吉野家の玉ねぎをパウダーにしてフードロスを削減 by ASTRA FOOD PLAN/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

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本稿はコーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースターが運営するオウンドメディア「01 Channel」からの転載記事。JAアクセラレーター第5期の採択選考会のレポートの一部として各社の紹介を掲載する

食品の粉末化によるフードロス削減の取り組みをしているのがASTRA FOOD PLANだ。過熱水蒸気による乾燥殺菌装置「過熱蒸煎機」と過熱蒸煎粉「ぐるりこ」や「ASTIM」の開発・販売を手掛ける埼玉県富士見市に本社を置くスタートアップ。2020年創業。

「私たちは創業3年目のフードテックベンチャーで、加熱殺菌乾燥装置という食品処理装置を開発しています。私たちのミッションは、フードロスの削減と有効活用です。通常のフードロスとは、製品が売れ残ったり、食べ残されたりすることを指します。しかし、私たちが取り組んでいるのは、製品の生産工程で発生している広範なロスです。例えば、野菜の端材や農作物の生産過程で発生しているロスなどがあります。実際には、通常のフードロスの4倍以上の量が捨てられています。私たちは、このロスを加熱殺菌乾燥によって粉末化し、保存期間が1年以上の新たな食品原料にする取り組みを行っています」。

こう語るのは選考会に臨んだ同社代表の加納千裕さん。父の加納勉氏もまた、食品を高温スチームで加熱殺菌することで、野菜や果物の風味や栄養価を損うことなくピューレ状の食品にする製品を製造販売する事業を手掛けた起業家でもある。最新の事例では牛丼チェーンの吉野家と開発を手掛けたポンパドールとの共同アップサイクル・プロジェクトを披露した。このプロジェクトでは玉ねぎ端材から作った玉ねぎパウダーを生み出している。

「実際の装置の動作は、吉野家と共同で行っているプロジェクトで使用される玉ねぎの端材を例に説明します。端材は細かく刻まれ、透明なホッパーから自動的に装置に供給されます。そこに約400℃の高温スチームと熱風が同時に入り、乾燥が行われます。乾燥が完了すると、軽くなったものだけが次のサイクルに進み、連続的に処理が行われます。この装置では野菜だけでなく、果物の皮なども菌数を抑制しながら処理することができます」。

ビジネスモデルは装置を販売することに加え、処理されたパウダーを買い取り販売することも含まれている。

次につづく:「家族で外食にいけない」をなくしたいーーアレルギー対応スイーツ開発のRelieFood/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

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