会話型AI開発のVoiceflow、1,500万米ドルを調達——450社の13万人が利用、時価総額は1億米ドル超に

カリフォルニアを拠点とし、会話型 AI 版の「Figma」の構築を目指すスタートアップ Voiceflow は15日、OpenView Venture Capital がリードした新たな資金調達ラウンドで1,500万米ドルを調達したと発表した。同社は、この資金で製品の機能を拡張し、より多くのチームがさまざまなユースケースをターゲットとした会話型 AI エージェントを構築できるようにするとしている。

この進展は、さまざまな分野の企業が会話型 AI アシスタントの導入を急ぎ、プロジェクトを加速させるための迅速なソリューションを探している中でに行われた。Voiceflow は、従来のプラットフォームの2倍のスピードで AI エージェントを構築することで、まさにそれを実現する。

同社は現在、Fortune 500 の数十社を含む450社から約13万人のユーザを獲得している。今回のラウンドで、同社の資金調達総額は3,500万米ドルに達し、評価額は50％増の1億500万米ドルに跳ね上がった。

会話型 AI エージェントのためのコラボレーションプラットフォーム

会話型 AI は時代のニーズではあるものの、こうした AI エージェントをビジネスアプリケーションやワークフローに組み込むことはかなり大変な作業だ。チームは、スプレッドシートや Word 文書で綿密に作業し、ビジネスニーズに従ってエージェントを設計してから、Google Dialogflow や IBM Watson のような開発者中心のプラットフォームを使って構築、テスト、本番稼動させなければならない。

しかし、このような作業は、特に大規模なチームにとっては、非常に時間がかかるものだ。さらに、このプロセスに関わるチームメンバー全員が、開発者中心のプラットフォームで働くスキルセットを持っているとは限らない。

そこで Voiceflow の出番となる。Figma のようなコラボレーティブプラットフォームを提供し、あらゆる規模や複雑な会話エージェントを設計、構築、テスト、配備するためのオールインワンのローコード環境をチームに提供する。

一度稼働すれば、100人もの異なるユーザが Voiceflow 上でリアルタイムで作業して高度なロジックを含む複雑な会話フローを設計し、共有可能で忠実度の高いプロトタイプを素早く作成してユーザ体験をテスト・改良し、最終的にエージェントを本番稼働させることを可能にする。また、既存の自然言語理解（NLU）プラットフォームや技術との連携も可能で、チームはコストのかかるベンダーの置き換えをすることなく、既存の会話型 AI 技術を使用することができるようになる。

AI エージェントを2倍速く提供

同社によると、あらゆるチャネルやユースケースに対応する AI エージェントを、市場の他のソリューションよりも2倍速く提供できるという。さらに、エージェントのレビューとテストにかかる時間をそれぞれ75％と50％削減できるとのことだ。

Voiceflow の創業者兼CEO Braden Ream 氏は VentureBeat の取材に対して次のように答えた。

現在、顧客は主にカスタマーサポートの自動化のための AI エージェントを構築に Voiceflow を利用していますが、自動化されたドライブスルーからアプリ内アシスタント、自動車エージェントまで、他にも多くのユースケースの可能性を見ています。

Voiceflow を差別化するのは、コラボレーション、プロフェッショナルでパワフルなエージェントデザインインターフェース、そしてテクノロジーにとらわれないアプローチです。

2018年の立ち上げ以来、Voiceflow は Amazon、JP Morgan、The Home Depot、Vodafone、State Farm、BMW を含む450のグローバル企業から13万人のユーザを獲得した。昨年、同社の企業収益はほぼ3倍になり、現在ではマージンは80％を超えていると Ream 氏は述べた。