カーボンクレジットで農家の収益と環境保護を同時に実現 by フェイガー/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

SHARE:

本稿はコーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースターが運営するオウンドメディア「01 Channel」からの転載記事。JAアクセラレーター第5期の採択選考会のレポートの一部として各社の紹介を掲載する

農業由来カーボンクレジットの生成・販売を手がけるのがフェイガーだ。特に農家の脱炭素の取り組みを評価し、カーボンクレジットを購入する企業に対して提供している。2022年創業で、インキュベイトファンドからシードラウンドの支援を受けている。PwCなどで脱炭素などをテーマにコンサルティングを手掛けた石崎貴紘氏は、この領域の課題を次のように語る。

「環境対策には多くの費用がかかります。この課題に対して、カーボンクレジットを通じて大企業に投資してもらうことで、持続可能な形を実現します」

フェイガーでは農業における水田の中干し延長や牛のゲップ抑制など、脱炭素の取り組みを推進し、それらを記録。これらの取り組みをプロジェクトデベロッパーとして、国内/国際認証機関の承認を受けた農業由来の炭素クレジット化することで企業に販売し、同時に取り組みを行った農家に還元することで収益化もサポートしている。

石崎氏は同社の強みを次のように語る。

「生産者との協力を含むプロダクトの開発です。これはコンセプトとしては受け入れられやすいものの、手間がかかる点がポイントです。しかし、生産者様やJA様の手間を、当社のプロダクトを通して削減することで、この問題を解決しています」。

同社ではこのような取り組みが評価され、今年は1,000ヘクタール以上、来年は1万ヘクタールほどの範囲で活動する予定とした。また石崎氏は地域との連携も重要と語る。

「地域性や自然由来の信頼性といった点が評価されています。特に地域性の要素が重要です。クレジットを通じて生産者と関連し、地域への貢献が同時に行えるのです。生産者のオペレーションまで考慮しており、そこが評価され選ばれています。全体で9人のチームで取り組んでおり、終了時の目標としてはマニュアル化とシステムの完成、対象農地の拡大を目指しています」。

次につづく:農業資源にデザイン要素を「枝もの定期便」が供給不足のヒットに by TRINUS/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する