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Facebookがライブコマースへ本腰、しかし中国市場には未だ巨大市場が眠る

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ピックアップ: Facebook Acquired a Startup to Build a Live Shopping Feature ニュースサマリー: Facebookは2019年12月20日、同社フリマサービス「Marketplace」内でライブ動画ショッピング機能を実装するため、2017年にシリコンバレーで創業した「Packagd」を買収していたらしい。関係者筋の話としてBloomber…

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ピックアップ: Facebook Acquired a Startup to Build a Live Shopping Feature

ニュースサマリー: Facebookは2019年12月20日、同社フリマサービス「Marketplace」内でライブ動画ショッピング機能を実装するため、2017年にシリコンバレーで創業した「Packagd」を買収していたらしい。関係者筋の話としてBloombergが報じたもので、買収時期は2019年初頭。

PackagdはYouTube動画向けのショッピング機能を開発していた。次世代の24時間テレビショッピングネットワークの構築を目指していた。同社チームの大半は、9月にはFacebookチームに参画していたという。今後どのようなサービス設計になるかは明らかにされていないが、ユーザーがライブ動画を見ながら買い物を楽しめるものになるとのこと。

Facebookは2018年、タイでライブコマース機能を試験投入していることから、本買収を通じて米国市場で類似機能を再現するとされている。

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話題のポイント: ライブコマースは中国市場で爆発的に普及しています。独身の日セールでは、Alibaba(阿里巴巴)やTencent(騰訊)傘下のEコマースサービスで28億ドル規模のライブコマース経由の購買が行われています。一方、米国市場では中国ほどの売上を上げている印象はありません。たとえば、今では米国世帯の半数がPrime会員に加入しているとはいえ、Amazon Prime Dayにライブコマースが売上を伸ばしているといった話は聞きません。

そこで登場するのがFacebook。従来、Marketplaceはローカル特化のフリマとして成立していましたが、もしライブコマース機能が実装されれば、国が離れていたとしても個人間売買を促進できる、越境ライブコマースサービスとして市場参入できます。

SNSの特徴を最大限に活かし、欧州と欧米ユーザーを繋ぐプラットフォームとして機能させることでAmazonとは違った価値提供ができます。今回の買収を通じて、これまでローカルだった場所が、急にグローバルなネットワークへと成長するとっかかりを得られる可能性も見いだせるでしょう。

ただ、Facebookは大きな商機を逃しています。というのも、最もライブコマースがホットな中国市場に参入しようとしても、市場から締め出しを食らっているため出来ないのです。このGAFAの参入障壁を狙っているのが欧米のスタートアップたち。たとえば米中をライブコマースで繋ぐ「ShopShops」や、インフルエンサーが店舗からライブ動画配信する「roctona」が挙げられます。彼らは中国市場向けに越境ビジネスを仕掛け、ライブ配信者ネットワークを構築しています。

GAFA勢の穴を埋めるように、スタートアップは成長を遂げています。日本でも「Live Shop!」などが人気ですが、仮に中国市場向けにアパレル・医薬品商品を販売するライブコマースアプリへと方向性を変えれば成長が狙えるかもしれません。ここで覚えておくべきことは、GAFAが取りこぼした大きな商機が、中国顧客を前提とした越境市場に潜んでいる点です。この点を見逃さず、配信者ネットワークを世界規模で展開できた企業は、ライブコマース市場で勝ち抜けられるはずと感じます。

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Facebookやマイクロソフトら、ディープフェイク検出技術を募るコンテスト「Deepfake Detection Challenge」を来年3月末まで開催

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ディープフェイクとは、既存の画像、音声、動画で人物を記録し、AI アルゴリズムを使って他の人物に置き換えるメディアのこと。このディープフェイクが急速に増加している。アムステルダムに本拠を置くサイバーセキュリティスタートアップ Deeptrace は、今年6月と7月の集計分で14,698のディープフェイク動画を発見した。昨年12月には7,964だったので、わずか7ヶ月で84%増加したことになる。ディ…

Image credit: Deepfake Detection Challenge

ディープフェイクとは、既存の画像、音声、動画で人物を記録し、AI アルゴリズムを使って他の人物に置き換えるメディアのこと。このディープフェイクが急速に増加している。アムステルダムに本拠を置くサイバーセキュリティスタートアップ Deeptrace は、今年6月と7月の集計分で14,698のディープフェイク動画を発見した。昨年12月には7,964だったので、わずか7ヶ月で84%増加したことになる。ディープフェイクが厄介なのは、選挙期間中に世論に揺さぶりをかけたり、犯してもいない犯罪に誰かを巻き込んだりするだけではない。これまでにポルノ素材を作成して、企業から数億米ドルを搾取する事件も起きている。

Facebook はディープフェイクの広がりに対抗すべく、Amazon Web Services(AWS)やマイクロソフトのほか、コーネル工科大学、マサチューセッツ工科大学、オックスフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、メリーランド大学カレッジパーク校、ニューヨーク州立大学アルバニー校らと AI に関する提携関係を結び、9月に発表された「Deepfake Detection Challenge」の先頭に立っている。オープンソース検出ツールの開発を確実にするための研究を促進すべく、先週、バンクーバーで開催されたカンファレンス「NeurIPS 2019」で世界に向けてローンチされた。

Facebook は、このコンテストへの参加促進のため1,000万米ドル以上を寄付。AWSはサービスクレジットで最大100万米ドルを寄付し、必要に応じて参加者モデルを提供。Google のデータサイエンス・機械学習プラットフォーム「Kaggle」は、課題一覧とリーダーボード(参加者順位とスコア一覧)を提供する。

Facebook の CTO Mike Schroepfer 氏は、ブログ投稿で次のように語っている。

ディープフェイク技術とは、実在する人が架空の物事を実行したり発言したりする、AI が生成した動画のこと。ディープフェイクはオンライン上で提供される情報の正当性を決定づける上で影響が大きいが、テック業界にはそれらを検出するための優れたデータセットやベンチマークは存在しない。見ている人をミスリードする動画に AI が使われた時、それを誰もが検出できる技術が生まれることを期待したい。

Deepfake Detection Challenge が提供する動画からは、無修正の画像(左)とディープフェイク画像(右)が確認できる。
Image Credit: Facebook

前述したように、Deepfake Detection Challenge では、AI で操作されたメディアを検出および防止する新しい方法の作成を促進するため、データセットのほか助成金や賞金も提供される。これまでにも、カリフォルニア大学バークレー校や南カリフォルニア大学の研究者によって開発され、AI 操作されたビデオを90%超の精度で識別するいくつかのツールがリリースされているが、ターゲットとなるディープフェイクは常に変化している。 Pinscreen の CEO Hao Li 氏は The Vergeとの最近のインタビューで、「AI フェイクと現実を区別することがほぼ不可能になることを狙って、合成技術は絶えず進化している」と指摘した。

Deepfake Detection Challenge の主催者は、さまざまな俳優(概ね54%が女性、46%が男性)を雇ったベンダーサービスを使って、さまざまな設定、ポーズ、背景で現実的なシナリオを描いたビデオを作成した。 AI で操作されたかどうかを説明する付属ラベル。その後、さまざまな機械学習技術を使用して、元の映像のサブセットから改ざんされたビデオが作成された。顔を入れ替え、動画から音声の変更が行われ、一部のサンプルには、オンラインで共有された動画で生じる劣化が擬似的に追加された。

Facebook の AI リサーチマネージャー Christian Ferrer 氏は、データセット(合計100,000以上の動画など)が、10月の映像解析に関する国際会議で対象を絞った技術作業セッションでテストされた、と語った。これにはユーザデータは含まれず、研究を妨げる可能性のある制限を回避するため、使用契約を締結した参加者のみを対象としている。さらに、Ferrer 氏によると、データセットへのアクセスは制限されており、ライセンスに同意したチームのみがアクセスできるという。

最先端の研究を使用してディープフェイクを検出できるようにするには、大規模で、現実に近く、有用で、自由に利用できるデータセットが必要になる。そのようなリソースは存在しなかったため、ゼロから作成する必要があった。(Christian Ferrer 氏)

Deepfake Detection Challenge の参加者は今月11日以降、資料をダウンロードしてディープフェイク検出 AI モデルをトレーニングすることができる。設計が完成したら、コードセットをブラックボックス検証環境に送信すると、テストセットに対するモデルの有効性を評価するメカニズムが提供される。参加者は参加するためにモデルを共有する必要はないが、チャレンジ賞の資格を得るには作品をオープンソース化することに同意する必要がある。同意した場合でも同意しなかった場合でも、トレーニングデータセットでトレーニングされたシステムに対する権利は参加者が保持することができる。

Deepfake Detection Challenge は、AI とメディアの完全性に関する AI 運営委員会(AI’s Steering Committee on AI and Media Integrity)との関係により促進・監督されている。この委員会は、Facebook、非営利人権団体の Witness、マイクロソフト、その他の市民組織、テクノロジー・メディア・学術の各コミュニティなどからなる連合体で構成されている。2020年3月末まで運用される予定だ。

Facebook の AI ディレクター兼ビジネスリーダー Irina Kofman 氏は次のように述べている。

産業界、学界、市民社会、メディアを含む複数の分野のパートナーからのコミットメントと、チャレンジを実施するために何ヶ月にもわたって一緒に実行する方法を見出せたことは刺激的だ。それぞれがそれぞれの分野からの洞察をもたらし、幅広い視点を検討できるようになった。コミュニティをまとめ、コラボレーションを促進することで、この分野での進歩を加速できることを願っている。

Deepfake Detection Challenge がローンチされる前、Google の社内テクノロジーインキュベータ Jigsaw とのコラボレーションで作成された画像ディープフェイクに関する大量の情報が公開された。これは、合成ビデオ検出システムの開発に関わる研究者らが、自由に利用できるベンチマークとして用意されたものだ。Google は今年初め、AVspoof 2019 のコンテストの一環として、実際の音声とコンピュータ生成の音声を区別できるシステムを開発するために、同社のテキスト読み上げモデルで話されたフレーズを含む音声データセットを公開した

Facebook の AI 担当バイスプレジデント Jerome Pesenti 氏は次のように述べている。

これらの問題に対抗するには、単純かつ決定的な技術的解決策は存在しないことはわかっている。 しかし、研究に対するオープンなアプローチは、AI を使用して他人を欺くために AI で動画操作することを防ぐ、新しいツールを構築するのに役立つと確信している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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AdobeがAR領域を強化ーーFacebookのVR造形ツール「Oculus Medium」を買収へ

Adobeは、Facebookが3年前にローンチしたVR造形ツール「Oculus Medium」を買収した。今回の動きは世界最大のクリエイティブ・テック企業が、VRおよびAR市場で取り組む戦略について興味深い質問を投げかけている。 Mediumがローンチされたとき、パソコンをベースとしたRiftのハンドセットで使用する画期的なVR造形ツールアプリとみなされおり、3年間で複数回アップデートを重ねた。…

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Above: Professional artists try out Medium in a promotional video.
Image Credit: Giancarlo Valdes/GamesBeat

Adobeは、Facebookが3年前にローンチしたVR造形ツール「Oculus Medium」を買収した。今回の動きは世界最大のクリエイティブ・テック企業が、VRおよびAR市場で取り組む戦略について興味深い質問を投げかけている。

Mediumがローンチされたとき、パソコンをベースとしたRiftのハンドセットで使用する画期的なVR造形ツールアプリとみなされおり、3年間で複数回アップデートを重ねた。Adobeに買収された「Allegorithmic」前CEOで、現Adobeの3Dエフェクト部門VPのSebastien Deguy氏はブログの中で、Mediumの現状について次のように述べている。

ついに私たちが求めた形になりつつあります。Adobeは3DとAR領域に今後もより投資していく考えです。そして私たちはついにこのダイナミックな市場の動きに乗り、人材を投入できる体制になりました。Allegorithmicが開発していたSubstanceツールの人材とMediumのチームは共に、次世代3Dツールの開発に向け協力する準備ができています。

SubstanceのTwitterアカウントで発信されたツイート、そしてMediumのチームメンバーにより後から追加されたツイートによると、「Mediumにいる複数のメンバーがAdobeに異動した」という。

Adobeの独創的なツールにMediumが加わることで、造形をしながら精密に描くことができるカスタムツールをAdobeは手にすることになる。VRやARのクリエイター向けの独創的なツールを提供するというAdobeの立場を強めることになるだろう。

今回の動きはFacebookのアニメーションおよび3D描画アプリQuillや、GoogleのBlocksやTilt Brushなど他社の独創的なVRツールの未来にも影響があるかもしれない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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ソーシャルで静かに進むプライバシーの特定、Facebookが顔認識アプリについて認める

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Business Insiderが22日に伝えているのだが、Facebookは顔認識を利用したスマートフォンアプリを2015年にすでに作成していたようだ。同社広報部に確認したところこれを認め、あくまで社内で使用する顔認識アプリだったと回答した。これは同ソーシャルネットワークの顔認識システム経由で特定可能な顔をスキャンするためだという。 さらにVentureBeatが回答を求めたところ、同社の広報担…

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Image Credit: Facebook

Business Insiderが22日に伝えているのだが、Facebookは顔認識を利用したスマートフォンアプリを2015年にすでに作成していたようだ。同社広報部に確認したところこれを認め、あくまで社内で使用する顔認識アプリだったと回答した。これは同ソーシャルネットワークの顔認識システム経由で特定可能な顔をスキャンするためだという。

さらにVentureBeatが回答を求めたところ、同社の広報担当者が以下の声明を発表した。

新しいテクノロジーをチーム内で学ぶ手段として、弊社チームは社内使用を目的とするアプリを定期的に作ります。今回のアプリはFacebookの従業員のみが利用でき、認識が可能だったのは顔認識機能を有効にした従業員とその友人だけでした。

今秋、Facebookがすべてのユーザに公開した顔認識システムでは、写真の顔認識が可能となった。顔を解析されたくない場合はこれに参加しないというオプションが一緒に提供されている。

11月初頭に公開された顔写真の撮影を求めるFacebookによるテストは、当初顔認識を展開するためだと考えられた。広報担当者によると、同機能は人の検知を目的とし、特定人物の顔を認識するために作成されたのではないという。

ちなみにGoogleのPixel 4Nest Hub Maxといったデバイスの顔スキャンでも、頭を左右にゆっくりと回すよう求められる。Facebookが開発したPortalもAIを利用しビデオ通話中に画面内の人を識別するが、これはSmart Camera機能を強化するためである。

これらとはまったく異なる試みとして、Facebook AI Researchは顔を顔認識ソフトウェアが認識できないようにするという研究内容を先月発表している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Facebook Payの可能性は「現代のガレージセール」にあり

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ピックアップ:Facebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同…

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Image Credit: Facebook

ピックアップFacebook’s new payment service will let you send money without fees across Facebook, Instagram, WhatsApp, and Messenger

ニュースサマリー:Facebookは12日、送金・決済サービス事業の一環として「Facebook Pay」を開始することを発表した。同サービスはFacebook、Facebook Messenger、Instagram、WhatsApp上にて、シームレスに利用できる統一決済サービス。

Facebookは2015年より「Payments」と呼ばれる送金サービスをメッセンジャー上にてすでに開始していた。しかし同サービスは、基本的に銀行口座間における送金のみの対応となっていた。対してFacebook Payではクレジットカードを通した決済も可能となるのが特徴だ。

プレスリリースによれば、Facebook Payは今週より米国ユーザー向けに提供が開始される。まずはFacebook上における小口資金調達、ゲーム内課金、イベントチケット購入、マーケットプレイスでの取引、個人間決済を対象としてサービスが提供される。

話題のポイントFacebookはブロックチェーンプロジェクト「Libra」でも取り上げているように、金融文脈で世界を変えていくことに大きな意欲を持っています。

しかし、Facebookが決済市場において存在感を示すのはそう簡単でなかったようです。事実、競合のPaypalやVenmoに押されてP2P決済領域で数歩出遅れていました。その中で登場してきたFacebook Payは、Facebook内マーケットプレイス上の売買を前提としたP2P決済サービスといえます。

たとえばマーケットプレイスの利用シーンとして大学が挙げられます。アメリカでは大学授業の教科書を中古で安く手に入れられる場所としてFacebookの「Buy-Sell」グループ(マーケットプレイス)が利用されています。ユーザーの所属大学グループに入り、自分の欲しい商品を見つけたら持ち主とメッセンジャーを通して交渉を始めます。最終的に交渉がまとまり次第、都合のいい場所で待ち合わせて直接取引をする流れです。

メルカリのように配達ベースではなくFace to Face取引が可能なのは、Facebookプロフィールを通じてある程度信頼のおける相手であると担保されている点や、車社会といった背景があるのだと考えられます。また、ガレージセール(自宅の前でフリーマーケットのように格安で不用品を販売、基本近所の人向け)といった文化も相性が良かったといえるかもしれません。

大学の事例を取り上げましたが、住んでいる町ベースでの「マーケットプレイス」もよく見かけます。私が住んでいるシアトルにもメジャーなグループだけで10個ほどあります。

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こうした複数のローカルコミュニティーがFacebookのプラットフォーム上にたくさん存在し、その中で取引をするというのが一般化されてきました。Facebookが所有するグループ・コミュニティー経済圏におけるシームレスな決済システム構築のためにも、Facebook Payは必要不可欠だったといえるでしょう。

なかでもInstagram上での売買はFacebook Payを通じてこれから増えていくことが予想できます。今年3月よりInstagramはアプリ内で決済が行える機能「Checkout」をリリースしており、これがFacebook Payに統一されるかもしれません。このような流れから、Facebookは新機能「Facebook Pay」を各種アプリ内マーケットプレイス取引の促進剤として導入すると考えます。

さて、これから個人による国際取引・決済が当たり前な世の中になっていくことが予期できます。デジタル決済が国境・通貨を越えて当たり前となっていくことで、市場に流動性がさらにもたらされることになるでしょう。加えて、個人の作品がブロックチェーンのシステムに載った形で取引され、取引価値に応じてユーザーの信頼度が測られる新たな評価経済が訪れると感じます。

Facebook Payは、Libraが目指すブロックチェーン経済圏とは関係ないと公式に言及されています。しかし上述したような世界が訪れることを考えれば、LibraとFacebook Payが完全に独立した形でサービス展開されるとは思えません。少なくとも長期的には何らかの連携がなされるでしょう。

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ここでLibraとFacebook Payの将来的な連携像をInstagramを例にとって考察してみたいと思います。

最近、Instagramがいいね!の数を見えにくくする動きを試験的におこなっています。言い換えれば、いいね!の数で影響力の価値を可視化するのが難しくなっていると考えてよいでしょう。インスタ映えする写真をたくさん投稿して、いいね数を膨大に稼いだとしても、必ずしもユーザー個人の価値を正しく評価できているとは思えなくなっている証拠です。

そこで新しい指標として注目されるのがNFT(Non-Fungible-Token: 代替不可能なトークン)を介した経済圏の構築だと考えます。従来の暗号通貨(Fungible-Token)とは異なり、トークン一つ一つが固有性を持つ別々のアセットとして機能します。個人の価値を表現し、それを他社が「享受」できるスキームです。詳しくは以下の記事で解説されています。

<参考記事>

paintings in side room
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従来、いいね!の数や認知度に比例してアカウントに価値が付与され、そこにスポンサーからのお金が集まってくるという流れでした。しかしNFTが一般化すれば、これらInstagramに投稿する写真そのものがデジタルアセットとして取引可能となり、今までフィジカルなアセットを前提として行われてきた絵画アートなどの市場と同等の価値表現をすることが可能となります。

こうしたNFTが活用される可能性の背景にあるLibraの存在は大きいと言えます。Libraが金融文脈からブロックチェーンサービスを提供していくことで、ブロックチェーンによって個人のデータ、さらに言えば評価データを扱うことも一般的になる可能性があります。

その次世代SNS経済圏が誕生するまでの間、Facebook Payを通しプラットフォームにおけるボーダレスな決済を当たり前のものとして拡大させることを狙っているとも言えるのではないでしょうか。

現在はそれぞれ独立したサービスとして立ち上げが期待されていますが、いずれはFacebookが描く“The Future is Private”というミッションのもと、誰もが安心して使えるSNSの主軸としてLibraとFacebook Payが据え置かれると感じます。

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ブロックチェーンで勃発する「中国元」vs「米ドル」戦争

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ニュースサマリー:中国国家主席を務める習近平氏は25日、中国共産党中央政治局にてブロックチェーンをイノベーションの中枢とする趣旨の発言をした。 従来、中国はビットコインをはじめとする暗号通貨には否定的な姿勢を見せてきていた。しかし、同国でWeChatなどを展開するテンセントが19日にブロックチェーンホワイトペーパーを公開するなど、中国におけるブロックチェーン市場の展望が少しずつ動き出しているようだ…

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ニュースサマリー:中国国家主席を務める習近平氏は25日、中国共産党中央政治局にてブロックチェーンをイノベーションの中枢とする趣旨の発言をした。

従来、中国はビットコインをはじめとする暗号通貨には否定的な姿勢を見せてきていた。しかし、同国でWeChatなどを展開するテンセントが19日にブロックチェーンホワイトペーパーを公開するなど、中国におけるブロックチェーン市場の展望が少しずつ動き出しているようだ。

話題のポイント:中国市場で暗号通貨取引が規制を受けたのは2017年。政府は市場に対し否定的な立場を取っているのではないかと思いがちですが、今回習近平氏の発言にもあるように、ブロックチェーン技術の研究・開発に関して積極的な姿勢を見せ始めています。

日本の中央銀行に当たる中国人民銀行では「元」をデジタル化させ、デジタル人民元としてブロックチェーンを軸に管理する構想を抱いているとされています。ではなぜこのタイミングで中国がブロックチェーンというキーワードを、それも国家主席という立場を通した発言で強調してきたのでしょうか。

ブロックチェーンを利用したデジタル通貨という枠組みで見れば、デジタル人民元にとって一番のライバルは現時点ではFacebookのLibraに相当します。

同プロジェクトをリードするDavid Marcus氏は17日の米Bloombergにて、デジタル人民元がグローバルに成長すると発言。加えて、米国がLibraを規制する構えなのに対し、中国では今回のように国家が主体となって進めている状況だとも述べています。

まさに、この発言を裏付けたのが今回の動きです。習近平氏の声明は少なくともLibra、さらには米国政府を牽制しているともいえるでしょう。もっと言えば、いま市場を握ってしまう絶好のチャンスとも考えられます。

<参考記事>

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米国政府は以前取り上げたように、Facebookのプライバシー問題からLibraの信憑性を問い続けています。また、2020年に迫った米国大統領選に民主党より出馬候補予定のElizabeth Warren氏はFacebookの “解体” を政策にあげるなど、非常に強気な姿勢を見せており、仮想通貨構想に関しては中国とは真逆とも言える流れが出来てしまっているのが現状です。

もちろん今までもITと政治は切っても切り離せない関係性でしたが、今後、中国 vs アメリカ、さらには「中国元」 vs 「米国ドル」まで考えたとき、ブロックチェーンという金融に近いテクノロジーをどこまで政府が利用できるかに焦点が集まるでしょう。

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政治とソーシャル、ザッカーバーグ氏が語る「表現の自由」と“政治広告”の考え方

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※本記事は提携するVentureBeat「Mark Zuckerberg on why the world needs Facebook and the ‘Fifth Estate’」の抄訳になります。原文はこちらから ワシントンDC、ジョージタウン大学Gaston HallにてFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がソーシャルメディアプラットフォームのあり方に関するスピーチを披露した…

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写真:Mark Zuckerberg @ Georgetown

※本記事は提携するVentureBeat「Mark Zuckerberg on why the world needs Facebook and the ‘Fifth Estate’」の抄訳になります。原文はこちらから

ワシントンDC、ジョージタウン大学Gaston HallにてFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がソーシャルメディアプラットフォームのあり方に関するスピーチを披露した。同氏は現代人にとっての不可欠な場としてSNSプラットフォームを「第五の場(Fifth Estate)」として表現している。

「Facebookという会社が好きか嫌いに限らず、この重要な時期にこそ現代社会における問題点を認識し、発信していくことが大切です。未来は私たちにかかっています」。

続けてFacebookが考える「表現の自由」について以下のように述べた。

「いま私たちは新しい分岐点にいます。一つの選択肢としては、勝利をつかみ取るまでには長く時間がかかることを承知のうえでやみくもに求め続けることです。もしくは、ゴールまでのコストが高すぎると認識する必要があるでしょう」。

Facebookのプラットフォームがあらゆるムーブメントを起こす起源として重要な役割を担っているとし、また何者にも頼らず発信できる点を「Media Gatekeepers」と表現している。

とはいえ、2016年における米国大統領選挙の例など、それを逆手にとってデマ情報が出回ってしまう根源にFacebookが晒されている点にも理解を示している。

Facebookはここ数週間、来年に迫った大統領選挙におけるドナルド・トランプ氏のFacebook広告の幾多の取り下げ依頼を受けているにも関わらず対処する動きを見せず、なかでも同じ候補者のElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏などから非難を浴びてきた。

同氏はFacebookの政治ポリシーを批判するため、わざとフェイクニュース(マークザッカーバーグがトランプ支持者だとする)の投稿をするなど挑戦する姿勢を示している。そんな中でもマーク氏は、政治広告はあらゆる表現の中でも重要な立ち位置にあるとの考えを示す。

「我々は政治広告についてファクトチェックを実施していませんが、決して政治家を考慮した対応というわけではありません。我々は、Facebookを通して誰もが政治家の考えを知る権利があると考えています。そのため、仮にニュースが私たちの規約に一部引っかかると判断される場合でも時事性があると判断すればコンテンツ削除の対象とはなりません。

もちろん多くがこの対応に反対の意を示していることは理解しています。しかし、一般的には、ある特定の企業が政治的なニュースを検閲することは得策であると思えません。Facebookを除いても、数多くのSNSメディアが政治的広告を受け入れています。私たちも例外ではありません」。

2016年における大統領選挙で勝利を収めたトランプ陣営は、公式にFacebookにおけるターゲット広告が勝利には不可欠なものであったと述べている。また、調査によれば現在もトランプ陣営のインターネット広告にかける資金は他陣営と比べても圧倒していることが伺えるという。

中国政府による政治的介入

マーク氏は30分にわたるスピーチの最中に、中国において表現の自由が危機に瀕していることについて、TikTokが当局から検閲対象となったことなどを例に、以下のような疑問を呈した。

「これは私たちが望むインターネットの形なのでしょうか?我々が中国にて一切のサービス展開をしていない理由がここにあります」。

スピーチにてFacebookが取り組んでいるセキュリティー対策について長く触れた。特にAIを利用したユーザーの安全対策については強調して話し、安全性の伴ったユーザー認証や第三者委員会の設置に活かすとしている。同氏によればFacebookは、AIをフェイクアカウント、ヘイトスピーチなどの対応にも役立てているという。

Facebook「解体」公約

2017年にハーバード大学の卒業式にてスピーチを実施した際、テック業界ではマーク・ザッカーバーグが米大統領への立候補があるのではないかと話題になったのも昔の話だ。

今となっては、同社はケンブリッジ・アナリティカ問題やミャンマーにおけるヘイトスピーチへの対応遅れなど、政治的批判を受ける機会が多くなって気いる。今回の大統領選挙に民主党より出馬を目指すエリザベス・ウォーレン氏から特に批判を受けており、同氏は公約にFacebookの解体を挙げるなど積極的に反Facebookの意思を表明している。

リークされた内部情報によれば、仮にエリザベス氏が大統領に当選した場合でも同社は歩み寄る意思を示しているという。スピーチの最後には同様の質問がなされ、同氏は以下のように返答した。

「テック企業と政治とのかかわりについては、問題が日々変わりつつあるので、今日話したことが実現するかどうかは不明瞭な点が多いと言わざるを得ません」。

と述べ、歩み寄り施策についてプライバシーとデータポータビリティーを軸に以下のような持論を展開した。

「我々がすべきことは、まず我々の役割を明確にし政府と協力しながらルール作りをしていくことが重要と考えます。この過程を通り、信頼関係を築いていくことで『breaking up』という結末を迎えることは決してないと思っています」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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米政府によるFacebook「Libra」潰しが始まるーー脱退を発表したVisa、Mastercard、Stripeに送られた“脅迫文”

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ピックアップ:Signed letter re Libra to Patrick Collision, Ajaypal Banga, and Alfred Kelly ニュースサマリー:10月11日、Facebookが主導する暗号通貨プロジェクト「Libra」より、メンバーとして参加が予定されていたVisa、Mastercard、Stripeが同プロジェクトからの脱退を発表した。先週4日に脱退を先…

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ピックアップSigned letter re Libra to Patrick Collision, Ajaypal Banga, and Alfred Kelly

ニュースサマリー:10月11日、Facebookが主導する暗号通貨プロジェクト「Libra」より、メンバーとして参加が予定されていたVisa、Mastercard、Stripeが同プロジェクトからの脱退を発表した。先週4日に脱退を先立って発表したPayPalを含め「創設メンバー」とされていた企業の内5社が抜けたことになる。これはLibra Association発足から4カ月足らずでの出来事だ。

また、10月8日には米上院議会から脱退を決めた企業に送付されたとみられる公文書も公開されている。同文章では米政府がLibra、またFacebookへ懸念の意を持っていることが述べられている。

話題のポイント:Libraが発表された当初、Facebookのみならず数多くのテクノロジー企業や大手決済企業が運営に参加していることが話題となりました。特に当時のFacebookは、プライバシー保護など数多くの問題を抱えていたため、ブロックチェーン領域に複数企業と共に参加してきたことは大きな衝撃でした。

以下は、創設が発表された当初に公開されたメンバーリストです。

<参考記事>

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Libra

しかし、たった数カ月でその様相が根本的に変わろうとしています。まず、そもそもLibraは何を問題と捉え世界を変えようとしているのか。そのミッションは以下のように説明されています。

Libra is a global, digitally native, reserve-backed cryptocurrency built on the foundation of blockchain technology. People will be able to send, receive, spend, and secure their money, enabling a more inclusive global financial system.  – Libra Mission

Libraの最終目的地は世界統一通貨を生み出し、金融産業におけるインフラストラクチャーを抜本的に変えていくことを目指しています。

ブロックチェーン業界における今までのスタートアップも、同じようなビジョン・ミッションを持ちプロジェクトを作り上げることは多くありました。しかし、特に金融領域において抜本的変化を目指そうとすると、既存機関との衝突やコミュニケーションが取れずプロジェクトが進まないという壁にぶつかってきました。

そのため、既に知名度もありプラットフォームも所有しているFacebookが既存金融機関をリードしプロジェクト遂行を図るという面で、ブロックチェーン業界からも大きな期待が集まっていたのは間違いないでしょう。(もちろんネガティブな批評も数多くありますが)

しかし、Libra Association発足から4カ月が経過し、進展として発表されるのは(少なくともパブリックに)メンバーの脱退ニュースのみ。特にLibraにおいて最も金融領域とつながりがあるといえる「Payment(決済)」の枠組みで参加を表明した企業達が脱退を始めていることに非常に危機感が募ります。

以下は現在Libraのホームページに掲載されているメンバーの図。上図と見比べると有名どころの決済企業が姿を消しているかが分かります。

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Libra Partner

ではなぜ、4か月前までは参加にポジティブだったVisa、Mastercard、Stripe、eBay、そしてPayPalまでもが脱退を決めることに至ったのでしょうか。その背後にはFacebookのプライバシー問題において一悶着あった米政府との対立がありました。

以下の文章は、アメリカ合衆国上院からStripe、Mastercard、Visaへ送付されたものです。

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US Senate

同文章は、ほぼ米政府から上述企業への「脅迫メール」といえる内容で構成されています。

以下は冒頭の文章です。

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特に着目したいのは4行目からの「We urge you to carefully consider how your companies will manage these risks before proceeding, given that Facebook has not yet….」の部分。要約すれば「プライバシー保護もままならないFacebookという企業が率先する、金融プロジェクト『Libra』に参加する””リスク””を理解しているか?」と受け取れます。

同文章が送付されたのが10月08日。そして、上述企業は10月14日に脱退を表明。

この時間軸を考えるに、米政府による「脅し」が脱退へ大きく起因した理由になっているのは間違いないでしょう。

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PayPalがFacebook「Libra」に脱退宣言、Visa・Masterも続く可能性ーーLibraに漂う暗雲と世界のデジタル通貨動向を考察する

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ピックアップ:PayPal Withdraws From Facebook-Led Libra Crypto Project ニュースサマリー:10月4日、暗号通貨・ブロックチェーン専門誌であるCoindeskは、大手決済企業「Paypal」がFacebook主導の暗号通貨プロジェクト「Libra」への参加を辞退したと報じた。厳密には、スイスに拠点を置くLibraプロジェクトの運営・管理主体「Li…

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Image Credit : Pexcel

ピックアップ:PayPal Withdraws From Facebook-Led Libra Crypto Project

ニュースサマリー:10月4日、暗号通貨・ブロックチェーン専門誌であるCoindeskは、大手決済企業「Paypal」がFacebook主導の暗号通貨プロジェクト「Libra」への参加を辞退したと報じた。厳密には、スイスに拠点を置くLibraプロジェクトの運営・管理主体「Libra協会」からの脱退をする。Coindeskのインタビューに対し、今回の突然の脱退についてPaypal側は以下のように回答している。

「未だ金融にアクセスすることのできていない人々に対する機会提供に務める」という、自社のミッションを優先・継続します。

なお、Libraの広報担当者は、Paypalから不参加の通知をメールで受け取り済みだという。一見、完全に袂を別ったかのような事件だが、Paypal側のコメントは以下のように続く。

私たちはLibraプロジェクトを支持し続け、将来的な協力を楽しみに、対話を続けていきます。 FacebookはPayPalの長年にわたる価値ある戦略的パートナーであり、今後もさまざまな形でサポートしていきます。

建前としてのコメントの可能性もあるが、サポートしたい気持ちもある一方で、規制当局からの抵抗に立ち往生する同プロジェクトを一旦手放すことが、Paypalにとっていま最も無難な意思決定なのかもしれない。

<参考記事>

話題のポイント:今回、Paypalだけが正式な形で脱退を表明しましたが、大手決済国際ブランドであるVisaとMasterの2社も脱退を検討しているとの報道があります。そのため今後、Paypalに続く形でLibra協会メンバー企業による脱退劇が始まる可能性も考えられます。

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Image Credit : The Block

改めて、発表当時のLibra協会のメンバー企業26社(Facebook・Calibraを除く)を振り返ってみると、改めて錚々たる規模のパートナーシップであったことが分かります。

しかし今回Paypalが脱退を表明し、かつその後にVisa・Materと続くことになれば、決済分野のパートナーが「Stripe」及びオランダの決済企業「PayU」だけになってしまいます。

Libra協会にとって、特に金融機関の脱退は将来的に大きな損失です。というのもPaypalやVisa、Masterなどの大手金融企業の存在は、各国の規制当局から信頼を勝ち取るために不可欠な資産だという見方もできるからです。

一方、Libra協会メンバーの金融企業からしてみれば、Libraへの参加は規制当局とのポジティブな関係性に傷をつける危険性があります。その点が今回のPaypalの脱退やVisa・Masterの躊躇の要因の一つであることは明らかであり、Bloombergによれば、PaypalやStripe、Visa、MasterはそもそもLibraに対する正式な参加署名はしていないとの情報もあります。

米国規制当局はLibra発表直後から断固としてプロジェクトに反対しており、またフランスやドイツの規制当局も、ヨーロッパ各国の貨幣主権や、市民のプライバシーを懸念して反対声明をしていました。

<参考記事>

今年6月にLibraプロジェクトが発表されて以降、そのインパクトとは裏腹に、上述したようなネガティブなニュースは後を立たちません。またLibraの存在意義を脅かす可能性のあるプロジェクト構想がいくつか立ち上がっています。

8月には、世界最大級の暗号通貨取引所であるBinanceが、Libra同様に複数のパートナー企業と協同して組成されたネットワークによって、独自ステーブルコインである「Vinus」をローンチするとの構想を発表しています。

<参考記事>

競合とまでは言えませんが、9月には、中国がブロックチェーンを用いたデジタル・キャッシュを構想しているとの報道がありました。中国の中央銀行にあたる中国人民銀行決済部門の副部長の口から「我々が発行するデジタル通貨は、FacebookのLibraに似たものになる」という言葉が飛び出したことも話題のポイントになっています。

<参考記事>

中国は以前から国際経済の基軸通貨である米ドルに対抗する形で、巨大経済圏構想「一帯一路」の賛同国と共に、米ドルに依存しない国際金融システムをブロックチェーン技術を用いた形で構築する取り組みを行っています。そのため長期的にはデジタルキャッシュを一帯一路の文脈に持ち込む可能性、そして独自通貨がLibraと競争関係になる可能性もゼロではありません。

Libraと同じく、Binanceや中国のプロジェクトも現時点で構想中であることは変わりません。そのため、現段階で競争関係の優越をつけることは非常に難しいですが、改めてLibraを取り巻く世界のデジタル通貨動向の状況を整理するとなると、上述した形になります。

数々のプライバシーに関するスキャンダル、及び法定通貨主権の保護を理由に世界中の規制当局からは信頼を勝ち取れず、また脱退を表明するパートナーも現れているFacebook及びLibraプロジェクト。

当初は2020年初頭とされていたローンチ予定日も、2020年末にリスケジュールされています。来年中のローンチも厳しいのではないかと思わされるほどですが、どのようにこの現状を打破するのか、今後も動向が注視されます。

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Facebookらが取り組むファッションのAI「Fashion++」、最小限の服装アレンジを提案し人々をもっと素敵にする

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ありとあらゆる衣類が出回る中、それらを組み合わせたファッションに、どんな手を加えれば全体的なスタイルを改善できるだろうか? これこそが、プレプリントサーバの Arxiv.org で発表された論文で、コーネル大学、ジョージア工科大学、Facebook AI Research の研究者らが最近調査した疑問だ。論文に記載されたアプローチが目指すのは、ファッション性に大きく影響するかもしれない服装への微調…

ありとあらゆる衣類が出回る中、それらを組み合わせたファッションに、どんな手を加えれば全体的なスタイルを改善できるだろうか? これこそが、プレプリントサーバの Arxiv.org で発表された論文で、コーネル大学、ジョージア工科大学、Facebook AI Research の研究者らが最近調査した疑問だ。論文に記載されたアプローチが目指すのは、ファッション性に大きく影響するかもしれない服装への微調整を特定することだ。

人間と機械の知力を組み合わせてスタイルを提案したり、衣服にカラーフィルタをかけたり、2つの服装を比較したり、また手持ちの衣類を記録したりするコネクテッドカメラ、Amazon の Echo Look を連想させる。だが研究者らは、自分たちの技法は他のほとんどの技法よりも洗練されていると断言する。

共著者らは次のように述べている。

ココ・シャネルの有名な素晴らしい言葉にもあるように、小さな変更でファッション性に大きな影響を与えられるということが提唱されています。アクセサリーを外したり、もっとネックラインが高いブラウスを選んだり、シャツの裾を入れたり、あるいはもう少し色の濃いパンツに変えたり、わずかな調整で今の服をずっとおしゃれに見せることができます。こういった見解を動機とし、私たちは最小限の変更で服装を改善するというコンピュータビジョンの新たな課題に取り組みました。

この目標はいくつかの技術的な課題を伴うと研究者らは指摘する。まず第一に、AI モデルのトレーニングに関する課題だ。各服装のより優れたバージョンと劣るバージョンの画像の組み合わせがあればシステムに違いを教えることはできるかもしれないが、こういったデータはすぐに入手できるものではないし、流行が変わるにつれて情報は古くなるだろう。またこういった画像の組み合わせを手に入れることができたとしても、前述のモデルはポジティブとネガティブの間の微妙な違いを識別し、オリジナルの衣類を特定し、それと各々の微調整ごとに相乗効果がどう変わるかを推論しなくてはならない。

研究者らは Fashion++ というアプローチで解決に挑んだ。Fashion++ は、1万5,000件を超えるファッション画像でトレーニングを受けた画像生成システムで合成されたエンコーディングに基づいて動作する。オリジナルの服装を与えられると、それを構成する要素(バッグ、ブラウス、ブーツなど)をそれぞれのコードにマッピングし、続いてエンコーディングをアップデートする編集モジュールとして、1万2,000件以上の服装写真(およびそれぞれのネガティブな変更)を入力した「識別ファッション性(discriminative fashionability)」モデルを使う。これにより服装のスコアが最大化され、スタイルが改善される。

Fashion++ は、編集内容を最適化した後、2つのフォーマットでアウトプットを提供する。1つ目は提案内容にもっともマッチする衣料品の在庫検索結果だ。もう1つは、同一人物に編集後の服装エンコーディングから生成された新たなファッションを着せたレンダリングだ。双方のパターン、色、形、フィット感を考慮し、研究者らは各衣類のエンコーディングを基本的な生地や形の構成要素へと因数分解し、編集モジュールが変更箇所や変更内容を制御できるようにした(シャツの形はそのままで色を微調整する、ネックラインを変更したりシャツの裾を入れたりする。あるいは、袖をまくるのに対してパンツをゆったり目にするなど)。さらに、更新の軌道から、もっとも変更の少ない状態からもっともファッション性の高い状態へと移行するまでの一連の編集内容を最後に確認できるようにした。

同チームによると、100件以上のテスト用の服装と Amazon の Mechanical Turk 経由で募った300人近くの人間が関与した人間の知覚研究で、Fashion++ が変更を加えた後の方がよりファッション性に優れていると92%の回答者が評価した。さらに、すでにファッション性が高い服装に Fashion++ が修正を加えたところ、84%が同程度のファッション性あるいはよりファッション性が高いと回答している。

論文の共著者らはこう述べている。

結果はかなり前途有望です。今後は、トレーニングソースの構成内容を広げていく予定です。例えば Instagram などより広範なソーシャルメディアプラットフォームを活用したり、入手可能な在庫のあるものを優先した編集内容にしたり、あるいは個人の好みのスタイルや着用場面に応じて改善点を生成したりしていきます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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