バーチャルイベント Welcome:「ピボットか死か」創業1年スタートアップの選択(3/3)

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Welcomeでは画面にオーバーレイ機能も提供予定

素早いピボット

(前回からのつづき)パンデミックが発生していなかったらWelcomeの状況は大きく異なっていただろう。同社は登記上は昨年に設立されているが、実はまったく異なる業界、レストラン向けのソフトウェアに焦点を当てていた。WelcomeチームはY Combinatorのプログラムの選考を通過していたが、今年の3月頃になると、計画を変更する必要があるのは明らかだった。

「ピボットするしかありませんでした。私たちに残された道はまさに『Pivot or Die』の2択だったのです。そこで私たちは計画の設計段階に戻り、180度完全な方向転換をしてイベントに焦点をあてました」(CEO兼共同創業者のOrtiz氏)。

Welcomeのストーリーは、3月に全体のビジネスモデルをオフラインからオンラインのイベントに転換し、著名な投資家の目にも止まったイベントスタートアップHubiloのストーリーと似ている。Welcomeの創業チームは関連した長年の経験を活かすことでピボットを少しだけ容易なものにしたが、この点もHubiloと似ている。

Ortiz氏は過去10年間にわたり、Googleでプロダクトデザインのリーダーを務めるなど多くの役職を経験してきた。また、同氏はWelcomeの共同創業者であるJerry Shen氏と、Bignoggins Productionsというファンタジースポーツのスタートアップも共同で創業しており、2013年にYahooに売却している。その結果Ortiz氏は3年間、Yahooでモバイルデザインのシニアディレクターを務めていた。

Ortiz氏は、これらすべての経験を基にEleoと呼ばれる個人的な「パッションプロジェクト」に携わっていた。このプロジェクトでは、生産性の高いミートアップや、起業家に重要なスキルを教えるためのカンファレンスをベイエリアで開催していた。これは営利のベンチャーではない(すべての収益は慈善団体に寄付される)が、彼の現在のベンチャーでの舞台を作った。

「『登壇者をどのように扱うか』、『ステージをどのように扱うか』、『ブランディングが適切であることや、ユーザーエクスペリエンスの実現をどのように確認するか』といったことを私たちは実際に経験しました」(CEO兼共同創業者のOrtiz氏)。

Ortiz氏の強力な技術及びプロダクトのバックグラウンドとイベント開催のが結びついた経験は、4月にWelcomeがピボットする上で非常に貴重であった。

「私たちはイチかバチかの賭けに出て、3カ月もの間、洞窟で穴を掘るかのようにコツコツと作業に取り組んでいました」とOrtiz氏は振り返る。

ハイブリッドな世界

いくつかのコロナウイルスワクチンの製造が間近に迫り、世界中が正常な状態に戻るのを強く待望んでいる。これはつまり、早ければ来年には大きな会場に集まって仕事のディスカッションが再開されるかもしれないことを意味する。だが、テック系やベンチャーキャピタルの世界の人々は、オフライン開催のイベントが戻ってきたからといって、オンラインでの開催がなくなることはないだろうと考えている。

「私たちのユーザーは、オンラインへの移行でさらなる成長を遂げています。とあるユーザーが開催するイベントには、通常で500人程度の参加者がいました。オンラインへ移行した現在、彼女のイベントの参加者は2,500人います。彼女は物理的なイベントが許す範囲よりも広範な人たちの支持を得て圧倒的に成長しています。(物事が正常に戻ったら)、彼女は間違いなくハイブリッドなアプローチをするだろうと言っています。まさに私たちがイベント業界の主導者たちから聞いていることです」(CEO兼共同創業者のOrtiz氏)。

ハイブリッドイベントが2021年に増えるるという確かな証拠はすでにある。ちょうど今週(訳注:原文記事公開は11月18日)、ロイターが来年のイベントにハイブリッドモデルを採用するようだとニュースで報じられた。出版社は、パンデミックの際にオンラインモデルである程度の成功を収めたことで、今後はローカルなネットワークのミートアップにオンラインを組み合わせることを計画している。

リーチが拡大することで、デジタルイベントはより多くのより良いデータを提供する。物理的な場所では、個人が何をしているのか、またはどの程度関与しているかを把握するのは非常に困難だ。新しいつながりや売上など、望ましい結果を定量化することも困難である。より多くの企業がオンラインイベントを行った経験のある現在、測定可能なデータをあきらめることは難しいだろう。

「物理的な経験を先にして『このイベントはオフラインではどのように行われていて、オンラインではどのように行うか?』と問うのと逆に『現実世界では不可能なことをオンラインの世界でどのように行うか?』と問うのが私たちなのです」とOrtiz氏は語っていた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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