BRIDGE

タグ CollisionConf

Collision 2019のピッチ・コンペティション、海藻由来プラスチックで環境負荷の無いストローを開発したLoliwareが優勝 #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 トロントでは、北米最大級スタートアップカンファレンス「Collision 2019」が開催されているが、このイベントの見所の一つでもあるピッチコンペティションが開かれ、海藻由来プラスチックを開発する Loliware が優勝した。 Collision の開催中、ピッチステージで合計60以上のスタートアップが登壇。そこから選ばれた14チーム…

左から:優勝した Loliware CEO の Chelsea Briganti 氏、プレゼンターの Collision Co-host の Sunil Sharma 氏、Engineer.ai の Sachin Dev Duggal 氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントでは、北米最大級スタートアップカンファレンス「Collision 2019」が開催されているが、このイベントの見所の一つでもあるピッチコンペティションが開かれ、海藻由来プラスチックを開発する Loliware が優勝した。

Collision の開催中、ピッチステージで合計60以上のスタートアップが登壇。そこから選ばれた14チームが、20人の投資家の前でピッチ。投資家らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価。セミファイナリスト(準優勝候補)として3チームが選ばれ、さらに3人の投資家と一般参加者(聴衆)の投票により優勝が決まった。

最終決勝の審査員は、

  • Renata Quintini 氏(ベンチャーパートナー 兼 EIR, Lux Capital)
  • Eric Paley 氏(共同創業者 兼 ジェネラルパートナー, Founder Collective)
  • Sachin Dev Duggal 氏(共同創業者 兼 CEO, Engineer.ai)
  • 一般参加者(聴衆)投票の結果

優勝した Loliware には賞金と Engineer.ai の利用権が贈られる。以下に優勝した Loliware と、惜しくも優勝は逃したがセミファイナリストに残った2チームを紹介する。

【優勝】Loliware


マイクロプラスチックによる海洋汚染問題が深刻化する中、ニューヨークを拠点とする Loliware はこれを海藻を使った使い捨てプラスチックで解決しようとしている。海藻は二酸化炭素隔離の効果もあることから、間接的には地球温暖化問題にも貢献できることになるのだ。

使用後には食べることもできる海藻プラスチックを使ったストロー「Lolistraw」のクラウドファンディングを昨年実施、3万米ドルの目標に対して5万米ドルを集め、環境問題に敏感な消費者の関心を集めた。今後はストローのみならず、あらゆる製品への導入を図りたいとしている。Mark Cuban 氏や Jeniffer Gilbert といった有名起業家/エンジェルから190万米ドルを調達済。

Korapay

Korapay は、カナダに拠点を置く決済ソリューションスタートアップだ。アフリカでは昨年だけでも、年間で450億米ドルもの資金をアフリカ人が受け取っているが、一方で、13億人いるアフリカ人のうち、6割に相当する8億人は金融サービスへのアクセスを持っていない。Korapay はこの問題をアプリを使って解決する。

例えばアメリカからアフリカに送金する場合、従来、送金手続が完了するまでに48時間かかっていたのが23分に、決済手数料は9%から1%に下げることができたという。処理スピードと手数料の安さが売り。アプリ上で、受け取ったお金をケータイ利用料に支払うなどの操作も可能。Techstars の支援を受けており、昨年 ICO で1,200万米ドルを調達

Spero Foods

ダイエットなどを目的として、植物由来の乳製品に挑戦するアメリカ人は50%に上るというが、その多くはは長続きしない。味がイマイチ、価格が高めになる、などの理由からだ。ロサンゼルス拠点の Spero Foods は、独自開発のバイオテクノロジーとソフトウェアを使って、動物性タンパク質に代わる製品「Chevre」を開発した。食感が良く低価格で、栄養成分やタンパク質も豊富だ。

食料問題に対して、動物を食用に犠牲にしなくて良くなるのに加え、より衛生状態の良い環境で食べ物を作り出すことができるという。Y Combinator の支援を受けており、昨年、プレシードラウンドで12万米ドルを調達している。創業者の Phaedra Randolph 氏は Facebook のエンジニア出身。

<関連記事>

----------[AD]----------

「Holoash」の岸慶紀氏、Collision 2019に〝駆け出しスタートアップ枠〟で選ばれ出展——AIの都で投資家やメディアからの評判も上々 #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。 Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がること…

Collision 2019 にブース出展中の Holoash 岸慶紀氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。

Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」というアプローチで、問題解決を試みるスタートアップ。

同社は認知科学に基づいたホログラフィックインタフェイス「Holoash」の開発を進めているが、その一つ手前のステップとして、キャラクタとのやりとりのみをメッセンジャーを使って行えるアプリ「Nao.(ナオ)」を iOSAndroid 用にローンチしている。ハードウェアを量産するまでは道のりが長いので、Nao. を足がかりに共感してくれる投資家や協力者を集め、Holoash につなげる狙いだ。

Collision への出展、国内より世界展開を優先したことから(岸氏曰く、この分野へは日本よりも欧米からの反響の方が高いそうだ)、Nao. が対応できるのは英語でのやりとりのみ。日本語の追加実装は、今後、1ヶ月程度を目途に進めるようだ。

Nao.
Image credit: Holoash

先の記事でも書いたように、トロント、ウォータールー、モントリオール周辺は人工知能や深層学習に強い土地柄で、この分野に強い投資家や分野特化型のメディアも多い。ブースを開設した今朝からは、データアナリティクスツールの MATLAB のメンバーが訪れたほか、投資家からの問い合わせやメディアからの取材が相次いでいるようだ。

岸氏はまた、Holoash がプレシードラウンドで Momentum の高頭博志氏から資金調達したことを明らかにしてくれた。高頭氏はクラウドファンディングサイト「Readyfor」の立ち上げメンバーとしても知られる人物だ。この資金を糧に、今年初めには、Amazon でエンジニアだった Shekhar Upadhaya 氏がデータサイエンティストとしてチームに加わっており、同社の技術開発の加速が期待される。

Holoash は昨年、Y Combinator の Startup School の参加対象に採択。また、Accenture HealthTech Innovation ChallengeHealth 2.0 Asia-Japan 2018 のピッチコンペティションMonozukuri Hardware Cup 2019 でファイナリストに選ばれた。これまでに、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。

Collision 2019 のブースエリア
Image credit: Masaru Ikeda
----------[AD]----------

WebSummitの北米版「Collision」がトロントで開幕、カナダ随一の都市は北米を担うスタートアップハブになれるのか? #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 21日、カナダ・オンタリオ州の州都で、同国随一の都市であるトロントで、スタートアップカンファレンス「Collision」がスタートした。毎年、リスボンに参加者約8万人を集める、世界最大のスタートアップカンファレンス WebSummit が北米版として開催するもので、香港で開催する RISE やインドで開催する Surge と並び、同社のフ…

前夜祭の基調インタビューに応じるカナダ首相の Justin Trudeau 氏。インタビュアーは、イラン出身でカナダで創業、世界最大のマルチプラットフォーム「BroadbandTV」を築いた Shahrzad Rafati 氏。
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

21日、カナダ・オンタリオ州の州都で、同国随一の都市であるトロントで、スタートアップカンファレンス「Collision」がスタートした。毎年、リスボンに参加者約8万人を集める、世界最大のスタートアップカンファレンス WebSummit が北米版として開催するもので、香港で開催する RISE やインドで開催する Surge と並び、同社のフラッグシップ的存在だ。

昨年まではアメリカ南部のニューオーリンズで開催されていた Collision だが、今年から拠点をトロントに移した。WebSummit が開催拠点をダブリン(アイルランド)からリスボン(ポルトガル)に移した際には、ポルトガル政府やリスボン市から相応の金銭的便宜が図られたことが明らかになっている。

今回、カナダ政府、オンタリオ州政府、トロント市などがそのような動きをしたのかは定かではない。ともあれ、オープニング前夜祭には、カナダ首相の Justin Trudeau 氏やトロント市長の John Tory 氏が登壇し、それぞれ、この国やこの街が持つスタートアップコミュニティの優位性、投資的価値、働く人々の多様性などをアピールしていた。

Image credit: Masaru Ikeda

今回、Collision が拠点をトロントに移す上で重要な役割を担ったのが、Techstars のマネージングディレクターで、トロントを拠点に活動する Sunil Sharma 氏の存在だ。WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏によれば、Collision をニューオーリンズからトロントに移すことを発表して以来、彼の元には世界中から「なぜ、アメリカからいなくなるの?」「サンフランシスコでやるべきだ」などの意見が多数寄せられたようだ。

しかし、Sharma 氏は数年も前から WebSummit を口説いていて、一方で、カナダ政府や地方自治体政府にも太いコネクションがあり、その種のロビー活動が功を奏して、今回、晴れてトロントで Collision が開催されることとなった。ニューオーリンズで開催されていた際には2万〜2万5,000人を集めていた Collision が、新たなホームでどれだけの投資家や起業家を魅了できるだろうか(ちなみに、前夜祭来場者数は速報値で3,000人とされている)。

<22日深夜1時更新> 主催者は、今回の Collision 2019 参加登録者を25,000人と発表。

カナダの起業家と共に、開会宣言を行うトロント市長の John Tory 氏(中央)。前列左は WebSummit CEO の Paddy Cosgrave 氏、前列右は Collision Co-host で Techstars Toronto マネージングディレクターの Sunil Sharma 氏
Image credit: Masaru Ikeda

トロントやモントリオールを中心としたカナダ東部は、AI スタートアップの聖地でもある。これは、ディープラーニングなど AI に必要な基礎技術が、トロント大学やモントリオール大学で生まれたことが大きく関与している。また、ウォータールー大学に代表される起業の街ウォータールーもトロントから車で1時間半程度。距離的には、シリコンバレーの北端であるサンフランシスコと、南端であるサンノゼの関係に近い。シリコンバレーになぞらえて、トロントとウォータールーを結ぶ401号線(オンタリオハイウェイ)を「トロント〜ウォータールーコリドール(回廊)」と呼ぶ人もいる。

<関連記事>

筆者が話を交わしてみた限り、ニューヨークやサンフランシスコからの参加者も多く、依然としてスピーカーや参加者のプレゼンスはアメリカの VC や 起業家らによって占められている。私見であるが、アメリカのスタートアップカンファレンスは、アメリカ国内市場に特化しているものが多い中、拠点をカナダに移したことで、よりグローバルな視点で、起業家のマインドセットやスタートアップ文化のうねりが広まっていることを期待したい。

本日から3日間にわたって、Collision の模様を現地トロントからお伝えする。

----------[AD]----------