Epic Games vs Apple:成功は違法なものではない(4)

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Above: The Lebron James skin in Fortnite. Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)Appleは収益面で55%の市場シェアを持ち「極めて高い利益率」を誇っているが、これらの要素だけでは独占禁止(反トラスト)行為を示すことはできず「成功は違法ではない」と指摘している。

Appleは本誌GamesBeatに対し声明の中で「今日(訳注:原文掲載日は9月10日)裁判所は我々のこれまでの認識を確認しました。『成功は違法ではない』と裁判所が認めたように、App Storeは独占禁止法に違反していません。Appleは、事業を展開するすべての分野で厳しい競争に直面していますが、当社の製品とサービスが世界で最も優れているからこそ、お客様や開発者が当社を選んでくださると信じています。当社は引き続き、App Storeが安全で信頼できる市場であり、発展する開発者コミュニティと210万人以上の米国内の雇用を支え、ルールが誰にでも平等に適用されるよう尽力します」と回答している。

判事はまたEpicが契約に違反した責任があるとし、Apple側がEpicのDeveloper Program License Agreement(DPLA)を終了させたことは問題ないと判断している。Epicは2020年8月から2020年10月の間、iOSのFortniteアプリユーザーからEpicへ直接支払いによって集めた1,220万ドルの30%と、それ以降に集めた収益の30%を支払わなければならない。これはEpicがAppleに支払うとされている約400万ドルに相当する。

Appleは企業(この場合はEpic)がその契約条件に違反した場合、この契約を解除する権利を有している。判事はEpicがFortniteのホットフィックス(訳注:緊急措置的なアップデート)を悪用することで、ユーザーがAppleを介さずにFortniteでアプリ内通貨を購入することができる『サイドローディング』を可能にしたこと、つまり2020年8月に訴訟のきっかけとなったすべての出来事が、Epic側の違反に基づくものであると判断した。

一方、Appleがこの契約を終了させることで、Epicが「Unreal Engine」の利用を妨げる可能性が出てきている。この開発エンジンは多くのゲーム開発者が互換性のあるiOSゲームを作るために使用している。つまり判決のこの部分はEpicとそのUnreal Engine、そしてその顧客にとって壊滅的なものとなる可能性があるのだ。加えて、AppleがApp StoreからFortniteをブロックできる理由もあるかもしれない。

次につづく:Epicが勝ち取ったもの

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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