおよび安川電機と今回資金調達を含む業務提携を行ったことで、これらの分野との関わりをより強固なものにする。

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開発拠点で業務に従事するチームメンバー(一部)
Image credit: Rapyuta Robotics

EC 市場は世界的に急成長し、サプライチェーンはバリューチェーンへと進化し、物流の仕組みは複雑化している。一方日本では労働力の低下から物流分野における人手不足は深刻化。普通に考えれば、物流業界においてロボットオートメーションのニーズは高いはずだが、Mohanarajah 氏によれば、スケーラブリティと柔軟性という2つのハードルがロボットの円滑な導入を阻んでいるという。

物流業界においては、荷物の取扱量が季節要因や繁忙期によってバラツキがあり、それに応じた柔軟な人員配置や設備投資が難しい。一方で、市場需要の急速な変化に応じて、荷主から 3PL(サードパーティー・ロジスティクス=物流委託業者)に出される契約期間は12ヶ月〜18ヶ月間程度と短期化しており、3PL にとって長期を見据え多額の設備投資をすることは難しくなっている。

Rapyuta Robotics では今後、安川電機と協力し AMR(物流向けの協働型ピッキングロボット)や AI フォークリフトの開発などを進める。モノフルとは、同社が持つネットワークを生かし、物流向けロボティクスのサブスクリプション・サービスや顧客獲得で協力を得るとしている。また今回、三井物産と日本 GLP とのジョイントベンチャーである RaaS (Robot as a Service)プロバイダのプラスオートメーションとも業務提携した。

この分野では昨年8月、AIやロボティクスで物流の省人化・生産性向上を目指すインテグレータ GROUND が INCJ のリードで17.1億円を調達している。

物流DXのモノフル、配車支援サービス「配車プラス」をローンチ——求貨求車サービスのトランコムとも提携

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日本 GLP 傘下で物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に特化したサービスを提供するモノフルは20日、は配車支援サービス「配車プラス」をスタートした。荷主企業、物流企業の多くは安定した拠点間輸送の手段を確保するため、協力運送会社を複数抱え配車業務を行っているが、配車プラスでは SaaS によりこの業務のデジタル化を支援する。 配車業務は、車建て、配車計画、配車手配、誘導・運行管理など…

日本 GLP 傘下で物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に特化したサービスを提供するモノフルは20日、は配車支援サービス「配車プラス」をスタートした。荷主企業、物流企業の多くは安定した拠点間輸送の手段を確保するため、協力運送会社を複数抱え配車業務を行っているが、配車プラスでは SaaS によりこの業務のデジタル化を支援する。

配車業務は、車建て、配車計画、配車手配、誘導・運行管理などで構成されるが、今回、配車プラスで利用できるようになったのは、配車計画と配車手配の部分。車建てや誘導・運行管理については今後の提供を予定している。配車手配においては求貨求車サービスを提供するトランコム(東証:9058)と提携、来年2月からトランコムの「スピード求車」を通じて全国の運送事業者約1,300社の情報を連携させる。

配車プラスは、すでに、大阪や名古屋を拠点に持つ総合物流業のハルテグループで、2020年の年明けから5拠点での導入が決まっており、自社便も含め日に300台行っている配車業務の効率化を推進する予定。

物流企業の配車支援サービスの分野では、ラクスル(東証:4384)が今年2月にローンチしたハコベルコネクトが先行する。トラック向けに物流施設でのバース予約なども含めてトータルにソリューションを提供するプレイヤーとしては、Hacobu の「MOVO」が先行する。

モノフルは今年4月、物流施設においてトラックの入出庫をデジタル化・効率化する「トラック簿」をリリース。事業シナジーの可能性のあるスタートアップへの投資を今後加速させ、年内に自社サービスをトラック簿以外に2つリリースする予定としていた。このうちの一つが「配車プラス」と考えられる。

物流大手GLP傘下のモノフル、トラックの入出庫をデジタル化・効率化する「トラック簿」をリリース——人手不足に悩む運送業界の福音となるか?

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モノフルは、世界的物流施設大手 GLP が昨年3月に設立した、物流業界のデジタルトランスフォーメーションに特化した企業だ。これまでに、ファンドではサムライインキュベートの6号ファンドに、また、スタートアップではスマートドライブや Telexistence に出資している。 そのモノフルから初となるプロダクトがローンチした。運送トラックが倉庫に荷物を入庫・出庫する際の受付業務、予約業務をデジタル化・…

ドイツ・ハンブルク空港のトラックヤード
Public Domain Image

モノフルは、世界的物流施設大手 GLP が昨年3月に設立した、物流業界のデジタルトランスフォーメーションに特化した企業だ。これまでに、ファンドではサムライインキュベートの6号ファンドに、また、スタートアップではスマートドライブTelexistence に出資している。

そのモノフルから初となるプロダクトがローンチした。運送トラックが倉庫に荷物を入庫・出庫する際の受付業務、予約業務をデジタル化・効率化するサービス「トラック簿」だ。トラックドライバーの倉庫前での待機時間や拘束時間を劇的に減らす効果が期待できる(スマートドライブら共同で開発した「monocom(モノコム)」も存在するが、モノフルがスクラッチで開発したプロダクトとしては、これが初となる)。

物流センターや倉庫の近隣エリアで、エンジンを切って、ドライバーが休息をとっているトラックの車列を目撃したことがある読者は少なく無いだろう。必要な時刻にやってきて、用が終わったら即座に現場を立ち去るのが効率的な仕事の動きだが、トラックの場合そうもいかない。問題は、荷物を発送する荷主の都合だったり、入出庫を請け負う倉庫側にあったりすることが多い。

倉庫には、トラックをバックで横付けし、荷積みや荷下ろしを行えるバースと呼ばれる場所が存在するが、運送トラックが倉庫にやってくると、このバース受付をすることから仕事が始める。倉庫の受付に行き、自分の連絡先と届出先を紙に記載。バースの空きが出て自分の順番が回ってきたら、マイクやケータイで呼び出される仕組みだ。荷主から朝一番の納品を依頼されている場合、トラックは倉庫が開門する朝一番にやって来たのでは間に合わない。渋滞に巻き込まれるリスクも考慮して、前日遅くに前入りし、ドライバーは倉庫近くで夜を明かすことになる。

トラックドライバーが業務拘束される時間のうち、実際にトラックを運転しているのは半分くらいで、残りの半分はこうした倉庫前での待機などに割いていることが多い。モノフルの「トラック簿」は、デジタルの力でこうしたムダを排除し、業務改善につながることを狙ったものだ。「トラック簿」を契約する倉庫では、パソコンやタブレットを使ってバース受付や予約を管理、また、当該倉庫にやってきたトラックは、バース受付や予約をドライバーがスマートフォンから完了できる。バースの順番が自分に回ってきたら、SMS(ショートメール)や LINE で知ることができる仕組みだ。

「トラック簿」のバース管理画面
Image credit: Monoful

トラック簿の開発にあたったモノフルのゼネラルマネージャー武田優人氏は、物流業界に関わる誰もが、倉庫にいろんな課題があることを肌では感じていながらも、それを具体的に可視化し課題解決していくことが重要だと考えた、と語った。事実、トラック簿では接車時刻(トラックがバースに横付けし、荷積みや荷下ろしを始めた時刻)など5つの時刻が管理できるようになっており、クラウド上に一覧表示される。基本的に作業の開始や終了はユーザがスマートフォンなどで入力することになるが、フューチャースタンダードの「SCORER(スコアラー)」と連携し、トラックの車ナンバーを読み取り、接写時間の自動測定やバースの満・空状況の自動反映も可能にする予定だ。

この業界では、まだ予約(バース予約)という概念は十分に浸透はしていない。まずは、受付(バース受付)から入っていって、少しずつ予約も受け入れられるようにしていきたい。(武田氏)

冒頭で述べたように、モノフルはスマートドライブに出資しているが、スマートドライブは、自動車のテレマティックス分野では右に出るものがいない存在だ。スマートドライブの開発する仕組みなどと連携すれば、トラックが倉庫に近づくだけで、自動的にバース予約がなされ、ドライバーはトラックから降りることなく、バースに横付けできることも可能になるだろう。渋滞に巻き込まれたとしても、道路状況を考慮したその際のトラックの予想到着時刻や荷積み・荷下ろしの見積所要時間に合わせて、バースをの自動割当や割当最適化なども可能になるかもしれない。

この分野には、物流大手のプロロジスらが展開する「スマートバースシステム」を始め、シーオスの「TruckBerth」、Hacobu の「MOVO」、CEC の「LogiPull」など10ほどの競合が存在する。そんな中でモノフルのトラック簿は後発となるが、自ら親会社が物流施設を保有していることから生まれる知見と、サービスのグロースを優先したフリーミアムモデル、さらには、切実な人材不足問題を背景に声高に叫ばれる「ホワイト物流」を追い風に、サービス浸透に勤しむとしている。

モノフルは事業シナジーの可能性のあるスタートアップへの投資を今後加速させ、年内に自社サービスをトラック簿以外に2つリリースする予定だ。サービス内容については明らかになっていない。