タグ CollisionConf

北米テックカンファレンスCollision、地元トロント発カップルのための関係性向上アプリ「Couply」がピッチ優勝

SHARE:

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、一昨年からカナダ・トロントで開催されている。今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、4月21日(日本時間)から3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。主催者発表で141カ国から38,000人が参加、スタートアップ1,200社が参加した。 Collision の「…

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、一昨年からカナダ・トロントで開催されている。今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、4月21日(日本時間)から3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。主催者発表で141カ国から38,000人が参加、スタートアップ1,200社が参加した。

Collision の「PITCH」は、累積調達額300万米ドル以下のスタートアップにのみエントリが許される、〝駆け出しスタートアップ〟のためのピッチイベントだ。今年は予選の結果50社が PITCH に登壇し、地元トロントに拠点を置くカップルのための関係性向上アプリ「Couply」が優勝した。

本稿では優勝チームに準優勝の2チームを加えた3チームを紹介したい。審査員らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価した。

決勝ラウンドの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Byron Deeter 氏(Bessemer Venture Partners パートナー)
  • Ariel Garten 氏(Muse 共同創業者)
  • Julie Calla 氏(KPMG パートナー)
  • Matt Garratt 氏(Salesforce Ventures マネージングパートナー)

Couply by Couply(カナダ)

Couply は2019年、起業家の Denesh Raymond 氏と Tim Johnson 氏により共同創業。テクノロジーを使って人間関係を改善するカップル向けの無料アプリウィ開発した。カップルのコミュニケーション能力を向上させることで、摩擦や口論のリスクを軽減することを目的としている。この理解力の向上は、人間関係の将来性を高め、より深い感情的なつながりを生み出すのに役立つ。機能は以下の通り。

  • 性格診断クイズで、お互いの理解を深めることができる。
  • プロフィールの興味や、プレゼントやデートの履歴に基づいて、デートやプレゼントのアイデアを提供する。
  • 誕生日、記念日、その他の特別な日のためのリマインダー。

新しい出会いのためのアプリはたくさんある一方、共同創業者の2人は恋人と別れたことがきっかけで、今ある関係性を向上または改善させるアプリが多くないことに気付き、Couply の開発に至ったという。実はこの種のアプリはアジアでは以前から、韓国の VCNC が手がける Between が有名で、日本でも事業展開している

Dondo by Crowdswap(コロンビア)

物々交換の技術をデジタルの世界に持ち込んだ中古品マーケットプレイス「Dondo」は、南米版のメルカリと呼べるだろう。2人以上の間の物々交換を手配するマッチングアルゴリズムを用いることで、2人の間の相互契約を不要にする方法を見つけた。物々交換には何人でも参加することができ、それぞれが欲しいものを手に入れることができる。

コロンビア国立大学の2人の学生により2018年ローンチ。彼らは Dondo を世に出す前、公道にできた穴を撮影し、市当局にその危険性を通知し修繕を促すアプリ「HuecosMed」をローンチし、Y Combinator の Fellowship に参加していた。Dondo のユーザは12万人、1日あたりの出品数は最大5,000件、累積取引高は170万米ドルに達している。

Beat by SalesBeat(アメリカ)

SalesBeat は、「歴史が繰り返されることはなく、消費財の販売は過去のデータに左右されるべきではない」という考えに基づいて「Beat」を開発。このアプリは、営業チームに最適な注文量を推奨し、在庫切れの状況が発生する可能性を大幅に減らし、セールスコンバージョンを向上させる。

SalesBeat の AI を活用したセールスインテリジェンスアプリ「Beat」は、消費者の意思決定を集約し、新たな販売機会やリストをリアルタイムで表示し、効果的なセールスアクションを実現する。2019年に設立された SalesBeat は、最大で30%の収益増加が可能としている。

コロナ禍でオンライン開催となった北米テックカンファレンスCollision、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」がピッチ優勝

SHARE:

本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。 【26日朝8時更新】訂正線部を削除。 Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられ…

優勝したポーランド GlucoActive の CEO Robert Stachurski 氏

本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。

【26日朝8時更新】訂正線部を削除。

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。

ピッチコンペティション「PITCH」には世界中の1,000チーム超からエントリがあった。24〜26日(日本時間)にかけ、複数ラウンドに及ぶ審査がなされた結果、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」が優勝した。

本稿では優勝チームに準優勝の2チームを加えた3チームを紹介したい。審査員らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価した。

決勝ラウンドの審査員の皆さん。左端は、Co-host の Casey Lau 氏

決勝ラウンドの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Eric Hippeau 氏(Lerer Hippeau Ventures)
  • John Taht 氏(TD Bank)
  • Prashanth Chandrasekar 氏(Stack Overflow)
  • Stefan Heuser 氏(Hyundai Cradle)

GlucoActive(ポーランド)

世界保健機関(WHO)の推計によると、世界の糖尿病患者は4億2,200万人に上り、その数は増加の一途を辿っている。GlucoActive は非侵襲的で血糖値を測定可能なデバイスを開発。皮膚を透過しブドウ糖分子にのみ反応するレーザー光を使用することで、患者は痛みを伴わずに血糖値を調べることができる。

同社はこれまでにエンジェル投資家から少額の投資ラウンドを実施済。現在、ポーランド国内の糖尿病専門クリニックで、据え置き型1種類とウェアラブル可搬型2種類のデバイスを臨床試験中で、来年夏の販売開始を見込んでいる。

Sym(アメリカ)

Sym は、さまざまな業界のエンジニアがセキュリティやプライバシー要件に合わせた情報ワークフローを作成できるプラットフォームだ。GDPR(EU 一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者保護法)などのデータコンプライアンス規制に対応。

インテリジェントルーティング、マルチチャンネルサポート、エビデンス収集を特徴とし、ユーザは予めシステム上に用意されたワークフローをカスタマイズ可能、企業はワークフローのレビューや内部メンテナンスのための時間や手間を削減できる。

Orai(アメリカ)

Orai は、人前でも緊張せずにスピーチやプレゼンテーションできるよう支援する AI トレーニングアプリだ。ユーザはインタラクティブなレッスンと単語練習で、いつでもどこでもスピーチを録音して練習することができる。すぐにフィードバックが得られ、ゲーミフィケーションによリ、説得力のあるスピーチを明確に、自信を持って伝えるという最終目標に到達することが容易になる。

Orai は、フィラデルフィアのドレクセル大学の工学部に在籍した、英語を母国語としない複数の外国人学生によって設立されたスタートアップだ。自分たちのプレゼンテーションスキルを改善するために Orai を開発した。これまでにプレシードラウンドとシードラウンドを通じて Techstars などから230万米ドルを調達している。


なお、Collision の主催者であり、例年秋にポルトガル・リスボンでテックカンファレンスを開催している WebSummit は、新型コロナウイルスの影響で今年の開催が危ぶまれる中、今年の WebSummit を通常より約1ヶ月遅い12月2~4日に開催することをと発表した。ポルトガルをはじめヨーロッパでの新型コロナウイルスの収束状況を見て、10月に最終判断が決定される予定。

また、WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏 による記者会見では、WebSummit が香港で開催してきたテックカンファレンスRISEを、2021年に日本で開催することにも言及があった(香港情勢にかんがみ、今年の RISE は開催されていない)。Cosgrave 氏は昨年、大阪で開催された G20 の前には、EU コミッションのメンバーとして通称「HIRAI Pitch」で知られた IT 担当大臣(当時)の平井卓也氏と面会していた

Collision 2019のピッチ・コンペティション、海藻由来プラスチックで環境負荷の無いストローを開発したLoliwareが優勝 #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 トロントでは、北米最大級スタートアップカンファレンス「Collision 2019」が開催されているが、このイベントの見所の一つでもあるピッチコンペティションが開かれ、海藻由来プラスチックを開発する Loliware が優勝した。 Collision の開催中、ピッチステージで合計60以上のスタートアップが登壇。そこから選ばれた14チーム…

左から:優勝した Loliware CEO の Chelsea Briganti 氏、プレゼンターの Collision Co-host の Sunil Sharma 氏、Engineer.ai の Sachin Dev Duggal 氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントでは、北米最大級スタートアップカンファレンス「Collision 2019」が開催されているが、このイベントの見所の一つでもあるピッチコンペティションが開かれ、海藻由来プラスチックを開発する Loliware が優勝した。

Collision の開催中、ピッチステージで合計60以上のスタートアップが登壇。そこから選ばれた14チームが、20人の投資家の前でピッチ。投資家らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価。セミファイナリスト(準優勝候補)として3チームが選ばれ、さらに3人の投資家と一般参加者(聴衆)の投票により優勝が決まった。

最終決勝の審査員は、

  • Renata Quintini 氏(ベンチャーパートナー 兼 EIR, Lux Capital)
  • Eric Paley 氏(共同創業者 兼 ジェネラルパートナー, Founder Collective)
  • Sachin Dev Duggal 氏(共同創業者 兼 CEO, Engineer.ai)
  • 一般参加者(聴衆)投票の結果

優勝した Loliware には賞金と Engineer.ai の利用権が贈られる。以下に優勝した Loliware と、惜しくも優勝は逃したがセミファイナリストに残った2チームを紹介する。

【優勝】Loliware


マイクロプラスチックによる海洋汚染問題が深刻化する中、ニューヨークを拠点とする Loliware はこれを海藻を使った使い捨てプラスチックで解決しようとしている。海藻は二酸化炭素隔離の効果もあることから、間接的には地球温暖化問題にも貢献できることになるのだ。

使用後には食べることもできる海藻プラスチックを使ったストロー「Lolistraw」のクラウドファンディングを昨年実施、3万米ドルの目標に対して5万米ドルを集め、環境問題に敏感な消費者の関心を集めた。今後はストローのみならず、あらゆる製品への導入を図りたいとしている。Mark Cuban 氏や Jeniffer Gilbert といった有名起業家/エンジェルから190万米ドルを調達済。

Korapay

Korapay は、カナダに拠点を置く決済ソリューションスタートアップだ。アフリカでは昨年だけでも、年間で450億米ドルもの資金をアフリカ人が受け取っているが、一方で、13億人いるアフリカ人のうち、6割に相当する8億人は金融サービスへのアクセスを持っていない。Korapay はこの問題をアプリを使って解決する。

例えばアメリカからアフリカに送金する場合、従来、送金手続が完了するまでに48時間かかっていたのが23分に、決済手数料は9%から1%に下げることができたという。処理スピードと手数料の安さが売り。アプリ上で、受け取ったお金をケータイ利用料に支払うなどの操作も可能。Techstars の支援を受けており、昨年 ICO で1,200万米ドルを調達

Spero Foods

ダイエットなどを目的として、植物由来の乳製品に挑戦するアメリカ人は50%に上るというが、その多くはは長続きしない。味がイマイチ、価格が高めになる、などの理由からだ。ロサンゼルス拠点の Spero Foods は、独自開発のバイオテクノロジーとソフトウェアを使って、動物性タンパク質に代わる製品「Chevre」を開発した。食感が良く低価格で、栄養成分やタンパク質も豊富だ。

食料問題に対して、動物を食用に犠牲にしなくて良くなるのに加え、より衛生状態の良い環境で食べ物を作り出すことができるという。Y Combinator の支援を受けており、昨年、プレシードラウンドで12万米ドルを調達している。創業者の Phaedra Randolph 氏は Facebook のエンジニア出身。

<関連記事>

「Holoash」の岸慶紀氏、Collision 2019に〝駆け出しスタートアップ枠〟で選ばれ出展——AIの都で投資家やメディアからの評判も上々 #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。 Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がること…

Collision 2019 にブース出展中の Holoash 岸慶紀氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。

Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」というアプローチで、問題解決を試みるスタートアップ。

同社は認知科学に基づいたホログラフィックインタフェイス「Holoash」の開発を進めているが、その一つ手前のステップとして、キャラクタとのやりとりのみをメッセンジャーを使って行えるアプリ「Nao.(ナオ)」を iOSAndroid 用にローンチしている。ハードウェアを量産するまでは道のりが長いので、Nao. を足がかりに共感してくれる投資家や協力者を集め、Holoash につなげる狙いだ。

Collision への出展、国内より世界展開を優先したことから(岸氏曰く、この分野へは日本よりも欧米からの反響の方が高いそうだ)、Nao. が対応できるのは英語でのやりとりのみ。日本語の追加実装は、今後、1ヶ月程度を目途に進めるようだ。

Nao.
Image credit: Holoash

先の記事でも書いたように、トロント、ウォータールー、モントリオール周辺は人工知能や深層学習に強い土地柄で、この分野に強い投資家や分野特化型のメディアも多い。ブースを開設した今朝からは、データアナリティクスツールの MATLAB のメンバーが訪れたほか、投資家からの問い合わせやメディアからの取材が相次いでいるようだ。

岸氏はまた、Holoash がプレシードラウンドで Momentum の高頭博志氏から資金調達したことを明らかにしてくれた。高頭氏はクラウドファンディングサイト「Readyfor」の立ち上げメンバーとしても知られる人物だ。この資金を糧に、今年初めには、Amazon でエンジニアだった Shekhar Upadhaya 氏がデータサイエンティストとしてチームに加わっており、同社の技術開発の加速が期待される。

Holoash は昨年、Y Combinator の Startup School の参加対象に採択。また、Accenture HealthTech Innovation ChallengeHealth 2.0 Asia-Japan 2018 のピッチコンペティションMonozukuri Hardware Cup 2019 でファイナリストに選ばれた。これまでに、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。

Collision 2019 のブースエリア
Image credit: Masaru Ikeda

WebSummitの北米版「Collision」がトロントで開幕、カナダ随一の都市は北米を担うスタートアップハブになれるのか? #CollisionConf

SHARE:

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 21日、カナダ・オンタリオ州の州都で、同国随一の都市であるトロントで、スタートアップカンファレンス「Collision」がスタートした。毎年、リスボンに参加者約8万人を集める、世界最大のスタートアップカンファレンス WebSummit が北米版として開催するもので、香港で開催する RISE やインドで開催する Surge と並び、同社のフ…

前夜祭の基調インタビューに応じるカナダ首相の Justin Trudeau 氏。インタビュアーは、イラン出身でカナダで創業、世界最大のマルチプラットフォーム「BroadbandTV」を築いた Shahrzad Rafati 氏。
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

21日、カナダ・オンタリオ州の州都で、同国随一の都市であるトロントで、スタートアップカンファレンス「Collision」がスタートした。毎年、リスボンに参加者約8万人を集める、世界最大のスタートアップカンファレンス WebSummit が北米版として開催するもので、香港で開催する RISE やインドで開催する Surge と並び、同社のフラッグシップ的存在だ。

昨年まではアメリカ南部のニューオーリンズで開催されていた Collision だが、今年から拠点をトロントに移した。WebSummit が開催拠点をダブリン(アイルランド)からリスボン(ポルトガル)に移した際には、ポルトガル政府やリスボン市から相応の金銭的便宜が図られたことが明らかになっている。

今回、カナダ政府、オンタリオ州政府、トロント市などがそのような動きをしたのかは定かではない。ともあれ、オープニング前夜祭には、カナダ首相の Justin Trudeau 氏やトロント市長の John Tory 氏が登壇し、それぞれ、この国やこの街が持つスタートアップコミュニティの優位性、投資的価値、働く人々の多様性などをアピールしていた。

Image credit: Masaru Ikeda

今回、Collision が拠点をトロントに移す上で重要な役割を担ったのが、Techstars のマネージングディレクターで、トロントを拠点に活動する Sunil Sharma 氏の存在だ。WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏によれば、Collision をニューオーリンズからトロントに移すことを発表して以来、彼の元には世界中から「なぜ、アメリカからいなくなるの?」「サンフランシスコでやるべきだ」などの意見が多数寄せられたようだ。

しかし、Sharma 氏は数年も前から WebSummit を口説いていて、一方で、カナダ政府や地方自治体政府にも太いコネクションがあり、その種のロビー活動が功を奏して、今回、晴れてトロントで Collision が開催されることとなった。ニューオーリンズで開催されていた際には2万〜2万5,000人を集めていた Collision が、新たなホームでどれだけの投資家や起業家を魅了できるだろうか(ちなみに、前夜祭来場者数は速報値で3,000人とされている)。

<22日深夜1時更新> 主催者は、今回の Collision 2019 参加登録者を25,000人と発表。

カナダの起業家と共に、開会宣言を行うトロント市長の John Tory 氏(中央)。前列左は WebSummit CEO の Paddy Cosgrave 氏、前列右は Collision Co-host で Techstars Toronto マネージングディレクターの Sunil Sharma 氏
Image credit: Masaru Ikeda

トロントやモントリオールを中心としたカナダ東部は、AI スタートアップの聖地でもある。これは、ディープラーニングなど AI に必要な基礎技術が、トロント大学やモントリオール大学で生まれたことが大きく関与している。また、ウォータールー大学に代表される起業の街ウォータールーもトロントから車で1時間半程度。距離的には、シリコンバレーの北端であるサンフランシスコと、南端であるサンノゼの関係に近い。シリコンバレーになぞらえて、トロントとウォータールーを結ぶ401号線(オンタリオハイウェイ)を「トロント〜ウォータールーコリドール(回廊)」と呼ぶ人もいる。

<関連記事>

筆者が話を交わしてみた限り、ニューヨークやサンフランシスコからの参加者も多く、依然としてスピーカーや参加者のプレゼンスはアメリカの VC や 起業家らによって占められている。私見であるが、アメリカのスタートアップカンファレンスは、アメリカ国内市場に特化しているものが多い中、拠点をカナダに移したことで、よりグローバルな視点で、起業家のマインドセットやスタートアップ文化のうねりが広まっていることを期待したい。

本日から3日間にわたって、Collision の模様を現地トロントからお伝えする。