AIデータ品質保証のTestWorksが5.5億円、アラウンドビューのAceviewが4.4億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月14~18日)

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Image credit: Aceview

8月14日~8月18日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは4件で、資金総額は103億ウォン(約11億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • TestWorks(테스트웍스)が50億ウォン(約5.5億円)を調達した。AI データ収集、ラベリング、品質保証などのワンストップサービスを提供。自動運転データの加工、検証ノウハウを保有している。調達した資金で、AI データライフサイクルオールインワンソリューションの高度化と車両用半導体チップを含む AI 半導体/埋込ソフトウェア品質検証および統合管理ソリューションの最適化に注力する。
  • モビリティ AVM(車両位置自動表示システム)ソリューション企業 Aceview(에이스뷰)が40億ウォン(約4.4億円)を調達した。高速走行中でもドローンビュー画面をリアルタイムで実装可能な動画コーデック源泉技術を独自開発して事故予防を支援している。ソリューションはバス、トラック、宅配便、軍用車両などに搭載可能。2025年に KOSDAQ への上場に挑戦する計画だ。

トレンド分析

黒字で収益性を証明したスタートアップは?

資金調達の冬を経験して現れた大きな変化の一つは、成長よりは収益に注力するスタートアップが増加したということだ。成長に焦点を合わせて規模を拡大してきたユニコーン予備軍も資金が底をついたり調達が難し区なっており、強力なリストラ、新事業の縮小、マーケティングの縮小など多様な方法をで財務基盤の安定化に乗り出している。

このような戦略に最近、複数のスタートアップが黒字転換、売上成長のニュースを伝えている。主にユニコーン予備軍と呼ばれていた B2C プラットフォーム企業だ。これまで B2C プラットフォームは大きな市場規模にともなう高い成長率から、赤字にもかかわらず、大規模な資金調達に成功してきた。最近では、投資家が収益性を問うことで、投資があまり行われていない分野でもある。

特に投資好況期に多くの資金を確保したファッションプラットフォームは、追加投資のために成果を証明したり、生き残るために黒字転換したりするのが切実だった。先日、Ably(에이블리)Brandi(브랜디)などが黒字化したとのニュースを伝えたが、今後さらに多くのファッションプラットフォームが黒字化したとのニュースも期待されている。また、コロナ禍で経営危機に瀕していた myRealTrip(마이리얼트립)も今年黒字を確信しており、名刺アプリの Drama & Company(드라마앤컴퍼니)も利益を出せる段階に突入したとして黒字化のニュースを伝えた。

設立日が最近であればあるほど、急速に黒字を達成する企業が出てきている。保守的になった投資家がアーリースタートアップにも収益性の証明を要求しているためだ。40〜50代向けのファッションプラットフォーム「RapportLabs(라포랩스)」も設立から4年足らずで収益性を証明し、今後、資金調達で有利な位置に立つこととなった。

資金調達の冬はスタートアップに厳しい状況を作ったが、同時にエコシステムの質的成長を引き出す機会を提供している。アーリーな段階から自生できる売上構造を作り、効率的な運営方式を導入しなければならないという考えを持ったスタートアップが増加するにつれ、より健全なエコシステムが組成されるとが期待される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

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