「Holoash」の岸慶紀氏、Collision 2019に〝駆け出しスタートアップ枠〟で選ばれ出展——AIの都で投資家やメディアからの評判も上々 #CollisionConf

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Collision 2019 にブース出展中の Holoash 岸慶紀氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。

Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」というアプローチで、問題解決を試みるスタートアップ。

同社は認知科学に基づいたホログラフィックインタフェイス「Holoash」の開発を進めているが、その一つ手前のステップとして、キャラクタとのやりとりのみをメッセンジャーを使って行えるアプリ「Nao.(ナオ)」を iOSAndroid 用にローンチしている。ハードウェアを量産するまでは道のりが長いので、Nao. を足がかりに共感してくれる投資家や協力者を集め、Holoash につなげる狙いだ。

Collision への出展、国内より世界展開を優先したことから(岸氏曰く、この分野へは日本よりも欧米からの反響の方が高いそうだ)、Nao. が対応できるのは英語でのやりとりのみ。日本語の追加実装は、今後、1ヶ月程度を目途に進めるようだ。

Nao.
Image credit: Holoash

先の記事でも書いたように、トロント、ウォータールー、モントリオール周辺は人工知能や深層学習に強い土地柄で、この分野に強い投資家や分野特化型のメディアも多い。ブースを開設した今朝からは、データアナリティクスツールの MATLAB のメンバーが訪れたほか、投資家からの問い合わせやメディアからの取材が相次いでいるようだ。

岸氏はまた、Holoash がプレシードラウンドで Momentum の高頭博志氏から資金調達したことを明らかにしてくれた。高頭氏はクラウドファンディングサイト「Readyfor」の立ち上げメンバーとしても知られる人物だ。この資金を糧に、今年初めには、Amazon でエンジニアだった Shekhar Upadhaya 氏がデータサイエンティストとしてチームに加わっており、同社の技術開発の加速が期待される。

Holoash は昨年、Y Combinator の Startup School の参加対象に採択。また、Accenture HealthTech Innovation ChallengeHealth 2.0 Asia-Japan 2018 のピッチコンペティションMonozukuri Hardware Cup 2019 でファイナリストに選ばれた。これまでに、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。

Collision 2019 のブースエリア
Image credit: Masaru Ikeda

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