昨年の夏、スタートアップ・キャンパスの「Station F」は、当時選出されたばかりのフランス大統領 Emmanuel Macron 氏が参列し、豪華な式典で幕を開けた。今日(原文掲載日:6月27日)、Station F は最初の12ヶ月間の進捗を言わすパーティーを開催した。 フランスの起業家 Xavier Niel 氏が生み出した Station F は、世界最大のスタートアップ・キャンパスと言…
Station F Image credit: Patrick Tourneboeuf
昨年の夏、スタートアップ・キャンパスの「Station F」は、当時選出されたばかりのフランス大統領 Emmanuel Macron 氏が参列し、豪華な式典で幕を開けた。今日(原文掲載日:6月27日)、Station F は最初の12ヶ月間の進捗を言わすパーティーを開催した。
フランスの起業家 Xavier Niel 氏が生み出した Station F は、世界最大のスタートアップ・キャンパスと言われる。Niel 氏は、自己資金数億ユーロを投じて、鉄道駅跡地を起業家の集まるホットスポットへと改装した。
本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。(過去の寄稿) The Bridge has reproduced this from its origina…
本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。(過去の寄稿)
The Bridge has reproduced this from its original post on Rude Baguette under the approval from the blog and the story’s author Mark Bivens.
Station F Image credit: Patrick Tourneboeuf
先週パリへの短期旅行の際、私はついにオープンしたばかりの Station F を訪れる機会を得た。
以前は鉄道の車庫だった Station F は東京タワーの全長に等しい奥行きを持ち [1] 、自らを世界最大のスタートアップ・キャンパスだと謳っている。開館したのは7月のことだ。
さまざまな組織に所属する日本やアジアの多くの人々が、私に Station F についての意見を求めてきた。今となって自信を持って、それに答えることができる。
支持する理由のまとめから、始めてみることにしよう。
あなたが、ヨーロッパに照準を合わせ、世界展開の野心を持ったアジアのスタートアップ、VC、イノベーションを求める企業ならば、Station F は完璧な上陸拠点になりうるだろう。
3つの上位カテゴリの一つにいながら、ヨーロッパが死角になっている人々にとって、Station F は視野を広げる上で完璧な選択肢だろう。
私が訪問したときには確かに、まだ建設時のホコリが残されている状態だったが、スタートアップのセクションはかなり空いている状態だった。しかし、そこにこそ野望がある。その匂いを感じ取ることができるだろう。Station F は今までにもあったフランスのイニシアティブではない。私は、このトラップ(今までのイニシアティブと同じ過ちを繰り返すこと)にならないことを望んで、2016年にこの記事「お金ももらっておらず、頼まれたわけでもないが Station F へのアドバイス」を書いた。彼らは、そのような過ちをしなかった。まったくの反対だ。Station F は、スタートアップ1,000社、投資家、ビジネスサービスプロバイダ、公共サービス(ビザ申請の補助など)、イベンスペース、フードコート、そして、近日中には600人の起業家が寝泊まりできる施設を擁する、一大国際エコシステムになることを目指している。
具体的に Station F が現在提供している、最も適当な機会を取り上げてみると次の通りだ。
外国 VC………Station F は、ティア1(第1級)の外国ファンドに対して、月あたり5〜10日間の時間限定利用権を提供していた(月料金は1,000ドル未満)。このパッケージはすでに募集枠を上回ってしまったようだが、Station F に直接紹介してほしければ、私に気軽に連絡してほしい。
外国企業………Station F はまもなく全日イベントのパッケージを発表する予定で、これには開催企業の特別なニーズに合った、特別あつらえのセッションやスタートアップ紹介が含まれる。このパッケージはまだ準備できていないようだが、読者に興味があれば、喜んで適当な人物に紹介したい。
最後に、よく受ける質問について書いておこう。Station F はコワーキングスペースでもなければ、企業にとっての一時的な住居でもない(そのようなサービスは、すでにパリのあちらこちらで広く提供されている)。
私は Station F の可能性に強気だ
そうだ。Station F ができてから、まだ日も浅い。エグゼキューションにおける真実が野心を満たすことができるかどうかを見極めるまでには、まだ少し状況を見守る必要がある。私は Station F の可能性に強気で、私はすべての外国の投資先企業に、真剣に Station F を見てみるべきだと言っている。あなたもそうだ。
もともと駅舎だった歴史的なコンクリート建造物をリノベーションする形で建設され、当初は今年4月のオープンが予定されていたが、工事スケジュールの遅れから完成が6月末にまでずれ込んだ。筆者は2週間前 Station F を訪問したが、その際に工事中の現場を撮影することができた。内装工事や設備搬入はまだ終わっていないかったが、施設の全景はイメージしてもらうことができるだろう。
Station F のオープン祝賀式典で登壇するフランス大統領 Emmanuel Macron 氏 Image credit: Station F/La FrenchTech
訪問時に応対してくれた、Station F のコミュニケーションディレクター Rachel Vanier 氏の説明によれば、3つの建造物が連結された Station F の奥行き長さは、ちょうどエッフェル塔を横に倒したのと同じ程度ということだった(ちなみに、エッフェル塔は高さ300メートル)。最寄り駅はパリ市営地下鉄の Bibliothèque で、フランス国立図書館からも程近い。筆者が訪問したときに周辺を散策してみたところ、スマートフォンで École と SSID 名のついた WiFi をそこらじゅうで拾えたので、どうやら文教エリアのど真ん中のようだ。
Station F には、Facebook や Microsoft など有名テック企業のアクセラレーション部門が入居し、合計26のアクセラレーションプログラムが展開される予定だ。特に Facebook は、Facebook の人工知能研究部門である FAIR(Facebook AI Research)がパリに拠点を置いてこともあり、この分野のスタートアップへの支援に注力することが期待される。施設内には24時間365日利用可能なレストランやシャワールームが用意されているほか、来年には Station F から10分ほどのエリアに600人が生活できる居住棟が3つオープンする予定で、文字通り「スタートアップの街」ができあがることになる。
Station F から程近いところに用意される居住棟(完成予想図) Image credit: Station F/La FrenchTech
FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグ氏は本日、同社がパリに新しく開設される大型スタートアップキャンパス Station Fの創業パートナーとなることを発表した(編集部注:原文掲載は1月17日)。 Facebookは「Startup Garage」を開設し、その場所を10ー15のデータドリブンのスタートアップのインキュベータにする予定だ。このミッションは、人工知能研究グループの拠点をパリ…