高まる分散型取引所(DEX)への期待ーーBancorがEOSブロックチェーンを採用、その理由とは

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Photo by Burak K on Pexels.com

本稿は11月18日から20日まで東京ミッドタウン日比谷で開催されるブロックチェーンカンファレンス「NodeTokyo 2018」編集部による寄稿

ピックアップ:Bancor Bent Cross Chain Liquidity Expansion EOS Blockchain via bitcoinmagazine

ニュースサマリ:分散型取引所(DEX: Decentralized Exchange)「Bancor」が暗号通貨の流動性を高めることを目的に、イーサリアムネットワークに加え、EOSブロックチェーンを採用すると発表している。EOSとはーーー(ここで簡単な解説が必要)

話題のポイント:「ブロックチェーンは非中央集権だ!」と叫ばれ続けてきましたが、一般的にそのブロックチェーン上で移動するトークンは中央集権的な企業が運営する取引所を通して人々の手に渡ってきました。企業運営ですから当然利益が求められるため、私たちの手に暗号通貨が渡るまでに「送金手数料」などの上乗せが当たり前になってしまっています。

身近な例でいえば、今年1月に発生した「XEM」のハッキング被害にあったコインチェックの話題が記憶に新しいでしょう。総額580億円の被害額のうち約9割に当たる460億を自己資金で返済するなど、誰もがその利益率に驚いたと思います。

話を戻せば、私たちはせっかくブロックチェーンで分散型社会だ!とか、暗号通貨があればもう銀行はいらない!などと主張しているのに、最終的なところで慣れ親しんだ「仲介者」からは離れられていない、という矛盾を抱えているのです。

ここで注目したいのが「分散型取引所(DEX)」です。DEXは純粋なP2Pでの取引を目指した取引所であり、基本的にユーザーは管理者に手数料を支払う必要がありません。Bancor以外にも、例えば「0X」や「Kyber Network」「Etherdelta」などが認知度のあるDEXとなっています。

ではこのBancorにEOSネットワークが導入されると何が変わるのでしょうか?

特に大きいのがBancorという取引所内だけで、イーサリアムベースのトークンとEOSベースのトークンを取引することが可能になる点です。ICO時にも記載ありましたが、Bancorはトークンの流動性問題を解消することを目的に誕生しました。つまり、今後も多種多様なブロックチェーン間の取引を繋げていくことが期待されているのです。

トークンとして暗号通貨が存在する以上、それらの価値交換が素早くできることは大変重要なポイントです。今後もブロックチェーン的思想で仲介することが可能なDEXの動向には益々注目が集まります。(執筆:増渕大志

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