「AI独立国家(Sovereign AI)」時代に備えよ|NVIDIA:Jensen Huang CEO インタビュー

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昨日(訳註:原文掲載日は現地時間で22日)、Nvidiaは2024年度第4四半期(2024年1月31日)の売上高を221億ドルと発表しウォール街の予想をあっさり上回った。生成AIの爆発的な成長により、収益は前年比265%増となった。

1993年にカリフォルニア州サンノゼのデニーズ・レストランで3人のエンジニアが始めた会社としては悪くない。

私がNvidiaに関する最初の記事を書いたのは1996年、同社がグラフィック・チップを「ウィンドウズ・アクセラレーター」として売り込んでいた頃だ。しかしこの物語はそれよりも早く、Huang(ファン)、Chris Malachowsky(クリス・マラコウスキー)、Curtis Priem(カーティス・プリーム)の3人が共有した「夢」から始まったのだ。

今日、同社の市場価値は1兆6,670億ドルを超え、Microsoft、Apple、Amazon、Googleと並ぶハイテク企業トップ5のひとつとなっている。

Nvidiaが決算を発表した後、私はJensen Huang CEOに対する5分間の短いインタビューに臨んだ。アナリストとの決算説明会でHuang CEOは、同社を前進させてきたトレンドについて次のように語っている。

「GPUによって根本的かつ劇的にスループットを向上させることができるのに、CPUの数を増やしてアップデートする理由はない」とHuang氏。GPUでコンピューティングを高速化し、エネルギー効率を向上させ、コストを劇的に改善することができる、と。

「そのスピードは非常に驚異的で、生成AIと呼ばれる業界全体の第二の転換を可能にしました。生成AIは、ソフトウェアの新たな可能性を切り開く新たなアプリケーションであり、これにより新しいタイプのソフトウェアが生み出されています。これは新しいコンピューティングの方法なのです。従来の汎用コンピューティングで生成AIはできません。そしてこれをさらに加速させる必要があるのです」(Huang氏)。

彼はまた「AI独立国家(Sovereign AI)」という概念を繰り返した。これは、国がユーザーのデータを保護し、企業が従業員のデータを保護する「AI独立国の誕生」を意味し、大規模な言語モデルはその安全性のために国や企業の国境内に収められることになるだろう、という概念だ。

「私たちは今、AIの生成に関わる新しいタイプのデータセンター「AI生成工場」を手に入れました。私がAI工場と表現しているものを聞いたことがあると思います。基本的には、データという原材料を受け取り、それをこれらのAIスーパーコンピュータとNvidiaが構築したもので変換し、信じられないほど価値のあるトークンに変える。これらのトークンは、Midjourneyのような生成AIプラットフォームで人々が体験するものになるのです」(Huang氏)。

我々は、AI独立国家、ゲーム業界のレイオフ、インテル・ファウンドリー事業、そして中国におけるビジネスチャンスについて彼に尋ねることにした。以下はインタビューの一問一答になる。

Denny’sのCEO、Kelli Valade(ケリー・ヴァレード)氏とNvidia CEOのJensen Huang氏。ここがNvidia創業の地だ。(Jensen Huang returns to Denny’s where trillion-dollar company began

VentureBeat: あなたが主張する「AI独立国家」という概念について質問があります。(提唱されるように)世界中にセキュアなコンピューティングがあるとして、なぜAIのデータセンターはすべての国のように、領土的でなければならないのでしょうか?

Huang:いい質問ですね。その理由はAIの原材料、AIを生み出すもの、つまりAIの原材料はデータであることに人々が気づき始めたからです。データは彼らのものです。そしてそれは彼らの所有物なのです。

他人がやってきて、あなたのインターネットをかき集め、履歴やデータを持ち出す理由はどこにもありません。そして、その多くはまだ「図書室」に保管されているわけです。私たちの国の場合であれば国会図書館ですし他の場合は国立図書館になるわけです。それらはデジタル化されているが、インターネット上には公開されていません。

そして、人々は自分たちのデータを使って自分たちのAIを作り、原材料を自分たちの国のために、自分たちの国によって価値あるものに変えなければならないことに気づき始めているのです。そのため、これから多くのことが起こるでしょう。そしてほとんどすべての国がこれ(訳註:AI独立国家)を主張するようになるでしょう。そしてそのためのインフラを構築するはずです。もちろん、インフラはハードウェアです。当然ながらAIに使うデータを輸出したいとは思わないでしょう。

VentureBeat: 興味深いですね。では次の質問です。あなたは同時に2つの異なる事業を見ているはずです。AIが非常に好調である一方、ゲーム事業はあなた方にとって大切なものですが、昨年は非常に厳しい年でした。このコントラストをどのように受け止めていますか?ゲーム業界では昨年1万人以上のレイオフがあり、今年もすでに6,000人が解雇されています。

Huang:何がその原動力になっているのかはわかりません。しかし、ゲーム事業が20%近く成長したことは事実です。ゲーム事業は成長しました。一方で私は、ゲームは再発明する必要があると考えています。そして、私たちが本当に改革が必要だと考えている分野のひとつが、ゲームにAIを加えることです。

私たちが革新的な取り組みをしている分野のひとつが、ACEと呼ばれるアバター・クラウド・エンジンです。大規模な言語モデルから抽出した小さな言語モデルとデジタルアバターを組み合わせることで、歴史やストーリーの文脈を理解し、実際に私たちと対話することができる、実に興味深いキャラクターが誕生します。彼らは視覚を持ち、お互いを見ることができ、私たちを見ることができ、私たちと対話することができるのです。

彼らの動きはアニメーション化され、完全にAIによって生成されます。とても自然ですよ。私はコンテンツがより良くなることで、より面白くなると信じています。その一方で制作費は安くなるわけです。(AIによる)多言語、音声生成、テキスト生成。

もちろん、キャラクターのアニメーションは完全にAIが手がけることになるでしょう。顔のアニメーションは完全にAIが動かすことになるし、テクスチャの生成も完全にAIがやる。そのため、ゲームの制作コストは今後数年間で大幅に低下するはずです。その上でコンテンツの質も上がっていくことを期待しています。

Nvidia GeForce RTX 4070 Ti Super partner cards

VentureBeat: インテルは今日、ファウンドリ・ビジネスに関する大きなイベントを開催しました。インテル・ファウンドリーの活用を期待しているのでしょうか。

Huang:我々はオープンマインドです。評価し続けている。現在の計画はありません。しかし、それについては非常にオープンマインドです。我々はTSMCとSamsungを使っています。TSMCは非常に優れています。先進的で、機敏で、費用対効果が高い。TSMCはスケールアップが可能で、どこにでもありますから、競争は非常に激しいと思います。繰り返しになりますが、我々は非常にオープンマインドでもあります。SamsungやHuaweiとは緊密に連携しています。私たちは協力することに前向きです。

Nvidia本社 ボイジャーパークと遊歩道 – Gensler|Jason Park Photography

VentureBeat: あなたは「米国政府が中国市場向けデバイスの出荷を制限したがっている」と発言しています。Nvidiaは出荷を一時停止し、ソフトウェアハッキングができないように製品を再設定したが、それには時間がかかりました。現在Nvidiaでは、政府の制限の範囲内で再び中国向けにチップをサンプリングしています。そこでひとつお聞きしたいです。中国市場は復活しつつあるのか、また、中国に出荷可能なものについてNvidiaは米国政府と意見が一致しているのか

Huang:ええ、私たちはアメリカ政府と意見が一致しています。基本的に、米国政府が望んでいるのは、中国への最新技術のアクセスを制限することです。それでも彼らは、革新的なアメリカ企業である私たちがグローバルに成功することを望んでいます。絶対に、そしてグローバルに。だから、この2つの制限、この2つの柱の間で、私たちは規制を完全に遵守し、最高の製品を提供し、そしてできる限り市場に貢献していくつもりです。生成AIの需要は、中国でも他の地域と同様に大きいものがあります。需要は確実にあると思います。私たちは規制を遵守し、新製品を開発し、そしてまた戻って、できる限りベストを尽くすだけです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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