OpenAI、プラグイン追加でChatGPTを一夜にしてプラットフォーム化ーーExpediaプラグインで即席の旅行予約アシスタントに

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OpenAIは本日、ChatGPTの新しいサードパーティプラグインのサポートを発表し、同社のプラットフォームの可能性について、すでにTwitter上で話題になっている。同社はブログで、プラグインは「安全性を核とした言語モデル専用に設計されたツールで、ChatGPTが最新の情報にアクセスしたり、計算を実行したり、サードパーティーのサービスを利用するのに役立つ 」と説明している。

OpenAIの支配が加速する

この発表は、ChatGPTを開発者向けプラットフォームにすることでさらに優位に立とうとするOpenAIの野心の表れとして、世間に早くも受け止められた。

「OpenAIはChatGPTをプラットフォームとして見ている」とFellow AIの共同創業者、Marco Mascorro氏はTwitterで反応し、また、AI関連の情報を配信するTwitterアカウント @gregmushen は「ChatGPTへのプラグイン導入はApp Storeにとって脅威だ。新しいマネタイズ方法を持つ新しいプラットフォームが誕生する」ともツイートしている。この発表を伝えるにあたり、OpenAI CEOのSam Altman氏は次のようにツイートして次のようにコメントした。

「ChatGPTプラグインの展開を開始します。プラグインをインストールすることで、様々なタスクを支援することができます。開発者がどんなものを作るのか楽しみです」。

OpenAIとしては、ウェブへのブラウジングプラグインとコード実行プラグインを提供しているという。さらに検索プラグインのコードもオープンソース化したそうだ。これらのプラグインは「まだ非常に実験的なもの」としながらも、「この方向には何か素晴らしいものがあると思う、要望の多い機能だ」と続けた。

ChatGPTのプラグインはAIチャット開発の大きな節目となる

OpenAIは、同社のウェイティングリストから招待されたプラグイン開発者が、同社のドキュメントを使用してChatGPTのプラグインを構築できると発表している。最初のプラグインは、すでにExpedia、Instacart、Kayak、OpenTable、Zapierなどの企業によって作成されている。

例えばExpediaによると、彼らの新しいプラグインは、ChatGPTユーザーの旅行計画をシンプルにしてくれるそうだ。Expediaの担当者にメールで尋ねたところ次のように回答してくれた。

「これまでChatGPTは何をするか、どこに泊まるかを特定することはできましたが、旅行者の買い物や予約をサポートすることはできませんでした」。

そこで旅行者がExpediaのプラグインを有効にすると、ChatGPTとの会話で作成した旅程に、Expeidaの旅行データ(航空券やホテル、バケーションレンタル、アクティビティ、レンタカーのリアルタイムの空き状況と価格など)を使って「命を吹き込む」ことができるようになったという。予約の準備が整うと、Expediaに送信され、ユーザーがサービスにログインすると自分の好みに合わせたオプションや、会員割引、ロイヤリティ特典などを確認することができるという。

今回のアップデートは、インターネットアクセスにおける「AIチャット」の発展において極めて大きなマイルストーンになるだろう。

ChatGPTはサービスを提供するだけでなく、開発者がユーザーの利益のために独自のプラグインを作成し、配布できるエコシステムを構築したのだ。これは、AppleのApp Storeが、サードパーティーのアプリをデバイス上で繁栄させることによって、モバイル業界に革命を起こしたのと似ている。ChatGPTのプラグイン機能は、将来的にAIチャットの新たな可能性と市場を切り開く可能性がある。

OpenAIはウェイティングリスト入りしているユーザーと開発者にプラグインのアルファアクセスを提供し「時間をかけて」より大規模なアクセスを展開する予定だそうだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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