スクエニも支援するオーストリアのAtlas、研究振興庁から450万米ドルの助成金を獲得——3D生成AIの開発加速

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Atlas が創造した未来都市
Image Credit: Atlas

Atlas は、3D 生成 AI と3D アセット作成ツールの構築のため、オーストリア研究振興庁(FFG)から450万米ドルを調達した。

ウィーンを拠点とする Atlas は、この助成金により Atlas の研究開発イニシアチブが強化され、開発者が仮想世界やゲーム体験を創造する方法を変えるリーダーとしての地位が確固たるものになると述べている。同機関からのお墨付きは、3D 生成 AI の分野における Atlas の先駆的な取り組みを強調するものだ。

Atlas は以前、投資家から600万米ドルを調達し、AAA スタジオや次世代ゲームおよび没入型デザインの著名企業と戦略的に提携し、その中には Consortium9、Shrapnel、Square Enix も含まれると述べた。

Atlas の CEO Ben James最高経営責任者氏は声明で次のように述べている。

この助成金の受領は、Atlas の3D 生成 AI のイノベーションに対する信頼と信念を示すものであり、この分野への参加者としてだけでなく、リーダーでもあります。エキサイティングな前途を描きながら、私たちはテクノロジーと創造性が融合したときに何が可能かという限界を押し広げるために、絶え間ない努力を続けています。私たちの世界的な野心は、オーストリアのルーツによって実現したものであり、今回の資金提供は非常に光栄なことです。

Atlas によるブルータリズム建築の光景
Image Credit: Atlas

Atlas が FFG のアクセラレータに選ばれたのは、同社が新市場の創造や既存市場の破壊を可能にするインパクトの大きいイノベーションの最前線にいることを示している。助成金は、2024年の60万8,000米ドルを皮切りに、2025年に230万米ドル、2026年に160万米ドルと、マイルストーン達成を条件として3年間にわたって支払われる。

この資金注入により、Atlas は2024年以降、広範な研究開発、新技術の導入、プロジェクトに取り組むことができるようになる。ゲーム環境が急速に進化する中、Atlas はリアルタイムで適応する高度にカスタマイズされたバーチャル体験を作り上げる能力をパートナーに提供したいと考えている。Atlas は、倫理的な AI の実践、パートナーのデータの完全性の確保、効率性の向上、3D ジェネレーティブ AI の視野の拡大に引き続き取り組んでいくと述べている。

この助成金の発表は、Atlas が2023年11月に6th Man Ventures(6MV)、Collab+Currency、Shrapnel 経由の A16z Scouting Fund などの業界大手から600万米ドルの資金調達ラウンドによってステルス状態から脱却したことに続くものだ。

Atlas は以前、欧州連合(EU)の「2020年の信頼できる AI に関するハイレベル専門家グループ」と連携し、AI 技術の構築に特化した助成金から資金を得ていた。EU が最近、AI 法を通じた規制を展開する中、今後3年間で450万米ドルを追加することで、透明性、説明責任、包括性を優先し、信頼できる AI の構築に向けたコミットメントが強化される。

Atlas は2021年に設立され、従業員数は11名。

同社はゲームに主眼を置いている。彼らが構築している技術はゲーム開発者向けだが、VFX、ブランド向け仮想世界、建築デザインなどでも使用例がある。

Atlas の創設者である James 氏は、アーキテクトとして働き始めたとき、新しいテクノロジーがデザインプロセスで果たす役割が限られていることにショックを受けた。

建築家としての彼の仕事は、AR でデザインを表現するマシンビジョンに重点を置いており、参照画像に基づいて3D モデルを生成することで、デザイナーの直感を補強できる方法でマシンビジョンと機械学習を結びつける機会を見出した。

当初、Atlas は建築に焦点を当てていたため、建築事務所や都市プランナーから興味を持たれていた。しかし、ゲーム開発者と話をした際、彼らは「我々は1つのゲームの中で、事務所が10年かけて設計するよりも多くの建築を設計していますが、建築家としての訓練は受けていません」と話した。これがピボットへのきっかけとなり、現在では Atlas は建物から景観、小道具に至るまで、幅広い環境アセットを生成している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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