医療従事者と患者の負担を軽減する病院向けDXサービス「MediOS」/Monthly Pitch! スタートアップの扉

SHARE:
川端一広さん

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載。毎月第2水曜日に開催される Monthly Pitch へのピッチ登壇をご希望の起業家の方、オーディエンス参加をご希望の起業家の方の応募はこちらから

サービス概要:患者と医療者が一緒に取り組む、病院向けDXサービス「MediOS」を提供するのはContreaです。MediOSは、これまでアナログで対応していた医療者の情報収集や患者への説明、同意取得といった医療機関と患者とのやりとりをセルフ化します。

例えば紙で問診票が作成される場合、患者の字が汚ければ医師が読み取れないといった問題があります。しかしMediOSならデジタルで作成されるのでその心配はありません。また問診前に問診票の内容を読み取って必要な情報を自動的に追加で患者に尋ねたり、電子カルテに数秒で連携するといったことも可能になります。

問診後の患者への説明時にイラストが必要な場合、これまでは医師が手書きで対応していましたが、患者に意図が伝わっているとは限りません。この点MediOSでは、アニメーションの動画を使うなどして、患者の理解を促します。また医師の説明は基本的に1回しかありませんが、動画なら何度でも見返せますし、家族に共有できるのも患者側のメリットとなるでしょう。手術などの同意をする際、場合によっては患者は10枚ほどの同意書に手書きでサインしていましたが、MediOSが医療機関に導入されていれば、患者はスマホ1つで、いつでもどこからでも簡単にサインできるようになります。


Monthly Pitch編集部はココに注目:様々な業界でタッチパネルやセルフレジなどの利用が進む昨今ですが、医療業界ではまだまだセルフ化が広まっているとは言えません。例えば医師が患者に診断結果を伝える際、手書きでイラストを描いたりしながら親切・丁寧に説明します。しかし手書きのイラストでは必ずしも患者は正しく理解できません。コミュニケーションミスが発生するだけならいざ知らず、中には術後に訴訟に発展してしまうケースもあるそうです。患者への説明を省略するわけにもいかず、多大な時間が掛けられています。説明前の情報収集や同意の取得などでも、アナログな業務が医療従事者の業務時間を圧迫してきました。

とはいえ、今や70歳代の高齢者でもスマホの所持率は83%に達しており、医療現場にも電子化の素地が整ってきました。ここにセルフ化の波を持ち込むべく奮闘しているのがMediOSです。なお、MediOSは医療業界で初めて電子署名法に準拠したサービスとなっています。サービスを利用したユーザーからは、単にセルフ化するだけではなくて、病気に対する理解度を上げて医師の説明に臨めるなどの好評価を得ているそうです。また導入した病院ではこれまで4人いた医師が3人で回るようになったり、看護師の生産性が2倍になった例もあるのだとか。こういった評価を受けて大学病院などをはじめとして、MediOSは導入数を増やしています。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する