Starship Technologies、爆弾のデマでフードデリバリロボットの運用を一時停止

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Image credit: Starship Technologies

今週、オレゴン州立大学コーバリス・キャンパスで Starship Technologies の自動運転型フードデリバリサービスが停止されたことは、ロボットや無人車両を運用する企業にとって新たな課題である、日常生活に組み込まれることによる悪用や脅威の可能性を浮き彫りにした。

Starship は24日の午後、ソーシャルメディア上で学生が小型クーラーサイズのロボットの中に爆弾を隠したと主張したため、オレゴン州立大学キャンパス内でのロボット配送業務の停止を余儀なくされた。すぐに信憑性はないと判断されたものの、この脅迫により、近くの人々に緊急警報が送られた。

この事件を受けて、Starship の広報担当者は次のような声明を発表した。

オレゴン州立大学の学生がソーシャルメディアを通じて、同キャンパスにある Starship のロボットに関する爆破予告を行いました。この学生はその後、これは冗談でありいたずらであると述べていますが、Starship はサービスを一時停止しました。Starship にとって安全は最も重要なことであり、この調査中、警察および大学に協力しています。

広報担当者は、ロボットは25日の午後遅くには大学キャンパスでの使用を再開する予定だと付け加えた。VentureBeat も大学にコメントを求めている。

「追っての通知があるまで、すべてのロボットを避けるように」

午後3時20分(アメリカ東部時間)ごろ、「X(旧 Twitter)」とテキストメッセージで警報が発信された。

Starship のフードデリバリロボットに爆弾の脅威。ロボットを開けないでください。追って通知があるまで、すべてのロボットを避けてください。

Starship のように自動運転技術を導入している企業にとって、悪質なデマやいたずらはビジネスを行う上での不幸なコストになりかねない。ロボットがますます私たちの都市や生活に溶け込むようになるにつれ、悪意ある行為に対する回復力を確保することが最も重要になるだろう。

Starship Technologies は2018年4月、ヨーロッパとアメリカや学術キャンパスを対象とした大規模な商用自動運転配送サービスをローンチした。Starship は、主要な雇用主や大学の人々のニーズに応える自動配送に大きな可能性を見出していた。そのロボットは、注文された食品を配達したり、大規模なキャンパス内で他の商品を移動させたりすることができる。この市場は数十億米ドルの価値があり、パンデミックとともに成長すると予測されていた。

2021年1月までに、Starship はヨーロッパとアメリカの100の大学キャンパスに拡大する目標を掲げていた。このマイルストーンにより、同社は走行距離でトップの自動運転車スタートアップと肩を並べることになった。

形のあるハードウェアには、形のあるセキュリティが必要

Sodexo や DoorDash のようなフードプロバイダとの重要なパートナーシップにより、Starship は大学や企業の拠点で迅速に規模を拡大することができた。

もしあなたが新しい自動運転型のサービスを検討している経営者なら、新たな脅威に対する明確な危機対応計画が必要であることを教訓として挙げることができる。警察との間でプロトコルを確立しておくことで、デマの際にも慎重な対応が可能になる。

社会的信頼の維持もまた、最優先事項でなければならない。そのためには、企業が安全性と倫理をテクノロジーロードマップの中心に据えることから始めなければならない。もちろん、すべての脅威が恐怖や素朴さから生まれるわけではない。自動運転プラットフォームが拡大するにつれ、企業は本物の犯罪者やテロリストの悪用から守らなければならない。

悪意のある悪用の可能性があるため、ドローンやロボットタクシーのような新しい技術が導入される際には、経営幹部がそのリスクを積極的に監視する必要がある。これには、可能性のある脅威に対するシステムのレッドチーム化と日常的なストレステストが含まれる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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