本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします
アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。
ポッドキャストで語られたこと
説明コストという課題どう乗り越える
唐澤:何か結構苦労は無かったんですか?こういう新しいことをやろうと思うと理解されないとか、結構苦労もあるように思いますが。
四方:そもそも僕らの収入源にはスポンサーシップとかが多いです。分かりやすいのは今までの形で寄付とかスポンサーですが、トークンとなった瞬間、全然分からない人がいるわけですよ。
クラウドファンディングでも「よく分からないしクレジットカードとか嫌だし」という人もいる中で、じわじわとその分母が減っていくわけですよね。だから説明コスト・コミュニケーションコストみたいなのがかかりすぎたり、そもそもパイが小さかったりします。
一方でトークンだから買うっていう人もいるので、これはメリットでもあるんですけど。自分たちでトークンを売るキャンペーンをやろうとすると、エンドのお客さんを説得するのも大変だし、なんならうちの営業スタッフが喋りきれないと。
唐澤:「何ですかそれ」って言われたときに「ぐぬぬ」ってなっちゃうと。
四方:「ぐぬぬ」となってしまいがちなので、一応一問一答的に教育はするものの、根本から理解しないといけなくて。
うちの若手セールスマンが、そこまで理解してないスポンサーシップの商品のセールスシートをお客さんに見せた時に、お客さん側が理解して「そういうことね」と。なんならうちの若手がご指導いただくというパターンもあったりするわけですよ。でもそうならないので、セールスマンがかなり理解しなきゃいけない。これは結構ハードル高くて、クラブ内社員のメンバーたちさえも啓蒙していかなきゃいけない。
唐澤:そのコミュニケーションコストが相当あるということですね。今は割とみなさん結構理解が進んでいるんですか?
四方:少しずつ理解をしています。トークンを売り始めてから1年以上経ちますし、社内セミナーをやったり、いろんな事例を見せたり、本人自身にも買ってもらって、ストックオプションじゃないけどそういうような形で当事者になってもらったり、他のチームのトークンも買って比較をさせたり。
唐澤:当時やるとなった時に、反対意見とかあったんですか。
四方:そんなに反対はなかったんですけど、ずっとファンエンゲージメントをしてコミュニティマネジメントしたりとかはコストがかかりすぎるんじゃないかとか、そういうリスクの話はありましたけど、比較検討した結果やった方がメリットがあるという話になりました。
唐澤:実際やられてみて、ファンのエンゲージメント度合いは結構上がったんですか?なかなか測るのは難しいかもしれないですけど。
四方:測るのは難しいんですけど、フィナンシェのアプリの中でコミュニティがあって、そこでユーザー同士のやり取りもあるんですよね。ユーザーが勝手に試合中継を文字でしてくれてたり、鎌倉のスタジアムの周りのお店情報を勝手にあげてくれたりとか。それってTwitterとかにもあったんですけど、ここに行けば見れるという一つのサイバー空間・コミュニティがそこに存在しているので、これは大きいなと思います。
唐澤:試合とかトークンの値動きとか特典とかだけじゃなくて、結構遊びがあるというか、ある意味広いですよね。鎌倉という場所に行ったときの飲食店ってもうチーム関係ないじゃないすか。そういうコンテンツでコミュニティが盛り上がってるっていうことですよね。
次につづく:トークンがもたらしたファンとの新たな繋がり
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