Epic Games vs Apple:Epicが勝ち取ったもの(5)

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Above: Epic Games is debuting a new Ferrari car in Fortnite.
Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)しかし、Appleの部分的とも言える勝利はそこで終わっている。というのも判事は「裁判においてAppleがカリフォルニア州の独占禁止法に基づく反競争的な行為を行っていることが示された」と言及しているからだ。特に「アンチ・ステアリング規定は、重要な情報を消費者から隠し、消費者の選択を違法に阻害している」としている。

Appleが導入したアンチ・ステアリング規定は、Appleが開発者にゲーマーへのアプリ内広告を禁止しているため、ユーザーは代替プラットフォームでより安価なゲーム配信が可能であることを知らない可能性があり、これが参入障壁となっていると判断した。

これそのものはロックインを生むものではないが障壁にはなっている。2017年にモビリティに特化したゲームプラットフォーム「Nintendo Switch」が登場したことで、新たな競争を抑止するほど障壁は高くないことが示されているとも判事は述べている。

さらに、MicrosoftやNvidiaは、クラウドサービスによるモバイルゲームのストリーミングを開始している。そして判事は、Valveが最近、独自のSteamモバイル端末を発表したことにも言及した。

彼女は「Appleが救われているのはそのシェアが高くないこと、関連サブマーケットの競合他社がモバイルゲームサブマーケットに進出していること、そしておそらく、原告がこのトピックに焦点を当てなかったことによる」と述べている。

裁判所はAppleのアプリ配信制限には、いくつかの反競争的効果があるとしている。その一つの指標は、Appleの実際のコストとは関係のない30%の手数料から得られる異常なまでの利益だ。

9月1日にAppleは、日本の規制当局の調査を受けて、NetflixやSpotifyなど「リーダー」と呼ばれるアプリのサインアップに外部リンクを許可することに合意している。また韓国は代替決済システムを義務付ける新法を施行した。判事は米国で同様の命令を決定したことで、法の論理に同意したことになる。しかし判事は、ここでのAppleにとっての不都合はあくまでAppleが手数料を徴収することが難しくなることだと指摘しており、開発者がAppleの30%の手数料を完全に回避できるかどうかは定かではない。

EpicのSweeney氏はツイートの中で、今回の判決は開発者にとっても消費者にとっても勝利ではないと述べており、判事がAppleを違法な独占企業とは認めなかったことにも言及している。

判事は証拠によってApp Storeの収益のほとんどが、すべてのアプリではなくゲームからもたらされていることを指摘し、モバイルゲームに焦点を当てることは適切であると述べている。また、Pepper v. AppleとDonald Cameron v. Appleの2つの関連訴訟がAppleに対して係争中であり、どちらも独占禁止法違反を主張していることにも言及した。f

ゴンザレス・ロジャース判事は、単純化された返金ルールなどのAppleのルールは開発者の不正行為のリスクを高め、その支払いルールは取引で何か問題が発生した際、開発者に対して不十分な情報しか与えていないことを指摘している。またEpic Gamesは、Appleがブロックしているような消費者との直接的なつながりがないため、消費者に関する重要な分析ができないとも主張している。

ということで判事は関連市場の議論などにおいて裁判記録が完全ではなかったことを指摘しながらも「最終的にEpic Gamesの提訴は過剰なものであった」と結論づけた。また判事は事実認定に基づいて別の判決を下し、救済措置に関する別の差し止め命令を作成するとも述べた。

次につづく:明らかになった情報

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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