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Epic Games vs Apple:明らかになった情報(6)

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(前回からのつづき)裁判ではゲーム業界やAppleとEpic Gamesに関する多くの機密情報が表面化した。Sweeney氏が1991年に設立したEpicは、3,200人以上の従業員を抱え、最近287億ドルの評価を受けている。Tencent(腾讯)が37%の所有権を保有していることも示された。 Epicが提供する開発エンジン「Unreal Engine」は2019年にEpic Gamesに9700…

(前回からのつづき)裁判ではゲーム業界やAppleとEpic Gamesに関する多くの機密情報が表面化した。Sweeney氏が1991年に設立したEpicは、3,200人以上の従業員を抱え、最近287億ドルの評価を受けている。Tencent(腾讯)が37%の所有権を保有していることも示された。

Epicが提供する開発エンジン「Unreal Engine」は2019年にEpic Gamesに9700万ドルの収益をもたらし、Fortniteは4億ダウンロード(現在まで)と数十億ドルの収益をもたらしている。2年間でのAppleからもたらされた分配収益は1億以上のiOSアカウントがFortniteを利用し、その収益は7億ドルだった。

Epicの自社ストアは、1億8,000万以上の登録アカウントと5,000万人の月間アクティブユーザーを抱えている。Epicにとって利益が出るようになるのは2023年になってからと予想されている。2019年末、Sweeney氏は「Project Liberty」と呼ばれる計画を考案したが、この計画は「AppleとGoogleへの高度な攻撃」であると判事は指摘している。

判事はSweeney氏が宣誓の下、Epicに他の開発者が関与していない利益を与えるのであればAppleとの取引を受け入れるとした証言を示している。しかしEpicはすべての開発者を代表して戦い、オープンプラットフォームを推進していると公言していた。

Apple側で開示された情報によると、2008年に452本のアプリでスタートしたApp Storeは、2019年末までに30万本以上のゲームアプリが登録され、3,000万人以上のiOS開発者が登録されているそうだ(Appleは200万以上の古くなったアプリを削除している)。

判事はAppleが当初30%の手数料を設定し、最近までそれを変更しなかったことを指摘している(現在は100万ドル以下の小規模事業者には15%、サブスクリプションには一定期間後に15%を徴収している)。ちなみに初期の頃、Appleの手数料は他のプラットフォームに比べて開発者にとって寛大なものとして受け入れられていた。

2016年には、ゲームがApp Storeの全収益の81%を占めていたと判事は指摘している。また、iOSゲーマーの1%に相当する高額購入者がApp Storeのゲーム売上の64%を占め、年間平均2,694ドルを使用していることを示唆する証拠も提出された。

この判決にはAppleにとっても、またEpicも好ましくない点がある。判事は次のように述べている。

「記録に残っているわずかな証拠からこれらの消費者は率直に言って衝動買いをしているように見えます。この分野での両当事者の利益は大きなものです。この特定の行為は今回の独占禁止訴訟の範囲外ですが、裁判所としてこの点を注意すべき分野として指摘します」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Epic Games vs Apple:Epicが勝ち取ったもの(5)

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(前回からのつづき)しかし、Appleの部分的とも言える勝利はそこで終わっている。というのも判事は「裁判においてAppleがカリフォルニア州の独占禁止法に基づく反競争的な行為を行っていることが示された」と言及しているからだ。特に「アンチ・ステアリング規定は、重要な情報を消費者から隠し、消費者の選択を違法に阻害している」としている。 Appleが導入したアンチ・ステアリング規定は、Appleが開発者…

Above: Epic Games is debuting a new Ferrari car in Fortnite.
Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)しかし、Appleの部分的とも言える勝利はそこで終わっている。というのも判事は「裁判においてAppleがカリフォルニア州の独占禁止法に基づく反競争的な行為を行っていることが示された」と言及しているからだ。特に「アンチ・ステアリング規定は、重要な情報を消費者から隠し、消費者の選択を違法に阻害している」としている。

Appleが導入したアンチ・ステアリング規定は、Appleが開発者にゲーマーへのアプリ内広告を禁止しているため、ユーザーは代替プラットフォームでより安価なゲーム配信が可能であることを知らない可能性があり、これが参入障壁となっていると判断した。

これそのものはロックインを生むものではないが障壁にはなっている。2017年にモビリティに特化したゲームプラットフォーム「Nintendo Switch」が登場したことで、新たな競争を抑止するほど障壁は高くないことが示されているとも判事は述べている。

さらに、MicrosoftやNvidiaは、クラウドサービスによるモバイルゲームのストリーミングを開始している。そして判事は、Valveが最近、独自のSteamモバイル端末を発表したことにも言及した。

彼女は「Appleが救われているのはそのシェアが高くないこと、関連サブマーケットの競合他社がモバイルゲームサブマーケットに進出していること、そしておそらく、原告がこのトピックに焦点を当てなかったことによる」と述べている。

裁判所はAppleのアプリ配信制限には、いくつかの反競争的効果があるとしている。その一つの指標は、Appleの実際のコストとは関係のない30%の手数料から得られる異常なまでの利益だ。

9月1日にAppleは、日本の規制当局の調査を受けて、NetflixやSpotifyなど「リーダー」と呼ばれるアプリのサインアップに外部リンクを許可することに合意している。また韓国は代替決済システムを義務付ける新法を施行した。判事は米国で同様の命令を決定したことで、法の論理に同意したことになる。しかし判事は、ここでのAppleにとっての不都合はあくまでAppleが手数料を徴収することが難しくなることだと指摘しており、開発者がAppleの30%の手数料を完全に回避できるかどうかは定かではない。

EpicのSweeney氏はツイートの中で、今回の判決は開発者にとっても消費者にとっても勝利ではないと述べており、判事がAppleを違法な独占企業とは認めなかったことにも言及している。

判事は証拠によってApp Storeの収益のほとんどが、すべてのアプリではなくゲームからもたらされていることを指摘し、モバイルゲームに焦点を当てることは適切であると述べている。また、Pepper v. AppleとDonald Cameron v. Appleの2つの関連訴訟がAppleに対して係争中であり、どちらも独占禁止法違反を主張していることにも言及した。f

ゴンザレス・ロジャース判事は、単純化された返金ルールなどのAppleのルールは開発者の不正行為のリスクを高め、その支払いルールは取引で何か問題が発生した際、開発者に対して不十分な情報しか与えていないことを指摘している。またEpic Gamesは、Appleがブロックしているような消費者との直接的なつながりがないため、消費者に関する重要な分析ができないとも主張している。

ということで判事は関連市場の議論などにおいて裁判記録が完全ではなかったことを指摘しながらも「最終的にEpic Gamesの提訴は過剰なものであった」と結論づけた。また判事は事実認定に基づいて別の判決を下し、救済措置に関する別の差し止め命令を作成するとも述べた。

次につづく:明らかになった情報

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Epic Games vs Apple:成功は違法なものではない(4)

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(前回からのつづき)Appleは収益面で55%の市場シェアを持ち「極めて高い利益率」を誇っているが、これらの要素だけでは独占禁止(反トラスト)行為を示すことはできず「成功は違法ではない」と指摘している。 Appleは本誌GamesBeatに対し声明の中で「今日(訳注:原文掲載日は9月10日)裁判所は我々のこれまでの認識を確認しました。『成功は違法ではない』と裁判所が認めたように、App Store…

Above: The Lebron James skin in Fortnite. Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)Appleは収益面で55%の市場シェアを持ち「極めて高い利益率」を誇っているが、これらの要素だけでは独占禁止(反トラスト)行為を示すことはできず「成功は違法ではない」と指摘している。

Appleは本誌GamesBeatに対し声明の中で「今日(訳注:原文掲載日は9月10日)裁判所は我々のこれまでの認識を確認しました。『成功は違法ではない』と裁判所が認めたように、App Storeは独占禁止法に違反していません。Appleは、事業を展開するすべての分野で厳しい競争に直面していますが、当社の製品とサービスが世界で最も優れているからこそ、お客様や開発者が当社を選んでくださると信じています。当社は引き続き、App Storeが安全で信頼できる市場であり、発展する開発者コミュニティと210万人以上の米国内の雇用を支え、ルールが誰にでも平等に適用されるよう尽力します」と回答している。

判事はまたEpicが契約に違反した責任があるとし、Apple側がEpicのDeveloper Program License Agreement(DPLA)を終了させたことは問題ないと判断している。Epicは2020年8月から2020年10月の間、iOSのFortniteアプリユーザーからEpicへ直接支払いによって集めた1,220万ドルの30%と、それ以降に集めた収益の30%を支払わなければならない。これはEpicがAppleに支払うとされている約400万ドルに相当する。

Appleは企業(この場合はEpic)がその契約条件に違反した場合、この契約を解除する権利を有している。判事はEpicがFortniteのホットフィックス(訳注:緊急措置的なアップデート)を悪用することで、ユーザーがAppleを介さずにFortniteでアプリ内通貨を購入することができる『サイドローディング』を可能にしたこと、つまり2020年8月に訴訟のきっかけとなったすべての出来事が、Epic側の違反に基づくものであると判断した。

一方、Appleがこの契約を終了させることで、Epicが「Unreal Engine」の利用を妨げる可能性が出てきている。この開発エンジンは多くのゲーム開発者が互換性のあるiOSゲームを作るために使用している。つまり判決のこの部分はEpicとそのUnreal Engine、そしてその顧客にとって壊滅的なものとなる可能性があるのだ。加えて、AppleがApp StoreからFortniteをブロックできる理由もあるかもしれない。

次につづく:Epicが勝ち取ったもの

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Epic Games vs Apple:Appleが勝ち得たもの(3)

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(前回からのつづき)ゴンザレス・ロジャース判事は、Appleはデジタルモバイルゲーム市場において、連邦または州の独占禁止(反トラスト)法に基づく独占権を有していないと判断した。Epic Gamesがこの主張で判事を説得できなかったため、独占禁止法に基づく救済措置の多くも失敗に終わったと判事は述べている。 同判事は、独占禁止法の評価における関連市場はゲーム一般ではなくデジタルモバイルゲーム市場であり…

Above: Epic’s argument about its antitrust case. Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)ゴンザレス・ロジャース判事は、Appleはデジタルモバイルゲーム市場において、連邦または州の独占禁止(反トラスト)法に基づく独占権を有していないと判断した。Epic Gamesがこの主張で判事を説得できなかったため、独占禁止法に基づく救済措置の多くも失敗に終わったと判事は述べている。

同判事は、独占禁止法の評価における関連市場はゲーム一般ではなくデジタルモバイルゲーム市場であり、またApp Storeに関連するApple自身の内部オペレーティングシステムでないとも判断した。同氏はデジタル・モバイル・ゲームは年間1,000億ドル規模の市場であると指摘している。

リサーチ会社のSensor Towerは、Appleのストアに対する消費者全体の利用が2020年に723億ドルに達し、同社が217億ドルの手数料を取得していると試算している。特にモバイルゲームへの支出は476億ドルで、Appleはここから147億ドルの手数料を取っている。

関連市場の分析を行うにあたり判事は「誰にもライセンスされていない、あるいは販売されていないもの(この場合はiOS)の市場があると主張するのは非論理的である」と述べ、Apple独自のOSは「Fore Market」ではないと判断した。

また同時に、Appleのスマートフォン市場での世界シェアは15%に過ぎないと指摘している。市場の力は企業が堂々と価格を上げられるかどうかを決定する。AppleはApp Storeの手数料を値上げしていない。独占力は価格をコントロールしたり、競争を排除したりする力があるという点で異なるのだ。

市場シェアに関して独占力の閾値は一般的に65%以上のシェアがあり、最高裁判所において75%未満のシェアで当事者に対し独占力を認めたことはないと述べている。ライバルが市場への参入を禁じられているかどうかなど、独占禁止法の訴訟における証拠に基づいた例外はあるものの、Appleの売上シェアは55%、少なくとも直近の3年間では52%から57%の範囲にあると推定されている。また、実際のユーザー数ではAppleに比べてGoogleのシェアがはるかに大きいことも注目に値する。

それでも判事は市場の状態を調べる価値があると述べ、Appleが相当な市場シェアを持つことで実質的な市場支配力、または独占力を保有する危険性があると指摘している。しかし彼女は、どちらの当事者も裁判所の措置を正当化するような市場障壁の証拠を提示していないと判断したのだ。

またゴンザレス・ロジャース氏は、App Storeが「After Market」であるというEpicの主張も退けた。Epicは消費者がAppleに固定されているのはスイッチングコストが高いため、あるいはAndroidなどの他の種類のスマートフォンに移行するのが難しいからだと主張した。一方のAppleは消費者が製品に満足しているためにプラットフォーム間の切り替えが少なくなっているのだと主張し、Epicはこれに反論しなかった。

EpicはAppleの幹部が消費者を自社のプラットフォームに引き留めようとしたことを示唆する電子メールの証拠を提出している。しかし判事は「裁判所はこのメールをAppleが自社製品を差別化し、その過程で自社のプラットフォームを言わば象徴的なものにしようとしたものであって、悪意に基づいたものではないと判断した」としている。

次につづく:成功は違法なものではない

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Epic Games vs Apple:Appleに下された命令(2)

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(前回からのつづき)判事の命令は3カ月後に発効するが、Appleは控訴することができる。判決でゴンザレス・ロジャース氏は、Appleのようなマーケットプレイスが独自にその条件を設定できることを認めつつ、ゲーム開発企業がプレイヤーとコミュニケーションし、より良い条件に誘導することを禁じたルールは廃止するよう、Appleに指示したのだ。 Appleは、プレイヤーのセキュリティやプライバシーのリスクを軽…

(前回からのつづき)判事の命令は3カ月後に発効するが、Appleは控訴することができる。判決でゴンザレス・ロジャース氏は、Appleのようなマーケットプレイスが独自にその条件を設定できることを認めつつ、ゲーム開発企業がプレイヤーとコミュニケーションし、より良い条件に誘導することを禁じたルールは廃止するよう、Appleに指示したのだ。

Appleは、プレイヤーのセキュリティやプライバシーのリスクを軽減できるという理屈で、30%の手数料がかかる同社の決済システムを使用するよう開発者に指示する「アンチ・ステーリング」ポリシーを導入していた。判事はこれによってAppleは知的財産を収益化することができるとし、消費者がこのことに価値を見出しているという主張を裏付ける証拠があると指摘している。

Appleは例えばNordstromがMacy’sの店内で自社商品の価格を広告していないではないかと主張していた。しかし判事はAppleが「ブラックボックス」を作り、異なる場所でより競争力のある価格設定について開示しないよう強要したと述べている。

一方、判事はAppleのセキュリティに関する主張は開発者を囲い込むための正当な理由であり、競争を妨げるための単なる口実ではないと判断している。これについてEpic側も、Appleが優れたセキュリティ対策を行っている企業を認証する「エンタープライズモデル」または「公証モデル」を取得しており、セキュリティが妥当であるという主張を認めている。

この差し止め命令によりAppleは、プレイヤーを代替決済に誘導する外部リンクもしくはその他の行動喚起を開発者に禁止することが恒久的に停止されることとなる。ゴンザレス・ロジャース判事は次のように判決を下した。

「異議があった制約問題とAppleの正当性の有無を鑑みたところ、競争を不当に制限して消費者に損害を与えるAppleの行為には共通点が見出せる。すなわち、消費者がより安い価格を見つけたり、顧客サービスを向上させたり、購入に関する選択肢を見つけたりすることに影響を与えるポリシーについて、これに関する情報と透明性が欠如していると考えられる」。

判事はAppleがこれらのポリシーを利用することで、利益率の高いゲーム業界から高い手数料を引き出すことができるとも指摘した。アンチ・ステアリング・ルールは消費者が開発者から、彼らのウェブサイトでより安い価格があるかもしれないと知ることを阻止しているのだ。

次につづく:Appleが勝ち得たもの

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Epic Games vs Apple:Epicに有利な判決(1)

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連邦判事は本日(原文掲載日は9月10日)、Epic Gamesが提訴したAppleの独占禁止法(反トラスト法)における訴訟の判決においてAppleに規約を変更し、開発者がアプリ内で代替決済システムを使用できるようにすることを命じた。 この差し止め命令により、ゲームやアプリのメーカーは、Appleが10年以上にわたってApp Storeに課している30%の手数料を回避することができるようになった。こ…

Epic GamesはAppleを悪役とした「Free Fortnite Cup」を開始した/Image Credit: Epic Games

連邦判事は本日(原文掲載日は9月10日)、Epic Gamesが提訴したAppleの独占禁止法(反トラスト法)における訴訟の判決においてAppleに規約を変更し、開発者がアプリ内で代替決済システムを使用できるようにすることを命じた。

この差し止め命令により、ゲームやアプリのメーカーは、Appleが10年以上にわたってApp Storeに課している30%の手数料を回避することができるようになった。この手数料はAppleに年間数十億ドルをもたらしている。

カリフォルニア州オークランドにある米国地方裁判所のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース判事による判決文は185ページにも及んだ。彼女はAppleがカリフォルニア州の独占禁止法に違反しているという判決を下している。しかしこの複雑な独占禁止法の訴訟において、他の重要な項目についてはAppleを支持する判決が下されている。

例えば、EpicがFortniteのプレイヤーに対して代替可能な決済を用意したことに起因する、契約違反の申し立てについてはAppleを支持している。2020年8月、EpicはFortniteを「ホットフィックス(訳註:緊急措置的な修復更新)」という方法でアップデートし、ウェブでの支払いを可能にしてしまった。これによりAppleはFortniteをApp Storeから削除し、Epicは不正競争防止法に基づく訴訟を起こしたのだ。

同様の対立はGoogleとの間でも起こり、EpicのGoogleに対する独占禁止訴訟は現在も係争中となっている。EpicとAppleは、900以上の証拠品とEpic GamesのCEOであるTim Sweeney氏やAppleのCEOであるTim Cook氏などの証言をもとに、16日間の裁判で判事に主張を行った。

この事件はプラットフォームの所有者と強力なゲーム会社という、重要な対立であり、巨大なハイテク企業やゲーム会社がひしめき合う時代に、関与と競争のルールを決める可能性があるということで注目されていた。

とにかく大金がかかっているのだ。

2008年にAppleがApp Storeを立ち上げた際、アプリ内課金に対して30%の手数料を設定した。Appleは、App StoreとiPhoneへの投資を引き合いにこの手数料を得ていたわけだが、Epicはこの手数料が事実上、ゲーム業界から何十億ドルも吸い上げる税金となっており、削減されるべきであると主張したのだ。ちなみにEpicの自社ストアであるEpic Games Storeでは、12%の手数料を取っている。Appleはこの手数料が継続的な運営コストのために必要だと考えているのだが、Epicは裁判でAppleが手数料から多くの利益を得ているという証拠を提示している。これに対しAppleは、実際の利益は計算できないとした。そして裁判所はそれを信用できないと判断したのだ。

裁判官はEpic側の専門家であるNed Barnes氏が、AppleのApp Storeにおける営業利益率が75%以上であると試算したことを指摘している。EpicはAppleの手数料は、自動車ディーラーが車の販売時に手数料を取り、誰かが車にガソリンを入れるたびにさらに手数料を取るようなものだと主張している。

次につづく:Appleに下された命令

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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