アジアファッションEC「60%」、デット含め4.6億円をシリーズA調達——海外販売開始、VERBAL氏がアドバイザー参画

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Image credit: Sixty Percent

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

アジアブランドの越境ファッション EC「60%」を運営するシックスティーパーセントは7日、シリーズ A ラウンドで4.6億円を調達したと明らかにした。このラウンドに参加したのは、KURONEKO Innovation Fund(ヤマトホールディングスとグローバル・ブレインが運営)、三菱 UFJ キャピタル、PE&HR、HAKOBUNE、フロンティアインターナショナル、アーティストの VERBAL 氏、名前非開示の個人投資家。金額には金融機関からのデットが含まれる。

これは、シックスティーパーセントにとって、2021年5月に明らかにしたプレシリーズ A ラウンドに続くものだ。KURONEKO Innovation Fund と三菱 UFJ キャピタルは前回ラウンドに続くフォローオンでの参加。今回ラウンドでの調達を受けて、シックスティーパーセントの累積調達額は約6.5億円に達した。

シックスティーパーセントの創業は2018年7月。アジアのストリートブランドを扱うマーケットプレイス型のオンラインセレクトストア「60%」を運営する。創業から5年で1,500以上のブランドが出店しており、取扱ブランドの数は、前回の調達時(2021年4月)から月間 GMV は約5倍以上に、取扱ブランド数は3倍以上、商品数は10万点にまで増えた。ブランドは日本初上陸のニッチなインディーズものが多く、他方、ユーザの9割は10代〜20代の Z 世代が占め、平均年齢は21歳くらいだという。

e コマースの強みの一つであるロングテール型だが、商品のバリエーションが多い分、自前在庫を抱えてしまうと経営を圧迫してしまう。60%はマーケットプレイス型であるため、直接販売するのはブランドだが、アジアから直接運送したのでは、税関手続が必要だったり、運送コストが高くついたりしてしまう。シックスティーパーセントが得意とするのは、テクノロジーに基づいて、ブランドとユーザの間に介在する形で、フルフィルメント、アグリゲーション、ロジスティクス、決済などを提供する。

創業者で CEO の真部大河氏によれば、プレシリーズ A ラウンドの調達が e コマース体験を成熟させることに重きを置いたのに対し、今後はマーケティングを強化する。また、現時点でも50カ国くらいののユーザからアクセス・購入があるそうで、まずは、香港や台湾など中華圏を皮切りに、アプリの多言語化・複数通貨決済対応・ロジスティクスの整備により、国際展開を始める。物流、税関手続、シッピングの最適化のため、出資者でもあるヤマトホールディングスの協力を得る可能性もあるという。

今回、個人投資家およびアドバイザーとして参画したアーティストの VERBAL 氏は、シックスティーパーセントのブランディングや事業展開におけるサポートを行う。また、シックスティーパーセントでは今回の調達を受けて、CxO候補、エンジニア、PdM、マーケティング、コンテンツ企画など全ポジションでの採用を強化する

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