本稿はコーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースターが運営するオウンドメディア「01 Channel」からの転載記事。JAアクセラレーター第5期の採択選考会のレポートの一部として各社の紹介を掲載する

病害虫AI診断サービスの開発を手掛けるのが2019年創業のミライ菜園だ。名古屋市に本社を置くスタートアップで、病害虫診断AI＆栽培SNSアプリ「SCIBAI（サイバイ）」を提供している。これはスマートフォンにアプリをインストールして写真を撮るだけで病害虫診断ができるもの。同社代表の畠山友史は「野菜の病気や害虫による被害は、最大収穫量の40%にも及ぶ」と語る。

「病気や害虫は予防が非常に重要であり、それはプロの農家にとっても困難な課題です。これは病害虫の発生条件が複雑であり、近年の気候変動の影響も大きいため、毎年発生の傾向が異なります。そこで、我々はAIアプリを開発し、農家が病害虫の予防に正確に取り組めるよう支援しています」。

今回紹介されたアプリは、各地の気象データと病害虫発生のビッグデータを用いて毎日予測を行い、ユーザーに通知する。病害虫の発生状況はマップ上で表示され、グラフを通じて分析することも可能になっている。ユーザーは目標達成率や関連する病気や害虫、他の病害虫の危険性の上昇状況を確認でき、また、地域ごとの発生状況も表示されるため、現地で流行している病害虫を把握することができる。病害虫情報のAI化と可視化により、農家の省力化や病害虫被害の大幅な軽減を目指す。畠山氏は現在、愛知県内のJAと共同で実証している内容を次のように語った。

「現在、愛知県内のJAと共同で実証中であり、約30人の農家がリアルタイムで毎日の情報を受け取っています。営農指導員からは病害虫が可視化され、以前使用していたフェロモントラップが不要になるなど、前向きなコメントをいただいています。また、キャベツ、ブロッコリー、大根などが対象作物となっており、これら作物の秋冬作産地での実証を拡大していく予定です」。

今回のプログラムにあたっては産地の特性やJAとの連携、導入戦略のサポートを求めていた。

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